TOHOシネマズ錦糸町オリナスにて鑑賞。
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュンetc
音楽:チョン・ジェイル
製作:バランソン・E&A・コープ
配給:ビターズ・エンド
上映時間:132分
見事に本年度のアカデミー作品賞を獲得した!
大穴と言われていたが、本作が受賞しなければ全く盛り上がらないアカデミー賞になっていたことだろう。
ていうか、アカデミー作品賞の作品て、調べてみると地味な作品ばかりだな。
そう思うと本作はエンタメ色が強く、実に異例の受賞作といえる。
「半地下」に住む貧乏家族が、高級住宅に住む家族に「寄生」して文字通り蝕んでいく。
突っ込みどころは多々あるが…
蝕んでいく過程は、犯罪めいているがスリルもありつつ軽快でコメディタッチである。
しかし、後半、「半地下」より下層の「地下」が登場した時点で物語は暗転。シリアスタッチになる。
韓国の現実の格差社会を描いた作品であり、家族の絆は強いが家族愛がテーマの作品ではないと感じた。
パラサイト家族は全員、モラルの欠片もなく描かれ、その因果応報で最後は不幸に陥って終わるのだが。
パラサイトするには人を騙し、モラルを捨てる必要はあった。
しかし留学した友人の彼女まで奪うとは。
畜生にも程がある。
情けない父親が唯一、最低限の良識を持ったまともな人物に思われる。
計画的にパラサイトしたけどパラサイト後の計画・展望まであったとは思えない。
計画なんて最初からないほうがいいと父の言葉。
パラサイトするしか生きる術のない者たち。
最終的に、息子が立てる計画は夢物語で、物語の希望とはいえない。
格差社会をなんとかして富を再分配し、中間層を増やさないと、全世界で本作が現実味を帯びてくる。警鐘を鳴らす作品であった
以上