ほぼ週二 横浜の山の中通信

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過去の事件の教訓に学んでいない鉄道会社の車内テロ対策

2023年07月23日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

電車内でテロが起きた時の鉄道会社の対応は貧弱

 

2021年ハロウィンの夜に、京王線の電車内で起きた事件について、今までも鉄道会社の貧弱な対応を批判している。

 

2022年02月05日のブログ「電車内でテロが起きた場合の対応について

2021年11月4日の「再び、ドジで何も考えていない鉄道会社

2021年11月01日 のブログ「ドジな鉄道会社と司法試験不合格と羅生門跡

 

この京王線の事件の後、鉄道各社は電車内で起きる事件について対策を取っているはずですが、この6月に起きたJRの電車内の事件の対応をみると、過去に起きた同様の事件の教訓に学んでいるとはとても思えない。

 

6月に起きたJR山手線の事件をもう忘れている人も居るかもしれないので、概要を下に書きます。

 

JR山手線で起きた事件について

 

6月25日の午後にJR山手線の電車内で、男性が座席に刃物を置いていたのを乗客が見つけて車内はパニックになりました。ただし、男性は包丁を振り回していたのではなく、座席に置いていただけだけど、カバーがズレて包丁が丸見えになっていた。電車は非常通報を受けて新宿駅に停車しました(山手線の電車は、非常通報を受けなくても新宿駅には停車する)。しかし、暫く(2分?と伝えていたTVも)ドアが開かなかったので、乗客は逃げようとしても外に出られず、車内は大混乱になりました。

 

非常通報ボタンが押されても暫くドアは開かなかった

 

報道によると、非常通報ボタンが押されていたので、新宿駅に停車後、車掌がホームを走り現場に確認に行っていたので、ドアを開けるのが遅れたと伝えていました。

 

この事件のいきさつを見ると、京王線での事件など電車内でおきた事件の教訓が何ら役立っていないことがわかる。非常通報で電車が駅に停止したら、ドアが開けるべきです。なんで電車内に乗客を閉じ込めるのか? JRは車内で何が起きたか確認しないとドアを開けない非常時対応マニュアルがあるのか? JR東日本は乗客を電車内に閉じ込めたがるのは、責任を回避するため?  

 

車掌が現場確認にホームを走って、何を確認してドアを開けたのか? それはマニュアル通りなのか? 乗客の一部(大部分?)はパニック状態になっているのに、車掌は電車の外から電車内部の状況が把握できたのか? 包丁を確認できたのか? 車掌の行動に大いに疑問がある。これがマニュアル通りなら、マニュアルに疑問がある。

 

これでは、非常通報ボタンを押さないほうが良かった。駅に着いたら通常の作業でドアが直ぐに開いていたので、パニックにならなかったかもしれない。 

 

JRは過去の事例の教訓に学んでいない

 

だいたい、こういう非常状態になった時、JRはどういう対処マニュアルにしたのか? 非常ボタンが押されたら、現場確認するまではドアを開けない対処法なのか? こういう時、ドアを開けたら何が問題になるのか? 駅に着いたら、ドアを開けるべきです。車掌が現地確認できるまでドアを開けられないのなら、手遅れになる。

 

監視カメラでも状況把握は無理

 

国土交通省は、鉄道各社に監視カメラを車内につける用求めています。しかし今回の事件のようなことが起きた場合、車内に監視カメラがあったとしても、車掌は車内で何が起きているのかを把握するのに時間がかかるし、事件によっては把握できない。火事だったらわかるけど、満員の車内では人の陰になって何が起きたか把握できない。満員でなくても、今回のような座席に置いた包丁が監視カメラで見えるかどうか? 

 

今回の事件では、非常通報ボタンが押されたので、車掌が会話をしようとしたら、非常通報ボタンを押した人はその場を離れていたので、会話が出来なかったとか。これでは、非常通報ボタンでも、監視カメラでも、車掌は車内で何が起きているか把握できたとしても時間がかかる。

 

今回の事件の教訓

 

鉄道会社は、運転士や車掌に何かができると考えるのは間違っている。何もできないと考えるべきです。せいぜい、駅に停車してドアを開けるだけ。警察が来るまでは、乗客が対応するしかない。もっと現実的な対応マニュアルにするべきです。

 

鉄道会社は、乗客を車内に閉じ込めるのが好きなようです。事故で電車が駅間で停車した時、何時間も電車内に閉じ込めて外に出さない。外に出すと責任を問われるのを恐れているようです。

 

しかし、電車が駅に停車して車掌が現場確認に走ったり、監視カメラの画像確認に時間がかかったりして、電車のドアが数分間閉まったままになり、車内に閉じ込められた乗客が何十人も刺されて死者が出た時、鉄道会社に責任は無いと言えるのでしょうか?

 

電車に乗る人は、鉄道会社によって電車内に閉じ込められて、ナイフで刺されるリスクがあると認識すべきです。多数の死者が出ないと、鉄道会社は認識を改めない。

 

2023年7月23日

 


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