wakabyの物見遊山

身近な観光、読書、進化学と硬軟とりまぜたブログ

2024GWの帰省③ー田園を散歩する

2024-05-25 08:07:16 | 茨城・栃木・埼玉

2024年GWに茨城の実家に帰省(2024年4月28日~5月1日)した時のことを振り返っています。家の近くの田園ー田んぼやら古い社やら遺構やらーを散歩してきました(4月30日)。植物が緑色をつよめ、田植えが始まる季節です。だんだん、いなかに帰ったとき歩くコースが定番化してきました。ときどき小雨が降る中の散歩です。

 

実家から歩いていって、この森を通り抜けると、

 

田園が広がっています。

 

田植えの準備のため、田んぼに水を入れています。先日、旧友のS君に聞いた話では、このあたりを通っている観音川からの水ではとうてい足りなくて、霞ケ浦から水を引いて使っているそうです。霞ケ浦の水を使うか、井戸を掘って地下水をくみ上げるか、どちらかが選べますが、どちらも同じ程度のコストはかかるとのことでした。

 

観音川の水は、流れがとぼしくて、これを田んぼの水として引き上げていたら、すぐ涸れてしまいそうです。

 

田植えがすんだ田んぼ。 

これから準備する田んぼ。

 

この草原には昨年、キジのつがいがいたのですが、今日は見当たりません。

 

すこし丘を登ったところの林にあるのは、

香取神社。

 

古郡(ふるごおり)の集落を北に向かって進みます。

 

竹林があって、すでにタケノコを掘った跡がたくさん残っています。

ここまで大きくなると硬くて食べられません。

 

農家が火を燃やしています。

 

新治郡衙跡(にいはりぐんがあと)。奈良時代の役所や倉庫の跡で国指定史跡。

このあたりは玉ねぎを栽培していますね。

 

新治廃寺跡は、奈良時代の寺院跡で国指定史跡。近くでは、なぜか園芸植物が栽培されていました。

ここの保存活用計画が2021年に筑西市教育委員会から出ているのですが、いつになったら動き出すのでしょうか。

 

近くには、自生しているフジが満開でした。

 

これも香取神社。

今回、はじめてお参りしました。前面ががらんどうになっているのはなぜなのか。

 

農業資料館。

 

このあたりで引き返して、南に向かいます。右が平地、左がゆるやかな丘陵地になっていて、神社や史跡はみな丘の上や丘との境界にあります。平地は実りを生む土地です。

 

このあたりの観音川はわりと川幅が広いです。

 

畑にキジのオスがいました。

やはりこのあたりにはキジが生息しています。

 

雲が開けて加波山が見えるようになりました。

 

筑波山は、まだ頂上に雲がかぶっています。

 

水戸線の遮断機。奥に見えるのは筑波山。

タイミングよく、下り(水戸か友部行き)の列車が通りました。

この単線の線路も昔のまま。50年間変わらないこのあたりの風景です。

 

ところでこの花を道ばたなんかでよく見ませんか?横浜の自宅の近くでも、茨城の実家の近くでも、この花が増えてきたように思います。そして、花や実の形からケシの仲間だとわかるので、ずっと気になっていて最近調べたら、ナミヒナゲシという地中海沿岸由来の外来種でした。ある種のケシは、モルヒネなどの麻薬の原料になるので、栽培が禁止されています。ナミヒナゲシはさいわい麻薬を作る種類ではありませんでした。しかし、モルヒネも含まれるアルカロイドといわれる一群の化学物質の仲間を作るので毒性があるそうです。そのアルカロイドの毒性によって、植物や動物を寄せ付けないため、ナミヒナゲシが増え続けているということのようです。植物生態系を乗っ取りつつあり、今後、問題化してきそうです。


2024GWの帰省②ーザ・ヒロサワ・シティ「ユメノバ」に行く

2024-05-18 07:45:04 | 博物館・科学館・図書館

2024年GWに茨城の実家に帰省(2024年4月28日~5月1日)した時のことを振り帰っています。ザ・ヒロサワ・シティという施設内にオープンした「ユメノバ」というテーマパークを見てきました(4月29日)。

ザ・ヒロサワ・シティとは、茨城県筑西市にある東京ドーム23個分の広大な敷地に、美術館、ゴルフ場、寺内タケシ記念館(!)や、その他様々な施設が作られた街(まち)とよばれています。以前、コロナ禍のときに、そこにある廣澤美術館を訪問しています。ザ・ヒロサワ・シティにある「ユメノバ」という交通系の博物館を主体としたテーマパークが、おそらくコロナ禍のため閉園していたのですが、2月11日にオープンしたということで行ってきた次第です。

 

ユメノバの入場口。昼前に父の車で、両親とともにやってきました。

 

文化庁長官表彰を受賞しているそうです。

 

