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wakabyの物見遊山

身近な観光、読書、進化学と硬軟とりまぜたブログ

2025GWの帰省①ーネコ屋敷のその後

2025-05-17 09:07:30 | 猫・犬

今年のGWに茨城へ帰省したときのレポートです(2025年5月1日~5月3日)。まずは、ネコ屋敷のその後について。

2021年7月頃からネコを飼い始めた実家では、だんだんネコの匹数が増えていき、2025年1月時点ではカオス状態に突入していました。家の中で8~15匹(うち約10匹は家を出入している)のネコたちが駆け回り、家中に悪臭が充満し床は汚れ、人にとってもネコにとっても悪辣な環境になってしまいました。

この状況に対して、私1人ではどうすることもできませんでしたが、妻が解決に向けて活躍してくれました。実家にいるネコを増やしてしまったひきこもり人(アニマルホーダーという精神的障害者の一種と言ってもいいでしょう)とその影響下にあった父を説得することで、地元の動物愛護のボランティアさんの助けを借りて、だいぶ匹数を減らすことができました。こういう時、私よりコミュ力が高くて言葉の圧が強い妻は力を発揮するのです。

 

では、実家のネコを見ていきましょう。

No.1(シロ、凶暴ネコ)は、エサが合わなくて体調不良のようですが、私がケージの前を通ったときに、爪を出してひっかかれましたので、油断できません。

 

No.3(アビシニアン似、茶トラネコ)は、臆病で私がいるとすぐ隠れてしまいます。これは、コタツに隠れているところ。

 

No.4(シャム似ネコ)はあいかわらず人懐っこいです。

 

他には、家に入ってきた母ネコが生んだ子猫5匹と、家に出入りしていた野良ネコ10匹については、引き取り先が見つかったか、里親募集をしているネコカフェに入ってもらいました。これらについては、去勢・不妊手術をしてから引き渡していますので、それなりの出費はありました。母ネコについては、きほん外で生活していて、この6日間くらいは家に来ていないとのこと。家に出入りしていた野良ネコのうち病弱だった1匹については、家で引き取ったそうで、最近、口内炎で手術を受けさせたとのこと。このネコは、No.3ネコよりさらに臆病で、部屋の暗いところにひそんでいます。ひきこもりネコといってもいいかもしれません。これを含めた4匹は、家で飼っても、それなりの面倒は見てやれるキャパシティー内でしょう。

未解決案件としては、下写真の野良ネコ1匹がまだ家に出入しています。

そして、外にはエサが置かれていて、野良ネコ約1匹が食べにくるそうです。この2匹をなんとかするように、強く頼んできました。まだ完全解決までには至っていませんが、多頭飼育崩壊になる直前で食い止めることができました。昔と違って、動物愛護や動物福祉について社会の理解が深まり、それに向けた行政や民間による啓蒙活動や保護活動も盛んになっています。そういう新しい情報を集めたり、そうした人たちに助けを求めることで、思った以上に問題を小さくすることができるものだというのが、今回の実感ですね。


2025正月の帰省①ーネコ屋敷はついにカオス状態へ

2025-01-11 07:53:40 | 猫・犬

今年の正月、茨城へ帰省してきました(2025年1月3日~1月4日)。そのときのようすのレポート第一弾は、ネコ屋敷問題です。

実家では、2021年7月頃からネコを飼い始めました。それから3年半が経ち、とうとう限界を突破しました。言い換えると、カオス状態に突入したということです。現在は、家の中で8~15匹(うち約7匹は家を出入している)のネコたちが駆け回り、家の中は便や尿から発生したアンモニア、アミン、酪酸等の匂いで充満し、服を置いておくと小便をかけられ(マーキング行動)、人にとってだけでなく、おそらくネコにとっても悪辣な環境になってしまいました。

 

昨年8月に生まれた5匹の茶黒ネコたちは外へ出すと言っていた言葉は守られず、家で飼われたままです。また、ふだんは外にいる白黒ネコ約5匹を、エサを食べさせるため家に出入させています。

 

以前からいたNo.1(シロ、凶暴ネコ)は、御覧のとおりあいかわらず私に対して敵意むき出し。

 

右のNo.4(シャム似ネコ)は、以前より落ち着きましたが、人懐っこさは変わらず。No.2は失踪したまま。No.3は臆病で家の中に隠れています。左の、昨年生まれた茶黒ネコの1匹は人懐っこくて私の膝の上に寝ています。もちろん、人懐っこいネコはかわいいのですが、この状況下ではネコたちが可哀そうだし、将来が心配です。

 

昨年、茶黒ネコを生んだ左の母ネコや、白黒ネコたちはこの窓から出入りしています。

 

