先日、5月以来5ヶ月ぶりに大涌谷の近くまで行ってきました。噴気の量は5月と同じくらい多く出ていましたが、噴気の吹き出す音はかなり小さくなっており、これが最近の状況であれば、勝手な推測ですが活動が沈静化しつつあると言う印象でした。
- 今までの経過
5月8日~ 噴火警戒レベル2
5月15日 前回レポートで大涌谷付近を写真に撮った日
5月17日 大涌谷に爆音が轟いていた
5月25日 大涌谷に爆音が轟いていた(続き)
6月29日・30日 ごく小規模な噴火(小さな火口が出来る)
6月30日~ 噴火警戒レベル3
7月1日 ごく小規模な噴火
7月1日 平穏化すると思っていたら噴火した大涌谷
7月21日 活動が活発(火口からの土砂噴出)
9月11日~ 噴火警戒レベル2(継続中)
大涌谷付近の地図を載せます。5月のレポートと同じものです。
(D地点)大涌谷の下部を通る県道734号線の橋の付近から見た大涌沢の堰堤です。5月は、黄色い「もや」が漂っていましたが、現在は「もや」は見えません。ただし、橋の付近では硫化水素の臭いがします。
(2016.1.6追記)5月の写真では鮮やかな木々の緑が見えていましたが、今回の写真では緑が無くなり、灰色がかっています。どうも火山性ガスの影響で、木々が枯れてしまったようです。
(5月) (今回)
大涌沢の橋付近から下を見ると、川の水はやはり白く濁っていました。水量は変わらないようです。
(2016.1.6注記)川の両岸の緑も灰色に変わっています。ここも火山性ガスの影響で木々が枯れてしまったようです。
(5月) (今回)
(C地点)下湯バス停付近から見た大涌谷の噴気の様子です。5月と変わらず白い蒸気を吹き上げていますが、音は格段に静かになりました。先客に欧米系の外国人の夫婦がいたのにはビックリ。
(5月) (今回)
(A地点)県道734号線の上湯バス停付近の山側です。5月のレポートでは、ここの写真を載せていません。ここも噴気のためか立木が枯れていますが、5月も現在も噴気が全くは見られません。
(5月) (今回)
(B地点)県道734号線の上湯バス停から仙石原よりに少し行った山側の山林から蒸気(硫化水素の臭いがしないので蒸気だけ?)が噴出しています。5月より沢山の蒸気が噴出していました。
この一帯の噴気は、群発地震が発生し大涌谷の噴気が一時活発化した2001年に出現して今まで続いているようです。この時すでに噴気や地温の上昇で立木が枯れていたそうです。詳しくは温泉地学研究所のレポートがあります。
http://www.onken.odawara.kanagawa.jp/files/PDF/houkoku/44/houkoku44-p55-62.pdf
上2枚と下右は、ほぼ同じ場所の写真です。中央の細い木が同じ。写真を見較べたら、県道脇に柵が新しく作られていました。
(5月) (今回)
(5月) (今回)
箱根の外輪山の中腹の別荘地から見た大涌谷です。5月にはいたNHKの中継車とカメラはいなくなっていました。ここが大涌谷正面のためか、下湯バス停付近よりも大涌谷の噴気の音が大きく聞こえました。
(5月) (今回)
わずかな時間だけ見た大涌谷の印象は、噴気の量は変わらないけど、噴気音が格段に静かになっているので、その勢いはかなり弱くなっていると思います。たぶん、このまま活動は静穏化していくのでしょう。かってな推測ですが、そう願いたいものです。
紅葉が少しだけ始まっていたので、平日なのに仙石原には観光客が沢山いました。見えにくいかもしれませんが、電柱の向うの遊歩道には人がいっぱいでした。
(仙石原)
2015.11.02
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