STAP細胞「確信なくなった」
NHK 3月10日 21時04分
理化学研究所などのグループが発表した「STAP細胞」について、共同研究者の山梨大学教授が10日、NHKのインタビューに答え「研究データに重大な問題が見つかり、STAP細胞が存在するのか確信がなくなった」として論文の取り下げに同意するようほかの著者に呼びかけたことを明らかにしました。
「STAP細胞」は、神戸市にある理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーなどのグループが作製に成功したと科学雑誌「ネイチャー」に発表し、新たな万能細胞として注目を集めました。
しかし、そのあと論文に不自然な画像やデータがあると研究者からの指摘が相次ぎ、理化学研究所などが調査を進めています。
これについて、論文の共同著者の1人でSTAP細胞の万能性を調べる重要な実験を担当した若山照彦山梨大学教授が10日、NHKのインタビューに答えました。
この中で若山教授は「信じていた研究のデータに重大な問題が見つかり、STAP細胞が本当に出来たのかどうか確信がなくなった。論文はいったん取り下げたうえで、外部の人に検証してもらうべきだ」と述べたうえで、小保方さんを含む共同著者に論文の取り下げに同意するよう呼びかけたことを明らかにしました。
若山教授によりますと、STAP細胞が出来た重要な証拠の1つである特定の遺伝子の変化について、論文発表前、研究チーム内では「変化がある」と報告され、信じていましたが、先週、理化学研究所が発表した文書の中では、変化はなかったと変わっていたということです。
さらに、研究チーム内の会議に提出された過去のSTAP細胞関連の実験データを検証したところ、論文と同様に不自然な画像が見つかるなど重大な問題が複数見つかったということです。
若山教授は、論文を取り下げたうえで、外部の専門家に検証を依頼したいとしていて、保管している細胞のサンプルや当時の詳細な実験データなどを提供する用意があるとしています。
若山教授は「自分が担当した実験については正しいと信じているが、前提となるデータの信頼性に確信が持てなくなった。一体、何が起こったのか科学的に検証することが論文の著者としての責任だと考えている。何より私自身、真実が知りたい」と話しています。
「著者たちの判断待っている」
STAP細胞の作製を発表した小保方晴子研究ユニットリーダーなどが所属する神戸市の理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターは、「若山教授からセンターの研究者に、『論文を取り下げてはどうか』という話が来ていることは聞いている。現状は、論文の著者どうしがやり取りをしているところで、センターとしては著者たちの判断を待っている状態だ。論文を取り下げるかどうか、今はコメントできない」と話しています。
ある意味「偶然性が高い」ようにも考えられるSTAP細胞。
要するに、画期的な「発見」ではあったが、それを裏付けるための論拠に乏しく、公表するにあたっては、それこそ「つぎはぎ」だらけのデータや論評で取り繕っていたのかもしれない。
iPS細胞をしのぐインパクトの大きい「発見」だったが、このままでは偶然に起こっただけだったということになりかねない。
ま、一度論文については「棚上げ」して、更なる裏付け結果を足していくしかなかろう。
日本には今、次代を担える産業・業種がなかなか出現しない中、iPS細胞やSTAP細胞の出現により、バイオケミカル分野が俄然注目を浴びている。まさしく、将来の「成長戦略」の柱となりうる分野であるだけに、慎重に事を進めてもらいたい。
NHK 3月10日 21時04分
理化学研究所などのグループが発表した「STAP細胞」について、共同研究者の山梨大学教授が10日、NHKのインタビューに答え「研究データに重大な問題が見つかり、STAP細胞が存在するのか確信がなくなった」として論文の取り下げに同意するようほかの著者に呼びかけたことを明らかにしました。
「STAP細胞」は、神戸市にある理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーなどのグループが作製に成功したと科学雑誌「ネイチャー」に発表し、新たな万能細胞として注目を集めました。
しかし、そのあと論文に不自然な画像やデータがあると研究者からの指摘が相次ぎ、理化学研究所などが調査を進めています。
これについて、論文の共同著者の1人でSTAP細胞の万能性を調べる重要な実験を担当した若山照彦山梨大学教授が10日、NHKのインタビューに答えました。
この中で若山教授は「信じていた研究のデータに重大な問題が見つかり、STAP細胞が本当に出来たのかどうか確信がなくなった。論文はいったん取り下げたうえで、外部の人に検証してもらうべきだ」と述べたうえで、小保方さんを含む共同著者に論文の取り下げに同意するよう呼びかけたことを明らかにしました。
若山教授によりますと、STAP細胞が出来た重要な証拠の1つである特定の遺伝子の変化について、論文発表前、研究チーム内では「変化がある」と報告され、信じていましたが、先週、理化学研究所が発表した文書の中では、変化はなかったと変わっていたということです。
さらに、研究チーム内の会議に提出された過去のSTAP細胞関連の実験データを検証したところ、論文と同様に不自然な画像が見つかるなど重大な問題が複数見つかったということです。
若山教授は、論文を取り下げたうえで、外部の専門家に検証を依頼したいとしていて、保管している細胞のサンプルや当時の詳細な実験データなどを提供する用意があるとしています。
若山教授は「自分が担当した実験については正しいと信じているが、前提となるデータの信頼性に確信が持てなくなった。一体、何が起こったのか科学的に検証することが論文の著者としての責任だと考えている。何より私自身、真実が知りたい」と話しています。
「著者たちの判断待っている」
STAP細胞の作製を発表した小保方晴子研究ユニットリーダーなどが所属する神戸市の理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターは、「若山教授からセンターの研究者に、『論文を取り下げてはどうか』という話が来ていることは聞いている。現状は、論文の著者どうしがやり取りをしているところで、センターとしては著者たちの判断を待っている状態だ。論文を取り下げるかどうか、今はコメントできない」と話しています。
ある意味「偶然性が高い」ようにも考えられるSTAP細胞。
要するに、画期的な「発見」ではあったが、それを裏付けるための論拠に乏しく、公表するにあたっては、それこそ「つぎはぎ」だらけのデータや論評で取り繕っていたのかもしれない。
iPS細胞をしのぐインパクトの大きい「発見」だったが、このままでは偶然に起こっただけだったということになりかねない。
ま、一度論文については「棚上げ」して、更なる裏付け結果を足していくしかなかろう。
日本には今、次代を担える産業・業種がなかなか出現しない中、iPS細胞やSTAP細胞の出現により、バイオケミカル分野が俄然注目を浴びている。まさしく、将来の「成長戦略」の柱となりうる分野であるだけに、慎重に事を進めてもらいたい。