淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

韓国パク・チャヌク監督の映画をリメイクした、スパイク・リー監督「オールド・ボーイ」を観た。

2014年07月31日 | Weblog
 やっぱり韓国映画って面白い。
 いや、韓国の映画監督はやっぱり才能のある人が多いと言い直すべきか。

 個人的に大好きな監督は、まずはキム・ギドク、それからイ・チャンドン、キム・ジウン(「悪魔を見た」は凄かった!)、パク・チャヌク、それからポン・ジュノ辺りだろうか。ホ・ジノもいい。

 何故こんなことを思ったかというと、最近やっと観ることが出来た、韓国のポン・ジュノ監督による韓国・フランス・アメリカによる合作映画「スノーピアサー」を観て、改めて韓国映画の凄さ、監督の層の厚さを思い知ったからだ。

 賛否両論があった、映画「スノーピアサー」。
 僕は断固支持したい。
 さすがである。ポン・ジュノ監督は素晴らしいと思う。

 ポン・ジュノ監督の「母なる証明」も良かったし、「殺人の追憶」も良かった。
 でも僕が一番好きなポン・ジュノ監督作品は、なんと言っても「「グエムル 漢江の怪物」である。この映画は傑作だ。だ~い好きだ。

 そのポン・ジュノ監督による最新作(観たかったんだけれど我が街では上映されず、東京でも観逃してしまった)「スノーピアサー」、フランスのコミック漫画を原作にしているらしく、SFという体裁を保ちながら、近未来の氷河期が到来した地球を舞台に、超スピードで大陸縦断する列車の中で繰り広げられる支配層と被支配層との壮絶な戦いを描いてゆく。

 特に狂喜乱舞したのが、「グエムル 漢江の怪物」でも親子を演じた、あのソン・ガンホとコ・アソンが再び親子役で共演しているということ。
 この2人がこの「スノーピアサー」でもとてもいい味を出している。

 そして、ポン・ジュノと双璧をなす韓国の映画監督といったら、やっぱり前段でも挙げたパク・チャヌク監督ではないだろうか。
 パク・チャヌクも凄い監督だ。
 「JSA」に「オールド・ボーイ」、それから「親切なクムジャさん」も衝撃的だった。
 ただし、ハリウッドに招かれて作った最新作「イノセント・ガーデン」だけはガッカリしてしまったけれど・・・。

 もちろん、だからといってパク・チャヌク自身の評価が下がったかと問われると決してそんなことはなくて、彼が「オールド・ボーイ」という傑作を産み出した事実はまったく変わらず、今でも傑作たる一本であることに間違いはない。

 この、土屋ガロンと嶺岸信明による日本漫画を原作にした、カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作、パク・チャヌク監督の「オールド・ボーイ」が、スパイク・リー監督、ジョシュ・ブローリン主演によって今回新たにハリウッドで映画化された。

 パク・チャヌク監督の「オールド・ボーイ」を観たのはもうだいぶ前なので、細かい部分についてはほとんど忘れてしまったけれど、あの濃厚な後味だけは絶対に忘れることが出来ない。

 今回のアメリカ版「オールド・ボーイ」は、監督がスパイク・リー、主演がジョシュ・ブローリン(適役でしょうね)。
 サミュエル・L・ジャクソンがまたまた拾い物の脇役で、ジョシュ・ブローリンとサミュエル・L・ジャクソンの2人が、今回はいいところ全部持って行ってしまったようだ。

 仕事が上手くいかずに、酒を飲んでべろべろに酔っ払った男が、酔いから醒めてふと目覚めると、突然拉致され、テレビだけが置かれた部屋に閉じ込められてしまう。
 男は、理由もわからぬまま、20年にわたってその謎の部屋で監禁生活を強いられることに。

 男は、一度は絶望から自殺まで考えるが、生きる決心を決め、その謎の監禁部屋からの脱出を試みる。
 その矢先、男は何故か突然その場所から解放される・・・。

 何の目的で男は20年もの間、監禁生活を強いられたのか?
 監禁した人間の真の目的は何なのか?
 男は、やがて監禁場所を突き止め、罠に落とした人間たちへの復讐を誓うのだが・・・。

 やっぱり面白い、「オールド・ボーイ」。
 前作の衝撃度や濃厚さはかなり薄まってしまったけれど(そこを評価できないという人もいるだろう)、ストーリー自体が面白いので最後までグイグイと惹き付けられてしまうのだ。

 復讐劇って、面白い。
 血が滾り、胸躍る。









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「真夏の青森2014」。軌道修正が必要だ。もう一度スクラップ・フォー・ビルドしなきゃね。

