喉飴と鞭による映画・小説・漫画論評~このブログを見る者は地獄を見るだろう~

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パラサイト 半地下の家族 (2019) ★★★★★

2020-02-09 14:09:05 | コメディ

TOHOシネマズ錦糸町オリナスにて鑑賞。

監督:ポン・ジュノ

脚本:ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン

出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュンetc

音楽:チョン・ジェイル

製作:バランソン・E&A・コープ

配給:ビターズ・エンド

上映時間:132分

 

見事に本年度のアカデミー作品賞を獲得した!

大穴と言われていたが、本作が受賞しなければ全く盛り上がらないアカデミー賞になっていたことだろう。

ていうか、アカデミー作品賞の作品て、調べてみると地味な作品ばかりだな。

そう思うと本作はエンタメ色が強く、実に異例の受賞作といえる。

 

「半地下」に住む貧乏家族が、高級住宅に住む家族に「寄生」して文字通り蝕んでいく。

突っ込みどころは多々あるが…

 

蝕んでいく過程は、犯罪めいているがスリルもありつつ軽快でコメディタッチである。

しかし、後半、「半地下」より下層の「地下」が登場した時点で物語は暗転。シリアスタッチになる。

 

韓国の現実の格差社会を描いた作品であり、家族の絆は強いが家族愛がテーマの作品ではないと感じた。

パラサイト家族は全員、モラルの欠片もなく描かれ、その因果応報で最後は不幸に陥って終わるのだが。

パラサイトするには人を騙し、モラルを捨てる必要はあった。

しかし留学した友人の彼女まで奪うとは。

畜生にも程がある。

情けない父親が唯一、最低限の良識を持ったまともな人物に思われる。

 

計画的にパラサイトしたけどパラサイト後の計画・展望まであったとは思えない。

計画なんて最初からないほうがいいと父の言葉。

パラサイトするしか生きる術のない者たち。

 

最終的に、息子が立てる計画は夢物語で、物語の希望とはいえない。

 

格差社会をなんとかして富を再分配し、中間層を増やさないと、全世界で本作が現実味を帯びてくる。警鐘を鳴らす作品であった

以上

 

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