喉飴と鞭による映画・小説・漫画論評~このブログを見る者は地獄を見るだろう~

タイトルの通り、映画、小説、漫画を観終わった後に、感想を書くだけです。コメント頂ければ幸いです。

別れる決心 (2022) ★★★☆☆

2023-03-16 05:36:48 | サスペンス

Bunkamura ル・シネマにて字幕版を鑑賞。

監督:パク・チャヌク

脚本:パク・チャヌク、チョン・ソギョン

音楽:チョウ・ヨンウク

出演:タン・ウェイ、パク・ヘイル

上映時間:138分

文化村には来た事なかったんです。ミニシアターだけど上映作品は大手のものばかり。そりゃ来ないわなw

宮台真司とダースレイダーのDommuneで取り上げられたのが決め手となって鑑賞致しました。

本作は『別れる決心』という題名だが、全然別れる決心していないやんと思った。深いね。

犯人に恋してしまう刑事の話。その設定だけならいくらでもありそうだが、映像がどれも綺麗で、構成も凝っていて、こりゃ上等な作品。

そんな逸脱する刑事いるわけないだろと、野暮な突っ込みはしないでおく。

犯人、刑事と会うために人殺すてやばい奴やな。

犯人が介護士ていうのもこれまた俺をくすぐるポイントや。

「セックスをするのは健康にいい」とかそんな野暮な台詞がまさか出てくるとは思わなんだ。

スマホの階段登るアプリなんてあるんだ。ちょっとそこは都合が良かったなー

これは日本人にとって韓国と中国の言語差が即判別はできないため、吹き替え版でもう一度観たいかなー

以上

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミセス・ノイズィ (2020) ★★★☆☆

2022-11-02 21:28:57 | サスペンス

Amazonプライムにて高画質レンタルして鑑賞。

監督:天野千尋

脚本:天野千尋・松枝佳紀

製作:井出清美、植村泰之、高橋正弥

製作総指揮:鍋島壽夫、横山勇人

出演:篠原ゆき子、大高洋子、長尾卓磨

音楽:田中庸介、熊谷太輔

主題歌:植田真梨恵

製作会社:ヒコーキ・フィルムズインターナショナル=メディアプルポ

配給:アークエンタテインメント

上映時間:106分

 

知り合いの映画マニアのおじさんから紹介してもらった作品だ。

サスペンス映画とあるが、ほとんどコメディに近い。

 

「ミセス・ノイズィ」とは日本では有名な騒音おばさんの海外呼である。

 

騒音おばさん事件をモデルとして社会の歪みを描いた本作だが、

私は騒音おばさん事件について詳しく知らなかった。

映像で一瞬観たことがある程度だ。

事件当時、私は小学生であったため、あまり積極的にニュースを観ていたわけではなかった。

 

本作鑑賞後、改めて当時のニュース映像を観直してみた。

面白すぎる。。

いや、言ってる中身がいちいち面白いんだよな。もちろん近隣住民にとっては迷惑以外のなにものでもない。常軌を逸している。

故・塩川正十郎議員が、騒音おばさんのことを「キチガイの顔ですわ」と一刀両断しているのが痛快だ。

私が中学生の頃、担任も何かの話で騒音おばさんを例にあげて「あれはキチガイです」と、教師が「キチガイ」と堂々と発していることに衝撃を受けたものだ。

 

問題は、周りに突如としてキチガイが現れたときにどう対処するかだ。

本作では、キチガイにも理由が実はあった、という視点が後半から描かれている。

統合失調症(明言されてはいないが)の旦那を介抱する中で必然的に起きたのが布団を叩く行為だったのは説得力があるが、

そもそも不良品をわざわざ八百屋に持っていくような点で元々ミセス・ノイジーはイカれている。

しかし、純粋である。私はスーパーで働いていたが、少し商品の期限が迫っただけですぐ廃棄。

なにがSGDsか。実は感覚的には、ノイジーの方が正常だ。

我々の方が狂気の世界に生きている。

 

そして、主人公の小説家の真紀がノイジーに謝罪して完結するが、ノイジーもかなり異常であることに変わりはない。小説の題材にしよう、ということ自体は悪くないだろう。

だが、そもそもペンネームもばれ、身バレしている状況でそれをやるのは、ノイジーより狂気であるのは確定的に明らか。

炎上芸人であるウーマンラッシュアワーの村本を彷彿とさせる編集者、炎上を仕掛ける大卒の甥っ子。

甥っ子が特に何の罪も被らずに終わるのは後味が悪い。

『ジョーカー』を観ている時のような胸糞悪さがある作品だ。

しかし、こちらはあり得ないほどのハッピーエンドで終わる。

(自殺したのは、ハッピーではないが。)

 

少し疑問なのは、子供があのくらいの年齢なら一人で出かけても問題ないのでは?ということだ。この小説の世界観が過保護に思える(今のご時世の事情は詳しくないが。)

主人公の真紀がマスコミから逃げている時に、囚人服を彷彿とさせる服装であることに気付いた。

『真木栗の穴』と設定が似ている。どちらも身の周りのトラブルを小説家である主人公が実際に描く点は同じだ。

本作の場合、そもそも編集者が事情まで把握して掲載の許可とっているわけだから、真紀は裁判になっても出版社から守られる立場にはなるはずなんだがなー。

 

