( この写真は、Jプロで使用している私のデスクです。 別に何も変わった物はありません。 どの道具も古いものばか
りです・・・・・右側にあるホワイト筆用のウーロン茶の空き缶ですが、30年も使用しています。 意外と水漏れする
こともなく・・・・・使えるものです・・・・・・《 2014年、4月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その28
《 漫画家アシスタントが・・・・・人切りを目撃する・・・・・!? 》
○森プロ( ※参照 )を夜逃げしてから、Jプロのアシスタントに入った加川さん( ※参照 )は、19歳にし
ては世慣れた感じで、フラフラと遊びながら競馬新聞ばかり読んでいました。
J先生( ※参照 )は、その競馬新聞を横目に見ながら軽蔑した様に・・・・・・
「 おめィ~そんなもん読んでるのかァ? 」
「 ・・・・・・・・はぁ 」
「 もっと本を読まんかいッ! 」
先生がそう言って加川さんに奨めたのが司馬遼太郎の「 竜馬がゆく 」です。
この「 竜馬がゆく 」は、5,6年後に入ってくる内海さん( 第6章に登場する人物 )にも奨められてい
ます。
その時には、内海さんの人生が完全に変わってしまい、後に内海さんは、「 歩く幕末 」と言われる
ほどの竜馬ファンになっしまいました。
さて、読み物と言えば「 競馬新聞 」しか知らない加川さんは・・・・・・
『 え~~~~ッ、こんなもの読むのかよ~~~~ッ!? 』
と、分厚い読んだこともない幕末物の長編小説を見て、完全に尻込みしてしまいますが・・・・・・
「 1年かかっても、2年かかってもい~~から、読んでみろ 」
「 わ・・・分かりましたァ・・・・・・お借りしま・・・・・・す・・・・・・ 」
読む気もない本を借りてしまったのですが・・・・・・仕方なく1ページ、2ページ・・・・と読み
進むと・・・・・・・
・・・・・・・・面白くなってきて、一気に読み終えてしまいます。
そして、坂本竜馬に夢中になるのです・・・・・・
C・てつや先生( ※参照 )のところでアシスタントをする友人Sさんを誘って、土佐の桂浜にある坂本
竜馬像を見に夜行列車に乗ってしまうほど夢中になるのです。
私も、この「 竜馬がゆく 」を読んでいますが、銅像を見に四国くんだりまで出かけ行く心理は分か
りません。
ちなみに、この小説の持っている力( 影響力 )が絶大なのは分かっているので、今、私が非常勤講師
を務める大学でも、学生さんたちにこの本を奨めています。
さて、この桂浜まで一緒に出掛けた友人のSさんですが・・・・・・
C・てつや先生のアシスタントをするほどですから、相当な漫画ファンであり、かつ熱烈な漫画家志
望者でもあるわけです。
加川さんは、このSさんをJ先生に紹介した事がありました。
Sさんは、加川さんと同世代( 1969年当時19歳 )の若者・・・・・・言ってみれば、漫画家志望の若
武者です。
きっと、憧れである有名なJ先生に会えることを光栄に思っていたのだと思います。
私には、この二人の出会いが、宮本武蔵の目の前にピョコピョコ飛び出した若侍の様に想像されるの
です・・・・・・・・・・
加川さんが先生の前に立って、横にいるSさんを紹介した瞬間です・・・・・・・・・
「 あ、先生、こんにちは! 」
Sさんが明るく軽く、さわやかにあいさつしたその瞬間・・・・・・・・・・・・
未熟な若侍は老練なる剣豪の鋭い眼光に身を凍らせます・・・・・・・・・・
「 おめィ~・・・・・・よ 」
「 はい! 」
「 大工だな 」
「 ・・・・・・ぁ? 」
「 おみィ~~~~は、大工だよッ! 」
C・てつや先生のところで修業をつづけ、漫画の一本道を真っ直ぐに進んでいたSさんは、この瞬
間にバッサリと斜めに斬り裂かれます。
こうした事は、大文豪と言われる人や芸術家などとの対面時に起こる悲惨な出来事として稀にある
事なのです。
Sさんは、この時に・・・・・・大変ショックを受けて、2,3日落ち込んでしまったそうです。
数日後・・・・・・
「 加川~・・・・・・・・・ 」
「 ん? 」
「 俺ェ・・・・・・・・・大工かァ? 」
私は、直接目の前で、ある人物がJ先生に斬られる・・・・・・まさに血が飛び散る様に斬られる
瞬間を見たことがあります。
その人は、小説家を志望する20代後半の人でした・・・・・・そして、先生が大好きなファンで
もありました・・・・・・
明るく、軽く、さわやかに・・・・・・・・J先生にあいさつした瞬間でした・・・・・・
「 ・・・・・・八百屋だな 」
「 は・・・・・・? 」
「 おみィ~~~~~~は、八百屋だよッ! 」
( 言われた本人にとっては、笑い事ではない )
私の友人や知り合いの漫画家などでもJ先生に会いたがる人がよくいます。
会いたがる気持ちは、よく分かるのですが・・・・・・・・いえ、私だって合わせてあげたいもの
なのですが・・・・・・・・・・・・
相手が「 漫画家 」というイメージよりも「 剣豪 」といったイメージに近いわけで・・・・・・・