さらに、玄関の外には、エサや水をもらって寝床も作ってもらって、隙あらば家に入ろうとしているネコたちが数匹(写真では7匹)います。

私が何を言っても聞き入れられず、悪い方向に進んでいます。動物福祉的にも問題のある、無責任な多頭飼育がおこなわれており、調べてみるとアニマル・ホーダーという精神疾患が関与している可能性が浮かび上がり、家族1名がそれによってモンスター化している構造が見えてきました。私としてはもうお手上げでしたが、妻の協力が得られて動き始めたところです。


2024お盆の帰省①ー実家のネコ問題その後

2024-08-17 08:16:14 | 猫・犬

この夏もお盆に茨城の実家に帰省しました(2024年8月11日~8月13日)。その時のことを振り返ります。まずは懸案のネコ問題ですね、ネコ屋敷化問題はその後どうなっているか、についてです。

前回、2024年GWに帰省した時は、家に住みついているネコが3匹(もう1匹は失踪)、外に住んでいるけれどエサだけ食べに家に入ってくるネコが1匹という状況でした。

 

それぞれの個体に番号を付けて、今回撮った写真と現在の状況を整理してみます。

No.1(シロ、凶暴ネコ)⇒現状維持。危険なので、私が来たときはケージに入れてもらっている。

 

No.2(クロ(黒くないけれど)、写真なし)⇒5月に失踪後、3週間後に一時的に戻ったのだが、その後2ヵ月にわたって行方不明の状態。

 

No.3(アビシニアン似、茶トラネコ、写真なし)⇒現状維持だが、私に対する警戒心は極めて高く、すぐ隠れてしまう(5月に爪を切ろうとしたのがトラウマになっているかもしれない)。

 

No.4(シャム似ネコ)⇒人懐っこさは変わらず。よくしゃべり、しつこいぐらいで、私に乗っかってきて顎を嚙もうとするので、時々うっとうしくなる。瞳が水色できれいで、とても好奇心の強い子。

 

No.5(白黒ネコ、No.4の母ネコ、5月には子育て中でエサをもらいに家に入ってきていた)⇒今でも家に出入りしてエサをもらっているが、私を見ると怖がってすぐ出ていく。

 

No.6(茶トラネコ、No.3の母ネコ)⇒今回、初めて見たネコ。以前から家に出入りするようになり、8/9に家で出産、2匹ほど新生仔が死んだらしいが、生き残った5匹の子育て中

新生仔たち。写真では3匹が見えるが、実際は5匹いる。父によれば、子どもが乳離れしたら、外に出すと言うので(人にあげたりはしないらしい)、とりあえずナンバリングはしていない。No.4が近づいてきて、子ネコを嚙もうとするので即座に引き離した。オスが自分の子でない子どもを子殺しする性質(「ダーウィンが来た」などで放映されたりするライオンなどネコ科動物の習性。進化していないヒトでも見られ事件となる)がここでも観察された可能性がある。

ということで、家に居るネコは大人が4~5匹、赤ちゃんが5匹となっています。

 

さらに、家の庭には、No.5が以前産んだ子達4匹ほど(みな白黒ネコ)や、

No.6が以前に産んだ子達2匹ほど(No.3の兄弟?、みな茶トラネコ)が、エサをもらうために待機している、というかなかば家の庭を住みかにしています。(ネコのサファリパーク状態)

この先実家がどうなるか心配は無くなりませんが、動物行動学者の故日高敏隆先生のネコ屋敷生活を引用して、少し気休めにしたいと思います。

「主人は猫でも、「気だてのよい猫」「美猫」が好きで・・・・猫は多い時で20匹以上いた時もあって、主人になついた猫は主人のふとんの上で4匹も5匹も子供を産んだりしていましたが、おいやらず、そのまま親子ともそっとしてやってました。自分はその横で細くなって寝てました」(日高喜久子(奥様)、「作家の猫2」より)


2024GWの帰省①ー実家のネコ問題つづき

2024-05-11 08:01:28 | 猫・犬

2024年GWに茨城の実家に帰省(2024年4月28日~5月1日)した時のことを振り返ります。2023年GWくらいから表面化してきたネコ問題、つまりネコ屋敷化問題の今の状況についてです。

前回、2024年正月に帰省した時は、家に住みついているネコが4匹、家の中に入ろうとねらっているネコが約5匹となっていて、ネコ屋敷化が着実に進んでいました。そして現在、状況は少し変化していて、家に住みついているネコが3匹(もう1匹は失踪)、外に住んでいるけれどエサだけ食べに家に入ってくるネコ1匹、家の中に入ろうとねらっているネコが約2匹となっていました。

 

