やまちゃん奮闘記

1970年代から海外に出かけ、滞在した国が合計26か国、21年の海外生活が終わりました。振り返りつつ、日々の話題も、

尖閣騒動以降も続く日本企業の対中国投資・工場拡張

2013-06-23 | 政治・経済
昨年の尖閣騒動以降、中国の投資が減ってきていると思いきや、6月21日の人民網の報道によると、「2012年の日本企業の対中投資は増加」。日本企業は引き続き中国の生産基地への投入や建設の強化を重視すると同時に、中国の巨大な市場の魅力へと注目が移りつつある。と。

日本側報道でも、慎重になっているとアンケート回答ですが、去年の日本から中国への投資額は前の年に比べ16.3%増えて過去最高を記録している。との報道がある。(テレ朝ニュース 6月19日)
ます。
車エンジンなどの大きな投資は、中国側も望んでいるところであるが、やはり、一時のそれ行けどんどんとは行かないようですね。

最近の江蘇省での拡張工事稼働・新規投資情報を拾ってみよう。

1)安川電機:
2011年12月以来、世界最大のロボット工場を常州市に建設していたが、このほど操業を開始した。投資金額は40億円

2)日精樹脂工業:
江蘇省太倉市に射出成型機生産の第2工場を建設し、中国での生産能力を現在の約3倍に引き上げる。新工場の資本金は日本円で5億円。現工場近くの土地を新たに賃借し、工場を新設する。年内にも着工し、2014年度の早い時期に生産を始める。(5月29日 日経

3)東レ:
江蘇省南通市にある高機能ポリプロピレン長繊維不織布(PPスパンボンド)の生産工場で設備を増設すると発表した。生産能力は従来から約34.5%増える。今後も中国で拡大するとみられる紙おむつ素材の需要に対応する。
傘下の東麗高新聚化(南通)(江蘇省南通市、TPN)が運営する工場に設備を増設する。投資総額は50億円で、東レが全額出資する。稼働後の年産能力は従来の約5万8,000トンから約7万8,000トンに拡大し、韓国とインドネシアの生産拠点を含めた東レグループのPPスパンボンドの年産能力は約14万1,000トンとなる見通し。稼働開始は2014年12月を予定する。(6月20日 NAA・ASIA

4)ユニ・チャーム:
今後、中国内陸部での需要が拡大することが見込まれることから、安定供給体制を構築するために、江蘇省揚州市に尤妮佳生活用品(江蘇)有限公司を設立した。(2012年7月

5)アイリスオーヤマ:
蘇州工場 マスク生産概要:稼動時期 :2013年9月 設備投資金額:5億円 (2013 年5 月23 日

6)レンゴー:
20日、江蘇省無錫市で段ボールの製造販売を手掛ける子会社、無錫聯合包装で、不織布を製造すると発表した
工場建屋を増改築し、新たに不織布製造設備を導入する。1期の年産能力は4,800トンで、2014年1月に生産を開始する予定。生産規模は向こう数年内に約1万トンに拡大する。投資額は約40億円。事業開始は同じく14年1月を予定する。

7)不二越:
「那智不二越(江蘇)精密機械」が開所した。場所は江蘇省張家港経済技術開発区。精密工具、自動車・産業機械用油圧機器、ロボットなどを製造する。プレゼンテーションやR&Dの機能を有した中国・東アジアの中核拠点とする。

8)セイコーエプソン:
「Singapore Epson Industrial」が、江蘇省鎮江市に生産・営業の新拠点となる「Epson Surface Engineering (Zhenjiang)」を設立し、受注生産を開始した。省エネや工業用水リサイクルなどの環境配慮をさらに進めた自社工場で、高付加価値の表面処理加工を行う。投資金額 5億7千万円

9)エーザイ:
中国子会社「衛材(中国)薬業」が保有する、江蘇省蘇州工業園区内に、新たに注射剤工場を建設する。初期設備としてメチコバールの注射剤の生産ラインを備える。工期は2013年度第3四半期の着工、2014年度上期の竣工を予定している。

こう見てみると、ロボット産業、中国の「シルバー産業」に注視した医療機器などの新興産業に重点が置かれていることが見えてくる。