wakabyの物見遊山

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「映画:フィッシュマンズ」で日本の誇るべきミュージシャンを知る

2021-07-31 12:12:51 | 音楽

横浜ブルク13で、「映画:フィッシュマンズ」を見てきました(2021年7月24日)。

 

フィッシュマンズは1990年代に活躍した日本のバンドです。ほとんどの作詩・作曲を手掛けるボーカル・ギターの佐藤伸治が1999年3月15日に亡くなり、活動が休止しました。その後、佐藤不在のまま再結成して活動は行われています。そのバンドの結成30年目の節目に、フィッシュマンズに関わった人たちによって回顧する映画が作られました。

フィッシュマンズの音楽性の高さがピークを迎えた1990年代後半、私は私自身の切羽詰まったドラマを生きていたので、音楽好きであったにもかかわらず、そのころどんな音楽が注目されているのかほとんど知る余地もありませんでした。だから、フィッシュマンズのことを知ったのは、ほんの最近のことです。

フィッシュマンズの何が凄いかというと、売れていないのにもかかわらず、音楽好きからの評価が非常に高いことです。ミュージック・マガジンの2019年4月号の特集「50年の邦楽アルバム・ベスト100」で、フィッシュマンズの「空中キャンプ」が6位に選ばれています。私はこの記事で初めてフィッシュマンズの存在を知りました。

そして、Rate Your Musicという世界的な音楽データベース・サイトに、オールタイム・トップ・アルバム・チャートというのがあります。上位は、レディオヘッド、ピンク・フロイド、ビートルズなどの世界的なアーチストのアルバムが占めています。ちなみに1位は、レディオヘッドのOKコンピューターです。そのチャートにおいて、フィッシュマンズの「98.12.28 男達の別れ(ライブ)」が18位、「ロング・シーズン」が41位(2021年7月26日現在)に選ばれています。つまり、フィッシュマンズは海外で評価がとても高いのです。「ロング・シーズン」はジャンルとして、Dream Pop, Neo-Psychedelia, Progressive Pop, Dub, Ambient Popと紹介されています。ワケの分からない日本の音楽としてではなく、世界の人たちにとって感覚を共有できる、普遍性のある音楽として聴かれているのだと思います。こんなことは異例のことで、チャートの100位まで見ても、他に日本のアーティストは出てきません。

さて、「映画:フィッシュマンズ」で描かれているのは、特別なスター・ミュージシャンについてではなく、どこにでもいる学生バンドの成長物語のような、とても身近な感じのするものでした。下北沢シェルターでのライブ映像が出てきて、そんなところでもやっていたのかと個人的には思うところがありました。私が入っていたバンドも同じころ、そのライブ・ハウスに何度か出ていましたので。もちろん、無名のアマチュア・バンドでしたが。フィッシュマンズは音楽的にはすごい高みにまで到達していたにもかかわらす、様々な理由でバンド・メンバーがどんどん辞めていってしまったことが佐藤伸治にはとても辛かったようです。最後のほうは涙無くしてみることはできません。

とにかく、私たちは彼らが残してくれた素晴らしい音楽遺産を、今味わうことができる幸運をかみしめたいと思います。


ホタルが見れるという「四季の森公園」を探索

2021-07-24 08:58:34 | バイオフィリア(身近な生き物たち)

神奈川県立四季の森公園にはじめて行ってきました(2021年7月10日)。

ブログ繋がりのYasさんの「ROCKERS SQUARE」で、ホタル観賞ができる場所として紹介されていました。今年はもう間に合いませんが、来シーズンに見に行ってみたいので、その公園を確認しておこうと考えて行ってみました。JR横浜線中山駅から歩いて15-20分くらいのところにあるので、うちからも行きやすい場所です。

 

公園の入口がわからなかったので遠回りしてしまったようですが、長い坂を上ってきて森にたどり着きました。

 

北西口3というとても小さな入口から入りました。

 

針葉樹林の森をけっこう下まで下りていきます。

 

あし原湿原というところに出ました。

 

川の流れはこのくらいでチョロチョロ流れています。

 

地図の看板が出ていました。赤字で現在地と書いてある今いるところの少し上流あたりがホタルが見れる場所の一つのようです。この日は、この公園の左側(西半分)を歩きました。

 

南側に進路を変えて歩いていきます。小川はずっと続きます。

 

けっこう森は深いです。このあたりは、広葉樹林です。

 

川の突き当たりからは崖になっていて、急な階段を登っていきます。

 

ちびっこ広場という場所を越えて、隣の小川に下りてきました。崖の下から水が湧きだしていて、ここが源流の一つのようです。

 

小川の流れができています。

 

しばらく小川沿いに下っていくと、しょうぶ園に出ました。もう花は咲いていません。

上流側を見る。このあたりもホタルが見れる場所の一つらしいです。

 

ここは公園の各方面からの道が集まっているところで、このようなモニュメントが作られています。このあたりの風景は田舎の野山そのままです。

近くにはノカンゾウが咲いています。

 