2014年07月30日 | Weblog
 仙台を夕方に出る。
 日中外を歩いていて、昨日よりは暑く感じられた。

 帰りの新幹線の中で「朝日新聞」を読み、昨日「八重洲ブックセンター」で買った、あの高橋尚子らを育てた小出義雄氏が書いた「マラソンは毎日走っても完走できない-『ゆっくり』『速く』『長く』で目指す42.195キロ」を読もうと思って鞄から取り出したのだけれど、猛烈な疲れと睡魔に襲われ、新青森駅まで眠ってしまった。

 それにしても気持ちが落ち込んでいる。
 「飛ばしていくよ」と心の中で何度も呟き、モチベーションを上げる努力はしてみるのだが、心はまたいつものように、上がったり下がったりと乱高下を繰り返す。

 今までやって来たことが全部無駄だったような、自分の未来が不安と混沌で霞んでいるような、言いようのない漠然たる不安がしつこく纏わりついているような、そんな自己嫌悪と虚しさと自身の不甲斐なさとが重なって、気分はブルーに染まってゆく。

 そんな心境をブログに綴っているその行為自体に自己嫌悪を覚え、不安定な立ち位置に苛立ちを感じている自分がいる。

 ああ・・・俺はいったい何してんだろ。
 飛ばして行くも行かないも、飛ばすための基礎も応用もまるで出来ていないじゃないか。そんなことまで考えて、激しく自分を悔いる。
 だいたい、飛ばして行った先って何処よ。飛ばした果てにあるものって、いったい何よ。

 一切の努力もせず、適当に立ち回ってきたそのツケが今、心と身体を蝕んでいる。
 俺は虚構の張りぼてに過ぎないのではないか。見た目だけで成立しているのではないか。
 しっかりとした、基盤のしっかりとした、骨太で覚悟のある人生を歩んでこなかったことでの、膨大な借金の請求書が今届いているんじゃないのか。

 新幹線は、真夏の光に満ち溢れている「盛岡」を通り、幾つもの暗いトンネルを抜け、盛岡と同じくらい燦燦と輝く太陽の光が降り注ぐ「八戸」へと入り、そこから最終地「新青森」へと滑り込んだ。

 また帰って来たのだ「青森」の街へ。

 軟弱で腹の座らない人間が、いくら虚勢を張ったって物事は前へとは進まない。
 メッキなんてすぐに剥がれる。化けの皮は一瞬で剥がされる。
 何もしてこなかった人間は、やったフリをして誤魔化してきただけの人間は、いつか身ぐるみ剥がされて素っ裸のままで世界の端っこに放り出されてしまうのだ。
 人生はそれほど甘くなんかないんだから・・・。

 新幹線が止まって乗客たちが一斉にプラットホームへと吐き出された。
 同じ車両の通路を挟んだ3列シートに腰掛けていた若いサラリーマン2人組のうちの一人が、「こんな辺鄙(へんぴ)な場所にまた戻って来ちまったよ」というような趣旨の言葉を、相手に向かって吐いている。

 たぶん、首都圏かどこかから、青森の営業所かなんかに異動させられているらしい。
 100キロはある巨体を揺らしながら、この街に赴任していることを心底嘆いている。
 「ふん、悪かったな。青森のど田舎で。馬鹿野郎」
 心の中でそう呟きながら、「それよりも、もっと自己管理をしっかりしろよ」と付け加え、疲れ切った躯体を引き摺りながら乗り換え線までの通路を歩く。

 家に帰って荷物を降ろし、3日分の汚れた下着を片付けて横になる。
 一歩も動きたくない。何もかもが億劫だ。やっぱり睡眠不足がここに来て大きなダメージとなっているようだ。

 でも走らないと・・・。
 9月末の「100キロ ウルトラマラソン」まで既に2カ月を切っている。少しでも距離を稼いでおかないと。8月はなんとしてでも月300キロを走らないと・・・。
 そんな焦りだけが頭の中を駆け巡る。

 重い身体に鞭打って、スポーツウェアに着替え、真っ暗になった外へと飛び出した。
 まずはゆっくりと走り始めたけれど、足が鉛を巻き付けたように重くてだるい。
 それでもなんとか夜道を10キロ走った。辛かった。くたくたに疲れている。

 シャワーを浴びて、アマゾンから届いていた「オールマン・ブラザース・バンド」の「1971 フィルモア・イースト・レコーディング」のライブ盤6枚組を聴きながら、「ずんだ餅」と熱いお茶を啜る。

