燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

アルコールは 連載 その27

2013-04-29 | 本の紹介
 今回はGW中なので、短めに飲酒についてです。  フランスでは、ほかの欧米諸国と同じように脂肪摂取量が多いにもかかわらず、動脈硬化性疾患である虚血性心疾患がすくないことがわかっています。 これを「フレンチ・パラドックス」と呼んでいます。  原因は諸説ありますが、赤ワインをよく飲む習慣が影響しているといわれています。 赤ワインの成分として脚光を浴びるようになったのが「ポリフェノール」です。 また . . . 本文を読む
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ノースモーキング 連載 その26

2013-04-26 | 本の紹介
 前回に続きライフスタイルについて考えていきましょう。  やはり第一に禁煙です。 禁煙者は喫煙者に比べて、動脈硬化やガンになる割合もかなり少なくなり、健康長寿が期待できます。 喫煙は周囲の人にも害(受動喫煙)を及ぼします。 妊婦がタバコを吸うと、胎児への悪影響があり、流産や早産、奇形児の出産も増えることがわかっています。  また、喫煙で素肌の健康も悪化します。 肌の老化の症状として現れる「しわ . . . 本文を読む
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サクセスフルエイジング 連載 その25

2013-04-23 | 本の紹介
 1987年、アメリカのロウとカーンらが「サクセスフルエイジング」という概念を発表しました。 この概念は、三つの要素で構成されています。 一番目に病気や障害が少ない、二番目に頭脳と身体機能の保持、三番目に高い生活機能の維持です。 この考えでは、単に病気でないことや知的な機能を維持していうという状態では不十分です。活動的な生活機能を維持してはじめて、サクセスフルエイジングといえるのです。  カナダ . . . 本文を読む
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質の高い長寿とは 連載 その24

2013-04-19 | 本の紹介
 世界中の人々が、老化現象を少しでも遅らせたいと思っています。 そして、みんなが健康で生き生きと長く生きることができればと思っています。 また多くの人々が、できるだけ長く元気に生きる方法を知りたがっています。  しかしながら、人間が百歳まで生きることは現代でもまれであるといわれています。 ある研究によれば、沖縄の戦前生まれ世代においても、65歳人口十万人のうち百歳まで生きるのはそのうちのたった4 . . . 本文を読む
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キレーションって 連載 その23

2013-04-15 | 本の紹介
 キレーション治療といって、もともとは鉛中毒に対してEDTAという薬剤を注射して血液中の鉛を除去する治療があります。 鉛だけでなく動脈硬化の一因とされている重金属も除去することから、動脈硬化などの生活習慣病を予防するといわれるようになり、老化防止の効果を期待して一部のアンチエイジングクリニックで保健適応外の診療が行われています。  しかしながら、その老化防止の効果は全く証明されていません。 逆に . . . 本文を読む
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青木眞先生ケースカンファレンス・パールもりだくさん

2013-04-14 | 闘魂症例検討会
今日は品川で青木先生とケースカンファレンスを行いました。 下記は参加してくれた天理よろず相談所病院の佐田先生の青木先生トークのメモです。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 主訴・現病歴Pearl 青木Pearl: 主訴を聞いたときに一番大事なこと:       How long?・・・>症状の長さで鑑別は変わる       How repeat?・・ . . . 本文を読む
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アンチエイジング 連載 その22

2013-04-11 | 本の紹介
 最近になって日本でもアンチエイジングという概念が出てきてます。 アメリカでは1993年に発足したアメリカ抗加齢学会がアンチエイジングの概念を推進しています。   そのウェブサイトでは、老化を予防、治療が可能な病気、と定義し、老化の停止、若返りをスローガンとして、様々なことを奨励しています。 具体的には、食生活の改善、定期的な運動の推奨、サプリメント、ビタミンの大量投与、キレーション治療、ホルモ . . . 本文を読む
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ナノテクノロジー 連載 その21

2013-04-08 | 本の紹介
 前回に続き、長寿の最先端研究から、今回はナノテクノロジーについてです。  ナノテクノロジーとは、「物質の特性を決定する構造(たとえば、結晶の大きさ、膜の厚さ、粒子の直径など)の少なくとも一つが、ナノメートルで定義できる大きさをもった物質を創製すること、およびそれらの物質を組み合わせて、コンピュータや通信装置、微小機械などを創製する技術」のことをいいます。  将来はこの技術が医療の世界でも注目 . . . 本文を読む
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ガン治療 連載 その20

2013-04-05 | 本の紹介
 今回は少し複雑ですが。 老化のメカニズムの1つとして、テロメアの短縮による細胞分裂の停止、それに引き続く細胞死が考えられてます。 それならば、このテロメアの短縮を抑えてやれば老化を防げるのではないか、という考えが出てきました。 実際、短縮したテロメアを修復する酵素テロメアーゼの存在が確認されています。 ヒトでは増殖盛んな血液幹細胞、生殖細胞にみられます。 またほぼすべてのガン細胞に存在します。  . . . 本文を読む
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カロリー制限 連載 その19

2013-04-02 | 本の紹介
 前回からの続きです。 ウォルフォードらが1998年にマウスを用いた実験で、出生直後より摂取カロリーを通常の40%まで制限したマウスの方が、長生きすることを報告しました。 また、この長生きしたマウスはただ単に長寿なだけでなく、がんの発生率も低いなど、健康マウスであることも証明されました。 この低カロリー食と長寿の相関は他の生物(昆虫、蜘蛛、魚、線虫)などを用いた実験でも証明されています。  しか . . . 本文を読む
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