「騒音おばさん」はあらゆるエンタメに影響を及ぼしている。

高見沢俊彦も、騒音おばさんをモチーフにした楽曲を発表している。

 

本作は、狂気が狂気を生む連鎖のストーリーであったが、主人の自殺という最悪な結果になる前に、もっと早い段階で大家が介入して事情説明するなりすればよかっただろ、とか突っ込みどころは割とある。

そして、吉岡の旦那の頼りなさ。こいつは常に真紀に寄り添って味方する温厚な立場の人間でありながら、ノイジーを視点を理解する柔軟さも見せている。旦那から積極的に行動することはないが、お前がもっと早くなんとかしろよと思うわ。

釈然としないので★3に留めた。

以上

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

砂の器(1974) ★★★★★

2019-09-29 04:09:06 | サスペンス

TOHOシネマズ錦糸町オリナスにて鑑賞。

監督:野村芳太郎

脚本:橋本忍、山田洋次

製作:橋本忍、佐藤正之

出演:加藤剛、島田陽子、緒形拳、丹波哲郎、森田健作

音楽:芥川也寸志、菅野光亮

配給:松竹

上映時間:143分

砂の器 デジタルリマスター版 [DVD]
丹波哲郎,加藤剛,森田健作,島田陽子
SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)

 

午前10時の映画祭上映作品。

松本清張原作のサスペンスものであり、ハンセン病を題材として扱った作品としても有名。

しかし観ていても中々、ハンセン病のワード出てこないなと思ったら、クライマックスでようやくそのワードとともに加藤剛演じる天才音楽家の壮絶な半生が映し出される。ピアノの伴奏とともに。

クライマックスのシーンは極めて長い。このシーンで号泣してる観客もいましたね。

しかし丹波哲郎と森田健作のコンビがええなあ。冒頭の会話からずっと観ていられる。

 

布切れを線路沿いから探し出すのは無理があると思うんですがそれは…色々と突っ込みどころもありますが。

犯人にハンセン病が理由で辛い思いをした過去に同情するというよりは、順風満帆にやってきた生活に突然、過去の忌まわしい人物がやってきて衝動的に殺人を犯したということに同情した。

人間、突然の出来事に対処するのは本当に難しい。そこで人間の真価が試されるのであろう。

以上

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

THE GUILTY(2018) ★★★☆☆

2019-04-05 21:04:35 | サスペンス

新宿武蔵野館にて鑑賞。

公開からだいぶ経つが、ミニシアター系ではまだ上映されていた。

 

武蔵野館は二度目。東口付近のビルの3階にある

 

監督:グスタフ・モーラー

脚本:グスタフ・モーラー&エミール・ニゴー・アルバートセン

製作総指揮:ヘンリック・ゼイン

音楽:カール・コルマン&キャスパー・ヘッセラゲール

製作:ノルディスク・フィルム・スプリング

配給:ファントム・フィルム

上映時間:85分

製作国:デンマーク

 

職場のパートのおじさんから薦められた作品。作品の存在自体はラジオ等で話題になっていたため知っていた。

デンマーク映画というのは初めてかもしれない。

本作は実験的な映画の一種であり、映画であるにもかかわらず主要な情報はほとんど音声となっており、観客の想像力を掻き立てる作品となっている。

例によって途中で寝た。。。

だが面白かった。本当にどうでもいいシーンで寝ただけだ。                

人間は思い込みで行動しているに過ぎない、ということを示唆した話といえる

正義感で一人先走った主人公、その結果痛い目を見るわけだが、まあ最終的に自分にとっても結果オーライにはなるわけだが、

ラジオドラマでいいじゃんというレビューを目にしたけど、「見えない相手」と対峙しているということを表現するためには主人公のみ映像として情報で入ってくるのがいい

ルールから外れて独自で行動し始める際にカーテン閉めるシーンが実にいい

まあ正義感でやっているというよりは電話相手の女性に恋しているだけなんだよな

勝手に男を悪者と思い込んだだけ。

「僕も君が好きだ」という台詞が示している。

哀れな男の話。

だから後ろめたくてカーテン閉めている

 

Wikipediaにはハリウッドでリメイクするとか書いてあるけど、原作を越えられるはずがない。パクリはやめなさい

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ボーン・アイデンティティー(2002) ★★☆☆☆

2019-01-21 23:33:03 | サスペンス
ボーン・アイデンティティー [DVD]
クリエーター情報なし
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

 

BSプレミアムで録画したものを鑑賞。

監督:ダグ・リーマン

脚本:トニー・ギルロイ

原作:ロバート・ラドラム

製作総指揮:フランク・マーシャル

出演者:マット・デイモン

音楽:ジョン・パウエル

製作:ケネディ/マーシャル

配給:ユニバーサル・ピクチャーズ

上映時間:119分

 

なぜか日本語吹き替え版で放映されていた。

2002年の大当たり映画である。

 

叔母がマット・デイモンのファンであり、叔母の家で叔母と共に鑑賞。

 

マット・デイモン演じる主人公のジェイソン・ボーンは記憶を失くしている。自分が何者であるか突き止めるため、何者かに命を狙われながらも奔走していく・・・

 

身体能力抜群な上に命狙われてる時点で大体察しがつくだろという突っ込みは御法度。

 

007シリーズ等に比べるとダークな雰囲気でサスペンス臭が強い。

本格派を志向しているように感じたが、個人的にはやはり突っ込みどころが目立つ

以上

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする