ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

新橋演舞場 花形歌舞伎 2

2006-11-04 01:13:02 | 歌舞伎
初日と二日目以降では、すでに、海老蔵さん格段に良くなっている!
という噂を聞き、今回は、演舞場、初日一回の観劇予定だったけれど、
後半に夜の部、もう一枚追加~。ほとんど、まともに時間が取れないので
仕事帰り、上手くいって二幕目からの観劇になってしまうけれど。

どう変化したのか比較できるよう、記憶の新しいうちに
「四の切」初日感想、追記。

本物の忠信は、仕所らしい仕所があまりない代わりに、
やっぱり出端の想い入れとか、憂いなど、内包された感情の部分が
ある意味仕所というか見せ場かな?と思うのだけれど、
海老蔵さんの佐藤忠信からは、そういうあたりはあまり強く感じられなかった。
義経に対しても、あんまり「懐かしげ」ではなかったかな^_^;

下げ緒をさばくところや、静に「小袖の模様も違うてある」と言われるあたり、
猿之助さんは結構たっぷりですが、(袖もどうです~コレ!)って感じ(なのか?)で、
両袖裏表しっかり見せてますもんね~。
対義経、対静との、やりとりのウケみたいなものは薄かったように思う。

三段からの出は前記の通り。
フットライトのタイミングと、三段の(ダミーの)板の音?が何故か
出のかなり前にパタンとしてしまい、それが残念。
海老蔵さん自身は、スッと綺麗に登場してました。
ここで凄かったのは、やはり若さと身体能力の高さ。
三段の中央に登場したあと、一度舞台に下りて
兎跳び方式で、一段づつ三段を上がるのですが
海老蔵さん、二段抜かしで一気跳び!!
これは、逆に四の切見慣れてる人の方が驚いたのではないでしょうか?

静に鼓で責め立てられる件は、海老様の海老反りだ~!とプチツボ
広庭から蹴上がって欄干をくるりと回って、下手回廊に上がるところも
綺麗に袴が伸びてちゃんと花丸にタッチしてたし(笑)
毛縫いへの早替りも、もう、双眼鏡フォーカスして、平伏しながら
襟抜いているところや袴外したり、準備段階もチェック!!
(何やってんだか>自分・・・)いや、フツーに早かったです。
消え込んで、本物の忠信に再度替るところも順調でした。
しかし、この(本物の)忠信が義経の話を聞いているところは、
想い入れというより、リアルな感情の機微が強く表出していてビックリ。
ここは、凄くリアクションしてました。

欄干渡りや欄間抜けなど、当然ながら、いちいち手順が澤瀉どおりで
でも、猿之助さんや右近さんがやっているのではなくて、
見慣れたような見慣れてないような不思議な感覚に陥りました。
当然、役者さんが違うのだから、同じ手順でも体現されるものは
異なるのは自然なのですが、しかし、似てないけど「同じ」なので、
猿之助さんのビデオ、かなり観たのではないか?と想像。

化かされとの場で、途中ダミーの狐忠信と入れ代わり
その後花道スッポンからの登場となるのだけど、
ここも、まだ舞台上手にダミーがいるのに、
海老蔵さんがセリ上がってしまって、これもスタッフ側の凡ミスかと思われます。
一番下手にいた荒法師が、拵えの不具合で途中で引っ込んでしまい
舞台に戻らなかったのだけど、彼らは役ということの他に、
宙乗りのカバーもあるのに、一人欠けて大丈夫なのかな~なんて
思ったりもしていたのだけど、これも要らぬ心配で大過なく進行。

宙乗りのワイヤーもスムースに装着され、
海老蔵さん、本興行初の宙乗り。
これも、「演技」「演じる」ことのひとつで、
5000回(以上)飛んだ、猿之助さんと、それ以外の役者さんでは
吊られ方のコツの習得や魅(見)せ方に、違いがあるのは当然。
海老蔵さんは、なかなか良い格好で吊られてましたよ。

