三浦半島の走水海岸でトビに襲われたというレポートです(2024年2月23日)。
横須賀美術館に行こうと思って、京急馬堀海岸駅で下車、バスの時間を見たらだいぶ待ちそうだったので、美術館まで約4kmの道を歩くことにしました。
京急馬堀海岸駅から海辺に出ると、「うみかぜの路」馬堀海岸遊歩道が海沿いを通っていて、観音崎まで続いています。遊歩道はこの護岸の海側を通っています。
天気がいい日です。向うには横須賀の町や猿島が見えます。
このあたりは海水の透明度が高くて、海底がきれいに見えています。
海岸にはなぜか、オオバンやカモ類がいました。ふだんは淡水域に住んでいる鳥たちですが、ここで何をしているのでしょうか。
走水海岸にある走水水源地公園に入ります。右側に並んでいるのは桜の木です。
ここでベンチに座って海を見ながら、スパムおにぎりを食べ始めました。2、3分たった頃でしょうか、突然後ろから来た何者かにおにぎりを投げ飛ばされました。一瞬、間をおいて、私は「ヤラレタ」と声を出していました。目にも止まらないスピードでトビが飛んできて、おにぎりを地面に落として、飛び去ったのです。私の体にはまったく触れずに、傷つけずに、スマートな早業でした。そして私は心のなかで「おみごと」と叫んでいました。
地面に落としたおにぎりを宙に投げてやって、トビが取りに来たところを撮影しました。トビは一発でおにぎりを奪って逃げることはできなかったので、①食べ物を突き飛ばす、②地面に落ちたのを採って逃げる、という2段階作戦に切り替えたはずです。
さっきまでトビなんて1羽もいなかったのに、今や私の真上を多くのトビたちが飛び回っています。トビの視力は8~10といわれていますし、非常に正確かつ敏捷な飛行能力を持っています。見えてる世界・生きてる世界が、ヒトとは全く違うんだなと思わされます。
さて、歩を進めます。波崎緑地展望デッキの近くからは、さっきの走水水源地公園や遠く横須賀の町などが望めます。
横須賀美術館に着きました。目的は、「生誕120周年 サルバドール・ダリ -天才の秘密-(2025.2.8~4.6)」を見ることでした。わたしよりちょうど60年上の人だから、おじいちゃんくらいのかんじ。
この美術館は、2024年度プリツカー賞受賞者の山本理顕さんが設計しました。ミュージアムショップには、理顕さんグッズのコーナーも作られていました。
とってもカッコいいおじいちゃん、ダリは私が昔から好きな画家です。見かけによらず、極めて繊細な心の持ち主だけれど、大胆に生きました。今回の展示は、諸橋近代美術館所蔵品を中心とした作品だったそうです。福島県の諸橋近代美術館にはなかなか行けなかったので、手軽に見れるよい機会でした。ただ、大型で濃密な作品はそんなに多くはなかった印象です。
たまに引っかかれる人もいますので。
トンビは海岸のギャング。視力もたしか、
垂直に急落下してくるのも得意。
せっかくのおいしいおにぎりが・・・。
ところでスパムのおにぎりを普段から
お好みなんですか? 私にはめちゃくちゃ
おいしそうに聞こえますが、あれは
賛否両論なおにぎりらしいですね。
この美術館までかなりの距離があります
ね。歩いてあそこまで行く人も珍しい
かもしれません。あのあたりは砲台跡
を除いて歩き回ったことがありません。
岩場なので海水の透明度が高いですね。
そのすぐ近くの岸辺からの釣り、
あるいは釣り船に乗っての釣りをした
ことがありますが、かなりの深さまで
見えるので驚いたことがあります。
やられました。初めての経験ですが、私にかすりもしないでこんなことができるとはびっくりしました。引っかかれたような人は、まだ見習い中で技術が完璧でないトビにやられたのか。
スパムおにぎりは途中のコンビニで買いました。ふだんはもっと和風のタラコやシャケやイクラなんかのおにぎりを買っているのですが、この日は沢山歩くのでお腹すくだろうと思って、和風おにぎりと魚肉ソーセージと栄養リッチなスパムおにぎりを買ってみました。トビにやられたので、和風おにぎりと魚肉ソーセージは帰りの馬堀海岸駅でこっそり食べました。
それにしても、なにゆえに賛否両論なおにぎりなのでしょうか?
おちゃさんの最近のブログで、観音崎の砲台跡を歩かれた様子が出ていましたね。
やっぱりこのあたりは透明度が高いのですね。流れ込む大きな河川がないことも関係しているのかな。
沖縄県で大変人気のようです。食べてみると
めちゃくちゃ美味しいですね。当然それを良し
とする人が多いのですが、一方で伝統的な
おにぎりの定義からは材料的に少し外れるので
しょう。あんなのおにぎりじゃないとする
人も多いようです。回転寿司のカニかまマヨ
軍艦みたいなものかな?
他にも例えば、名古屋のあんかけスパゲティみたいに
他地域の人からするとちょっとギョッとする、
しかし食べてみると美味しいものがあります。
名古屋人は全国ありきたりの材料を、
他地域では決して使わないやり方で組み合わせ
て新たな食べ物を作る天才ですね。
スパムおにぎりはそれに近いと感じます。
スパムおにぎりが賛否両論とはそういう意味ですね。
これは食文化の進化ですかね。異なる食文化の融合で新しい食品ができた(変異が生じた)。そしたら、喜ぶ人が多くてみんな食べるので食品として生き残った(自然淘汰で選ばれた)というわけですね。
名古屋の食だと、天むす、味噌カツくらいしか思い浮かびませんでした。今度名古屋に行ったら、あんかけスパを探してみます。
浜辺で手に持っていた唐揚げを持っていかれ、隣にいた私も気づきませんでした。
本当にお見事でした。
横須賀美術館は私も昨年末に運慶展を観に行きました。
ちょこちょこ面白い企画展をやっていますよね。
娘さんはお怪我はなかったですか。トビが食べ物を奪うときのすごいところは、相手にまったく気づかせないところと、相手を傷つけないところだと思います。彼らはその高い技術を誇りに思っているのではないかとも思ったりします。「かもめのジョナサン」を思い出しました。
横須賀美術館はときどき面白い企画展もやるし、ロケーションもいいので、散歩して寄るのがよさそうです。今度は、観音崎に行ってみたいと思います。