
埼玉 八潮 道路陥没 トラックの運転席部分から遺体見つかる NHK 2025年5月2日 18時09分
男性1人が安否不明になっていた埼玉県八潮市の大規模な道路陥没で2日、下水道管の中の本格的な捜索が行われた結果、転落したトラックから1人が遺体で見つかりました。警察などは行方が分からなくなっていたトラックの運転手とみて確認を急ぐことにしています。
ことし1月に起きた八潮市の大規模な道路陥没では、トラックに乗っていて転落した74歳の男性の安否がわからず、埼玉県は下水道管の中で見つかった運転席部分の内部に取り残されているとみて捜索に向けた準備を進めてきました。
その結果、下水道管の水をう回させるバイパス工事などが終了し、1日、消防隊員らが初めて管の中に入った結果、運転席部分の内部に人と思われる姿があるのが確認され、管の中は2次災害の危険が低いこともわかりました。
そして2日朝、消防や警察などが本格的な捜索を行ったところ、運転席部分から1人が遺体で見つかり警察署に運ばれました。
警察などは行方が分からなくなっていたトラックの運転手とみて確認を急ぐことにしています。
一方、埼玉県は今後、運転席部分を引き上げ本格的な復旧に移る方針です。
専門家 “捜索は時間との戦いだったのでは”
今回の現場は管内に土砂や水がたまっていることに加え硫化水素が発生し、消防隊員たちが「二次災害」に遭う危険があったことから捜索が難航していました。
事故の発生からたびたび現場を訪ねている元消防士で危機管理防災アドバイザーの田中章さんは、2日朝の救助の様子を見て、隊員たちの装備に注目しました。
捜索活動に当たった隊員たちが着ていた防護服は極めて気密性が高いものだったということです。
一方、空気ボンベは20分ほどしかもたないため、隊員たちは短時間で交代しながら、捜索活動を進めていて厳しい時間との戦いだったのではないかと指摘しました。
自身もさまざまなレスキュー活動に携わった経験を持つ田中さんは「この3か月あまりの間、目の前に助けなければならない人がいるのに助けられない現実に、消防隊員たちもずっともどかしく、つらかったと思う。今回のような事故が二度と起こらないで欲しい」と話していました。
本格復旧は長期化の見通し 近所からは不安の声
転落したトラックの運転席部分から1人が遺体で見つかったことを受けて、現場近くにある会社の経営者からは捜索が終わったことに安どするとともに、長期化する見通しの本格復旧に向けて不安の声が聞かれました。
現場のすぐ近くで家具工場を経営する石井昇一さん(69)は男性が1日も早く見つかることを願って県が進める工事のために会社の駐車場を貸し出すなど協力を続けてきました。
2日朝も、現場近くで捜索活動を見守っていたということで、運転手とみられる男性の遺体が3か月以上たってようやく見つかったことについて安どの気持ちを示していました。
その上で、石井さんは本格的な復旧には5年から7年ほどかかるという見通しを県が示していることについて「下水道はわれわれも使うので引き続き協力していきたいですが、工場の前を通る道路が工事で使えず困っているので1日も早く通れるようになってほしいです」と話していました。
県が対策本部会議 大野知事ら黙とう 本格的な復旧へ
2日夕方開かれた対策本部会議で埼玉県の大野知事は「陥没に巻き込まれた運転手とみられた方が、お亡くなりになっていることが確認されました。亡くなった方に冥福をお祈り申し上げ、ご家族にお悔やみを申し上げる」と述べ、県職員や消防・警察関係者などとともに、黙とうしました。
県によりますと2日の捜索では消防と警察のべ45人が隊を入れ替えながら6回、管の中に入り、あわせて2時間14分活動にあたったということです。
会議の中で消防は捜索活動について「運転席部分が変形していたが、訓練をしていたのでスムーズにできたと思う」と話しました。
大野知事は「厳しい環境の中、救出活動に尽力いただいたすべての人に感謝を申し上げたい」と述べました。
