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微笑む人 貫井徳郎

全く不可解な動機を主張する犯人。あるノンフィクション作家が、事件の真相を知るために犯人の半生を追いかける。記述は犯人の過去を時間を遡る形で進むが、次々に驚くべき事実が明らかになっていく。奇をてらったミステリーなのか、それとも現代社会の闇を描いた作品なのか、読者には最後まで分からない。最後の結末には、賛否両論があるだろうが、少なくとも現代の社会には「心の闇」という簡単な言葉では済まされないものがあることを痛烈に教えてくれる。(「微笑む人」 貫井徳郎、実業之日本社文庫)

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