燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

今回のケースの解説

2017-06-30 | 勉強会
  では、このケースに脱水はある?、の経過を見てみましょう。   75歳男性。     以前より、肝硬変・高血圧・慢性閉塞性肺疾患で内科外来通院中であった。     3日前より下痢、2日前より悪心・嘔吐および食欲低下を認め、ほとんど水分と食事を摂れず。     本日朝より気分不良あり . . . 本文を読む
コメント

検査による脱水や循環容量減少の診断ピットフォール

2017-06-29 | 勉強会
  「血清浸透圧の上昇または血清Na濃度の上昇」を脱水の定義としていることがある。     しかし、これは「高張性脱水」のみをとらえる定義であり、血清浸透圧と血清Na濃度に依存すると、低張性脱水と等張性脱水を見逃すことになる。         また、循環容量減少については、BUN・クレアチニン比(≧25)や . . . 本文を読む
コメント

循環容量が減少する病態

2017-06-28 | 勉強会
  血管内(2nd space)に存在する「循環容量が減少すること」を循環容量減少hypovolemiaという。         脱水を有する多くの患者では、循環容量減少もある。     すなわち、下痢・嘔吐・大量発汗・水分摂取低下・過剰利尿などはそのまま、循環容量減少の主要な原因となる。   . . . 本文を読む
コメント

血清浸透圧による脱水の分類

2017-06-27 | 勉強会
  体から「水分が脱する」現象が脱水。         臨床的には、体内からの電解質喪失(主としてNa)とのバランスにより、脱水の分類がなされている。         水の欠乏のほうが電解質の欠乏より顕著に多いと体液は高張(高浸透圧)となり、これを高張性脱水(hypertonic d . . . 本文を読む
コメント

脱水とは

2017-06-26 | 勉強会
  「細胞内スペースの水分量が減少すること」が脱水dehydrationの定義。     脱水の5大原因は下痢・嘔吐・大量発汗・水分摂取低下・過剰利尿。     これらの原因が複数重なった場合や、より重篤であった場合、あるいはより長時間(長期間)であった場合には、脱水の重症度も強くなる。     また、高 . . . 本文を読む
コメント

体内各スペースの水分量

2017-06-24 | 勉強会
  図1 体重に対する体内総水分量の割合     図2 体内における水分分布スペース           図1と図2より、体重60キロの壮年男性では、体内総水分量と各スペースの水分量は下記のようになる。     体内総水分量 =60×0.6 . . . 本文を読む
コメント

体内における水分分布スペース

2017-06-23 | 勉強会
  体内総水分量は、浸透圧を有する細胞膜や血管壁によりその存在スペースが区切られている。       体内における水分分布スペースの、全体に占める割合は図のようになっている。         図:体内における水分分布スペース         (出 . . . 本文を読む
コメント

脱水診療の基礎:体重に対する体内総水分量の割合

2017-06-22 | 勉強会
  体重に対する体内総水分量の割合は年齢と性別によって異なる(図)。 乳幼児ではその割合は大きく、高齢者では低い。 女性は脂肪分の割合が多いため、男性に比べて体重に対する体内総水分量の割合は低い。         図:体重に対する体内総水分量の割合       . . . 本文を読む
コメント

このケースに脱水はある?

2017-06-20 | 勉強会
  75歳男性。     以前より、肝硬変・高血圧・慢性閉塞性肺疾患で内科外来通院中であった。     3日前より下痢、2日前より悪心・嘔吐および食欲低下を認め、ほとんど水分と食事を摂れず。     本日朝より気分不良あり、救急外来を受診。     普段の内服薬は、スピロノラクト . . . 本文を読む
コメント

体温に影響を与える因子

2017-06-19 | 勉強会
  体温を測定する場合に注意すべき点として測定部位がある。     健常者で腋窩温は36.4℃前後である。     しかしながら直腸温では37.5℃程度である。         体温に影響を与える因子にはさまざまなものがある。     女性の方が男性に比べ . . . 本文を読む
コメント