夕まぐれの受け持ち作業の一つ、部屋のシャッターを下ろすのは私の仕事。
そろそろシャッターを下ろそうかなと思ってふと見上げたら、オッ!光る物体が電柱にぶつかる。と色めき立って先ずはスマホで咄嗟のパチリ。すぐに二階に駆け上がりコンデジカメラを構えたら、正体が見えた。
なんのこっちゃ、上空2000mを飛ぶ旅客機が夕日を浴びて飛行機雲を作っていたのが、光る謎の物体に見えたのは目の錯覚だった。単に視力が落ちて遠近感覚が弱ったのか、と心配になったがそれほどのことでもない。夕焼けとともに沈み行く秋の空は、いろんな表情を見せてくれるのは確かなことなのである。
秋の夕暮れと云えば、ただもの悲しい物語を思い浮かべそうであるが、そうばかりではない。ときにこんな錯覚も起こさせる。それほどに、どこまでも遠く澄み切った秋の空は、吸い込まれるような透明感を私たちに与えてくれる。
などと立派げな御託を並べているが、ただ自分の思い違いと、思い違いにいち早く気付いたことを説明しているに過ぎない。それにしても、いずくも同じ秋の夕暮れとは云うものの、岩国の上空は最新戦闘機も轟音を轟かせて飛び交う。その遙か上を真っ白い機体を光らせて超大型旅客機も西へ、東へ飛び交っている。
旅客機が飛び交うのは、豊かさの象徴にも思えるし騒音もないが、時に近距離の会話さえ途切れさせる戦闘機の姿はあまり好きにはなれない。それも我が国の航空自衛隊所属の戦闘機なら、まだ少しの許容範囲は広がるのかもしれないが。