燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

キーポイント集3 連載 その66

2014-07-30 | 症例集
 前回に引き続きキーポイントを上げていきます。  ●喘息発作で重積疑いのときは奇脈を診よ  奇脈(pulsus paradoxus)は吸気時に10mmHgを超えるSBPの低下をみることを指す。 奇脈は心タンポナーデで認めることで有名であるが、重症喘息の場合にも認める。  奇脈のサイズと喘息の重症度には強い相関があり、リアルタイムで治療効果の判定を行うことができる。 重症喘息の場合には、ピーク . . . 本文を読む
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キーポイント集2 連載 その65

2014-07-26 | 症例集
 今回も前回に引き続き今までのおさらいというように総合診療のキーポイントを上げていきます、今回は短めに、では  ●発熱患者や感染症を疑う患者では悪寒の有無とその程度を確認する  感染症急性期ではまず悪寒が先行し、その後体温上昇を認める。 敗血症を早期に捉えるためには、悪寒の有無を確認し、その程度について詳細な問診を取るべきである。   患者のベッドが体の激しい震えによって「ガタガタ」揺れてい . . . 本文を読む
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「トップクラス臨床教育病院での指導医リーダーの役割を考える」シンポジウム開催のご案内

2014-07-24 | 公開講義のおしらせ
定員残りあとわずかです! https://docs.google.com/file/d/0Bwz-awEKsSPkNzQ0cU1HMTMzcGs/edit 「トップクラス臨床教育病院での指導医リーダーの役割を考える」シンポジウム開催のご案内 基本的臨床能力評価試験の実行委員会から、委員長 徳田安春氏(JCHO総合診療教育チーム リーダー)、塩尻俊明氏(国保旭中央病院総合診療内科部長)、西崎 . . . 本文を読む
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キーポイント集 連載 その64

2014-07-22 | 症例集
 今回は総合診療のキーポイントとして、短めのものを何個か集めてみましたので、では  ●大量出血・高度脱水の患者では血圧正常の場合、ティルト・テストを行う  消化管出血、腹腔内出血、下痢、嘔吐などの患者では、出血・脱水が進行すると、低容量性ショック(血圧低下+主要臓器循環不全)をきたす恐れがある。 血圧低下が起こる前の段階(プレショック)を捉えることができれば、適切で迅速な治療判断を行うことがで . . . 本文を読む
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沖縄の車窓 連載 その63

2014-07-19 | うちな~ネタ
 今回は箸休め的な沖縄のなにげない建物でもどうぞ          建物というかモノレールの橋脚ですね、鉄軌道のない沖縄の唯一の乗り物になりました          昔は「オオノヤマ球場」と呼んでいた沖縄セルラースタジアムです、先日も巨人対DeNAの公式戦がありました          夏の空ですね          手前から二番目のビルが琉球放送と琉球朝日放送の入っているビルです . . . 本文を読む
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アカデミックな総合診療科はどこ?

2014-07-16 | 症例集
日本PC学会英文誌General Medicine の今年度のEditor-in-Chiefを拝命しました。 さっそくではありますが、掲載論文Vol.10.no1~Vol.15.no1 までの5 年間の掲載実績をアップしました。 https://docs.google.com/file/d/0Bwz-awEKsSPkdHJaclFmb1dQOGs/edit さて、あなたの所属する総 . . . 本文を読む
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この患者は脱水なの?4 連載 その62

2014-07-15 | 症例集
 前回に引き続き臨床研修プラクティスから今回はJVPを評価するためのステップとしてまとめていきましょう。 では 1)患者をリラックスさせ、胸鎖乳突筋の緊張を解く、軽く頭を持ち上げ枕を挟む。 2)ベッドの角度を調節する。 診察する側の反対側に少し顔を向かせる。 3)接続方向にペンライトで光を当て、内頸静脈拍動(皮膚の動揺)を見つける。 4)必要に応じて、内頸静脈拍動が頸部の下半分で観察できる . . . 本文を読む
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その患者は脱水なの?3 連載 その61

2014-07-11 | 症例集
 前回に引き続き臨床研修プラクティスから頸静脈圧(jugular venous pressure:JVP)による評価のステップについて考えていきましょう。  頸静脈圧(JVP)とは   全身性静脈圧は動脈圧よりはるかに低い。 静脈圧を決定する因子には、血液量と右心系の容量、左心室収縮能がある。 血液量が減少すると静脈圧は減少する。 逆に、過剰な輸液などにより循環血液量が増加すると静脈圧は上昇する . . . 本文を読む
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この患者は脱水なの?2 連載 その60

2014-07-07 | 症例集
 今回も引き続き臨床研修プラクティスから短めに浮腫の評価のポイントを考えていきましょう。  「浮腫」は間質における過剰な体液の蓄積により腫脹として現れる。 浮腫は体位による影響を受けることが多く、重力の方向で低い部位に生じる。 坐位では足や下腿に、寝たきりでは仙骨部に現れる。 浮腫は通常、4~5L以上の過剰な体液が蓄積しないかぎり顕著とはならない。 眼瞼浮腫や手指腫脹は「ネフローゼ症候群」で出現 . . . 本文を読む
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この患者は脱水なの? 連載 その59

2014-07-03 | 症例集
 今回は臨床研修プラクティスから「輸液パーフェクトガイド~どんな病態でも輸液の考え方は同じです~」と題し、一回目にはこれ、「この患者は脱水なの?溢水なの?」を考えていきましょう。  今日は「バイタルサインの解釈のポイント」を考えていきましょう。  重症脱水はしばしば血圧の低下、すなわち低血圧をきたす。 この「低血圧」に、「末梢循環不全」による症状や徴候(気分不良、めまい、尿量低下、意識障害)が . . . 本文を読む
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