はす池では、望遠レンズ付きカメラをかかえた多数の人たちが立っていました。カワセミ撮りだなとピンときました。

 

カワセミがいました。ときどき池にダイブしてエサを採っていました。私の今日の撮影手段はスマホなので、これで精一杯です。

場所が変わって、もうちょっと鮮明に撮れました。

 

はす池を上流に向かって眺める。

公園入口にあるモニュメント。ここが北口という正門の一つです。

 

北口広場にはビジターセンターがあって、この公園の説明があります。ここは昔から里山林として、人々によって木や落ち葉が利用され、森は手入れされ、半自然林として保たれてきたということです。

 

公園からは小川が流れ出ていて、鶴見川に向かっています。途中から暗渠になっていますが、おそらく鶴見川に流れ込むのでしょう。ここは鶴見川流域と言ってよさそうです。

公園内にも飛んでいたオオシオカラトンボのオス。

これで、ホタルの観賞場所の確認はできたので、来年への準備ができました。しかし、ホタルとは関係なしに、たんに自然に癒されに来てもよさそうです。もっと探索してみたいところです。


菊名池公園でカルガモの親子に会う

2021-07-17 07:36:56 | バイオフィリア(身近な生き物たち)

うちのベランダで、アゲハチョウの幼虫が右往左往して歩いていました。なんでだろうと考えたところ、ハタと思い当たるふしがありました。この日、となりの一軒家のお宅で庭の木の伐採をしていたのです。そこには、アゲハチョウの幼虫が食べる柑橘類の一種である夏ミカンの木があるので、おそらくそこに住んでいたアゲハチョウの幼虫が怖くなって、うちのマンションの5階のベランダまでハルバル逃げてきたのだと想像しました。

まだ小さいので3齢幼虫くらいです。脱皮して5齢幼虫になってから、蛹、成虫へと変態します。

うちから200mくらい先に、ミカンの木が生えていることを覚えていたので、そこに放してあげました。安心したようすで、木の匂いを確かめているようでした。はらぺこだよね。

あおむし1

 


さて、地元の菊名池公園に久しぶりに行ってきました(2021年7月4日)。菊名池公園は、家から娘の幼稚園に行く途中にある地元の公園です。娘の幼稚園時代には私もときどき通っていましたが、小学校に入学して4年生になる現在までほとんど通ることがなくなっていたので、久しぶりに行ってみました。

菊名池。昔はこの3倍くらいの大きさのある池で、白楽から妙蓮寺の谷戸の流れを集め、ここから鶴見川に流れていたそうです。ですので、このあたりは鶴見川流域の一部なのです。よく記事にしている入江川せせらぎ緑道は尾根筋を越えて、ここから1kmくらい離れたところを流れている別の流域となります。

 

池の一部を埋めているのはコウホネです。

 

カルガモがいました。

くちばしの先が黄色いのが特徴です。カモの仲間はオスが目立つ姿態をしているイメージがありますが、カルガモはオスとメスで姿が似ているそうです。

 

バンが泳いできました。なぜかコイが追跡しています。

 

上陸。

 

池の奥のほうに、1羽だけようすのへんなカルガモがいました。

 

近くにヒナがいますよ!

 

母鳥が池に入って、ヒナも後をついてきます。どうやら、私がじっと見ているので、危険を感じてヒナたちを非難させたようです。ごめん、人間は危険だからね。ネコも危ないから気をつけてね。

ヒナたちをコウホネの茂みの中に隠れさせて、安心したようです。

 

ここのハトは堂々としています。人をあまり気にしません。

 

カルガモたちが集まってきました。


哺乳類進化研究アップデート No.9ー社会的つながりや地位と寿命の関係

2021-07-10 20:07:42 | 哺乳類進化研究アップデート

このコロナ禍で、大学生や経済的困窮者などの社会的孤立が広がっていることが問題視されています。それとも関連するような話題として、社会的つながりや地位と寿命の関係について、人間だけでなく広く社会性哺乳類に範囲を広げてこれまでの研究成果をまとめている、1年くらい前にScience誌に掲載された総説を紹介します。

取り上げた論文は『(人と他の動物たちの健康と生存を決める社会的要因)Social determinants of health and survival in humans and other animals. Snyder-Mackler N, Burger JR, Gaydosh L, Belsky DW, Noppert GA, Campos FA, Bartolomucci A, Yang YC, Aiello AE, O'Rand A, Harris KM, Shively CA, Alberts SC, Tung J. Science. 2020 May 22;368(6493).』です。この論文でよく出てくる用語に、社会的統合(social integration)と生存(survival)がありますが、それぞれ、社会的つながり、寿命、と訳したほうが意味が通じやすいのでそうします。

