wakabyの物見遊山

身近な観光、読書、進化学と硬軟とりまぜたブログ

京都音楽博覧会の後、ペンギン・カフェに会う

2014-09-28 18:19:25 | 京都・大阪・滋賀
今年も京都音楽博覧会に行ってきました(2014年9月21日)。

くるりが主催する野外フェスティバル京都音楽博覧会(音博)は今年が8回目、我々は昨年に続いて2度目の参加です。
今回の主な出演者は、くるりの他、椎名林檎、ペンギン・カフェ。その他、民族音楽系のアーティストが多かったようです。

ネットの告知でペンギン・カフェが参加すると書いてあるのを見て、昔ちょっと好きだった(数曲しか知りませんでしたが)ペンギン・カフェ・オーケストラのことかと思って調べてみると、ペンギン・カフェ・オーケストラはリーダーのサイモン・ジェフスが亡くなったため、息子のアーサー・ジェフスが父の遺志を引き継いて新たに立ち上げたバンドだとわかりました。あらためてペンギン・カフェ・オーケストラのアルバム4枚とペンギン・カフェのアルバム1枚(The red book)を買って夏の間ずっと聞いていました。特に妻がはまっていましたね。音楽のタイプとしては、イギリスの香りのする環境音楽といったところでしょうか。
音楽好きの私としては、彼らのことについては書きたいことがたくさんあるのですがこのくらいにしておきます。
そして、音博に臨んだわけです。


京都駅から近い梅小路公園内の音博会場入口。出演者の垂れ幕があります。
途中から入ったので、椎名林檎、ペンギン・カフェ、くるり、を見ました。
みんなよかったですよ。
ペンギン・カフェは父の時代の曲をたくさん演奏してくれました。ペンギン・カフェ・オーケストラは父サイモン・ジェフスが京都に滞在していた(竜安寺で修業)ときにひらめいたプロジェクトなので、生まれ故郷に戻ってきたよと、アーサー・ジェフスがMCで話していました。


終演後、京都タワーが見えてあたかもロケット基地のよう。


フェスの後、公園内の市電ひろばに立ち寄りました。
チンチン電車が4両置かれています。


ここで会っちゃたんですね、ペンギン・カフェに。
とても親切な人たちで、家族と一緒に写真を撮らせてくれました。
一番左がアーサー・ジェフス、真ん中の人はバイオリンやピアノを担当していた人で名前(ダレン・ベリー?)はわかりません。
この後、近くのコンビニでドラムの人にも遭遇しました。

次の日、京都観光に行くのでそこでまた会うだろう、なんて予想していましたが会いませんでした。
そんなもんですね。

2014年金沢訪問(武家屋敷跡野村家)

2014-09-27 08:25:10 | 金沢

金沢訪問2日目に行ったのは武家屋敷跡の野村家(2014年9月14日)。

砺波市在住の友人T氏が車で来てくれて、ホテルから武家屋敷跡まで連れて行ってくれました。
武家屋敷跡の野村家は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン2009年刊で2つ星、米国の庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」の2003年日本庭園ランキングでは3位という、特別な庭園屋敷なのです。


野村家の入口。


部屋から庭を見ます。
屋敷の真ん中に大きな木が生えています。


池があります。


池は二段になってるんですね。
水面に空が映っていて、綺麗でした。
手前の池から奥の池に滝が流れていますが、残念ながら滝はうまく撮れませんでした。


手前の池。


縁側でしばらくのんびりしたいものですが、見学客が次々と来るのでそうもいきません。


裏庭も細かいところまでよく作りこまれています。


謁見ノ間から上段ノ間、そして庭を覗く。
二階には茶室があって、庭を覗きみることができました。

けっして広くはないのですが、いろんなものが詰め込まれたパノラマのようになっていて見るものを飽きさせず、でも涼やかという素晴らしい庭園でした。
この後、近くの魚半という加賀・能登料理のお店で治部煮定食を食べて帰途につきました。


2014年金沢訪問(金沢駅、金沢城公園)

2014-09-15 09:54:29 | 金沢

金沢に行ってきました(2014年9月13~14日)。

大学時代の恩師の退官記念会に参加するためです。
夜の記念会に参加する前と、一泊した次の日の午前中、少し金沢を歩いてきました。


金沢駅東口のもてなしドーム。
駅から出て雨が降っていても、傘をささなくてすむようにという、もてなしの気持ちを表したとか。
ドームを出たら、傘は必要になるんですけどね。


来年3月に北陸新幹線が開通します。
ターミナル駅、そして日本海側きっての歴史都市のシンボルとしていいんじゃないでしょうか。


金沢ジャズ・ストリート2014というフェスが開催されていて、街のあちこちでプロとアマの演奏が披露されていました。


ドームを横から見るとこんな感じ。


駅東口正面にある金沢都ホテルが今夜の宿。
駅周辺で昔(昭和)の建物はこれくらいでしょうか。
懐かしいのでここに泊まりました。
学生時代によく夕飯を食べに行った、駅から続く迷路のような都ホテル地下街もそのまま残っていてちょっと感動しました。