園内案内は、なぜか左右反転した写真になっています。

 

宇宙船遊具。

 

野外広場。

 

ラムダ3ロケットの模型。これは地上燃焼試験に用いられた機体で、人工衛星が打ち上げられるようになるのは、これよりもっと後に開発された機体だそうです。

 

フォーミュラカー。フォーミュラ・ジュニアくらいのクラスでしょうか。これは本物っぽいです。

 

座席からはクッションなどが除去されてむき出しになっていますが、

 

めったにない機会なので、乗ってみました。コックピットはそうとう狭いです。足を曲げて乗り込んで、あとから足を前に伸ばすと座れました。ステアリングを回したらタイヤが向きを変えました。

 

レールパーク。新幹線、D51、寝台特急「北斗星」が並んでいます。

 

北斗星の車両の中に入ってみます。上野・札幌間を走っていた列車です。

 

A寝台ですね。二人用のコンパートメントのように見えるけど、他人同士で乗り合いになることもあったのでしょうか。

 

食堂車。今、日本にないですからね。趣があります。昔、新幹線にあったビュッフェで食事を摂ったことはあります。

 

食堂車の厨房。かなりしっかりしてますよ。

 

B寝台車。昔、私が遠くの大学に受験に行った行きか帰りに、B寝台車に乗りました。付き添いで来てくれた父はB寝台の上に寝たところ、落ちそうで怖くて眠れなかったと、そのときの思い出を話してくれました。

10名からの団体予約で、寝台車での宿泊ができるそうです。

 

科博廣澤航空博物館。ここは、国立科学博物館(科博)と提携していて、科博の所蔵品を展示しているらしいです。それで、このような施設名となっています。

 

ゼロ戦。

 

シコルスキーS-58。南極観測船「宗谷」とともに南極観測に使用されていたといいます。

南極に残されれていたタローとジローの救出にも使われたのだそう。

 

YS-11。国産のプロペラ型旅客機です。昔、どこかで乗ったような気がします。近くで見るとかなり大きいです。

 

ヘリコプター・ソーラーカー館。

 

6棟のロッジがあって、1棟4名まで宿泊ができます。

 

梅園。梅の実がなっています。

 

クラシックカー博物館。

ナンバープレートが付いている車が多いですが、みんな走れるのでしょうか。

ポンティアック・ファイアーバード。

 

キャデラック・エルドラド。

 

みんなロールス・ロイス。

 

そして、船の博物館もあります。クルーザー3隻と屋形船1隻が展示されています。

クルーザーには中に入ってみたいですが、入れなくなっています。

 

熱帯植物園。

 

サボテン園。なぜか中にグライダーと軽飛行機が入っています。

 

レストランで3人とも佐野ラーメンを食べて帰途につきました。広々とした自然の中にある、ゆるーい感じの博物館パークでした。男の子には楽しいでしょうね。小学校や中学校の日帰り遠足なんかにもよさそうです。まだ見てないところもあり、ゆっくり回ったら半日過ごせそうです。

この後、夕方から旧友のS君と外で食事をすることになっているのでいったん家に戻ります。


2024GWの帰省①ー実家のネコ問題つづき

2024-05-11 08:01:28 | 猫・犬

2024年GWに茨城の実家に帰省(2024年4月28日~5月1日)した時のことを振り返ります。2023年GWくらいから表面化してきたネコ問題、つまりネコ屋敷化問題の今の状況についてです。

前回、2024年正月に帰省した時は、家に住みついているネコが4匹、家の中に入ろうとねらっているネコが約5匹となっていて、ネコ屋敷化が着実に進んでいました。そして現在、状況は少し変化していて、家に住みついているネコが3匹(もう1匹は失踪)、外に住んでいるけれどエサだけ食べに家に入ってくるネコ1匹、家の中に入ろうとねらっているネコが約2匹となっていました。

 

No.1のシロこと、凶暴ネコ。そういえば、白いネコは臆病で、黒いネコは人懐っこいという話を聞きます。白い体色は敵に目立つ一方、黒い体色は敵に見つかりにくいからそういう性格になったとも言われていますが、どうなのでしょうか。真っ黒なネコってまだ飼ったことがないので、とても興味があります。

 

No.2のクロ(黒くないですが)は、失踪中。この子は外に出ると、2、3日たって帰ってくるということが日常的だったのですが、今回5、6日たっても帰ってきていません。どこかの家に上がり込んでいるのかもしれませんし、交通事故で亡くなったかもしれません。オスネコは家出することが多いのです。そもそも、家飼いのネコを外に出すと感染症にかかってくるなどリスクがあるので、止めたほうがいいよと家族に言っていたのですが、さすがに今回のことで懲りたようで、他のネコも外に出さないようになりました。

 

