淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「夏の雨」

2015年08月14日 | Weblog
 夕方から突然雨が降り出した。
 某ホテルの二階の店で、生ビールを飲みながらシメ鯖を食べていた、ちょうどそのあたりだった。

 すっかり日も短くなってきた。
 午後の六時を過ぎるころには、もう宵闇が迫って来る。
 これから少しずつ夜の時間が長くなり、この街も一日ごとに涼しくなってゆく。そして、あっという間に冬になる。

 ホテル二階の地元のお酒と料理を出す店は、ほとんど満員状態で、お盆休みの宿泊客なのだろう、標準語がいたる席で飛び交っている。

 一番端の席で、中年男性が、独り酒を飲みながら肴をつまんでいる。
 ホテルの宿泊客らしい。
 寡黙な佇まいだ。

 お盆で帰郷しているのだろうか?
 それなら、実家に泊まればいいのに・・・何故なんだ? なんて、余計な詮索をしながら、こちらもまた、烏賊のウロを食べ、生ビールを呷る。

 それとも、独り旅でもしているのだろうか?
 連れ合いはどうしたんだろう?
 たった独りで摂る夕餉、淋しくないのだろうか?
 
 外は雨が降っている。
 風も冷たい。
 暗い舗道に雨粒が落ちているのが見えた。

 夏が終わってゆく。
 またなし崩しに、光と海と風に彩られた夏の季節が終わってゆく。

 孤独になれなきゃ。
 独りで生きる、その術を学ばなきゃ。

 なんにも、変わらない。








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