みなさん、こんにちは。
直観(英語でinsight)は、「葉も木も森も観る」という推論境地を示す仏教用語である。
直観では推論や意思決定の理由やロジックについて、きちんと説明することが必須である。
症例に戻ってみよう。
読者は、「くも膜下出血」という診断を想起した理由を挙げることができるだろう。
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みなさん、こんにちは。
前回の症例情報を読んだ読者は、数秒以内に「くも膜下出血」を鑑別診断に挙げたと思う。
逆に言えば、一瞬の推論で「くも膜下出血」を鑑別診断に挙げていなければならない。
これを「直観的思考」と呼ぶ。
ここでは、「直感」ではなく、「直観」という字を用いることが重要。
「直感」と「直観」は脳科学 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
日常診療での診断のうち7割は病歴で可能である。
診断推論について熟達していくためには病歴をうまく取ることが重要。
今回からのシリーズでは、診断推論の基本、病歴聴取のポイント、そして重要な症状について病歴聴取による鑑別診断の進め方について紹介していく。
まず症例を提示し、その診断を考える過程を通じて必須の . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
前回のクイズに対して、医師と研修医の正解率は約20%と低かった。
約40年後、同じ質問を使った研究がボストンのある病院の医師や研修医に対して行われた。
その結果は2014年のJAMA誌に掲載されたが、正解率は約20%と約40年前とほぼ同じであった。
もっとも多い検査後確率の回答は95 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
約40年前に興味深い研究が米国で行われ、1978年のNEJM誌に掲載されていた。
検査の解釈について医師や研修医に尋ねるものだった。
質問はこうである。
「有病率が1000分の1の病気をみつけるために行われた検査が陽性であったときの検査後確率を述べよ。検査の感度はほぼ100%で、偽陽 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
数週間後、追加の検査結果が全て出そろった。
予想通り、全て異常なし。
再検したCEAも正常範囲内であった。
これらを受診者に説明すると、ほっとした表情でたいそう感謝された。
確かにCEAは使い方によっては役に立つ検査だ。
胃や大腸、膵臓がんなどでは . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
病院の指導医となった私が総合診療部門で内科系初診外来をやっていると、人間ドックからの紹介受診者がよく送られてくるようになった。
多数の検査項目のなかには、腫瘍マーカーというのがあり、多くのドックでは血清CEA (癌胎児性抗原)を測定している。
受診者は「私の体内にはがんがあるのですか?」と切り出してく . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
“Probability is the rule of life, especially under the skin. Never Make a Positive Diagnosis”
By William Osler, MD
「確率は命のルール。特に体内ではそう。決して陽性診断をしてはならない」
ウイリアム . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
Q カンファレンスによっては、自分の興味が湧かない内容のものもあるかと思います。
そんな場合に学ぶコツはありますか?
A カンファの内容を、自分の担当患者であったらと「想像」しながら聞くとよいと思います。
Q マニュアル本1冊以外に読むべき本などありますか?
A 内 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
Q カンファレンスなどでよい質問を考えるコツはなんでしょうか?
A 発表者の立場に立ったように想像して質問を考えるとよいと思います。
発表者が「聞いてほしい質問」をしてくれるとみんなの勉強になります。
基本は、疑問に思うことはどんどん質問しましょう、ということですね。
Q 人生で一 . . . 本文を読む