No.3のアビシニアン似ネコは元気だけれど臆病な性格。若年のオス、未去勢。

 

No.4のシャム似ネコは、人懐っこいです。同じく、若年のオス、未去勢。

テレビに鳥などが映るとそばまで見にいきます。

天真爛漫な子。

 

そして、外に住んでいるけれどエサだけ食べに家に入ってくるネコがこの子。No.5ネコとしておきましょう。乳が張っているので子育て中のメスだとわかりました。授乳しているためお腹がすくらしく、1日4回くらいエサをもらいに家にやってきます。家ネコでもない、野良ネコでもない、いわゆる地域ネコといえばいいのでしょうか。

エサを食べ終わると、すかさず外に出ていきます。この子はいつもカメラ目線なのです。

この窓が出入口。外に出て、子育てしている巣に帰っていくのでしょう。子ネコたちが外歩きできるようになったら、母ネコが子ネコを家に連れてきてしまうのではないかと気になります。

 

で、ややこしいのが、この子育て中のNo.5ネコが以前産んだ子ネコの一匹が、No.4のシャム似ネコであるということ。No.4はもう若者なのですが、この母ネコが来ると、おっぱいをもらっています。母ネコもとくにいやがりません。まだ母子関係が続いているのです。

 

こちらは、家の中に入ろうとねらっているネコのうちの1匹。今年の正月はこのようなネコが5匹くらいいましたが、少し状況が変わっていました。

そんな感じで、ネコ問題は流動的であり、一見、ヒトとネコの楽園のように見えるところもありますが、ちょっと先行き心配な状態でもあります。


大哺乳類展3

2024-05-04 08:01:36 | 博物館・科学館・図書館

国立科学博物館で開催中の「大哺乳類展3」を見てきました(2024年4月21日)。

「大哺乳類展3」はその名の通り、シリーズ3回目の展覧会で、会期は2024年3月16日~6月16日です。ゴールデンウィーク中は混むことが予想されたので、その前に見に行ってきました。それでも混んでましたけど。

 

今回のテーマは「分類(=わける)」と「系統(=つなぐ)」。見た目や内部の特徴、DNAなどをもとにグループ分けし、それらの関係性をつなぎあわせることで浮かび上がってくる哺乳類の不思議に迫るということです。

 

中耳にある3つの耳小骨のうちの2つ、ツチ骨とキヌタ骨は、哺乳類の祖先の哺乳形類では顎関節の骨だったのが、進化して哺乳類になるとき移動して耳の骨になったということです。この展覧会を見に来た人たちのどれくらいの割合の人がこの説明を理解できたかわからないような細かい話ですが、哺乳類進化学では、この分野の論文がトップ・ジャーナルのネイチャー誌に掲載されるような、近年のトピックスの一つです。

 

アジアゾウの心臓。

 

シロナガスクジラの心臓のレプリカ標本。高さ166㎝の大きさ。

 

ネズミやモグラの仲間と思われていた動物たちは、最近の分子生物学的な分類法では、大きく3つの仲間に分かれるという説明。左のほうのピンクのカテゴリーはアフリカ獣類というゾウなどを含む仲間、真ん中の水色のカテゴリーはローラシアテリアというライオンやクジラなどを含む仲間、右のほうの黄緑のカテゴリーはユーアーコンタグレリスという霊長類などを含む仲間に含まれるということを示しています。こういうことを、これを見に来た小学生たちはわかったのだろうか。

 

クジラの祖先パキケトゥスはこんなイヌのような姿をしていました。これがクジラのような流線形の姿に進化するとはなかなか想像がつきません。

 

カモノハシのくちばしの部分の骨は中央部分があいていて独特な形です。

 

オオカミは大きいです。

 

皮膜をもって滑空する動物は各種います。

 

翼手目、コウモリの仲間はみな悪魔的な姿をしていますが、動物の血を吸うのは一部の仲間だけです。

 

ここからは約200点の標本を並べた「哺乳類大行進」を見ましょう。

最後はミナミゾウアザラシ。

 

クジラの胃。

ヤギ(左)とキリン(右)の胃。クジラも、ヤギ・キリンも鯨偶蹄目として同じ仲間ですが、胃が複数の室に分かれているところは共通点ですね。

 

過去の大哺乳類展は、1回目が2010年、2回目が2019年の開催。

 

哺乳類研究の先駆者たち。アリストテレスは胎生の有血動物として哺乳類を定義しました。

 

リンネは哺乳綱の中身を細分化しました。

 

オーウェンは形が似ているものを、相同と相似に分けて考えるようにしました。

 

ダーウィンの「種の起源」の原書。

 

最近の分類学では、種の定義が揺らいでいるなんていう説明もありました。かつては、地域ごとに住む亜種とされていたものを、それぞれ種として格上げする傾向があるとのことです。