喉飴と鞭による映画・小説・漫画論評~このブログを見る者は地獄を見るだろう~

タイトルの通り、映画、小説、漫画を観終わった後に、感想を書くだけです。コメント頂ければ幸いです。

真木栗ノ穴(2008) ★★★★★

2022-08-15 22:56:51 | ホラー

ブログによくコメントをくれる島鉄から薦められて鑑賞。

ABEMAプレミアムにちょうど入っていたもんで。

原作:山本亜紀子

監督・脚本:深川栄洋

企画・プロデューサー:倉谷宣緒

製作:江口誠

脚本:小沼雄一

エグゼクティブロデューサー:今村悦朗

制作:べんてんムービー

主題歌:椿

上映時間:110分

出演:西島秀俊、栗田麗、木下あゆ美

 

現代は『穴』だが、それだとぱっとしないので改題したのだろう。

真木栗、地名かなにかと思ったら人名かい。

 

真木栗ノ穴とは、まだ売れてない作家の真木栗が住むボロアパートの壁に空いてる穴のことである。真木栗は穴から隣の住民の情事を覗き見して興奮する日々、それを小説にしていたのであった。

だいぶあらすじ簡略化したが、それが真木栗が官能小説家として売れてしまい、住民にばれて大変なことになるとかいう話かと思いきや、

まあ元々ホラー小説なので、「真木栗が書いたことが現実化していく」という現象が起きるようになる。そして、真木栗に関わった人間は真木栗のおかげで幸せになれたと口にし、最終的に不審死を遂げていく。

で、最後すべて彼の妄想だったことを匂わすようなよく分からない終わり方。

これは、どういうことなのか。

たびたび挿入される洞窟のカットがヒントになっているのか?

不審死する人間は、皆、直前に隣に越してきた女と情事に及んでいる。

甘美の世界=死と捉えればいいのか?

 

部屋が狭いから本が積まれているけど、下の方の本どうやってとるんだろ。

『坂の上の雲』が確認できますね。

壁あんなに空いてたら既に崩壊しててもおかしくなさそうなんですが…

 

最後のエピローグ唐突な気も。

置き薬が実は麻薬でそれ毎日飲んでるから主人公は幻覚が見えていた!とかそういうわけでもなく。

幽霊であろう女が渦中の女、ていうのには何の意味を示しているのか。

世界に矛盾が生じた結果、象徴として世間を騒がす渦中の女が描かれ、

生きることは矛盾しているてことですか。

この世界、まあ人間として生きることは矛盾で満ちていますわな。

 

 

 

 

 

 

 

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マトリックス (1999) ★★★★☆

2022-08-09 21:28:54 | SF

午前10時の映画祭にて鑑賞。

監督・脚本:ウォシャウスキー兄弟

製作:ジョエル・シルバー

製作総指揮:バリー・M・オズボーン他

出演:キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス

音楽:ドン・デイヴィス他

製作会社:ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ、シルバー・ピクチャーズ

配給:ワーナー・ブラザーズ

上映時間:136分

 

午前10時映画祭と謳いながら、午後から上映していたのには笑ってしまった。個人的には午後からの方が行きやすいのでありがたいが。

マトリックスは小学生の頃めちゃくちゃ流行っていたのにもかかわらず、観ていなかった。

先日まで小説『ニューロマンサー』を読んでいたので、世界観を理解するのは早かった。なお、中盤でまた寝た模様。

『ニューロマンサー』は本作と『ブレードランナー』を足したような作品といえる。

仮想空間に没入する映像、本作が初なのだろうか。

『インセプション』も本作の丸パクリみたいなもんやな、夢と置き換えただけで。

 

極限状態で仲間が裏切るシーンが良かった。

『逃走中』の元ネタかと思ったけど、あれは『メン・イン・ブラック』が元ネタなんだな。

結局、最後は愛の力でいきなり覚醒したのか?

結局、旧約聖書をSF化したみたいな作品なのか?

哲学的~!

こりゃ、解説本が欲しいわな。がははw

スプーン曲げはユリゲラーへのオマージュかな?

俺もキスされて救世主になりたーい。

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さびしんぼう (1985) ★★★★☆

2022-08-07 21:33:43 | アイドル

はにわ会のいその君に誘われてDiscordにて皆で話しながら鑑賞。

 

監督:大林宜彦

脚本:剣持亘、内藤忠司、大林宜彦

出演:富田靖子、尾美としのり、藤田弓子

音楽:宮崎尚志

主題歌:富田靖子

原作:山中恒

 

大林作品は三作目。結構観てるなぁ。

 

尾道三部作の一つ。けど『野ゆき山ゆき海べゆき』も尾道が舞台だったような…

大林監督は、児童文学を映像化するのが得意なのだろう。

本作は今まで観た二作よりコメディタッチである。

ブラック要素も強い。

 

