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僕の読書ノート「上高地ハイキング案内(山と溪谷社 (編集))」

2022-10-08 06:58:58 | 書評(その他)

11年ぶりに家族で上高地に行くことになったので、買ってみた。山と渓谷社が出してるだけあって、山好き向けの作りになっている。よくある観光ガイドのような、食べ物、土産、おしゃれな店などの紹介は少なくて、上高地の土地、自然、歴史、歩き方などを中心にまとめられている。もちろん、旅に必要な、交通機関や宿泊等の情報もちゃんと載っている。

そしてキレイな写真が満載である。とくに上高地をとりまく山々を高いところから俯瞰して撮った写真は位置関係がよくわかって有用なうえ、美しい。写真が見開き2ページに掲載されていて、次の見開き2ページには写真に関連した解説文が書かれているという構成もいい。そんな、いいことづくめのガイドである。今私たちが見ている上高地の風景は、地球のダイナミックな物理的活動の間のつかの間の静寂だということがわかる。少しだけ、上高地のうんちくを下記に引用しておきたい。

1万2000年以上前、かつて飛騨(岐阜)側に流れ下っていたという古梓川が火山活動で堰き止められた。そこに誕生したのが、上高地湖という堰止湖。そして、5000年という歳月を通して、堆積が続き上高地の平坦な地形が生まれた。

大正池は、大正時代に起こった焼岳の噴火により梓川が堰き止められてできた。焼岳の山腹で目をひく大きな地溝(亀裂)は、噴火に伴う地震の3回目にできたらしい。焼岳の標高1800m地点に長さ270m、幅35mの大亀裂が生じ、大音響とともに噴煙と泥流が噴出。流れ出た泥流の勢いは、梓川を越えて霞沢岳の麓に衝突してはね返ったほどの勢いがあったという。

涸沢の紅葉シーズンは、国内の山岳紅葉を代表する風景だ。涸沢の紅葉を見た人は、「涸沢の紅葉を見ずして穂高を語ることなかれ」とか「冥土の土産に....」と口にするという。



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