No.1のシロこと、凶暴ネコ。そういえば、白いネコは臆病で、黒いネコは人懐っこいという話を聞きます。白い体色は敵に目立つ一方、黒い体色は敵に見つかりにくいからそういう性格になったとも言われていますが、どうなのでしょうか。真っ黒なネコってまだ飼ったことがないので、とても興味があります。

 

No.2のクロ(黒くないですが)は、失踪中。この子は外に出ると、2、3日たって帰ってくるということが日常的だったのですが、今回5、6日たっても帰ってきていません。どこかの家に上がり込んでいるのかもしれませんし、交通事故で亡くなったかもしれません。オスネコは家出することが多いのです。そもそも、家飼いのネコを外に出すと感染症にかかってくるなどリスクがあるので、止めたほうがいいよと家族に言っていたのですが、さすがに今回のことで懲りたようで、他のネコも外に出さないようになりました。

 

No.3のアビシニアン似ネコは元気だけれど臆病な性格。若年のオス、未去勢。

 

No.4のシャム似ネコは、人懐っこいです。同じく、若年のオス、未去勢。

テレビに鳥などが映るとそばまで見にいきます。

天真爛漫な子。

 

そして、外に住んでいるけれどエサだけ食べに家に入ってくるネコがこの子。No.5ネコとしておきましょう。乳が張っているので子育て中のメスだとわかりました。授乳しているためお腹がすくらしく、1日4回くらいエサをもらいに家にやってきます。家ネコでもない、野良ネコでもない、いわゆる地域ネコといえばいいのでしょうか。

エサを食べ終わると、すかさず外に出ていきます。この子はいつもカメラ目線なのです。

この窓が出入口。外に出て、子育てしている巣に帰っていくのでしょう。子ネコたちが外歩きできるようになったら、母ネコが子ネコを家に連れてきてしまうのではないかと気になります。

 

で、ややこしいのが、この子育て中のNo.5ネコが以前産んだ子ネコの一匹が、No.4のシャム似ネコであるということ。No.4はもう若者なのですが、この母ネコが来ると、おっぱいをもらっています。母ネコもとくにいやがりません。まだ母子関係が続いているのです。

 

こちらは、家の中に入ろうとねらっているネコのうちの1匹。今年の正月はこのようなネコが5匹くらいいましたが、少し状況が変わっていました。

そんな感じで、ネコ問題は流動的であり、一見、ヒトとネコの楽園のように見えるところもありますが、ちょっと先行き心配な状態でもあります。


看取り犬「文福」はもう看取らなくなったのか?

2024-04-20 07:14:24 | 猫・犬

以前このブログで、ある老人ホームで飼われている「文福」というイヌが看取りをするというネット記事と、それについて詳しく書かれた本を紹介しました。イヌという動物の持つ強い共感力、死を理解している可能性、看取り行動という特殊な能力、そして単純にその存在の愛らしさから、文福の行動に注目してきました。その文福の最近の様子がネットで紹介されていたので、紹介します。それによると最近の文福は看取りをしなくなったようだというのです。

引用元:「殺処分寸前から幸せをつかんだ奇跡の看取り犬「文福」・・・もう看取り活動をすることはないのか?(ヨミドクター/2024年4月1日)

 


 

【引用初め~】

 ペットと暮らせる特別養護老人ホーム「さくらの里山科」で暮らす 看取みとり犬の「 文福ぶんぷく 」は、2012年4月、ホームの開設と同時にやってきました。まだ人間の入居者は誰もおらず、文福が“入居者第1号”でした。

 それから12年が過ぎました。文福は、自分と同じユニット(区画)で暮らす入居者の逝去が近づくと、その方に寄り添って最期を“看取る”という行動を取るので、看取り犬と呼ぶようになりました。“看取った”入居者は20人以上になります。「さくらの里山科」で、文福は、とってもすばらしい、そして、とっても尊い活動をしてきたのです。それはその生い立ちを考えると、奇跡のように思えます。

 2011年秋、文福は、捨てられるなどの様々な理由で引き取られた保護犬として、保健所(動物愛護センター)にいました。その時は、朝になると、犬たちは、収容されている部屋の壁が自動的に動き、隣の部屋へと追い込まれます。そうやって、1日ごとに、隣の部屋へ、隣の部屋へと移動させられ、最後の部屋が殺処分する部屋なのです。文福はその「処分部屋」の手前の部屋にいました。壁1枚隔てた隣から、死にゆく犬たちの悲鳴を聞いていたのです。

 幸運なことに、文福は殺処分される寸前で、動物愛護団体「ちばわん」に引き取られました。しかし、そんな幸運に出会うことのない犬は現在でも多数います。環境省のデータによると、2022年度の1年間で、犬の殺処分数は2434匹でした。なお、猫の殺処分数は9472匹です。1990年代には数十万匹が殺処分されていたことを考えると大きく減りましたが、人間から不要と見なされ、まだまだ多くの命が失われています。