埼玉県は今後、運転席部分を引き上げ本格的な復旧に移る方針です。
男性1人が安否不明になっていた埼玉県八潮市の大規模な道路陥没で2日、下水道管の中の本格的な捜索が行われた結果、転落したトラックから1人が遺体で見つかりました。警察などは行方が分からなくなっていたトラックの運転手とみて確認を急ぐことにしています。
ことし1月に起きた八潮市の大規模な道路陥没では、トラックに乗っていて転落した74歳の男性の安否がわからず、埼玉県は下水道管の中で見つかった運転席部分の内部に取り残されているとみて捜索に向けた準備を進めてきました。
その結果、下水道管の水をう回させるバイパス工事などが終了し、1日、消防隊員らが初めて管の中に入った結果、運転席部分の内部に人と思われる姿があるのが確認され、管の中は2次災害の危険が低いこともわかりました。
そして2日朝、消防や警察などが本格的な捜索を行ったところ、運転席部分から1人が遺体で見つかり警察署に運ばれました。
警察などは行方が分からなくなっていたトラックの運転手とみて確認を急ぐことにしています。
一方、埼玉県は今後、運転席部分を引き上げ本格的な復旧に移る方針です。
専門家 “捜索は時間との戦いだったのでは”
今回の現場は管内に土砂や水がたまっていることに加え硫化水素が発生し、消防隊員たちが「二次災害」に遭う危険があったことから捜索が難航していました。
事故の発生からたびたび現場を訪ねている元消防士で危機管理防災アドバイザーの田中章さんは、2日朝の救助の様子を見て、隊員たちの装備に注目しました。
捜索活動に当たった隊員たちが着ていた防護服は極めて気密性が高いものだったということです。
一方、空気ボンベは20分ほどしかもたないため、隊員たちは短時間で交代しながら、捜索活動を進めていて厳しい時間との戦いだったのではないかと指摘しました。
自身もさまざまなレスキュー活動に携わった経験を持つ田中さんは「この3か月あまりの間、目の前に助けなければならない人がいるのに助けられない現実に、消防隊員たちもずっともどかしく、つらかったと思う。今回のような事故が二度と起こらないで欲しい」と話していました。
本格復旧は長期化の見通し 近所からは不安の声
転落したトラックの運転席部分から1人が遺体で見つかったことを受けて、現場近くにある会社の経営者からは捜索が終わったことに安どするとともに、長期化する見通しの本格復旧に向けて不安の声が聞かれました。
現場のすぐ近くで家具工場を経営する石井昇一さん(69)は男性が1日も早く見つかることを願って県が進める工事のために会社の駐車場を貸し出すなど協力を続けてきました。
2日朝も、現場近くで捜索活動を見守っていたということで、運転手とみられる男性の遺体が3か月以上たってようやく見つかったことについて安どの気持ちを示していました。
その上で、石井さんは本格的な復旧には5年から7年ほどかかるという見通しを県が示していることについて「下水道はわれわれも使うので引き続き協力していきたいですが、工場の前を通る道路が工事で使えず困っているので1日も早く通れるようになってほしいです」と話していました。
県が対策本部会議 大野知事ら黙とう 本格的な復旧へ
2日夕方開かれた対策本部会議で埼玉県の大野知事は「陥没に巻き込まれた運転手とみられた方が、お亡くなりになっていることが確認されました。亡くなった方に冥福をお祈り申し上げ、ご家族にお悔やみを申し上げる」と述べ、県職員や消防・警察関係者などとともに、黙とうしました。
県によりますと2日の捜索では消防と警察のべ45人が隊を入れ替えながら6回、管の中に入り、あわせて2時間14分活動にあたったということです。
会議の中で消防は捜索活動について「運転席部分が変形していたが、訓練をしていたのでスムーズにできたと思う」と話しました。
大野知事は「厳しい環境の中、救出活動に尽力いただいたすべての人に感謝を申し上げたい」と述べました。
埼玉県は今後、運転席部分を引き上げ本格的な復旧に移る方針です。