運が悪ければ、大ケガしかねません・・・・・・・・・・( 人身事故です )
だからと言って・・・・・・
「 あなたじゃ、バッサリ斬られるかも知れませんよ 」
・・・・・・なんて、思うだけで口には出来ないのです。
ホント、口になんて出来ませんのです。
「 漫画家アシスタント 古い話で章 その29 」( 8月1日以降公開 ) へつづく・・・・
★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント古い話で章 その27」へ戻る 】
【 ※参照 】
・○森プロ・・・・・・・・・・・あまりにも有名な漫画家の仕事場、桜台のプール付豪邸。「サイボー
グシリーズ」や「幻魔大戦」「仮面ライダー」など有名な作品が多数ある。
・Jプロ・・・・・・・・漫画家J先生の仕事場。69年当時は、東京新宿区下落合にあり、スタッフは
3人。2014年現在のスタッフは2人。連載は1誌。ちょっと寂しい今日この頃。
・加川さん・・・・・・・・・・・(仮名)中学卒業後、職業を転々としながら漫画家アシスタントに成る。
1969年19歳で、J先生に師事。1978年に少年キングで連載を得て独立。1984年別冊漫画ゴラク連載。
・J先生・・・・・・・・・・・・・・・有名漫画家、1966年、23歳で売れっ子作家に。70年には週刊
連載6誌という逸話もある。現在は1誌に連載中。2014年現在、71歳。1969年当時は26歳。
・C・てつや先生・・・・・・・あの有名な先生です。「明日のジョー」「のたり松太郎」名作の数々。
仕事場は、西武池袋線の富士見台。今は、大学の先生をしておられます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★ このブログ「漫画家アシスタント物語」が書籍化!
詳しくは・・・ 《アマゾンのネット通販》
★ 拙作、文庫本『 劇画 蟹工船 覇王の船 』も発売中!
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★ 「漫画家アシスタント物語 4章の31~」に書かせてもらったガンさん
(ブログ本では『ハアさん』)が描いたソープランドの実録漫画を公開
中です・・・ 特別寄稿「 親不孝通り 」 第40話お父さん
★ 拙ブログのうぶ主が1987年にヤングジャンプ新人賞で準入選デビュー
した作品・・・ 「 雨のドモ五郎 」
★ 「漫画家アシスタント物語 第6章の10~」に書かせていただいた
リョウさんが描いたイラストを公開中です・・・ 「 龍馬さんとボク 」
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【 各章案内 】 「第1章 改訂版」 「第2章 改訂版」 「第3章 改訂版」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
コメント、ありがとうございました。
レスは「その29」の方へ記しておきました。
最近わかったのですが、この本は、大阪の日の丸書房で出版された後、団体の猛抗議をうけて、回収、発売禁止にしたんですね。
それで、平田弘史先生が生活のため、25歳のときに書いた作品が、43年間も封印されていたとのこと。
その後、青林社がようやく再発売したと、これは驚きでした。
>向精神薬を飲むと、自殺したくなるようです・・・・
向精神薬の中には、睡眠薬もあるかと思いますが・・・・・・
医者からもらった睡眠薬で自殺する人もいるみたいですね。
ヤブほど、患者さんをたくさん自殺させてるんじゃないかと思い
ますが・・・・・・・・
中には、抗鬱剤としてシャブと同じ成分のものもあるみたいです
が・・・・・・・・
知らずに使用している患者さんが、どんどん薬物中毒になって、
また入院してくれるわけで・・・・・・・・世界一、精神病院のベッド数
が多いのもうなずけます。
不自然な殺人事件の犯人名や、自殺者の名前よりも、担当医の名
前の方を公開した方が良いかもしれません・・・・・・・・
https://www.youtube.com/watch?v=JIDog6eqTXo
>ねこねこさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ページ数が22ページになったのは・・・・・・・・
いつの頃からか忘れましたが・・・・・・・・
バブルの頃の繁忙期にそれまで24ページだったページ数を22ペー
ジに変更したのではなかったかと思います。
いつも、一本の作品を1日で仕上げていたのですが、さすがに24ペ
ージは大変だったのです。
ちなみに、今はこの一本の仕事を5回くらいに分けて仕事をしてい
ます。
>B・INABAさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私はあまり児童文学を読むことがないのですが・・・・・・
B・INABAさんのお奨めが何かあったら教えて下さい・・・・・・・これ
が一番・・・・・・・・・なんてのがあったら、是非、読んでみたいです!