 文福も13年前、まさに人間から必要のない犬と見なされ、命を奪われる寸前にいたのです。それを考えると、文福のこの12年間の日々はとても感慨深く感じます。そして、文福に心から感謝したいという気持ちが湧き出ます。

 文福は保護犬ですので正確な年齢はわかりませんが、ホームに来た当時の推定年齢は2~3歳でした。それから12年がたちましたから、現在は、推定14~15歳となります。中型犬の平均寿命を超えており、高齢犬になります。犬の年齢を人間の年齢に換算する方法はいろいろあるのですが、文福は人間だとおおよそ83歳になります。オスですので、日本人男性の平均寿命81.05歳と比べると、上になりますから、83歳はおおむね妥当かもしれません。

 そんな高齢犬になった文福ですが、まだまだ元気です。散歩の準備を始めると、大喜びで1メートルぐらいの大ジャンプを繰り返します。散歩に行けば、たったか軽快に歩きます。ホームのドッグランで放せば、すばらしいスピードで疾走します。盛大に土をまき散らしながら大穴を掘ったりもします。ご飯は、ものすごい勢いで一瞬で平らげてしまいます。

 それでも、やはり寄る年波には勝てません。つややかだった茶色の毛は、だいぶ白っぽくなり、色あせてきました。寝ている時間も大幅に増えました。つい1年ほど前までは、私にタックルするようにじゃれついてきて、プロレスごっこのようになったものですが、最近はすっかり鳴りを潜めてしまいました。胸をなでると身を委ねてきて、目を細めて気持ちよさそうにしています。その穏やかさがうれしくもあり、寂しくもあります。

 文福の看取り活動も、もしかしたら、だんだんとできなくなってきているのかもしれません。実は、3か月前、文福と同じ部屋で暮らしているパートナーさんである入居者の方が逝去された時、いつもの看取り活動をしなかったのです。

 文福の看取り活動は、通常、三つの段階を踏みます。まず入居者が逝去される1~3日前に、その方の居室の扉の前に座ってうなだれます。次の段階では、部屋に入り、ベッドの脇に座って控え、入居者のことを見つめます。最後に、ベッドに上がって寄り添って看取るのです。

 ところが、今回していたのは、ベッドに上がって寄り添うことだけでした。看取り活動以外の普通の時、文福はいろいろな入居者のベッドに上がりこんで、一緒に寝たりしていますが、それと別段区別がつかないような状態だったのです。

 同じ部屋で寝起きしているパートナーさんなので、他の入居者の看取りの時とは行動が違っていたのかもしれません。しかし、もしかすると、パートナーさんが逝去するのを文福が予測できなかったのかもしれません。

 私たちは、文福が入居者の逝去を予測するのは、においによるものだと推測しています。この推測が正しければ、文福は高齢のため、あまり鼻が利かなくなり、予測できなかったのかもしれません。あるいは、これからはもう、文福が看取り活動をすることはないかもしれません。

 もちろん、それは全然構いません。私たちは看取り活動に感動させられてきましたが、文福の価値は看取り活動にあるわけではありません。文福はこの12年間に20人以上の入居者を“看取って”きましたが、その何倍もの入居者を癒やしてきました。入居者も職員も文福の存在によって、どれほど慰められ、力づけられてきたか。

 いいえ、この言い方も正しくはありませんね。私たちは、文福が何かの役に立つことを期待しているのではありません。文福はそこにいてくれるだけでいいのです。犬や猫を飼っている人は皆同じでしょう。願わくは、文福の最期の時がまだ先でありますように。その時まで、穏やかに幸せに暮らせるよう、しっかりと守っていきたいと思います。と言いながらも、守られているのは私たちかもしれませんが……。

(若山三千彦 特別養護老人ホーム「さくらの里山科」施設長)

【~引用終わり】


 

高齢になった文福は、看取り行動をしなくなったかもしれないという報告でした。その理由として、高齢で嗅覚が衰えたため、入居者が亡くなる前の匂いが分からなくなったのでは、と推測されていました。もしそうだとすると、文福の看取り行動は、やはり人間の死というものを先取りして、わかって自覚的に慰めるということを行っていた可能性が高くなりますね。

人間には知的障害を持ちながら非常に人懐っこい性格になるウィリアムズ症候群という遺伝病があります。イヌはオオカミからの進化の過程で、そのウィリアムズ症候群と同じ遺伝子変異を獲得したと言われています。イヌは知的障害にはまったく見えませんが。文福の遺伝子はどうなっているのでしょうか。ウィリアムズ症候群に関わる遺伝子の変異はさらに大きくなっているのか。