普段買物をしている場所ではない遥か遠くのスーパーで、年末恒例「肉の特売日」というチラシが入っていると、カミさんが言う。
しばれる寒さの中で遠くまでの買い物。「せめてアッシー君を」と買って出た。最悪の場合、エンジンをかけっぱましで暖房を利かせたクルマの中で横になっていればいいではないか・・・などと横着を決め込んでいた。
ところがどっこい、今日の冷え込みは半端ではない。クルマのエンジンは高速運転並みのうなりを上げて車内を温めようとする。それでも実際には車内は冷える。ヨシッ!広いスーパー店内を歩き回ってみようと決めて店内へ。目的の精肉対面販売の窓口には長蛇の行列。しかも、時間制限で時間が来たら打ち切りとなりそうな心配をよそに、後から後からお客さんは並ぶ。
ヒマつぶしに何人並んでいるのか数えてみた。カミさんの前に39人が、買い物かごをぶら下げて待っている。制限時間まで40分を切っている。このままで本当にチラシの値段で買えるんじゃろうか。ついでに一人当たりの所要時間を測ってみると、なんと注文から品物が手渡されるまでに4分、短い人で3分かかる。「こりゃダメじゃろうよそへ行くか」と言うと、すかさず前のおばちゃんから「ダメよ、今まで待ったんじゃけ―。私もお宅の奥さんに止められたから待つことにしたんよ」と手厳しい。そのおばちゃんは、なんと高速道路を走って宇部市から来たというではないか。もっとも、娘さんがこのスーパーの近くに住んでいるから。と言うことではあったが、家計を預かる主婦の、食材を如何に安く仕入れるか。その執念を見せられた思いがして脱帽!
そして、今日は店側の温情があり、肉の在庫にも余裕があったと見えて、制限時間を大幅にオーバーしたが、目的の肉が3kgゲットできた。
そっか~、この肉美味いね、今日の肉はさっぱり味じゃね、などと呑気なことを言いながら食べる専門のこの身はいい気なもんだ。と反省しきり(苦笑)
まるっきり気が付かないほどノー天気でも愚かでもないが、改めて、歳末大特売に付き合って、主婦の逞しさ、猛々しさを見せてもらった。