中国でも、自殺者まで出るなど、振り込め詐欺が大きな問題となっており、昨年、9月には、振り込め詐欺撲滅に向け、中国政府が「ネットワーク詐欺の予防・取り締まりに関する通告」を発表した。12月1日から、個人が銀行ATMを利用して他人名義の口座へ資金移動する場合、入金手続きが完了するのは24時間後になる。➡こちらの報道など。
これで逆に大きな不便が生じ問題となり、弊ブログでも書いた。
中国での振り込め詐欺は日本以上に多いようだ。2016年の第1四半期の3カ月に、詐欺とおぼしきショートメールを受け取ったのは6億4000万人、メール件数は10億1000万通。被害総額35億7000万元。四半期決算の売上が700億円近いのだ。実際、周辺の中国人に聞いたところ、週に2〜3通、訳のわからない怪しいメールを必ず受け取るという。被害の内訳は、電話詐欺18億8000万元、インターネット9億7000万元、ショートメール7億2000万元だった、と。→こちらの報道
百度百科の「電話詐騙」で見てみると、詐欺の手口を3類型とし、20の手口を紹介している。
3類型とは、(1)電話類−電話による詐欺、(2)短信類−ショートメール詐欺、(3)吸話費類−−通話費な等を偽口座に誘い込む詐欺。
・「公証処の公証員」を名乗り「あなたは抽選で当選しました」とだまし、個人情報を得る。
・「銀行員」を名乗り、カードの消費額の確認などといって口座ナンバーを得る
・「税務局員」を名乗り、自動車税、不動産税の還付について相談があるとして、個人情報を得る。
・「社会保障局員」を名乗り、社会保険の還付があると称して、個人情報を引き出す。
・「財政局員」を名乗り、新生児手帳発行のためのアンケートと称し、個人情報を得る
・「あなたの子供が事故を起こした、緊急に賠償金振込みが必要」との電話がくる。
・「あなたの家族が急病、現金が必要」と振込みを依頼される。
・「あなたの友人から歌のプレゼントです。感謝のコメントはこちらに電話を」などの手段で個人情報を引き出す。
・「外地に出張中だが、携帯電話代がなくなった。至急このカードに入金を」と依頼される。
・中国電信顧客ホットラインと名乗り、徴収しすぎた料金の返還と称して口座ナンバーを得る。
・お得なプリペイドカードがある。販売代理店にならないか、という勧誘の電話を繰り返す。
・ランダムに電話をかけ、コールバックさせ、個人情報を得る。
・間違い電話をかけたところ、相手が友人の友人と名乗り、個人情報を盗られる。
・上級幹部の部下を名乗り、最高幹部の個人電話番号を得ようとする。
・購入した商品のアンケートと称し、不満な場合はこちらに電話を、と誘導する。
・送った荷物が未引取りになっていると称し、コールバックをさせ、個人情報を得る。
・「裁判所員」を名乗り、未処理の書類があって強制執行もあると脅し、個人情報を取る。
・「公安局員」と名乗り、重大事件への協力を求められ、身分証ナンバーなどを聞き出す。
・「医保局員」を名乗り、新生児情報の聞き取りと称し、個人情報を得る。
・上司を名乗り、30秒後にここへ電話しろ、と誘導し個人情報を得る。
このように役人を名乗るのが定番のようだ。(さすが中国ならではですね!?)
こんな中、日本の報道で、中国を対象にした振り込め詐欺グループの拠点が去年、福岡県内の複数の場所で見つかっていた、と。拠点には台湾出身者らがいたが容疑の裏付けができず、いずれも帰国したということで、警察は今後、中国側から要請があれば情報提供を行う方針と。→NHK 西日本新聞などの報道
昨年暮れには、スペインで振り込め詐欺のアジトが摘発され、中国人等が200人逮捕された報道があった。→こちらなど
日本の場合には、容疑の裏付けができず、逮捕者はなく、台湾出身者らは帰国してしまった。スペインと日本のこの差は何だろうか? 日中の関係が悪く、情報が足りなく、捜査ができない? 人権を重視している間に容疑者はにげてしまう?
振り込め詐欺の逮捕は難しいようですね。➡警視庁HP
============================================================================================