ほぼ週二 横浜の山の中通信

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京都事情その38~「松ヶ崎」と日蓮宗~

2016年06月11日 | 京都現地事情

2016年6月8日の「京都事情その36~大文字への散策 Part2 幼稚園の遠足で登るか?!~」の続きです。前回に書いたように、2016年5月中旬に「大文字」に登りました。5月にしては暑い晴天で、風も弱く少し靄っていました。

 

この写真は、「大文字」から北西方向を撮った写真で、山が深い方が北です。比叡山はすぐ右手ですが写真に入っていません。画面中央の低い山の向こう側(山が邪魔して見えているのは細い部分だけ)は小さな盆地で「岩倉」、「岩倉具視」の岩倉です。昔は田んぼが広がっていたのですが、今は住宅地が広がっているはず。(最近行っていない)

 

 

低い山の向こう側の山裾には「宝ヶ池」があり、その畔に「京都国際会館」があります。(大昔に1回行ったきり)

 

(観光案内になりますが、この岩倉の左側を谷に沿って入っていくと貴船(「きふね」ではなく「きぶね」)や鞍馬です。岩倉の右を比叡山の麓に沿って北に行くと大原)

 

低い山のこちら側は「松ヶ崎」という地域で、浄水場(京都にある三つのうちの一つ)や京都工芸繊維大学(知名度は低いけど国立の大学)、ノートルダム女子大学があります。浄水場の水は鴨川や地下水ではなく、琵琶湖の水を高低差だけで引っ張って来ている。つまり琵琶湖は相当高いところにあるということ。南禅寺のレンガ造りの水路や「哲学の道」の横を流れる小川は、実は明治時代に造られた水路で、地形に逆らって北に向かって流れ、しかも二つの川の下を潜って、たどり着くのがここ。ただし現在は、地中に導水管が埋めてあるはず。

 

(ついでに言うと、京都の三つの浄水場の原水は全て琵琶湖の水です)

 

低い山に木々が無い部分が左右に2か所ありますが、ここは五山の送り火の一つ「妙」「法」です。御覧のように山が低いので、「妙」「法」の送り火が見られる場所は限られます。

 

ところで、この「松ヶ崎」という地区は、昔々ここの寺の住職が日蓮宗に改宗したので、地区ごと日蓮宗になったそうです。だから送り火が「妙法」。

詳しくはhttp://kyoto-machisen.jp/chiiki_hp/matsugasaki_hp/history/history.htm

私が聞いていた話では、ここを治めていた人(庄屋だったかも?)が日蓮宗に改宗したので、この地区の人も日蓮宗に変わったということでしたが、実は上記のようなことらしい。

 

京都は意外と日蓮宗のお寺が多く、私の家も日蓮宗の寺の檀家です。ただし、私の家が日蓮宗になったのは爺さんの世代で、親戚というか知り合いが日蓮宗の修行僧だったので他の宗派から変えたとか。これを聞いたとき、宗教って結構好い加減と思いました。

 

宗旨に共感してその宗教にした人ばかりでなく、ふとしたことでその宗教になった人もいるということ。それに新興宗教は「病気が治る」と言って布教したのも歴史的な事実。キリスト教もそうだし、日本の仏教だってそう。

 

昔、近所に家の中で和服関係の仕事をしていた人がいました。その家の旦那さんが病気になり、それが原因かどうかはわかりませんが、奥さんが某学会に入会し、毎朝お経を熱心に唱えている声が聞こえていました。何年かして旦那さんは亡くなり、お経も聞こえなくなりました。

 

イスラム教だって、イスラム勢力に征服されたのでイスラム教に宗旨替えしたという例は、世界史で習ったし。これは無理やりに変えたということ?

 

宗教はけっこう好い加減。信念で宗教を信仰する人もいるだろうけど、ほとんどは成り行き任せかな?と思います。

 

2016.06.11

 

「京都事情その37」を「38」に変更しました


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