燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

Hill徴候とは?

2024-06-28 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     上肢の血管系に閉塞がある患者では、下肢の収縮期血圧が上肢に比べて高くなる。   高安病などの特殊な上肢の疾患であり、大動脈解離や高心拍出状態(Hill徴候)でもみられることがある。   Hill徴候、特に大動脈弁閉鎖不全によるものでは、間接的測定の下肢の血圧は上肢の血圧より20〜60mmHgも高くなる。 & . . . 本文を読む
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下肢の血圧

2024-06-27 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   患者を臥位にして、触診もしくは聴診で膝窩動脈(大腿用のカフ使用)、または足背動脈で(下腿にカフを巻いて)下肢の収縮期血圧を測定する。   上肢と下肢の収縮期血圧の差は、両者を測る前後の神経血管の緊張状態の変化や、何らかの器質的異常によって起こる。   両側の下肢の血圧は臥位で測定すること。   下肢の血圧を座位 . . . 本文を読む
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両側上肢の血圧左右差

2024-06-26 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   両上肢での収縮期血圧に差があった時には、少なくとも片側の器質的異常の可能性がある。   片側を測定した後、反対側に移る時に、神経血管系の興奮またらリラックスがある程度生じ、その変化は収縮期血圧と拡張期血圧どちらかに影響する。   有意な内因性の血管閉塞があれば、少なくとも収縮期血圧で10mmHgの差を生じる。   . . . 本文を読む
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高血圧症のタイプ

2024-06-25 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     V−type(低レニン)高血圧とR−type(高レニン)高血圧を区別するとよい。     前者は、ナトリウム貯留と血漿量の増加により心拍出量が増大するもの。     後者は、レニン−アンギオテンシン系で規定される総末梢血管抵抗が高くなるもの。 &nbs . . . 本文を読む
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本態性高血圧症の本態性の意味

2024-06-24 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   20世紀への変わり目の時期、動脈閉塞性疾患は病理解剖でのみ診断できた。   これらの患者では生前に血圧の上昇が認められていた。   高血圧は、広範な動脈閉塞性疾患によって2次的に起こる適応反応と考えられた。   狭窄血管での血流を保つために高い圧力を加えるためのものであるということで「本態性」との仮説を立てた。 . . . 本文を読む
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さまざまな物質の血圧への影響

2024-06-21 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。       喫煙は、4分以内に収縮期血圧を約20mmHg上昇させることがある。     多くの薬にも血圧上昇作用がある。     例えば、片頭痛薬、NSAID、経口避妊薬、感冒薬、シクロスポリン、三環系抗うつ薬など。     写真:沖縄本島北部、金武町周辺の風 . . . 本文を読む
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Korotkoffの聴診

2024-06-19 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     Korotkoffがコロトコフ音を発見し拡張期血圧が普及した。   この人物について伝える価値がある医学史のストーリーがある。   Korotkoffは旧ロシア軍の外科医であった。   彼は、手術用のイヌを使って、外傷後の動静脈瘻の実験研究をしていた。   彼の指導医は、切開する前 . . . 本文を読む
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見繕いの観察

2024-06-18 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     髪がボサボサで風呂に入っていない患者は、経済的に困窮しているかもしれない。   自分自身を大切にする気持ちや他人に対する敬意を失っているかもしれない。   あるいは介護者によるネグレクトがあることを示しているかもしれない。   ピアス、刺青、髪形、服の着方など、その人特有の文化や嗜好などを示すも . . . 本文を読む
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栄養障害

2024-06-17 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。       介護施設に入所中の寝たきり患者において多い。     疑う所見は以下である。     衣服がだぶだぶになっていないか     入れ歯が合わなくなっていないか     口の痛みがないか     歯が . . . 本文を読む
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患者の痛みの観察

2024-06-14 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   患者が歩いたり動いている様子を、特に患者に気づかれないようにして観察することが必要なケースもある。   なかには鎮痛薬をもらおうとして、痛いふりをしているものがいる。   そんな患者を多く診察する医師には、駐車場にいる患者を観察できるような窓をこしらえている医師もいる。   脊椎菅狭窄でひどい腰痛があるという女性が . . . 本文を読む
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