 いろんなものが勝手に動き回っている。遣り直さなきゃ。整理をし直さなきゃ。
 このままだと何もかもが駄目になる。またすべてが元の木阿弥になってしまう。

 軌道修正が必要だ。もう一度スクラップ・フォー・ビルドしなきゃね。








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「真夏の仙台2014」。飛ばしていくよ! 時間がないんじゃ、人生は。

2014年07月29日 | Weblog
 子どもたちの宿題を解いてあげる「宿題代行業」が一部で繁盛しているのだとか。
 夏休みの宿題に四苦八苦している子どもたちの親が、居ても立ってもいられずに代行業を頼むらしい。

 例えば、感想文提出などで400字詰め原稿用紙を埋める場合、一枚につき約4000円。算数とかの問題は一問約1000円が相場だという。もちろん、業者によっては若干違ってくるのだろう。
 ちゃんと、依頼者の子どもの書く文字の傾向を真似たり、引っ掛け問題にわざと引っ掛かったりと、その手口?も巧妙だという。
 それにしても、いやはやなんとも・・・。

 そんなニュースをテレビで観ながら上野での朝を迎える。
 今日も東京は真夏日。湿度が低いのでそれほど暑さは感じないかもと、テレビのお天気お姉さんが微笑んでいる。
 東北地方も昨日で梅雨明けした。

 8時15分ごろにスマホに電話が入り、そのあと8時30分にも仕事関連の連絡が入る。
 今日のホテルの朝食メニューは、パンと珈琲と茹で卵とジュースだけの提供という、とてもシンプルなもの。
 それを摂ってからホテルをチェックアウト。

 新宿の街を歩いていたら、痛いほどの真夏の陽射しが差してくる。
 ところが、それほど暑さは感じない。湿度が低くてカラッとしているからだ。

 山手線に乗り、目黒で仕事をこなし、夕方4時台の新幹線で仙台へと向かった。
 「朝日新聞」の「天声人語」をみたら、全国高校野球での奇蹟の大逆転劇が載っていた。
 石川大会決勝、「星稜」対「小松大谷」の試合である。

 九回裏まで8対0で「小松大谷」が大差で勝っていて、「星稜」が敗北寸前だったゲームを最後の最後でひっくり返したことを絶賛している記事だった。
 でもひねくれ者の人間としては、どうしても勝者よりも敗者に対する視点が働いてしまう。敗者への目線が先にたってしまう。

 9回途中、痛みで交代した3年生エースに替わって、そのすべてを任された「小松大谷」の2年生ピッチャーは、9回裏まで来たのに8点差を返され大逆転負けを喰らってしまったのだ。

 打たれた2年生ピッチャーは、号泣してチームのみんなに謝ったという。
 悔いても悔いても無念さだけが残り、胸が張り裂ける思いに駆られただろう。辛いと思う。

 そんなことをぼんやり考えながら車窓から夕暮れの田園風景を眺めていたら、そのうち少しずつ高いビルが目立ってきた。
 車内のアナウンスが仙台駅到着を告げている。

 プラットホームに降りたら、涼しい風が吹いていた。
 東京の暑さとはまた全然違っている。

 日本全国で大規模に展開している某流通業界の方々と会う。
 夜の9時過ぎに、今夜の宿泊先である広瀬通りを少し入った場所にあるホテルへと帰った。

 こうしてまた今日も一日が終わった。
 それにしても眠い。
 また今夜もちゃんと眠れないのだろうか。何度も寝返りをうち、悶々とした夜を迎えるのだろうか。
 不安が募る。

 バスタブにお湯を溜め、シングルベッドに横たわってフジTVのドラマ「あすなろ三三七拍子」を眺めた。
 ホテル近くのコンビニエンス・ストアで買って来た、「白玉ぜんざい」と「マウントレーニア」のノンシュガー珈琲を飲みながら、ホテルの部屋の天井を眺め、目を瞑る。

 こうして忙しさに奔走されている間にも、時間は無情に過ぎ、何も残らず、何も残さず、平凡な毎日の残骸だけが積み上げられてゆく・・・。
 こんなはずじゃなかったという、後悔と無念さだけが頭の中を過るのだ。
 歳を重ねるごとに生き難くなる。どん詰まりになる。切羽詰まってゆく。息苦しくなる。
 
 冷房の効いたホテルの小さな部屋で、クリーム色した殺風景な天井をじっと見つめ、またあの言葉を心の中で繰り返してみる。

 飛ばしていくよ! 時間がないんじゃ、人生は。








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「真夏の東京2014」。シャツが裂けたくらいなんだってんだ!

