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Chateau L'EVANGILE 1983

2008-03-24 05:13:25 | フランス・ボルドー

Chateau L'EVANGILE 1983

(+)実家のワインセラーシリーズです。


ポムロールの新しいスーパースター

ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 2001年、2000年、1998年、1995年、1990年、1989年、1985年、1982年、1975年、1961年、1950年あるいは1947年のレヴァンジルを試飲した人なら、このシャトーが、荘厳な豊かさと人の心をつかんで離さない個性を持ったワインをつくれるということがよくわかっているはずだ。14haの畑は、北をラ・コンセイヤント、ヴィユー・シャトー・セルタン、ペトリュス、南をサン=テミリオンの偉大なシュヴァル・ブランに境を接する輝かしい立地にあり、土壌は粘土と砂が混じった深い砂利質土壌である。このような有利な点があるのだから、私は、レヴァンジルが(一貫性の模範ではないが)ペトリュスやラフルールやシュヴァル・ブランに匹敵するワインを生産することができると信じている。
 現在それが進行中である。1990年にロートシルト家(ラフィット・ロートシルトのほう)が過半数の株式を取得し、2000年にはアルベール・フレール(裕福なベルギー人で、シュヴァル・ブランにも出資している)とともに全株式を取得した。彼らはこのシャトーの限りない潜在能力を完全に認識しており、レヴァンジルはじきに品質においても、そして嘆かわしいことだが価格においても、ペトリュスやラフルールに挑戦するようになるだろう。

 確かに、故ルイ・デュカスは彼のブドウ畑が際立っていることをはっきり知っていたに違いない。なぜなら、彼はレヴァンジルはあらゆる点で隣りのペトリュスと同じくらいよく、そしてもっと複雑ですらあるという見解を述べて、訪れるワイン評論家をしばしば脅しつけていたからである。非凡なデュカス夫人は90代半ばという年齢でも日常的にレヴァンジルの運営にあたっていたが、数年前に亡くなった。私は、1990年代初めにこの驚嘆すべき女性と昼食をともにした時のことを忘れない。その時、彼女は自身のセラーから1964年、1961年、1947年を出して注いでくれた。山盛りのトリュフ、子牛の胸腺肉(リ・ドゥ・ヴォー)、牛肉のフィレの豪勢な昼食が終わる頃、私は料理をすべて平らげて、客よりも早く栄えあるワインを飲み干したただ1人の人物はデュカス夫人であることに気がついた!
 現在、レヴァンジルは完全にロートシルトの所有下にあり、私はこのシャトーが年々ペトリュスやシュヴァル・ブランに近づいていくことを期待している。選別もせずに、勘と経験に頼った醸造法と育成法で何年にもわたってつくられてきた偉大なワインが実証しているように、魔法のような畑である。ロートシルト家の完璧主義の体制のもとではすべてが変わるだろう。この偉大な出来の実績をもつポムロールは、さらに偉大になる態勢である---価格のほうも。

~一般的な評価~
 レヴァンジルは常にこのアペラシオンの星であるが、近年ロートシルト家(ラフィット)の所有のもとで、さらによくなってきており、品質的にはペトリュスやラフルールに双肩する。この格別のワインは、その豪奢なコクと豪勢さに、テロワールをとてつもなくくっきりと体現させている。私が述べたい唯一の批判は、特定のヴィンテージにおいて清澄と濾過がこのワインの別格の豊かさを奪っているという懸念である。残念なことに価格は品質の上昇を追いかけている---しかし、その価値はある。

平均年間生産量:3500~4000ケース
畑 面積:14ha、平均樹齢:40年、植樹密度:6000本/ha、平均収量:40hl/ha
育て方:発酵とマセレーションは温度管理されたステンレスとコンクリートのタンクで25~30日間。槽内マロラクティック後の熟成は新樽80%で18ヶ月。必要なら清澄や濾過も行う。
ブドウ品種:メルロー75%、カベルネ・フラン25%
所有者:ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト(ラフィット)
FineWine より)

シャトー・レヴァンジル


ポムロールの大地でシャトー・ペトリュス、シャトー・ラ コンセイヤント、シャトー・ヴュー・シャトー・セルタンなどの有名シャトーと隣接すると言った恐ろしい程の好立地であるのが今回お薦めするシャトー・レヴァンジル。
50%の粘土と30%のケイ質の砂礫と、20%の純粋な砂礫から成り立つ土壌はシャトー・ペトリュスと最も類似したものと言われます。
このような好条件を満たすシャトーを1990年以降、シャトー・ラフィットを運営するドメーヌ バロン ロートシルト社が、元々の持ち主であるデュカス家と共同所有しているというのだから、ワイン愛飲家にとっては期待が更に膨らむ所。

このようにあらゆる条件を兼ね備えた期待と安心で満ち足りたシャトーなので、あとは “天候”という神の差配による所のみ?っていう感じ?

スパイシーな香辛料、土っぽい刺激を受けながらもカシス、プラム、カンゾウなど深く、華やかな果実味でまとまりのあるワイン。
強い個性のある香りは飲む人の隠れた個性をも引き出してくれるかも!・・・これは美味しいワインを飲んで、つくづく人生観が変わる酔っ払いの空想かもしれませんが・・・

ヴェリタス より)