夜、ドームを正面から見る。


そして、金沢城公園です。
これは石川門。


石川門の前の橋から兼六園下と卯辰山方面を望む。
このあたりは、私の住んでいた25年前と変わっていないです。


金沢城公園の中に入ると、きれいに整備されていて、昔大学があったときの面影は全くありません。


お城としては立派なのが作られていますが。


このあたりは、教養部や理学部があったはずだが。


ここには、グラウンドがあったなあ。
などと、回想してみると、やっぱり寂しいもんです。
諸行無常なり。
でも、新しい金沢もおもしろかったりします。
記憶の中の金沢と現実の金沢が頭の中でモザイクのようになって、不思議です。

次回、武家屋敷の野村家を紹介します。


書評「比べてわかる!フロイトとアドラーの心理学(和田秀樹)」

2014-09-07 08:50:00 | 書評(脳科学・心理学)


アドラー心理学について解説した本、「嫌われる勇気(岸見一郎、古賀史建)」
が売れているという。書店には他にもアドラー心理学関係の本が何冊も並んでいて
世の中アドラー心理学ばやりのようである。
半年ほど前、私は「嫌われる勇気」をたまたま本屋で見つけてそのタイトルに惹かれて
買った一人である。

「嫌われる勇気」を読んでアドラー心理学とはどんなものなのかおおよそはわかったが、
精神分析や心理学といった学問全体の中でどういう位置にあるのかがよくわからなかった。
「比べてわかる!フロイトとアドラーの心理学」は、フロイトは無意識などが人の心を
規定するという「原因論」、アドラーはある心の状態には何か目的があるはずだと考える
「目的論」と説明し、その対比がこの本の主題ではある。
しかし私には、フロイト、アドラーに始まり、現在に至る心理学・精神医学の歴史と全貌が解説されていて、
そこがとてもおもしろかった。

・心の病気や傷を治すための学問には、心を扱う「臨床心理学」と脳を扱う「生物学的精神医学」がある。
 前者は心理療法や精神療法を行う。後者は脳の画像診断や薬物療法を主に行う。
・心の病でいちばん軽いのが「神経症」、もっとも重いのが「精神病」で統合失調症と躁うつ病が含まれる。
 その中間に位置するのが「ボーダーライン」とか「パーソナリティー障害」「シゾイド」と呼ばれるもの。
・フロイトの精神分析の対象は神経症。しかし、現在は薬が神経症と精神病にそれなりに効くので、フロイトの
 出番がなくなった。(フロイトの心理学の芸術や文学への影響ははかりしれないものがあると思う。無意識の
 中に自分の秘密が隠されていると考えたら追及したくなるものだ。しかし、心の病に効かないのじゃしょうが
 ない。)
・ボーダーラインの治療法として出てきたのが、自我を鍛え直すカーンバーグの方法と、分析家が患者に
 愛情を与えて育て直しを行うコフートの方法。前者が対象とするのは重症のボーダーライン、後者が
 対象とするのは軽傷のボーダーライン。アメリカでは富裕層の中にも軽いボーダーライン患者が多いので、
 コフート型精神分析が主流となった。
・アドラーと同時代に日本で生まれた森田療法は、原因を分析しない、部分より全体を見るという点で共通
 している。
・70年代にアメリカでPTSDでトラウマ記憶を思い出させる精神分析が流行ったが、実はこの療法が原因で患者の
 心の状態が悪化し、自殺や離婚が増えることが判明し、現在は行われていない。(過去のつらい記憶を思い出す
 のは現在の精神の安定に多大なマイナスの影響を及ぼしてしまうということだろう。)
・現在のスタンダートな心理療法には「認知療法」、「行動療法」、「認知行動療法」があり、変えられるものを
 変えるという発想で、患者の心のこだわりをほぐし、行動や考え方を変えることでうつ病などを治療する。
 アドラーや森田療法にも近い。
・ボーダーラインのなかでもサイコパスとも呼ばれた反社会性パーソナリティー障害は人口の1~3%程度もいる。
 治療不可能であり、唯一死刑制度が抑止力になると考えられる。
・抗うつ剤の主流であるSSRIは、服用者の自殺率を高めたり、凶悪な殺人事件を起こすような危険性もある。
 大阪の池田小事件や秋葉原通り魔事件の犯人は反社会性パーソナリティー障害ではなく、抗うつ剤の副作用
 が影響していると考えられている。

様々な心理療法があるのだから、どれが自分のニーズに合っているのか試行錯誤して探すのが
いいという結論も納得できた。