2014年07月28日 | Weblog
 昨日の日曜日、着替えて外を走ろうと外に出た瞬間、突然の豪雨。
 仕方がないから一旦、家に入って晴れるのをじっと待った。

 暫らくして、雨が上がったので、さあ走ろうとまた外に出ると、またまた雨が降って来る。それに加えて風も凄くて台風並みの強さだ。
 諦めて家の中へと戻った。

 そしてまた雨が止むのをじっと待つ。
 夕方になったので、今度こそはと外に飛び出す。
 少しぐらいなら濡れてもいいやと覚悟を決めて数百メートル走ったのだけれど、雨足が強くなって結局走ることを断念した。

 ガッカリして、部屋に入って一時間ほど経って外を見てみたら、雲の隙間から青空が覗いているではないか。
 でももう既に夕方6時を回っている。走る気分も途切れちゃって、スポーツウェアのまま夜までウジウジ過ごす。

 テレビを点けてフジTV「27時間テレビ」を観る。
 今回は中々面白かった。
 特にラストの山場、SMAPによる27曲45分3秒ノンストップ・ライブは圧巻だった。
 中居正広が完全にバテてしまって、パフォーマンスの途中で何度もステージにしゃがみ込む。体力が続かずに中座する場面もあった。

 それを観終え、今度は9時からのテレ朝「必殺仕事人2014」にチャンネルを合わせる。
 東山紀之が相変わらずカッコいい。
 新たにレギュラーとして加わった、同じジャニーズ「Hey!Say!JUMP」の知念侑李はちょっとイマイチだったけど・・・。

 そして、目覚めた翌日は月曜日。
 今日からまた仕事が始まる。
 昨日までの荒れた天候とは打って変わり、朝から穏やかな天気。風もまったくない。
 いつも通りに出勤して午前中の仕事をこなし、午後1時過ぎの新幹線に乗り込むために「青森駅」。そこから「新青森駅」まで電車で行き、新幹線にはなんとか間に合う。

 東京に着いたのが午後の5時。
 車内アナウンスが流れたので急いで席を立ち、通路に出ようとした時、前の椅子の後方に付いているフックにシャツのボタンが引っ掛かって、ビリビリと音を立てながら破けてしまった。

 ええーーっ!
 なんじゃこりゃ。またプチ不幸の連鎖かよ。参ったな・・・とほほ。
 ちょうどシャツの真ん中、お腹の辺りが縦に裂けている。
 仕方がないので、仕事の関係者と上野で会う前だったので、近くにあった「ユニクロ」に入って適当にシャツを買い、そこのトイレで着替え、裂けたシャツはゴミ箱に捨ててしまった。

 なんでいつもこうなんだろ?
 ちっちゃなアクシデントに、いっつも見舞われる。

 外に出て仕事の関係者と待ち合わせしている上野駅前まで同僚と2人で歩く。
 凄まじい暑さだと聞いていたのだけれど、それほどでもない。
 天気予報では、明日の都内もそれほどの猛暑とはならないみたいだ。今夜も熱帯夜は免れるらしい。

 打ち合わせを終え、今夜のねぐらである上野のホテルにチェックイン。
 もう既に夜の8時を過ぎている。

 「AERA」をみたら、特集「介護で会社を辞めない」。
 親の認知症や老老介護で、悲惨な状況から仕事どころの騒ぎじゃない人は日本にたくさんいる。
 そうかと思えば、「朝日新聞」で「日本の子どもの貧困率が過去最悪」の記事。
 厚生労働省の調査では、2012年の値で16.3%まで上昇したのだとか。世界34カ国によるランキングでも、日本は貧困率が高いグループ上位10位になってしまった。
 もうこうなると、ドラスティックな変革をしなかったら、日本はこのまま漂流し続けるしか道はないだろう。
 
 そしてテレビのNHKニュースでは、ガザ地区の死者が1000人を超えたと伝えている。

 ああ。
 シャツが裂けたくらいなんだってんだ!



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「JOLLY JIVE!」

2014年07月27日 | Weblog
 先週は、ほぼ毎日飲み会状態。毎晩遅かった。
 なので結局、まったく走ることが出来なかった。
 それに加えて、いつもの寝付きの悪さで睡眠不足が続き、日中もずーっと寝不足と疲れでかったるい。

 そういうわけで、金曜は飲み会を早目に切り上げ、家に帰って録画しておいたドラマを観ることに。
 2014年の夏ドラマは、ここにきてすべて出揃った。
 それにしてもどの新ドラマも、視聴率が低迷しているようだ。

 唯一、安定的な視聴率を維持しているのがNHK「軍師官兵衛」。
 鳴り物入りのフジ月9ドラマ、キムタクの「HERO」は、初回の視聴率が驚異的だったものの、2回目は19.0%と20%割れ。

 意外と健闘しているドラマは、フジ「昼顔」と日テレ「金田一少年の事件簿N 」、同じく日テレ「ST 赤と白の捜査」あたりだろうか。

 その中でも、やはり「昼顔~平日午後3時の恋人たち」が凄い。
 第2話もまた濃かったなぁ~。
 何度も、上戸彩と吉瀬美智子の吐く本音丸出しの台詞に赤面してしまった。このドラマを観ている人たちって、どういう心境で画面と対峙してるんだろ?
 特に、怪演している吉瀬美智子のマシンガンのような女曝け出しトークが、もう凄くて凄くて・・・。

 金曜日も、TBSドラマ「家族狩り」を観終えてから、「昼顔~平日午後3時の恋人たち」を観たので、時間は既に真夜中過ぎ。
 翌日も早起きしたから、ずーっと寝不足状態が続いていて、辛い。

 土曜日はぐんぐんと気温が上昇し続ける。
 お昼、青森駅前「アウガ」の裏にある「お蕎麦屋」さんに入って鴨南蛮そばを啜っていると、同じ職場で幼い頃からの友人がふらっと店に入って来て、「よお」と久しぶりの会話を交わす。

 今日は絶対に外を走ろうと決めていたので、また会う約束を取り交わして、食後の珈琲を飲みに「スタバ」へと向かう。
 暑いので、冷たいミルクとバニラシロップを氷とブレンドしてホイップクリームをトッピングした、「バニラ クリーム フラペチーノ」を頼んでちょっと冷房の効いた店内で一休み。

 そこからまた歩いて家に戻り、スポーツ・ウェアに着替え、「山下達郎」の「ビッグ・ウェーブ」をダウンロードしたウォークマンを装着して午後の外へと飛び出す。

 暑い。かなり暑い。
 新町通りの「青森銀行」前のデジタル温度計の温度が、32度を示している。
 走っていると、激しい陽射しとその照り返しで、まるで真夏に燃え滾る焔(ほのお)がゆらめく焚火に身体を晒しているような気分。

 ぎらぎらとした太陽が、肌を焦がし、汗が噴き出てまったく止まらない。
 行きはそれでもよかったのだけれど、帰り道、南西から吹いて来る突風に押され、走っていても息苦しい。

 堪らず、「善知鳥神社」の境内に入って、柄杓(ひしゃく)で水をがぶ飲みする。
 走り終わっても汗が噴き出して止まらず、顔や腕が日焼けでひりひり痛い。

 ソウルメイト4人で組んでいる「ライン」のコミュニティに、海沿いの「Aファクトリー」にみんなで集合しているから来ない?との書き込み。
 でも、シャワーを浴びて暫らく部屋の窓を全開して汗が退くのを待っていたら、「もう散会しました」とのメッセージ。

 じゃあいいやと、上半身裸のまま横になって、韓国映画「ある会社員」を観る。
 外見上は商社の看板を掲げながら実態は殺人請負会社という、特殊な会社で働くプロの殺し屋が主人公。
 ところがある日、殺人を遂行した際に知り合った女性を深く愛してしまった事から、悲劇の幕は上がってゆく・・・。
 主演のソ・ジソブに魅力がないのと、愛した女性との関係性に深みがないので、ラストの壮絶なアクションにも中々感情移入出来ません。
 悪くはないストーリーなのに・・・残念。

 そうしている間に、もう夜の帳が下りて、すっかり外は暗くなっている。
 でも今夜は楽しみなテレビが待っている。
 フジテレビ系、一年に一度恒例のヴァラエティ番組「武器はテレビ。SMAP×FNS27時間テレビ」である。

 27時間も連続して観られないだろうけど、今夜も深夜まで起きて観るぞーっ! どうせまた眠れないんだし・・・。

 それに、ヴァラエティ番組って、だーい好きだしね。








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ハリウッドで製作された最新リブート版映画「ゴジラ」を観る。うーん、カタルシスが足りません!

2014年07月26日 | Weblog
 怪獣映画が大好きだ。
 自慢じゃないが、東宝映画の「ゴジラ」を含めた怪獣ものは全部観てきた。しかもそのほとんどは映画館でリアルタイムに観てきている。

 そう、完全に自慢です。
 第一作目の「ゴジラ」に始まって(ただ、この1954年に作られた一作目や二作目を実際に観たのは公開後だいぶ経ってからですけど)、「ゴジラの逆襲」、「キングコング対ゴジラ」、「モスラ対ゴジラ」(ザ・ピーナッツね)、「三大怪獣 地球最大の決戦」、「怪獣大戦争」・・・シリーズは延々と続いてゆく。

 とりあえず東宝の「ゴジラ」シリーズが一旦終了して、その後「平成のゴジラ」が復活シリーズ化され、そこからまたまた「ゴジラ2000ミレニアム」としてリメイクされた際も、とにかくゴジラのシリーズはその都度すべて観続けてきた。

 もちろん、ゴジラ・シリーズだけじゃない。
 大映映画の「ガメラ」シリーズもこれまで全部観てきたし、松竹の「ギララ」も観た。
 正直に言っちゃうと、個人的には「ゴジラ」よりも「ガメラ」のほうが大好きだ。ガメラの子ども好きというのだけは、よく解せないけれど・・・。

 これまで長年に渡って観続けてきた日本の怪獣映画で個人的なベスト3を挙げておきたい。まあ、どうでもいいっちゃあ、いいんですけど・・・。
 まずは「キングコング対ゴジラ」。
 確か、ラストは「東京タワー」かなんかの高い場所でハラハラドキドキする展開が繰り広げられたんじゃなかったっけ? 違ってたらごめんなさい。

 それから「ガメラ対ギャオス」。
 これも怪獣映画の名作である。
 ガメラもかっこよかったけど、ギャオスの残虐さがまた凄かった。

 3本目・・・これはたくさんあり過ぎて少し迷ってしまう。
 とりあえず「三大怪獣 地球最大の決戦」を推したい。
 何と言ってもモスラの幼虫が決死の覚悟でキングギドラに立ち向かう姿がジーンとくる。
 キングギドラの登場も衝撃的だったし。

 ・・・というくらいの怪獣映画オタクである。
 そして2014年の夏、新たにハリウッドで製作された新生「ゴジラ」が日本上陸した。
 今回の映画化発表時からずっと興奮は続いていて、封切り日が待ち遠しくてたまらなかった。

 そして遂に観ました、ハリウッド(実質2度目となる)リブート版「ゴジラ」。
 土曜日で、昨日の金曜日も飲み会だったというのに頑張って朝7時に起きて、急いで車を出して郊外のシネコンまで。
 どうしても早朝一番の回を観たかったからだ。
 朝食は時間が無かったので、近くのコンビニでサンドイッチと珈琲を買って済ます。

 観客は中高年が結構目立った。
 やはり往年のゴジラファンだろうか。

 監督は「モンスターズ/地球外生命体」を撮ったギャレス・エドワーズ。
 冒頭は1999年の日本が舞台。
 原子力発電所が、突然発生した揺れで崩壊してしまう。そこで妻を亡くした(ジュリエット・ビノシュが妻役)科学者は、その後も日本に留まり崩壊の原因を探ろうとする。

 それから15年後。
 アメリカ軍爆発物処理班隊員となった息子は(アーロン・テイラー=ジョンソン)、日本で謎の揺れを調査している父を訪ね、原発崩壊事故の原因を調べるべく侵入禁止区域へと侵入するのだが、2人はそこで恐ろしい事実を目撃することに・・・。

 うーん。
 期待外れ。
 予告編が素晴らしかったので、今回のリブート「ゴジラ」、かなり期待して観たのだが・・・。
 とにかく、ゴジラ登場までが長過ぎる。上映してから1時間でやっと登場するのだ。
 怪獣の王様の登場である、もうちょっとド派手に出て来て欲しかった。

 それともう片方の「ムートー」と名付けられた巨大生物なんだけど、これがまたチャチというか迫力に欠ける体型なので、ガッカリしてしまった。怖さもイマイチだし・・・。
 なので、ラストの山場であるサンフランシスコ決戦が、どうも心ときめかない。

 前回のハリウッド・ソニー・ピクチャー版「ゴジラ」では、その体型に異議を唱えるファンが続出したけれど、今回の「ゴジラ」はそれと比較すると確かに迫力があって凶暴性も数段上ではある。

 でも、街をぶっ壊し、縦横無尽に暴れ回るという「ゴジラ」本来のハチャメチャな活躍という点では前作の方が上だったし、サスペンス性も今回の映画には乏しい。
 だいたい、主役の「ゴジラ」よりも「ムートー」の出番が多いって、どういうことよ?

 唯一素晴らしかったのは、ゴジラが吐いた放射熱線。
 これはカッコよかった~。鳥肌が立ちました、少しだけど。

 もっともっと、カタルシスを与えてよ、大好きな大好きなゴジラなんだからさぁ!










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「ミート・ザ・ビートルズ 【JAPAN BOX】(初回生産限定盤)」を買う。いや、改めて聴く。

2014年07月25日 | Weblog
 またまた散財してしまいました。
 今度は、「ミート・ザ・ビートルズ 【JAPAN BOX】(初回生産限定盤)」だ。

 それにしても敵もさる者。手を替え品を替え、音楽愛好家の消費心理を突いてくる。
 まあ、安易にそれに踊らされてしまう、そんな人間が一番悪いんですけどね。

 今回のビートルズで、新たなリリースはある程度は落ち着いたのではないかと思うけれど、例えばツェッペリンでもオアシスでも、新たな音源を含めたリマスター盤が今後また続けてリリースされてゆくらしいので、そうなるとお金が幾らあっても追いつかない。

 最近は、本当に豪華盤・初回限定盤・おまけ付きリイシュー盤という名の、値段の張るCDラッシュが続いていて、これは要するに10代や20代でロックに触れた中高年層をターゲットに絞り、そこから新たな購買力を引き出そうとする音楽業界の目論見にほかならない。

 今回のビートルズ・ボックスの売りは、『ビートルズの日本盤5作品すべてを初CD化させ、日本デビュー50周年記念盤』と銘打っていることだろうか。
 ビートルズのレコード・デビュー50年を迎えることから、1964年から1965年に日本でリリースされたアルバム5枚にその焦点が当てられた。

 アマゾンからでっかい段ボール包みが届き、開けると、中から厚さにして6センチほどの頑丈なボックスが覗く。
 日本独自のアルバムということで、当時の帯を含めてオリジナルLPの初版盤をそのまま再現した仕様である。

 それと、今回の「ミート・ザ・ビートルズ 【JAPAN BOX】(初回生産限定盤)」には、新たに分厚いブックレットが付いてきて、音源は2009年のリマスター音源が使われ、「ビートルズ!」、「ビートルズ No.2」、そして「ビートルズ No.5」にはモノのリマスター音源が。また「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!!」はステレオ・リマスター音源、「4人はアイドル」はオリジナル・ステレオ・ミックス音源となっている。

 初回特典で、「抱きしめたい」の日本盤シングル・ジャケットを使用して制作されたという、1曲入プロモーションCDが1964人だけに当たる応募抽選ハガキも同封されていたので、ミーハーなわたくしは、当然の如く近くの郵便局へと走り、切手をちゃんと貼って、祈る思いで応募いたしました。

 5枚のアルバムを改めて聴いてみて(っていうか、ビートルズのリマスターも次から次へとリリースされるので、初期のアルバムについては何が何だかよくその曲順も分からない状態にあるのですが・・・)、やっぱり一番好きなアルバムは「4人はアイドル」ということがよーく分かった。

 「4人はアイドル」には特別な思いがある。
 僕は、「4人はアイドル」を映画館で初めて観たことでビートルズに接し、その音楽を体験することになったからである。

 忘れもしない。今でも鮮明に覚えている。
 昔、今の国道から少し南側に入った場所(現在の「シネマ・ディクト」の向かい側)にあった「映画館」で観た、エルビス・プレスリーの「ハーレム万歳」と、同時上映された映画、ビートルズの「4人はアイドル」。

 この映画に凄まじい衝撃を受け、翌日学校で、箒をギターにみたてて適当な歌詞を付け、ジョン・レノンの真似をして首を左右に曲げながら歌っていたのを、先生に笑われた。そんなことまでちゃんと覚えている。

 ビートルズと、加山雄三と、ユーミンが、僕の人生そのものに与えた影響は計り知れない(ローリング・ストーンズはそれとはちょっと違っているのだけれど、今ここで改めて書くと長くなるんで省略しますが)。

 ビートルズって、どんなシチュエーションにも合う音楽だと思う。
 どんな風景にも、どんな季節にも、どんな精神状態にも、楽しくても辛くても悲しくても、それから怒りに震えていても、聴くと心から馴染み、拒否する気分になんか到底なれない。

 不思議だ。
 こういう何事にも動じない音楽って、個人的には、ビートルズかストーンズかバッハかモーツァルト、これだけなんじゃないだろうか。
 それだけ凄いってことなんだろうな、ビートルズの醸し出す音楽って。

 良かったなあ、ビートルズをほぼリアルタイムでずーっと聴き続けることが出来て。

 幸せです。









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「ザ・ビートルズ・マテリアル Vol.4 ジョージ・ハリスン/リンゴ・スター」を読む。

2014年07月24日 | Weblog
 ビートルズ4人の中で一番好きなメンバーはジョージ・ハリスンだ。
 ビートルズの音楽を確立し、ほとんどの楽曲を手掛けた音楽史上最強の作詞・作曲家コンビであり、音楽的な才能という点なら、当然にしてポールとジョンの二大巨匠ということになるのだろうけど、4人の中で音楽も含めて最も惹かれる人物を挙げろと言われたら、迷わずジョージと答える。

