燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

倦怠感の鑑別 その6

2016-11-30 | 勉強会
  感染症と敗血症   前回からの続きのケースでは、咳と痰が数日で出現しているので、急性の湿性咳嗽である。 病態としてはまずInfectionを疑う。 呼吸器系では肺炎や気管支炎などが代表的なInfectionである。 Infectionを疑うとき、バイタルサインの異常がないかどうかは重要である。 異常があれば敗血症を示唆する。 ~~~~~~~~~~~~~~~~ . . . 本文を読む
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倦怠感の鑑別 その5

2016-11-28 | 勉強会
病態生理で考える     呼吸器系のROSが陽性である。 呼吸器系の疾患があることを考える。 病変臓器を想定できたら次に病態生理を考える。 病態生理のごろ合わせとして有名なものにVINDICATE-Pがある。 下表に示す。     表:病態生理の分類:VINDICATE-P ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Vascul . . . 本文を読む
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倦怠感の鑑別 その4

2016-11-26 | 勉強会
#システムレビュー   high-yield symptomが得られなければシステムレビューReview of Systems (ROS)を行えばよい。 ROSを自分自身で作成してチェックリストとして携帯するか電子カルテに保存しておくとよい。 high-yield symptomをみつけないと全身のショットガン的な検査を行うことになってしまう。 ROSのサンプルを下表に示す。 . . . 本文を読む
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倦怠感の鑑別 その3

2016-11-24 | 勉強会
それでは症例をみてみよう。   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 症例 85歳 男性  脳梗塞、認知症で施設入所中 昨日より倦怠感あり。 食欲低下もあり。 施設の職員により初診外来受診となる。  既往歴:高血圧、認知症 内服薬:ディオバン1日40mg 生活歴:飲酒なし。喫煙80歳まで2箱。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ . . . 本文を読む
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倦怠感の鑑別 その2

2016-11-22 | 勉強会
薬剤性は高齢者で多く、さまざまな薬剤が倦怠感をきたすので要注意である(下表)。   表:倦怠感をきたし得る薬剤(その代表例)    風邪薬  抗ヒスタミン薬による傾眠、神経症状    降圧薬  β 遮断薬などによる抑うつ:利尿薬などによる脱水や低カリウム血症    血糖降下薬 SU剤などによる低血糖    抗菌薬  ミ . . . 本文を読む
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倦怠感の鑑別 その1

2016-11-20 | 勉強会
はじめに   倦怠感の鑑別診断リストは膨大である。   その理由は、倦怠感が非特異的症状だからである。   このような非特異的症状はlow-yield symptomと呼ばれる。   倦怠感の膨大な鑑別のなかから、頻度が多く重症度も大きい重要な原因疾患のリストを語呂合わせにしたものを下表に示す。   表:倦怠感の鑑別診断リスト: . . . 本文を読む
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バイタルサインのパールズ その8

2016-11-18 | 勉強会
バイタルサインのパールズ:問題   敗血症性ショックに矛盾する所見はどれか。1つ選べ。 A:呼吸数の増加 B:頻脈 C:頸静脈圧10cmH2O(胸骨角より垂直距離) D:Livedo reticularis(網状皮斑) E:Palpable purpura(触れる紫斑) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  正解: . . . 本文を読む
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バイタルサインのパールズ その7

2016-11-16 | 勉強会
バイタルサインのパールズ:細菌感染症vsウイルス感染症では「デルタ心拍数20ルール」を使え    急性感染症の患者において、体温が摂氏1度(℃)上昇毎に心拍数が20/分以上増加する場合は細菌感染症の可能性大であり、これを「デルタ心拍数20ルール」と呼ぶ。  式で表すと、⊿HR/⊿BT>20である。  たとえば、普段(ベースライン)の心拍数70、体温35.5度の患 . . . 本文を読む
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バイタルサインのパールズ その6

2016-11-14 | 勉強会
バイタルサインのパールズ:低血糖の鑑別診断ではバイタルに注目せよ      低血糖の鑑別診断には、最も頻度の高い薬剤性のものから、敗血症などの重篤な疾患もある。  鑑別診断に最も重要な情報は病歴であり、薬剤の使用歴(インスリン・SU剤など)、飲酒歴、既往歴(肝疾患・腎疾患など)はかならずチェックする。  加えて、バイタルにも注目することにより、重大な見逃しを避 . . . 本文を読む
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バイタルサインのパールズ その5

2016-11-12 | 勉強会
バイタルサインのパールズ:喘息発作で重積疑いのときは奇脈を診よ    奇脈(pulsus paradoxus)は吸気時に10mmHgを超えるSBPの低下をみることをさす。  奇脈は心タンポナーデで認めることで有名であるが、重症喘息の場合にも認める。  奇脈のサイズと喘息の重症度には強い相関があり、リアルタイムで治療効果の判定を行うことができる。  重症喘息の場合 . . . 本文を読む
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