狐詞のアクセントやブレスが独特でしたが^_^;
佐藤忠信より、源九郎狐の方が良かったです、海老蔵さん。

ホント、「デッカイ」狐、実際観るまで、イメージ沸かなかったのだけど、
陽性の可愛らしさがある狐でした。

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8 コメント

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お久しぶりです! (おとみ)
2006-11-04 10:14:48
一刻も早く、四の切が見たく二日目に(オイ!初日に行くだろ^^)行きました。
忠信が出てきた時はデカイと思いました。(海老蔵さん、細くなられた。)
海老蔵型の源九郎狐はどうなるんだろう?とワクワクドキドキでしたが、早替りもスムーズで、身体能力の高い方だけに狐になってからは引きつけられました。
ひょいと階段をとばし飛び乗られた時はどよめきがおこっていました。
一幕目二幕目の時は居眠りされている方が多かったですが、流石、この四の切は見ている方はノリノリでした。
脇も万全を期した状態で海老蔵さんを支えていたように思います.(何か熱い物を感じます)
狐言葉に笑いをさそう事がありますが、まだ始まったばっかり、後半が楽しみです.
大きいけど、キュートな狐、皆さん満足な表情で劇場を後にした方が多かったと思いました.
返信する
お久しぶりです~ (yaya)
2006-11-05 23:14:45
>おとみさん

二日目報告(笑)ありがとうございます。
でも、「魔の二日目」と某ミュージカル俳優さんも
発言されていて、ああ、初日はもとより、
二日目ってうのも、なかなか興味深い日なんだな~と。

スーパー歌舞伎の時など私も、時間が許す際には、
よく初日の他に“二日目”もチケ押さえたりしてました。

皆さんの観劇報告も待ってます!!
初日開けて一週間、とか中日頃とか、興味津々~
返信する
14日観劇 (yukinama)
2006-11-15 13:41:42
14日の夜の部を観劇しました。
猿之助さん直伝ですが、やはり狐忠信の芸は
猿之助さん一代と思われますが、海老蔵さんも
かわいらしい狐ぶりと思いました。
(喉を壊さなければ良いが)
襲名時、頼りしていた団十郎さんが病で休演され
父不在のまま襲名を乗り切った経験も活きている
ように感じました。
心情きめ細かい笑三郎さんの静に、猿弥さんの
元気な赤っ面亀井に感激し、大将の凛々しさある
段治郎さんに、吹き替えの延夫さん、欣弥さんの
法眼そしておもだが型にしかない活発な僧兵達と
、またかと見た猿之助版ですが、懐かしく
涙しました。
◎来年6月・中日劇場は獨道中五十三譯ですよ!
返信する
Unknown (yaya)
2006-11-16 23:44:43
>yukinamaさん

観劇報告ありがとうございます。
ちょうど中日過ぎの観劇でしたね。
私も、後半に再観劇します。
どう、変わっているのか?変わってないのか?
楽しみです~。
返信する
ここで書くことでないが (yukinama)
2006-11-21 09:05:35
お疲れ様です。
昨日、平成の坂田藤十郎という
映画を見ました。
始まってすぐに、平成8年8月の
市川右近の会で、河庄を指導される
藤十郎さん(当時鴈治郎さん)の
姿が映し出されます。
右近さん、亀治郎さん、歌六さんも
わずかですが映っていました。
藤十郎襲名までの10年を追った
記録映画です。
東京では、ヤマハホールで
昨日と、11/29、12/6と
上映されます。
返信する
いえいえ (yaya)
2006-11-26 10:53:06
>yukinamaさん

情報ありがとうございます。
最近、歌舞伎関係の情報に疎くなっているので
また、なにかありましたらよろしくお願いします。
中日の件は、どこかで公式発表になりましたか?
実は、昨年の雪之丞の段階からチラホラ
話は聞いていたのですが、まだまだ公式発表の
段階では全然なかったので。
返信する
中日劇場 (yukinama)
2006-11-26 20:54:37
名古屋出張時に寄って、
来年の予定みたいな掲示に
ありました。
サイトにも載っていたはず…
右近さん、段治郎さんの素の
姿で写真ありました。
返信する
お! (yaya)
2006-11-29 00:13:45
中日のサイトに出ましたか~。
私、前回の中日での上演のとき「お地蔵さん」に
選んでもらって、猿四郎さん、笑也さん、右近さん
に拝んでもらいました~!!
同じ演出かな?だとしたら、
「お地蔵さん席」伝授致します~\(^o^)
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