ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

アメリカ大学の非常勤大量解雇の動き

2009-03-04 15:36:37 | 大学関係
アメリカの不況で、大学も寄付が減少したり、州立の場合、州からの予算が激減したりしている大学が増え、そのしわ寄せがいろいろなところにきている。そしてもちろん、もっとも弱い立場にあり、調整しやすい状況に置かれている非常勤の教員、職員の解雇という事態がでてきている。

私がいるモンタナ州は、とくに大きな産業があるわけでもなく、もともと不況な州だ。そうなるとかえって、この不況が他州にくらべて、そう大きな影響を与えているとはいえないらしい。私の大学の収入も、2/3が授業料頼り。そして、授業料はほかの州立大学にくらべても、けっこうリーズナブルなお値段ということだ。要するに、安いお金でもともと経営していた大学だったということ。じわじわと不況の影響がきつつあるな、、と感じるが、そうラディカルに状況が激変、といった事態にはまだ至っていない。

だが、ほかの州は、相当ひどいところがあるようだ。目立っているのが、アリゾナ。ABC Newsの記事にも書かれているが、アリゾナ州立大学では大量非常勤カットを行っており、200人もの非常勤が一気にカットされたという。アリゾナ州立大学はここ数年、アメリカの中でも羽振りが良い大学として知られていたのだが、、予算がどっと減り、非常勤がカットされ、そしてその結果、授業のクラスサイズがどんどん大きくなっているという状況のようだ。

アリゾナ州立大学のみならず、ほかの多くの州立大学で同じような状態に陥っているのではないかと思われる。アリゾナの場合は報道されているが、あまり報道がない州ーたとえばワシントン州などーでも、実態はかなりひどく、非常勤カットも行われているらしい。私立でも同じようなところはあるのだろう。

この大きな波をかぶっているとはまだいえない状況のモンタナだが、だからといって別に状況がよいわけでもない。ずっと州が不況だったというだけで、それがますます落ちているわけだ。そしてこの州は少子高齢州なので、授業料収入も増える見込みは薄い。それに加えて、オンラインの授業に相当学生をとられてしまうという現象も起きているらしい。私の大学でも、オンラインコースを増やすような方向に動くことが予測される。

その反面、不況によりコミュニティカレッジの学生数が増えているのだそうだ。"Community Colleges Boom in Recession"というABC Newsの記事があった。不況下において、4年制の大学にくらべ、授業料が圧涛Iに安いものだから、同じような講座ならコミュニティーカレッジで履修したほうがよい、ということになる。そして、仕事を失った人たちも、何らかのスキルや資格を得るために、コミュニティカレッジに学びにくる、ということらしい。しかし、ただでさえ予算不足のところが多いコミュニティカレッジ。授業料よりも、州や郡などのお金に頼る面が大きいわけで、それが不況で限定されている状況では、この学生数の増加は必ずしもプラスに作用していないようだ。

そして、大学では、今年の教員採用数はかなり少なくなっている。それでもまだ若干雇っている私の大学はマシで、まったく採用を凍結した大学もかなりあるようだ。英文学分野での今年募集がでていた仕事の半数近くは、募集キャンセルになったというウワサも聞いた。

この状況が悪化しないとよいのだが、、

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2 コメント

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Unknown (Josef)
2009-03-05 18:40:38
州立大学は株や債権で資産運用してるなんてことはないのですか?
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Unknown (ともみ)
2009-03-08 00:01:22
ああ、大きいところはやってそうではありますね。私の大学は、、弱小なので、そんなのもうまくできてなさそう。っていうか、やってるのかも謎。2/3が授業料、1/3のうち、州からのお金と、まあちょろちょろと企業などからの寄付があるのだろうと思います。株や債券がどれほどあるかもわかりませんが、あったとしても私の大学の場合ほんの少しだろうかなと。
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