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IQ ジョー・イデ
帯に、アンソニー賞、シェイマス賞、マカヴィティ賞同時受賞作とあるが、どれも聞いたことのない名前だし、著者の名前「ジョー・イデ」も初めて聞く名前。どうやらミステリー界の大型新人らしい、ということで読んでみた。話は、主人公の黒人少年がシャーロック・ホームズばりの推理で誘拐された少女を間一髪助け出すエピソードで幕を開け、そこからある事件の解決を依頼された主人公の怒涛の活躍が始まる。それと同時に、8年前の主人公の兄の不可解な事故死から始まるエピソードが交互に描かれながら話が進んでいく。全てが一言一句おろそかにできないような濃厚な描写を堪能できる一冊だ。あとがきを読むと、著者は日系アメリカ人とのこと。日系人の小説の主人公が黒人ということに驚かされるが、それ以上にそうした出自の著者が黒人社会のことをここまで緻密に描写したことに驚嘆してしまう。残された謎に関わる続編もすでに刊行されているらしく、今後の楽しみは尽きない。(「IQ」 ジョー・イデ、ハヤカワ文庫)
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