ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

ピザとコーンとマヨネーズ

2009-02-05 11:42:51 | 人類学
ャsュラーカルチャー授業で「食べ物」を扱う。鮨のグローバリゼーションがネタのひとつ。カリフォルニア巻きだのフィリー巻だのの話をしていたのだが、日本に住んでいたことがある学生から、日本のピザにコーンのトッピングというものがあることについて発言があった。いい機会だということで、日本の宅配ピザ屋のサイトをみせた。

当然のように、コーンがのっかって、マヨネーズがかかったピザ写真がでてきた。それを見た学生たち、「信じられん」「考えられん」というご発言。「日本のピザにコーンがのり、マヨネーズがかかっている」というのは、アメリカ人的にはとんでもない組み合わせで、どうやら気持ち悪い、ととられるようだ。「でも、みんなマヨネーズ大好きで、いろんなものにかけるじゃない?なぜピザはダメなの?」ときいてみる。もちろん、コーンも同様だ。アメリカといえばコーンだしなあ。でも、「なんか変」というご意見があるばかりで、「どうして変」かについては、納得いく答えはでてこない。ピザのトマトソースとマヨネーズのコンビが変、という意見もあったが、ケチャップとマヨネーズがかかった食べ物だってあるだろうし、、しかも、マヨネーズと似たような、ランチドレッシングの場合、ピザにかかっていても許せるのだそうだ。

ピザにコーンとマヨネーズはのせるべきではない、というこの強いアメリカ人の概念、どこからでてきたのか興味深いな。そして、日本のピザ屋が、なぜピザにコーンとマヨネーズを載せようと思ったのかも、同様に興味がでてきてしまったぞ。。

「日本人論」をぶちこわす

2009-02-05 02:37:58 | 人類学
現在教えている、日本のジェンダーとセクシュアリティの授業。日本関係の授業を教えるたびに苦労するのが、学生たちがもつ「日本」および「日本人」(いわゆる"the Japanese")というものへの思い込み。

ャsュラーカルチャーの授業とかなら、それでもけっこう学生たちは最新の日本の状況をネットなどでおさえていたり、オタクであればあるほど、日本の多様なアニメやマンガ、そしてそこで描かれる様々な世界について詳しいから、そう苦労しなかったりする。しかしながら、これが「ジェンダー」になると、、さすがに「日本の女性は抑圧された月メ」的なオリエンタリストなステレオタイプこそなくなってきているが、「日本の女性は専業主婦」とか(そして対になるのが「日本の男性は大企業サラリーマン」)、おいおい高度成長期から80年代くらいまでの流行ステレオタイプかよ、、というものがいまだに幅をきかせているのだ。その背景にあるのは、学生たちの「日本よりアメリカのほうがすすんでいるのだ」という思い込みだったりもする。

「女性」や「男性」に関する一般化に加え、例えば「日本の教育」のステレオタイプもまだまだ根強い。例えば、「日本の大学は簡単」だとか、「受験地獄は大変」だとかいうイメージが妙に根強く共有されてしまっているようだ。一口に「日本の大学」といっても、学部や大学によって忙しさもまちまちだろうし(理系と文系もちがうだろう。卒業後に国家試験を受けるような学部はけっこう大変だろうし。)モンタナの大学にくらべて、そんなに日本の大学が簡単なのか、、といえば、かなり怪しい。また、日本の「受験地獄」も大学を選ばなければ全入時代だったりもする。

この、7~80年代に「日本人論」でいわれていたステレオタイプが、いまだに根強いのだ。これは、アメリカに日本から留学してくる日本人学生たちの思い込みも影響している気がする。とくに昨今、アメリカの学部に留学できる、というのは、ある程度お金がある家の学生が多いだろうし。モンタナには日本企業の駐在員はほとんどいないと思うが、駐在員が多い地域はその人たちのもつ考え方も影響しているかもしれないし、そもそも日本領事館などが、「日本といえば中流サラリーマンと専業主婦家庭」的なイメージをいまだに垂れ流していることも原因かもしれない。(たとえばシアトル領事館のサイトをみると、そういう類いの日本宣伝ビデオを盛大に貸し出しているようだ。)

今のジェンダー授業では、それをまずぶちこわす作業を最初の2週間ほどでやるべく、(まあいちおう人類学なので)ルース・ベネディクトだとか中根千枝とか読ませて、批判&脱構築しまくったりしているわけだ。しかし学生たちにとってこれはちときついらしい。今まで、日本人の友達から学んだり、なにかの本で読んだり、下手したら授業で学んできた知識が丸くずれになるようなものだからなあ。でもこれしておかないと、"the Japanese"がどうしたこうした、、というような議論をいつまでたってもされてしまい、とくにジェンダー&セクシュアリティの授業でこれをされると非常にきついのだ。

それほどに、「日本女性」ステレオタイプ、というのが妙に強固に働いている状況、なんとかしたいものだなあ。