現代版組踊「北山の風~今帰仁城風雲録~」
2011年9月11日(日)
名護市民会館大ホール
初のホール公演、昼夜と連続で観劇してきました!
当初昼だけをみる予定だったのですが、
いやぁ、夜も見れて見てよかったです!
コレまではグスク公演、約1時間ちょっとの公演でしたが、
今回は二幕2時間の公演に再構成!
新しいシーンや新しいキャラ、演舞や曲も追加され
見ごたえ抜群の舞台になっておりました♪
さぁ、では備忘録レビュー行きます!
(今日がシゴト休みでよかった(笑))
≪死に際を見せない死に際≫
一幕のラストは攀安知の最期。
第1回を見たときからすごく印象的だったのですが、
やっぱりこのシーンは何度見てもいい…!!
死に際を見せない死に際。
だけど攀安知の壮絶な最期を想像させてくれる。
たぶん、北山の風ではこのシーンが1番好きかも。
公演ごとにBGMが違っていたりするですが、
今回のもまた文句なしのベストマッチで、
音楽の背景にかぶさる戦の効果音、喚声、
そしてホールならではの照明効果も相まって、
夜公演は特に、今までで1番切ない気分になりました。
ああ、攀安知、サイコウだわ
≪もう表か、謝名大主≫
前公演のレビューで、
「裏のキーパーソンは謝名大主だな」
って書きましたが。
いや、これはもう、「裏」じゃなくて「表」でしょう(笑)
まさか舞台開幕と同時に現れるのが謝名だとは。
そしてやっぱり、大城賢雄的で気になる存在。
(好き好き)
しかも、昼と夜とで微妙~~~~にキャラ違いましたね!
夜のほうがクールでした
昼公演の時も、うしーとうまーを誘い出しチラッと乙樽を見たそのまなざしに
「まさか…!」って思ったんですが
(もちろん予想はビンゴ(笑)うしーとうまー、出番も増えて大抜擢?って思ったのに(笑))
夜は更にわかりやすい演出が加わって非道そのものでした
「後始末」って…(ノ_-;
そしてもうヒトツは、本部の最期のシーンでの謝名の振る舞い。
前公演や昼公演では、本部大主の最期に少し哀愁的なもの(立ち姿とか表情とか)を醸し出していたのですが、
ぬを…っ!
夜公演はそれすらも排除!
その場面が暗転するのも謝名を剣を鞘に収めるのと同時で。
謝名、クールだ……!
(でも個人的にはこっちが好き(笑))
しかしアレか。
演者さんは小顔で長身の美人さんですが、
謝名の人物設定的には結構年年配のごっつい武将なんだね。
“爺”って…。
こんな感じ?(笑)
≪開幕のインパクト≫
開幕と同時に戦のシーンから始まるという点では
「翔べ!尚巴志」と雰囲気は近いけど、
こっちの開幕の演出は複数の北山側のセリフ、太鼓のBGM、戦の効果音がすごい効果的でした。
兵の喚声に混じる北山王妃の子を守ろうとする悲壮な声がまた緊迫感があっていい。
≪大里って…≫
尚巴志とその部下大里。
大里が本部懐柔策を尚巴志に提案し、
密使として本部と交渉するのもこの大里。
フト思った。
…これって護佐丸にしてもよくない?
尚巴志から「お前の忠義は忘れない」的なセリフも出てくるし。
護佐丸と今帰仁もバッチリ関係あるし
(護佐丸の祖先は今帰仁を追われて山田に移り住むのです)、
他の舞台とも繋がるし。
『護佐丸伝』(本)でも本部懐柔策を考えたのも護佐丸では?という説も出てくるし
(あくまで憶測だと思いますが)
で、その後志慶間城郭から攻め入ったのも護佐丸率いる中山軍ということで
冒頭の「志慶間城郭が破られたぞー!」にリンクするし( ´艸`)←ツボ
…って思ったんだけど、
そうしたら千代松たちが隠れすむ「恩納村山田」という地名は出しにくいか?
(護佐丸は山田グスクの城主でした。めっちゃ敵陣の地元(笑))
そうそう、この尚巴志のシーン、
三つ巴の背景幕かっこえ~~~~!!!
