喉飴と鞭による映画・小説・漫画論評~このブログを見る者は地獄を見るだろう~

タイトルの通り、映画、小説、漫画を観終わった後に、感想を書くだけです。コメント頂ければ幸いです。

NO 選挙,NO LIFE (2023) ★★★☆☆

2024-01-07 22:35:18 | ドキュメンタリー

2023年に観た最後の映画である。

京成ローザにて鑑賞。

 

監督:前田亜紀

プロデューサー:大島新

音楽:The Bassons

製作:ネツゲン

配給:ナカチカピクチャーズ

上映時間:109分

出演:畠山理仁

『香川1区』の監督とプロデューサー入れ替え。

音楽までダースレイダーが担当w

 

選挙では泡沫候補はほとんど報道されることはない。

これは候補者を平等に扱う原則に反する。

原則に真面目に乗っ取って活動しているのが畠山氏。

 

私は、映画鑑賞前から畠山氏を知っていた。

なぜなら、私も選挙大好き人間、泡沫候補大好き人間だからである。

それは、このブログにも一度取り上げたことだが、いのたかしの影響が大きい。

いのたかしは、畠山氏に取材された経験はなさそうだが、江東区から出馬している候補(厳密には泡沫というのには失礼な方)

何度も何度もめげずに立候補しているので、次第に惹かれていったのである。

私はニコ生で企画されていた都知事選泡沫候補と見届ける開票速報みたいな番組で、畠山氏を知る。

なるほど、これで食っている人がいるんだなと思っていたが、現実、食ってはいけない。

特に、本作で焦点が当てられていた中川智晴氏なんか泡沫もいいとこだ。

私も名前だけしか知らなかったが、実は「劣等生でも頑張ればできるようになる」と伝えたいメッセージがあって選挙に出ていることが分かる。

途中でギターまで弾いてるし、普通にストリートミュージシャンやればいいんじゃて気もしたが…

維新政党の人も、右翼っぽいから怖い人かと思いきや話し方は穏やかな人だ。

 

この映画を面白くしているのは、『センキョナンデス』と同様(畠山氏はちゃっかり『センキョナンデス』のシャツを着て宣伝もしている!)例の銃撃事件なのだが、(冒頭に安倍元総理の応援演説のシーンがあり、それを予感させる)朝日健太郎氏が言葉を喉に詰まらせる光景など、印象深いシーンもあった。

結末:

下地さんの全然勝算もこの先見えないのに結果を重く受け止めながらも歩みを止めない姿勢、諦めかけていた畠山氏にエネルギーを与え、記者としての活動を継続させるのだった。

私も、いのたかしからエネルギーを貰ってまだまだ人生頑張れてるから、その光景を重ね合わせた。

 

畠山氏の原動力は、選挙に関心持ってほしいから、民主主義で世の中良くしたいという気持ちがあるように思う。

だから投票率の上昇を願った。自分も泡沫記者になりながら。

畠山氏の著作、どれか一冊買おう。

Wikipedia読む限りは、畠山氏が選挙に興味を持っていく過程の方が映像化したら面白そうではある。

 

以上

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アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者 (2017) ★★★★☆

2023-05-24 01:22:05 | ドキュメンタリー

Stranger菊川にて鑑賞。

監督:ケイト・ノヴァック

製作:ケイト・ノヴァック、アンドリュー・ロッシ

出演:アンドレ・レオン・タリー、アナ・ウィンター、トム・フォード、マーク・ジェイコブス、イヴ・サンローラン、カール・ラガーフェルドetc

 

地元から電車で行くほどではないけど徒歩だと結構歩くという微妙な距離に最近できたStranger菊川。

宇多丸も御用達?らしいしそろそろ行かねばと思い足を運んだ。

が、なんと着く直前で手を滑らせスマホを道路に落としたところ、液晶が割れ撃沈。

液晶守るフィルム、一度剥がれてから買い換えてなかったから仕方ないね。

けど、そろそろスマホ自体を買い換えようとしていたのでまあいいかなと。

そこまでショックではなかった。

 

劇場に着くと事情を説明したらQRコードを印刷してもらった。

だが、スマホの誤作動で110番に通報した模様。画面映らないから何が起きてるんだかわからないんすけど。。

スマホさぁ、電源確定で切るボタンとか作れよな、おい。

 

で、鑑賞。

上映前のCMはStranger独自のものが多い。

また、アテネ・フランセ文化センターの支援により本館が成り立っていることも知る。

へ~

さて、本編突入。

まず、アンドレ・レオン・タリーという人物、私は全く知らない。

Wikipediaでも日本語版の記事はないくらいの人物だ。

しかし、黒人の大物デザイナー?という時点で凄そうだと思って興味を抱いたのだ。

鑑賞するとデザイナーではなく、ファッション編集者だった模様。

字幕はオネエ言葉になっているし、巨体だしマツコ・デラックスみたいな存在か?