時かけよろしく主題歌をエンディングロールでヒロインが歌うアイドル映画として鉄板の演出がありつつ、本作は親子関係についても描いている。

主人公のマザコンっぷりが凄い。親の前で堂々とエロ本を広げて読めるのは異常だ。

そして、望遠レンズで女子校を覗いているというのは映画だし中学生だからいいと思う。しかし、覗いていたことを本人に伝えてしまう主人公はやばすぎやろw 観ていて背筋が凍る。

岸部一徳がまた教師役で出演。救急車を呼んでみたかったんだ!といきなり発狂するし。

主人公のやばい設定を緩和するために、ドタバタ要素強めてるのかなあ。

 

やたらと宙返り披露する主人公の友人が千葉真一の弟子ていうのが笑える。

ジャニーズではなかったか。

 

テーマ曲のショパンの『別れの曲』が素晴らしいし、女の子が白塗りすると本当に美人、やはり日本のおかめ納豆文化を廃らすわけにはいかない!(あたおか)

母親がノイローゼいうけど、全く干渉してこない父親の方がどうかと思ったぞ。そう思いきや最後いいとこどりするし、なんなんこの作品。

時かけよろしく、最後必ず十数年後の世界描くのな。まあ、この主人公に限っては振られて当然としか思わないが、似た人を横に据えているというのは説得力があると思った。

 

以上

 

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パルプ・フィクション (1994) ★★★★☆

2022-08-05 23:58:47 | 邦画

よくブログにコメントをくれる島鉄君が去年観たというので鑑賞。

HUMAX池袋にてリバイバル上映やってたので、観に行くことに。

 

監督・脚本:クエンティン・タランティーノ

原案:クエンティン・タランティーノ、ロジャー・エイヴァリー

製作:ローレンス・ベンダー

製作総指揮:ダニー・デヴィート、マイケル・シャンバーグ、ステイシー・シェア

出演:ジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン、ユア・サーマン、ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、ブルース・ウィリス

音楽:カリン・ラクトマン

配給:ミラマックス

上映時間:154分

 

まず、池袋HUMAX、初めて訪れたが、二度と来たくない映画館。

まず、地下に降りるのにわざわざエレベーターを使う必要あり。

エレベーターの仕様も、二基あって上下のボタン押されてるのに

どちらも下行きになるしよく分からん。

 

ロビーには椅子が一つもないし。

最終上映会以降は階段使える書いてあったのに結局階段閉鎖されてたじゃねーかわけわからんわ。

上映も宣伝なしでいきなり唐突に始まるなら最初から書いとけよ。

遅れて来た客のせいで気が散ったわ。

 

ただし、場内は快適でした。

 

さて、本編。

タランティーノ作品、最新作しか鑑賞してないので、ほとんど未見。

本作は最初から最後まで引き込まれる作りだ。

時系列を入れ替えることで退屈させないようにする試みを既に『メメント』以前からやっていたとは。

OPが今となっては有名すぎてあがる。

OPがEDタッチのスクロールになっているのも面白い。

 

ユア・サーマンが美人すぎる。こういう酔っぱらって踊りだす人は面倒くさいから苦手だが、可愛らしくもある。

心臓に注射とか死ぬやろ。

とにかく小ネタが多いが、それを知らなくても楽しめるのが良い。

マーティン&ルイスもお笑い芸人の名前なのね。

 

サミュエル・L・ジャクソン、学生銃殺しといて神に導かれたとかほざいてるの草。ジョン・トラボルタ演じる主役が唯一まともな人物か。

掃除屋、当たり前の指示しか出してなくて草

 

会話がすべて下らないのがいい。我々も普段日常で意味のある会話なんかしてない。それを再現しているように思えた。

 

 

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人間の証明 (1977) ★★★★☆

2022-08-03 13:52:01 | 邦画

 

監督:佐藤純彌

脚本:松山善三

製作:角川春樹、吉田達、サイモン・ツェー

出演:松田優作、岡田茉莉子、ジョージ・ケネディ

音楽:大野雄二

主題歌:ジョー山中

製作会社:角川春樹事務所

配給:東映洋画

上映時間:133分

 

埋物の庭 のメンバーとAmazonウォッチパーティーしました。

 

神田伯山のラジオのオープニングにも使われているメインテーマ。

 

「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ…」

何回言うんだこれ。。

 

映画は刑事コロンボよろしく犯人の目星は最初からついており、最終的に追い詰めて白状させるまでを描く。

しかし、犯人の息子の岩城滉一演じる恭平、50万借りたい言って理由聞くなとかひどすぎるやろ。こいつは殺されて当然。

犯人、なにも授賞式で白状することないやろ、なんで観客は拍手してるんや??

そして、自殺させてんじゃねーよw もう何から何まで突っ込みどころ満載。

最後にはなぜかニューヨークの刑事まで殺されるし。

そもそも設定に無理があり、なぜ偶然、犯人と刑事に接点があるのか。

国際警察でもないくせに簡単にニューヨークに渡るし。

つーか犯人またサイコパスの母親かよ、犬神家に続いて。

まじで山本寛斎のファッションショー長いし何度も入るし。

 

商業主義の極み。スターウォーズ続三部作に通ずるものがあるな。

以上

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