どーんとでっかく三つ巴!!
照明効果も効いてました!
そしてBGM、悪役っぽい~~~~(笑)
≪背景の動き≫
今回新たにゲストで出演した仲宗根青年会のエイサー。
動きがゆっくりめでちょっと独特だな~と思いました。
夜は女踊りも加わって更に華やかでしたよ。
曲も1曲だけじゃなくて2・3曲くらい?結構時間をかけて見せてくれました。
さて、このエイサーは千代松の誕生祝というシーンだったのですが
エイサーを見ている背景の北山の面々もおもしろかったよ。
昼より夜のほうがやっぱり皆演技細かかったね。
子煩悩な攀安知がよかったです(各々のやりとり和む~)
そしてそのエイサーのさなかに密かにすっと席を立って退場する本部。
退場する本部を訝しげにちらりと見、そしてかすかに首をかしげる謝名。
……コレいいっ!
(↑マニアック(笑)よく見てるデショ?あ、ちゃんとエイサーも見てますヨ)
謝名、やっぱりクール(笑)
≪乙樽>真鶴≫
やっぱり乙樽だなぁ。
でも残念ながら今回の乙樽は琉球浪漫シアターの乙樽とは別人設定で、
浪漫シアターとのリンクは残念ながらありませんでした。
(よく考えたらリンクさせるような展開だと原作の「北山」の面影なくなっちゃうか)
今回の舞台は「北山騒動」の要素も全面的に取り入れて
(もともとエッセンスは入っていたんですが、もっと表に出してきた感じ)
乙樽もその北山騒動に忠実な人物設定になっておりました。
公演前にパンフレットの人物相関図で乙樽が謝名とセットで描かれているのを見たときは
おいおいまさか!?
って思ったけど、
よかった、そっちの予想は外れて(笑)
(一応夫婦を装って隠れ住む、ってことにはなってましたが)
で、この乙樽、千代松の母親的存在としてこちらもいい味だしてました。
このまま身分を隠して平和に過ごすほうが…という
北山の中臣という立場と育ての親という一女性との葛藤、
敵討ちに出発する千代松の無事を願うシーンもよかった。
(祈りの仕草が「北山騒動」では後に神女となる乙樽像も彷彿とさせて)
ヒロイン真鶴より存在感あるし意味合いも強い。
実質的なヒロインは乙樽と言ってもいいくらいだけど
もうコレは仕方ない(笑)
(出番の云々に関わらずヒーローの恋相手がヒロインというのが相場だから。逆も然り)
≪渋い…!≫
ストーリーテーラーの“新城先生”。
一幕終了後の休憩アナウンスに、ワタシの周りの人が一斉に「渋い…!」って呟きよった(笑)
もちろんワタシも呟いた。
こんなに渋い休憩アナウンス初めてだよ(笑)
そして夜のメンバー紹介では、
あぁ…っ!惜しかった…!!あと一歩だったのに(笑)
アカハチのDVDも見たんですが、先生役合いますね~。
(賢雄も捨てがたいんだけど(^ε^))
≪演舞の数々≫
新衣装も増えて華やかさ倍増!
女サン、前回の妖精見たいなふわふわ衣装は冒頭のみで、
後は新しい衣装でしたね。
衣装作ったお母さん方、こんな短期間ですごいです…!!
男サンも同じデザインの色違いできてたし、
真鶴も新しい衣装だったし。
(ところで本部といい真鶴といい、衣装が尚巴志ときよらっぽい(^ε^))
演舞もグスク公演と、ホールでみるのとでは
やはり立ち位置とか照明とかでちょっと違って見えますね
大好きな「三つ巴軍」の演舞。
最初にソロで出てきた子の旗、あ~、あの旗だけでもやっぱりあと3倍大きくしたい…(笑)
オンナノコなのに指笛よくガンバリマシタ!