しかし毒舌を吐いてるわけではなく、常に道化を演じている存在。

個人的に最も突き刺さったのは、彼はゲイであり、そして恋愛歴が生涯なかったこと。

それを、欠点だと認めている。

ファッションデザイナーみたいな人でも、こういうことがあるのか。。

仕事に忙しかったから恋愛する暇がなかったというが、恋愛はしたかったそうだ。

しかし、彼の周りに出てくる人物がファッションに疎い自分でも知っているような人物ばかりで、いかに彼が愛されていたのかが分かる。

以上

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センキョナンデス (2023) ★★★☆☆

2023-02-23 14:55:31 | ドキュメンタリー

リニューアル後の渋谷シネクイント初訪問! こちらはパルコの中にはない方。

狭い通りにあるミニシアターです。

以前訪れた渋谷シネクイントは、ホワイトシネクイントに名前を変えて営業している。

縦長の劇場。

 

監督:ダースレイダー、プチ鹿島

エグゼクティブプロデューサー:平野悠、加藤梅造

プロデューサー:大島新 前田亜紀

音楽:ベーソンズ

配給:ネツゲン

上映時間:109分

 

ドキュメンタリーというより、Youtube配信の延長である。

『香川一区』とだいぶ被るんじゃないかと思ったが、こちらはインタビュアーが画面によく登場し、常に口頭で解説してくれる作りになっている。

大島新ほどには立憲民主に肩入れしていないため、客観的に見れる。

大阪選挙区での松川るい候補の話が止まらず、むしろスタッフに止められているのとか見ると、候補自身も周りにしがらみにとらわれているのが分かる。

しかし、四国新聞のくだりは面白すぎたね。本編のヒルカラナンデスはいつもながら観なので、あれは知らなかった。ぜひ四国で上映してください。

沖縄編は観に行かないと思うが、二人のジャーナリスト顔負けの押しの強さには恐れ入る。

2人ともだんだん認知されるようになってきて、凄いもんだ。観客数もサービスデーだったのもあるが、半分くらい埋まってたし。

以上

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たまねこ、たまびと(2022)★★★☆☆

2022-11-10 19:51:04 | ドキュメンタリー

ポレポレ東中野にて鑑賞。

監督・撮影・編集・製作:村上浩康

出演:小西修、小西美智子

整音:河村大

タイトル:岩淵俊彦

宣伝美術:鯰江光二

宣伝協力:きろくびと

上映時間:91分

 

やっと、シアターエイド・チケットを使うことができました!

もうポレポレ東中野には当分来ないと思います。

 

本作は多摩川に捨てられた猫たちに、写真家の小西修を通して密着するドキュメンタリーである。

保護して室内で飼えばいいじゃないかと思うが、実は小西修氏の妻・美智子氏曰く、元々室内で飼われていて虐待されていた猫をまた室内で飼うのは適切ではない場合もあるという。

多くのたまねこたちは、ホームレスにより育てられている。文だけ読むと滑稽な話のように思えるが、監督曰くホームレスも、自分が世話しないと絶たれてしまう命があることで、生きる気持ちを奮い立たせられるのではないかと。

後半は一部寝てしまいました。ショッキングな映像も多かったです。

舞台挨拶では監督自身が登壇。監督には猫を育てた経験すらないが、監督が取材を通して感じたこと・考えたことを語ってくれた。

私自身も、妹が保護猫を連れてきて、家で飼っているが、虐待されていた経験があるゆえに、人には懐かない。それでも愛情を注ぎまくるとたまに心を許してくれることもあるのだが。

村上監督の他の作品にも興味が湧いた。多摩川縛りでいくつもテーマが転がっているのだ。

以上

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香川1区 (2022) ★★★☆☆

2022-01-05 14:17:01 | ドキュメンタリー

新年一発目の映画鑑賞!

ポレポレ東中野初来訪です!!