過去10年ほどの多くの研究により、いじめ、孤立、経済的困窮に代表されるような社会的逆境によって、人間の健康と寿命が低下すること、死亡リスクが高まることが明らかになりました。しかし、社会性を持つ他の哺乳類においても同様に、社会的孤立と逆境が健康や寿命に影響を与えることが示されつつあります。動物においては、実験動物モデルを用いることができることも、そうした研究が進んだ理由の一つのようです。そして、人間で見られる社会的逆境と寿命の関係は、進化的なルーツがあることが示唆されるようになりました。

実験動物での研究は、社会的に誘発されたストレスが、免疫機能、病気の感受性、および寿命に直接影響を与えることを示しています。例えば、マウスでの最近の研究は、社会的に誘発されたストレスが、アテローム性動脈硬化症を含む複数の原因のために寿命を短くさせることを示しました。こうした動物での結果は、社会的逆境がほとんどすべての主要な死因による死亡リスクを増加させているという人間での結果とも一致しています。人間だけでなく、他の社会的哺乳類においても、①社会的つながり、②社会的地位、および③幼少期の逆境が、寿命や、分子的、生理学的、および疾患の結果を予測させることが示されています。③幼少期の逆境について、例えばキイロヒヒのメスでは、低い社会的地位、母親の社会的孤立、母親の喪失、高い資源(エサなど)競争、弟妹の誕生までの間隔が短いこと、幼少期の干ばつなどがあります。

 

社会的つながりと寿命の関係

下図は、人間を含めた社会性哺乳類各種(A)の、社会的つながり(D)と寿命(E)の関係を示しています。調べた動物(A、ケープハイラックス、野生の馬、シャチ、バンドウイルカ、オオツノヒツジ、人間、アカゲザル、バーバリーマカク、チャクマヒヒ、キイロヒヒ、ブルーモンキー)の多くにおいて、社会的つながり(D)が強いほど寿命(E)が長い(↑)ことが示されました。唯一、キバラマーモットでは、社会的つながりの強さは寿命の短さと相関していました。

 

社会的地位と寿命の関係

下図は、人間を含めた社会性的哺乳類各種(A)の、社会的地位(D)と寿命(E)の関係を示しています。調べた動物(A)の中で、社会的地位(D)が高いほど寿命(E)が長い(↑)ことが示されたのは、ミーアキャット、人間、カニクイザル、アカゲザル、アヌビスヒヒ、チャクマヒヒ、アナウサギ、アルプスマーモットでした。一方、そのような関係が見いだせなかった動物は、シロイワヤギ、チンパンジー、ニホンザル、キイロヒヒでした。 

 

社会的逆境と寿命をつなげる生物学的経路

社会的逆境が寿命の短縮につながるための、生物学的・分子的経路として考えられているのは、神経内分泌シグナル、視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸、交感神経系、炎症系です。炎症系で見られるのは、炎症のマスターレギュレータである転写因子NF-κBの活性化による炎症関連遺伝子(インターロイキン-6や-1β)の発現亢進です。NF-κBはまた、ストレスホルモンである糖質コルチコイドの作用を阻害するので、神経内分泌系にも影響します。アカゲザルのメスでは、ヒトでの研究と一致して、社会的つながりが低い動物個体では炎症誘発性のNF-κB活性が高まりますが、社会的つながりが高い動物個体では抗ウイルス遺伝子の発現が高まるということです。

 

私のまとめ

社会的不平等などとも関係の深い社会的逆境はその人の人生を不幸にしてしまう、人間が生み出した悪だという考え方が一般的かもしれません。しかし、実は進化学的に起源のある、社会性哺乳類から連続性のある生物学的性質かもしれないということを冷静に考える必要がありそうです。そのうえで、人間は不幸(不健康や短命)を減らすためにどうすればいいのかを考えなければいけないのだという気がします。


ベランダガーデンー6月のようす

2021-07-04 10:20:20 | バイオフィリア(身近な生き物たち)

この春から始めたベランダガーデンの6月末のようすをお伝えします。

サンパチェンス、前回紹介時(5月16日)に開花しているのはほんのわずか。

その後、たくさん花が咲きました(6月20日)。

 

イングリッシュ・ラベンダーは、前回紹介時(6月6日)には咲き切ったかんじ。

夏の高温多湿に弱いといわれているため、梅雨に入り、部屋の中に取り込みました(6月17日)。

インターネットに出ていた栽培法を参考に、花枝と下のほうの枯れた葉を剪定して、部屋に戻しました(6月27日)。そうして、風通しをよくすることで、来年、花を付けやすくなるということです。さて、どうなることやら。

刈り取った花枝。

 

ハナカタバミ・ラッキークローバーは前回紹介時(6月6日)、太陽のほうに向かって枝がひょろっと伸びています。

日陰になると枝が不恰好になるのだと読んだので、より日当たりがいい場所に移動させました。真夏には半休眠状態になるらしいので、元気がなくなりつつあります(7月4日)。

 

これから、秋~冬~春に向けて、何をするか思案しないといけません。

(続く)