木を愛し、土に親しみ、犬と戯れ、思いつくまま気ままに発信、知る人ぞ知る「山章工房」のブログです。
山章工房の木土愛楽(きどあいらく)




気温が下がりました。
風がのぼり旗をふるわせ、音を立てます。
その音が気になるのか、愛犬クレハは
少し落ち着きなく歩きます。
私のランニングも体が温まるまでは
膝が重かったです。
少しずつ、冬に向かいつつあります。

さて、写真の鑿(のみ)をご覧下さい。
私の愛用の鑿です。
他にも木工の世界ではブランドの「国慶」(くにけい)の
12本セットの鑿も持っていますが、
普段はついこちらの5本に手が伸びます。
特に右の3本は私が木工を始めた
16年前に購入したものです。
同時に習作として作った道具箱も
よく見ると鑿の受けが3本分しかないのが
分かると思います。

かんなと同様に、機械製作中心の木工でも
鑿がないと始まりません。
しかも切れないと話になりません。
素人の私でも研げばそれなりに切れはでます。
しかし、長くは続きません。
いわゆる「長切れ(ながきれ)」がしないのです。
その研ぎも16年も続けていると、
自分の手のクセが出て、刃先が斜めになってきます。

そこで、10月の初旬にご近所のプロの研ぎ屋である
「金原研ぎ屋」に研ぎをお願いしました。
ここでは静岡文化芸術大学で彫刻を教える先生の
鑿や彫刻とも研いでいるそうです。
1週間ほどすると、ご覧の姿で帰ってきました。
もちろん刃先はまっすぐになり、
「裏押し」も鏡のようにきれいに「糸裏」で
仕上げられています。
前回、伊豆に帰った時にほぞの先の
面取りに使ってみました。
本当に良く切れます。
やはり、さすがにプロの仕事です。
研ぎ代は1本につき、300円です。

毎回、金原さんに研ぎに出すわけにはいきません。
木工を一番の趣味といっている以上は、
やはり普段は自分で研がなければいけないと思います。
でも、やはりこの鑿を使ってみると
プロと素人の差は歴然。
今度、小遣いが貯まったら「国慶」の12本組みも
リフレッシュのために研ぎをお願いするつもりです。
素人がプロに勝てるわけがありません。
プロの仕事にはそれ相応の対価を支払うべきと言うのが
私の持論です。

それでは行ってきます。

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