 

監督:大島新

プロデューサー:前田亜紀

製作・配給:ネツゲン

上映時間:156分

 

中野駅西口から歩いてすぐのところにあります。

映画館は地下にあり、1階にカフェも併設されております。

 

私は一昨年クラウドファンディングのミニシアターー・エイド基金に5000円募金しまして、そのリターンチケットを貰うためにポレポレ東中野に2022年内には来なければなりませんでした。

本作もそのチケットで観ようかなと思ったのですが、ちょうどいい時間の回が監督舞台登板回であったこともあり、当日分のチケット確保は困難が予想されたことから、今回はネットで予約致しました。

上映時間が長く、トイレ我慢できるか不安だったことから端の席が良かったのですが、既に前日のネット予約の段階でかなり埋まっていたため端から一つ隣の席へ。

劇場は予想通り狭いです。

 

上映開始前、学生2人組らしき男子たちが、最近の映画の上映時間は長すぎるのは興行上の理由か?と文句を仰っていた。ドキュメンタリー映画に限ってはあまり関係なさそうですが、最近の大作映画に関してはそんな気もしますね。

上映前は窓口が混むため、リターンチケットを貰うのは後回し。

 

さて、本編について。

私は前作の『なぜ君は総理大臣になれないのか』は未見です。

本作は続編が作られるくらいだからぜひ観ようと思っておりました。

知人の映画マニアのおっちゃんが昨年ベストだというので、これは即観に行かなければなと期待値高めで行った。

小川淳也の自宅から始まる。

大根だかなんだか育ててて、なんで育てているんですか?の質問に「病んでいるんでしょうね」と。

矢面に立つ仕事で批判の的に常に晒されるわけだから、そりゃ病むだろう。

私も病んでいたから植物でも育てればよかったかもしれない。

 

小川は50歳になったら政治家を辞めるという公約を立てていたそうだ。

当然辞めない。理屈は描かれてないが、恐らく現役世代が政治を担うべきだからとかそんなとこだろう。

60歳とかで良かったんじゃないかと思う。

 

辻本清美の登場するシーンがある。「心が弱いからや!」と小川を叱咤(というか激励)するシーンがある。俺が言われているようや。心が弱いから追い込まれてしまう。心の強い辻本は、選挙では当選した小川に対し、落選してしまうことになる。人生分からん。

小川は、事務所に訪れた田崎史郎に、維新の候補者に取り下げを要求したのは常軌を逸していると批判され、激昂する。追いつめられるがゆえに感情的になる。

後のシーンで、対立候補の平井も、初めは大島監督を政治に興味を持ってもらえるきっかけになればと評価していたが、後にPR映画を作りやがってと豹変する。

本作は選挙を通して追い詰められていく人間の過程を描いたという点で面白い。

小川は選挙活動時に「身体に気を付けてね」と口癖のように口にする。本当にいい人なのだろう。

映画では政策とかまでは描かれないから、既得権益を持つ悪どい平井に立ち向かうという点でしか評価できないが。

対立候補の維新が玉木国民民主の秘書だったということは初めて知った。

小川の言う通り、野党がまとまっていないのは大問題だ。

共産党と組むべきとは思わないが、国民民主と立憲が分かれている状況は次期衆院選までには解消されていないといけないだろう。

 

小川を家族ぐるみで応援している家族も印象的だ。こういう家族の娘さんが、政治家として跡を継いでいくのかもしれない。

本作の笑いどころとして、選挙開票日当日、民放が「自民党が過半数に届かないことが分かりました」と報道するところを、事務所に応援しに来ている後援会員たちが歓喜するシーンがある。実際は誤報だったわけだから、あのシーンはメディアの罪深さを描くのにそれなりに意味がある。

まあ、小川の事務所にとっては小川が当選したからさほど関係ないが。

ダースレイダーも出演していたらしい。見つけることができなかった。

 

他に印象的なシーンとして、政策秘書の食事だ。レトルトご飯に味噌汁に、チンしてできる魚。多忙なゆえ食事は私より質素だ。

あとは選挙ボランティアが事務所で封筒への手紙詰める作業かなにか?をしているシーン。いつか選挙ボランティアしてみたいので、こんな感じなのかと思った。

舞台挨拶で大島監督の姿を拝見。本当に父親に似ている。(小並感)

サイン会もあったが、周りは前作も観ているファンの人たちばかりだったから、ミーハーな私がサイン貰うのは申し訳ないと思い、今回は貰うことはなかった。だがとても気になる監督だ。リターンチケットを貰い、中野をあとにした。

町山氏は対立候補の平井にこそ密着するべきだと本作を批判した。確かに本作の物足りなさはそこにある点に同意。

コメント (2)
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