循環器フィジカル・奇脈とは何か?
動脈圧では呼吸性の変動をみることがある。
健常人でも血圧は吸気時に低下し呼気時に上昇するが、3-9 mmHg程度の変動に留まる。
この呼吸性変化が10 mmHg以上となる場合、奇脈pulsusparadoxusとよぶ。
奇脈を認める疾患には、心タンポナーデや喘息重積発作などがある。
心タンポナーデが進行すると、閉塞性ショック(高静脈圧型シ . . . 本文を読む
循環器フィジカル・ケース6
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症例6:
76歳女性
進行肺がんにて入院しながら緩和ケアを受けていた。
今回、数日前より労作時の呼吸困難があり、今朝より安静時にも呼吸困難を訴えた。臥位で呼吸困難の増悪があり。喘息の既往はなし。
バイタルサインは、血圧 90/70 mmHg、脈138 /分、呼吸 30/分、体温 36 . . . 本文を読む
循環器フィジカル・第5のバイタルサインとは何か?
第5のバイタルサイン=静脈圧
低静脈圧型ショックは頻度が多く、私は「通常型ショックCommon Type Shock」とも呼んでいる。
通常型ショックの初期治療は迅速大量輸液。
逆に、高静脈圧型ショックは頻度が少ないので、私は「非通常型ショックUncommon Type Shock」とも呼んで . . . 本文を読む
循環器フィジカル・ケース5
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症例5:
78歳女性
自宅で転倒により右大腿骨頸部骨折で昨日手術を施行された患者。
今朝より急性発症の呼吸困難感あり。
病棟ナースがコールされました。咳、痰、発熱、喘鳴など無し。
バイタルサインは、血圧 100/80 mmHg、脈拍130 /分、呼吸 34/分、体温 36.3度。
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循環器フィジカル・ケース4
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症例4:
65歳女性〔主訴〕左半身の脱力と構音障害
数年前より高血圧を指摘されるも治療せず放置。今回、買い物中に突然、左半身脱力を自覚し、救急車にて来院。救命士によると、左半身運動麻痺と構音障害あり、とのこと。
バイタルサイン:血圧 90/60 mmHg、脈90 /分、呼吸 1 . . . 本文を読む
循環器フィジカル・ケース3
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症例3
75 歳の男性
主訴:けいれん
来院前日からの突然発症の腹痛と気分不良にて,かかりつけのクリニックを受診
受診直後に突然,全身性けいれんをおこした
かかりつけ医では「頭部CT検査と腰椎穿刺が必要」と考え、救急車にて患者を病院へ搬送
病院へ来院時,上肢の脈拍は触知可 . . . 本文を読む
循環器フィジカル・ケース2
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症例2
80歳男性
主訴:呼吸困難
最近の健診や病院受診歴なし 喫煙歴+
10日前より労作時呼吸困難
5日前より発作性夜間呼吸困難
昨夜より起座呼吸 今朝救急外来受診
顔色が悪く冷汗をかいていた
胸痛無し
バイタルサイン:血圧110/85 脈 140 . . . 本文を読む
循環器フィジカル・ケース1
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症例1
50歳男性
主訴:意識障害
糖尿病で外来通院中の患者。以前よりインスリン自己注射を行っていた
喫煙歴あり。今回、予約外の外来の受付窓口にて突然倒れ、救急室へ搬送された
顔色が悪く、多量の冷汗を認めていた。
バイタルサイン:血圧 90/75 mmHg、脈140 /分 . . . 本文を読む
循環器フィジカル・はじめに
循環器系疾患には重要な疾患が多い。
虚血性心疾患や心不全のように頻度が多いものも多い。
また、頻度は少ないものの、診断の遅れが致命的となる重篤な疾患もある。
大動脈解離、大動脈瘤切迫破裂、肺塞栓症、心タンポナーデ、など。
このような疾患の患者アウトカムを改善させるためには早期治療が必要であり、そのためには臨床現場の最前線に位置する総合 . . . 本文を読む
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今回も引き続き「救急外来におけるバイタルサインの解釈」について考えていきましょう。
聴診間隙
高齢者では動脈硬化のため、聴診間隙(auscultatory gap)のある患者が多い。聴診間隙とは、コロトコフ(Korotkoff)音が消失する状態の範囲で、カフ圧を下げていくと聴こえていたコロトコフ音がいったん消え . . . 本文を読む