がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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聖人君子な「尚円王物語」

2013年09月22日 | ・和心な本、琉球な本

 

今日、図書館で『尚円王物語』という本を読みました。

源河塩太郎(朝栄)という方が書いたもので
昭和63年発行の自費出版っぽい。

非売品って書いてあって
図書館でも館内取り扱い書籍でした。

奥付をみると作者は神戸の住所。
沖縄にゆかりのある神戸在住の人なのかな?

特別子孫とかってわけではなさそうでしたが…。

小説というわけではなく
この人の考える尚円(金丸)観がつらつらと書かれている。
(120ページくらいだったかな?)

 

どんな金丸観かというと、

一点の曇りもない聖人君子のような尚円像

ちょっと苦笑いしちゃうくらいの
スーパーでぃきやーぶり。

女絡みでやらかしたりすることもなく、
護佐丸・阿麻和利の乱ではひたすら傷心の尚泰久に寄り添い、
出世欲も権力欲もなく、常に謙虚でただひたすら奉仕し、
もちろん尚徳の急死やクーデターには一切関係なし。

 

…ふむ、…つまらん。

 

とかなんとか思っちゃったりして!(笑)

英雄像は否定しないけどやっぱ多少は人間味がないとな~(´ε`)

で、そんな聖人君子で忠義に篤い彼ならば
尚徳の死後、「次の王になってくれ」と懇願されても
承諾するはずもなく。

その部分の解釈は面白かったのでご紹介。

拒み続ける金丸に説得を続ける重臣の言葉。

 

あたなが尚泰久に対する忠義ゆえに王位を継ぐことはできない。
継げば逆臣そのものである、と仰ることももっともです

と理解した上で

「(あなたが)泰久王の養子となって尚家を永続さすのです。

泰久王は平和を愛し、民を愛した方でしたが、
不肖の子、尚徳様の死によって尚家は今絶えんとしているのを
内間様が王位に就いて尚姓を名乗り、王家を継げば
王家の名は永遠に残ります。

今、尚徳一族は首里から姿を消し、尚家も絶えんとしている時、
あなたが尚姓を王家を継げば
地下の泰久様もさぞお喜びでしょう。

そしてあなたは立派な忠臣ということにもなります。

また、泰久王への恩返しにもなるわけです」

 

なるほど。
これなら忠臣金丸像に傷はつかないね。

 

第一尚氏王統と第二尚氏王統。
まったく血は繋がっていなかったにも関わらず
尚姓を名乗り続けたことについては

対中国に対して都合がいいから(→詐称)

というのが一般的ですが、
第一尚氏への忠義ゆえに、
養子という解釈も面白いなぁ、と。


ちなみに尚徳の急死は陰謀ではなく
本当の突然死という設定。

その後、王位継承についての安里の大演説と、
集団心理に酔った一部による世子殺しはあったものの、
(金丸派の)重臣たちはそれを強く諫め、
クンダグスクに丁重に葬ったとしています。

 

この説得に金丸の心は揺らぎはじめ、
結局王位を継ぐことを承諾します。

そして首里へ登るとき、
まだ王ではないのだから、と
重臣が持ってきた王専用の輿には乗らず
これまで通り、高官用の籠に乗ります。

籠から、前を行く王の輿に施された三つ巴の紋を見ながら
金丸は思います。

「そうだ、この紋も残してやろう。
尚の姓と紋を残すことによって尚王統の名は永く世に残り、
私も不忠者ではなくなるのだ」

 

なるほどねー。

ちなみに例の三つ巴紋に関しては
軍神・八幡を仰ぐ尚徳によって
八幡の神文である三つ巴を尚家紋とした
ということになってましたよ。

ハテサテ、三つ巴の謎。
どうなんでしょうね。

 

 そして本は黒い金丸が語られる時、
1番のポイントであったこの件に関しても言及。

 

尚徳の急死やその後の騒動についても
彼の陰謀であったはずがない。

それはその後の歴史が証明している。

尚円から始まる第二尚氏王統は
400年余りも続いている。

事を謀った者は一時はよくても長続きせず
繁栄したためしがないのだ。

この歴史の事実こそが証拠だ。

 

さて、みなさんどうお考えになりますか?

こうやって色んな解釈を知るのは楽しいですね

 

 

そして、次に読もうと思って借りてきた本はコレ。

 

 

『考証・王冠を釣った金丸』

 

第一尚氏王統の末裔(孫姓)が
英雄・金丸像をぶった切る!!!!!

 

物事は常に両方向から見るようにする。

ワタシの心がけ(笑)

 

 
あなたはどっち派?ワタシはこっち派(^m^)
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写真は今年の1月に再訪した金丸のおうち、内間御殿。
地震で崩れた石垣…まったくもってそのまんまだった…。
(2010年5月に訪問した時の記事はこちら
トップ写真は先王旧宅碑。
戦争で破壊されて台座と石碑の一部のみが今に残ります。


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おきなわコミックカルチャー

2013年09月22日 | ・琉球/沖縄、徒然日記

 

今日のウチナー紀聞は

「おきなわコミックカルチャー2013」

らしい。

(公式サイト、次回予告毎回ちゃんと更新してほしいぞ~

 

漫画と言えば…

実は「月下に語る」の漫画化の話がきてたんだけど
先方(編集社)から連絡がないままもうすぐ1年…。

こりゃ、流れたな。

残念。

でも企画が変更orダメになったらなったで
その旨連絡ほしいよな~~~……。

とりあえず一度アプローチしたなら
放置はやめてほしいデス…(-_-;)
(沖縄の企業・団体、こういうの多い気がする(>_<))

 

 あ、「月下に語る」まとめのページ
ちょっといじりました。

 


ワタシが沖縄の漫画家さんを最初にを認知したのは
「わたるがぴゅん!(なかいま強)」と
「こいつら100%伝説(岡田あーみん)」かな?(笑)
今はいっぱいいるよね~。

今好きなのは「おばぁタイムス(大城さとし)」
水曜夕刊(たしか)ダーヴァでやってた時から好き。
早くコミック化してほしい(゜∀゜)!


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