ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

ガッカリ駅と中途半端な京都奈良間の線路

2023年11月14日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

何もない神戸駅と横須賀駅

 

昔昔、学生の頃です。(およそ半世紀前です) 神戸に行こうとして国鉄(現JR)神戸駅に降りると何もない。神戸の繁華街は三宮駅や元町駅の周辺と言うことは後で知った。

 

東京に勤め始めた頃の話です。横須賀に行こうと国鉄(現JR)の横須賀駅で降りると何もない。京浜急行の横須賀中央駅で降りるべきでした。

 

近鉄京都線は大和西大寺駅まで

 

近鉄京都線の昔は弱小私鉄の「奈良電」でした。このあたりの事情は2020年06月14日の「近鉄のフリーゲージ・トレインは成功するか? ㊤買収された奈良電とJR奈良線の悲哀」に書いている。弱小私鉄「奈良電」の線路は、京都駅から大和西大寺駅までだったので、奈良電の奈良行は大和西大寺駅から近鉄の線路を借りて奈良駅まで乗り入れていた。というか、奈良電は奈良駅までの線路を作りたかったが、近鉄が作らせなかった。奈良電は、奈良電と言いながら、奈良駅までの線路を作れなかった。

 

奈良電の後身の近鉄京都線は、今も大和西大寺駅まで。大和西大寺駅から奈良駅までは、大阪から来る近鉄奈良線です。

間違えないように言うと、京都駅からは奈良駅行と橿原神宮前駅行(大和西大寺駅からさらに南に行きます)が出ていて、伊勢志摩行の観光特急も出ています。

 

JR奈良線は木津駅まで

 

JR奈良線は京都駅の新幹線下のせせこましい場所から出ている。近鉄京都線(奈良方面行です)は新幹線の改札の前にあるのに、JR奈良線は新幹線の下のゴミ捨て場のようなところにホームがある。そのJR奈良線は京都駅から京都府最南端の木津駅まで。木津駅から奈良駅までは実は関西本線、別名大和路線。JR奈良線は奈良駅に行かないし、奈良県にも入らないのに奈良線とは? 

 

間違えないように言うと、京都駅から奈良駅行が出ていて、奈良線、関西本線を通り、奈良駅に行きます。

 

京都と奈良間の線路は二の次

 

近鉄京都線(旧奈良電)にしても、JR奈良線にしても、奈良駅に到達していない。京都と奈良間の線路は二の次だったことがわかる。

 

JRより私鉄の方が目的地に近い所に駅を作る

 

ついでに言うと、JR日光駅より東武日光駅の方が東照宮にわずかに近い。日光と同じように、JR奈良駅より近鉄奈良駅の方が奈良公園(シカがいたり、東大寺や春日大社がある)にかなり近い。日光より奈良の方の差が大きい。私鉄は国鉄との競争に勝つために、国鉄より目的地に近い場所に駅を作る。

 

2023年11月14日

 

(追加説明)2023年11月29日

追加の説明があります。昔読んだJTBの廃線跡の本に「大仏線」があったのを思い出しました。現在は上に書いたように、JR奈良線は奈良駅に到達していません。なぜなら、木津駅―奈良駅間は関西本線だから。

 

しかし、ネットで確認すると、現在のJR奈良線の前身である奈良鉄道は、現在のJR関西本線の前身である関西鉄道より先に奈良駅に到達している。この頃、関西鉄道は名古屋方面から線路を延ばしてきて、ようやく奈良付近に到達していた。

 

・明治29年4月 奈良鉄道は、現在のJR奈良線とJR桜井線に相当する七條駅(京都駅付近にあった)―桜井駅(奈良盆地南部の駅)間を開業

・明治32年5月 関西鉄道は大仏線を作り、奈良駅に乗り入れ

・明治38年2月 奈良鉄道は関西鉄道に吸収される

・明治40年8月 大仏線は廃線になり、木津駅付近の線路を現在に近い経路に付け替えた

・明治40年10月 関西鉄道は国有化される

上に書いた以外に、関西鉄道は周辺の鉄道を買収しているので、実際はもっとややこしい。これを見ると、奈良鉄道(現在のJR奈良線)は関西鉄道(現在のJR関西本線)より先に奈良駅に到達しているが、国鉄の東海道線と競っていた関西鉄道は、大阪へ向う現在のJR関西本線を優先したようです。その後の関西本線は、大阪近郊の一部を除いてローカル線になり、中央部の山間地域の路線は非電化のままです。

 

 


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