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七つの海を照らす星 七河迦南

本書が著者のデビュー作とのこと。著者の本を読むのはこれが2冊目だが、いずれも児童養護施設を舞台にしたミステリー短編集で、主人公であるその施設の新米先生が周りの人たちの協力を得ながら、施設で起こる様々な謎を解き明かしていく。そうは言っても、単純なお仕事ミステリーではなく、児童福祉の問題としては括りきれないような現代の子どもたちが直面している普遍的な問題を扱ったものもあり、またそれぞれの短編で残された謎が最後に驚くような形で一つになったりと、新人作家とは思えない評判通りの傑作だ。既に第三作目が刊行されているので、読むのが今から楽しみだ。(「七つの海を照らす星」 七河迦南、創元推理文庫)

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