ちなみに・・・・・
友人で一人、創作童話を楽しんでいる人がいます。童話を書いて、
なにか賞も取っているみたいですが・・・・・・
よかったら、アマゾンだけでも覗いてやって下さい。
「童話は甘いかしょっぱいか」(これは、私がブログ管理を手伝った作
品です。今でもブログは公開されていますので、検索して読む事もで
きます)
http://www.amazon.co.jp/%E7%AB%A5%E8%A9%B1%E3%81%AF%E7%94%98%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%A3%E3%81%B1%E3%81%84%E3%81%8B%E2%80%95%E5%87%BA%E7%89%88%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E9%95%B7%E3%81%84%E9%81%93%E3%81%AE%E3%82%8A-%E6%B5%9C%E5%B0%BE-%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%B2%E3%82%8D/dp/4286085724/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1407050991&sr=1-1&keywords=%E7%AB%A5%E8%A9%B1%E3%81%AF%E7%94%98%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%A3%E3%81%B1%E3%81%84%E3%81%8B
「生きものの記憶」(ちょっと古い作品集ですが)
http://www.amazon.co.jp/%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%AE%E8%A8%98%E6%86%B6-%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E5%80%B6%E6%A5%BD%E9%83%A8-%E6%B5%9C%E5%B0%BE-%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%B2%E3%82%8D/dp/4776512955/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1407051089&sr=1-2
>アノーさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>仕事仲間の話題で話数を稼ぐ・・・・・・
ご指摘、ありがとうございました。
このブログは、もうすぐ10年になりますが、確かにその半分以上が仕事
仲間の話です。
その意味では、私個人の話だけなら5年前に終わっていなくてはならない
ブログです。
でも、まだ終わりません。
楽しく書けるので、楽しく書いています。
>ルポタージュ作家気取りですか?
ルポルタージュ作家だと思った事はないのですが・・・・・・・とても、そん
な面倒な事の出来る人間ではありません。
>周囲の人々のネタでブログの読者に媚び入る。それはとても卑怯
>な行為
そりゃまた悲惨なブログですね、私ならそんなブログは楽しく読みま
すがね。
>適当放送さん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>{仕事仲間の話題}を楽しみに、毎回読ませてもらっています。
どうも、ありがとうございます。
これからも頑張ります!
>グーグルの検索で、昔は5位ぐらいでしたが・・・・・
なつかしいですね・・・・・・・
ブログを始めたのは10年前、あの頃は、1週間で1000アクセスほど
だったかと思いますが・・・・・
竹熊さんのブログで紹介された時には、「第1章」のアクセスがたった
の1日で7万アクセス、1週間で16万アクセスになり、gooブログ全
体(58万サイト)の中でランキングが4位になった事もありました。
それが、半年で500位に落ち5年後には1000位・・・・・・・
今は、考えない様にしています。
「卑怯な行為」ではありません。
グーグルの検索で、昔は5位ぐらいでしたが、「漫画家アシスタント」検索でトップに位置するブログです。
潮時だとか、ブログはやめた方がいいなどと指摘する必要はありません。
気に食わない人は、見なければいいだけの話です。
ルポタージュ作家気取りですか?
自分の立ち位置を変えるつもりがないのに、周囲の人々のネタでブログの読者に媚び入る。
それはとても卑怯な行為だと思います。
潮時なのではないでしょうか。
読み終えた瞬間は、ものすごく晴れ晴れした気持ちだもんですから、創作のモチベーションを保つ意味でも読書は重要ですね。
そういえば、「雲」も幕末物の長編漫画ですね。
この間、ページを数えたら、22ページでしたが、いつもこのページ数なのでしょうか。