一列隊形になっての振りは昼公演は音楽とタイミングがかなりバチッ!!っと合ってて
思わず「かっこええ!」ってなりました。
(夜は惜しくもちょ~っとズレましたね^^;)
肝高の阿麻和利みたいに踊り手からも「はっ!」っていう囃子があるといいな~と思いました。
(後半、ボーカルさんがやってはいたけど)
歌のない曲で、しかもああゆうにぎやか系の演舞をまったく声ナシでやると
ちょっと物足りなく見えちゃうの…
(「翔べ!尚巴志」の初期がこんな感じだった…)
また初のホール公演ということで舞台美術も色々なところから借用しながらも
新鮮な気分で見れました。
鍾乳洞の、あの低さがタマラン(笑)
攀安知の墓石にも「おっ」ってなりました。
桜の木はオリジナルかな?
(桜の木といえば、本部がサンシン弾いてるシーンで
ずっと横で立ったままの千代松が気になってましたが
夜では改善されてて「さすが☆」って思いました)
ラスト5行に至極同意。拍手
≪テーマソングとテーマ演舞≫
タイトルは何だ!?
そのまんま「北山の風」かな。
例にもれず、文句なしのかっこいい曲でした!!
現代版組踊シリーズのテーマソングはどれもはずれがない!!
前から言ってるど
テーマソング集作ってほしい。
本当に。
終わった後にスタッフさんに聞いたら、
今のところ北山の風テーマソングのCD化の予定はないとか…
…待ってます!!!!!
3月のちむドンフェスタで平田さんが公言した
「北山のテーマソングも作る」。
これが現タオスタッフに引き継がれて半年で実現したんだから
もう、本当にファンとしてもありがたい限りです。
さあ、このテーマソングの要はバイオリンでしょうか
エレキバイオリンのアレンジの
かっこいいこと、かっこいいこと!!
このテーマソングだけでなく他の楽曲でもこのエレキバイオリンが大活躍。
(「レキオの夢」とかでも)
これだけでもこの舞台見る価値はあると言ってもいいくらい
他の舞台とは一味違った色を演出していたと思います!
そしてテーマソングに現れる「桜感」たるや!
なるほど、今帰仁といえばやっぱり「桜」か!!
って伝わりましたよ!
小道具の扇子の色や演舞の振り、歌の歌詞もそうだけど、メロディー的にも音的にも。
桜ソングにはうるさいワタシですが、
これは文句ないッス。
なんだろう、ハラハラと舞い散る感じとか
(いや、沖縄の桜は舞い散らないでぼとって花ごと落ちるんだけど(笑))
空気が流れる感じとか、日本人が桜と聞いて感じるあのちょっと切ない感じとか。
いやぁ、よかった。
欲を言えば「桜感」はバッチリなので今度は演舞で「風感」がもっと出るといいかな、と(^ε^)
風感は後半出てくる男サンの旗あたりがキーかなぁ。
(旗がもっと風を受けてなびくように、細長くてひらひらしてるとか大きいとか…?って妄想…)
今回は北山の風メンバーにとって初の生バンドでの公演らしいですが、
やっぱりいいねぇ、生バンド。
夜公演はバンドさんを見よう!と思ってバンドさんがよく見える場所席とりました♪
太鼓の人のファンです。
近くでみると振動と迫力がもうすごい。
体で味わえます。
昼公演では惜しくもお見送りの演舞はなくて
「…あぁ、もしかして肝高の阿麻和利と違ってバンドが一般だから?」
って思ってましたが、
なんと夜公演はやってくれました(!!)
…でも夜もないと思って
カメラ家に置いて行ったんだよ~~~~(悔)
なので今回は写真は1枚もナッシングです(;_ ;
…こんな感じかな?
なんでいつもこんなに長くなる??
(短く端的に書こうといつも思ってるのに~(ノ_-;))
しかも、なぜかワタシのレビューって“主役”について書く事
あんまりないですね;
(あっても短い(笑))
…だ、だって主役は皆の注目の的だから
きっと他のブログとかでもみんなが書いてるかなと思って
ついついそのほかの人に意識が行っちゃうのです…
(ってイイワケ?)
ついでなので、今帰仁グスクと桜のデジブック。
『グスクに桜』
『グスクに桜-夜-』
歴史ブログ 琉球・沖縄史
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