ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

七月大歌舞伎 初日観劇報告5「天守物語」

2006-07-16 23:47:20 | 歌舞伎
≪夜の部≫

二、天守物語 一幕

    戌井市郎:演出
   坂東玉三郎:演出

天守夫人富姫:坂東玉三郎
姫川図書之助:市川海老蔵
近江之丞桃六:市川猿弥
奥女中   薄:上村吉弥
小田原  修里:坂東薪車
亀      姫:市川春猿
十文字ケ原朱の盤坊:市川右近
茅野ケ原舌長姥:市川門之助

私が言うのもおこがましいのですが、
(っておこがましくないと感想は書けんしの。←開きななおっとる^^;)
これは、物語として、よく出来ていると思います。
海外の作品でも結構、屋根裏部屋に妖精が棲んでいる
(その妖精と遭遇する)という設定もあったりするし、
無理のない、大人のフェアリーテール。

幕開けのあたりがかなり好き。
白露で秋草を釣るなんて、ふざけてて(笑)でも洒落てるし
光の雲?が動いて、亀姫や富姫が登場するのも
今回のスクリーンの映像が、一見リアルな空だけど、
リアルじゃないもののための様態を映し出していて
時代設定とかけ離れた映像のタッチが、
逆に私たちが普段見上げる空とも、なにか違うイメージを駆り立てた。

りゅーとぴあのマクベスで童女の意匠で魔女を演じさせてたように
日本の童謡のメロディって(特にとおりゃんせなどは!)
それ自体が「結界」のような気がする。

獅子の顔が優しくも修羅にも、能面のように光と影の仕業によって
変化して見えるのが、この世界にぴったりの装置。

舌長姥が生首の血をすする、みたいな場面は、
ちょっと作為的に見えてしまって、逆に、面白みが半減する。
凄く、芝居のテンポを落としてしまっていた。
そこまでが、いい感じに流れていたのに。
富姫が意外と伝法な物言いをしてみたり、
亀姫の正統!?お姫様路線(歌舞伎の古典でもそうだけど、
物事を相対化しないで、自分(の経験値や感情)絶対主義!)とか
そのあたりの会話が十分面白いので、ワタシ的には不要だった>顔舐め
少なくてもあんなに回数多くしなくていい。

―続く―

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あやめ)
2006-07-18 21:07:12
こんばんは。

一週間ほど前に観劇して参りましたが、前半(亀姫退場)まで感想を書いて、力尽きたままになっております・・・。



他の三作品に比べて、力を抜いて、楽しめる舞台でしたよね。



yayaさまの感想、”きれい”です。
返信する
亀レスご容赦(^^ゞ (yaya)
2006-07-24 21:37:38
あやめさん、いつもコメントありがとうございます!



19日以降の怒涛の課外活動が終わり、

ほっと一息ついたところです。

私も、力尽きてる観劇記頑張ります。



あやめさんのブログ、只今拝読いたしました。

詳細な記述、舞台を大切に見てないと

書けませんよね…と感じた次第。

最近ちょっと、歌舞伎から離れている自分は

それなりの感想しか書けないんだなぁ…と。



でも、天守は、最も完成されていた作品と思うし

良かったので、自分の記録として、

なんとか、残しておきたいとは思ってます。



返信する
とんでもない! (あやめ)
2006-07-26 18:19:53
私のほうこそ、歌舞伎から離れて数年、見る目も何も超初心者ですから、「どこみてるんだっ」ていつも、叱られそうな気がしています。



暑苦しいほどの観劇記は、、、

テレビも忘れ、音楽会も忘れ、長電話も忘れ、ひたすら歌舞伎と鏡花とコトバ遊びに打ち込んだ七月・・・の産物です^^ゞ



”続き”、のんびりとお待ちしています☆
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