痙攣シリーズの最後は「専門医の診察が必要となる病態」と題してお送りします。
痙攣重積 大半の痙攣発作は一過性のもので、数分~十数分程度で回復することが多く、生命に危険があるような発作は例外的である。 ただし、強直性の激しい大発作を断続的に何度も繰り返し、発作と発作の間の間歇時に意識障害を有する痙攣重積発作の場合には、痙攣発作を早期にコントロールしないと、不可逆的脳障害を残す恐れがある。 そのため、ジアゼパムおよびフェニトインの経静脈的投与などによる初期治療で反応しない場合は、気管挿入し人工呼吸器管理のもとで(集中治療室入院が望ましい)、ミダゾラムまたはフェノバルビタールによる静脈麻酔を行う。
脳波のモニタリングも行う。 このような集学的な治療を要することから、痙攣重積発作の治療には、専門医の診察も求めるべきである。 神経学的局所所見のある患者も紹介する。
その他 不整脈などの心疾患が原因で失神・痙攣をきたしている場合には、循環器科へ迅速に紹介する。 脳腫瘍や動静脈奇形で脳外科的治療の適応がある場合、脳外科へ紹介する。 全身性疾患に伴う中枢神経病変では、各疾患の専門医の医師と連携しながら治療にあたる。
今回の痙攣シリーズはここまでです、では次回に。