今回から、バイアスと早期閉鎖について考えていきましょう。
バイアスとは、推論の過程におけるさまざまな要因によって推論の結果が正確でなくなることである。 バイアスによって、推論過程の早期に正確な診断の可能性を捨ててしまうことを、早期閉鎖 Premature closure と呼ぶ。 早期閉鎖の結果、間違った推論結果に向かうことが診断エラーのcommon pathwayということになる。 それでは、具体的な症例集を上げていきます。
例6 25歳女性。 主訴:発熱。 インフルエンザシーズンでの診療場面。 その日も、多くのインフルエンザ患者を診察した。 腰痛もあったが、インフルエンザによる筋肉痛からきたものと考え、アセトアミノフェンを処方して帰宅可とした。 その二日後、症状軽快せず再診となる。
再度の診察で右側のCVA tenderness あり、尿検査で膿尿+細菌尿を認め、尿路感染症と判明し、入院加療となる。
これはAvailability biasを示す例である。 普段よく診るケースの診断をまず想起することからくるバイアスである。 初診を数多く診察することに経験豊富な医師は、このバイアスの罠について気づいていることが多い。
写真は、沖縄ならではA&Wのメニューと注文する機械です、車に居ながらバーガーなどを注文し、おねえさんが運んで来て、精算もするというやつ。 昔はここでよく仲間と話し込んだりしました。
では、次回に。