土日シリーズ「DTPの構造を考える」です。
いままでは、本をトップにして、その下の物理構造、論理構造と組版規則について書きました。
今回から、本という概念をこえ、DTP全体でもつものについて、書きます。
今回はまず手始めにライブラリ
■ライブラリとは
ライブラリは、複数の本(文書ファイル)で、ある部分のデータ(小組やイメージなど。毎回使う図とか)を共通に使う場合、その部分のデータをいれておくところです。
基本的な使い方は、このように、週刊誌のような定期的に本を作成するとき、決まりきった部分をこのライブラリに入れておいて、貼り込むというものです。
■ライブラリの使い方応用-自分の担当分をライブラリに入れて、集版する
で、他の使い方としては、
たとえば、本やチラシなどで、ここの部分はAさん担当、ここの部分はBさん、ここはCさんなどというふうに、いくつか担当をわけたときに、みんな担当部分が出来たら、そのデータをライブラリに入れて、最後に、集版して、ライブラリからできたものをとりだし、貼りこむというものです。このばあい、AさんBさんCさん同じライブラリにアクセスできないといけません。
この応用で、自動組反するとき、作成した小組みを一時的に入れておき、最後に読み込むという方法が考えられます。とくに大量データを作成するとき、ここの部分の自動生成は、マシンA、ここはマシンBなどと割り振れるので、利用しがいがありそうですけど。。こういう使い方はみたことないなあ。。あるのかなあ。。
さらに応用として、データをメールで送って、メールがきたら自動的に自動組版して、その結果をライブラリに入れたら。。って思うかもしれませんが、たぶん、そうするより、メールを人が貼り込んじゃったほうが早いです。
■ライブラリの注意点-作成時と利用時で環境が違う場合
ライブラリの注意点としては、作成時と利用時で環境が違う場合です。
作成時にあったフォントが、利用時にないとか・・・
あと、バージョンが違う場合です。
貼りこんだ直後には、変化ないけど、なにかちょっと触れただけで、新しいバージョンの組み方になり、文字あふれがでるとか。。そーいうのが危険です。
また、貼りこんだ直後には、変化ないように画面で見えたけど、印刷したら、新しいバージョンの組み方になり、文字あふれがでるとか。。っていう危険もないとはいえません。
あふれは、ほんのちょっとの差(誤差程度)でも、おこるので、ちょっとした丸め誤差が新しいバージョンでおきると、再度組反しなおし、文字あふれになるということは、あり得るのです。
また、当然ですが、組版規則が違うところに貼りこめば、文字おきはかわります。
このとき、ただ貼りこんだだけで、なにもさわらないと。。
新しい組版にならないで、前のまま貼り込んでしまう可能性もないとはいえません。
(一字でもいれれば、新しい組版になる。このとに、その文字を削除しても、前と同じ組版になるかどうかはわからない)
ってことで、ライブラリは、こんなかんじで、簡単に触れるだけとし、次回のこのシリーズではフォントと外字、合成文字等の話を書きたいと思います。