 ジョン・レノンという稀有な天才アーティストにも当然心が動かされるし、ポールの類稀(たぐいまれ)なる音楽作りへの才能にも驚かされるけれど、ジョージ・ハリスンに感じられる、品のよさや寡黙さや落ち着いた静けさのようなものに対して深い共鳴を覚えてしまうのである。

 もちろんリンゴだって大好きだけど、この人はほかのビートルズ3人とは少し違っていて、その魅力はキャラに特化しており、音楽的な魅力という点では他のメンバーから一歩退いているように思える。
 でも、リンゴ・スターという、見た目からして陽気で朗らかな佇まいは、ビートルズを牽引するジョン&ポールの濃厚なキャラを上手く中和させ、リンゴがメンバーにいたからこそ、ビートルズという色彩や匂いが極端にならずにすんだのではないか。

 和久井光司氏のライフワークともいえる、「レコード・コレクターズ増刊 ザ・ビートルズ・マテリアル」が、ついに完結を迎えた。

 「VOL.1」がビートルズそのものの作品を、続く「VOL.2」がジョン・レノンを、そして「VOL.3」ではポール・マッカートニーの作品を膨大なデータ等を駆使して解説し、今回の完結篇でジョージ・ハリスンとリンゴ・スターを取り上げている。

 基本は、年代順にそれぞれのアルバムとシングルを中心に日・米・英盤ごとに詳しい説明を施していて、そのほかに関連する映像や関連する他のアルバムなどの紹介がなされているのだ。

 筆者の和久井光司氏は、本の冒頭、リンゴとジョージを「エコノミー・クラス」の2人と称し、天才だったジョン&ポールとは一味違ったミュージシャンとして捉えている。
 それは確かに巷の評価も同じようなもので、2人は、音楽的なセールスや音楽的な評価の面でもジョン&ポールの凄さの影に隠れていたのは紛れもない事実だろう。

 しかし、和久井光司氏もこの本の中で「ジョージとリンゴの新作がほかのふたりの新作に勝った時代」があったことをはっきりと認めているように、彼らにとっての黄金時代もまたちゃんと存在していたのである。

 それはリンゴのソロ時代におけるアルバム「リンゴ」とそれに続く「グッナイト・ヴィエナ」の頃(1993年から1994年)、それからジョージは、あの歴史的名盤、ロック史に今もなお燦然と光り輝いている、アルバム「オール・シングス・マスト・パス」であり、その後に続く「リヴィング・イン・ザ・マテイアル・ワールド」(1970年から1973年)の頃ではないだろうか。

 ただ、リンゴはその後ゆっくりと下り坂を下っていったのに対して(俳優としても映画等で活躍していたので、音楽的にはイマイチだったというだけの意味ですが)、ジョージはその後リリースしたアルバム自体の出来不出来があまりにも極端だったため、ブレ具合が激しくて、評価自体は少し難しくなるかもしれない(日本で「ジョージ・ハリスン帝国」というタイトルでリリースされた「ユー」が収録されているアルバムとかはよく聴いたけれど、その後発表された何枚かのアルバムについては、批評家たちからの評価は低かった)。

 まずは、リンゴ・スターの「リンゴ」というアルバムの凄さから。
 その良さは、ティム・ブルックナーが描く豪華絢爛なアルバム・ジャケットがすべてを表しているように思う。
 何人もの有名なアーティストたちがリンゴのもとに集まってそれぞれに曲を提供し、それをリンゴが華麗に歌い上げるというアルバム・コンセプトで、ゴージャスな雰囲気が聴く側にもリアルに伝わって来る。
 楽曲もポップで、ビートルズ解散後、久しぶりにジョンとポールとジョージも、リンゴのソロ・アルバムに曲作りで集結した(4人が一堂に会するということはなかったようだけど)。

 そして、ジョージ・ハリスン。
 誰が何と言おうと、大作「オール・シングス・マスト・パス」である。
 最初買ったのが3枚組LPの時で、後年CD化されて2枚組となった時にも当然このアルバムを買い求めた。
 タイトルがまず凄い。「ALL Things Must Pass」である。なんと哲学的で深遠なる言葉だろう。

 曲の素晴らしさも圧倒的だ。ビートルズ時代にも何曲かいい楽曲を発表してはいたけれど、ここに収録されている曲もまた、ジョージらしい煌びやかな中に漂う儚さのようなところが見え隠れしていて、何度聴いても飽きが来ない。
 いつもジョージの曲を聴くと、甘くて美味しい極上のスイーツのことを思い浮かべてしまう。何故だろう。

 今でもこの「オール・シングス・マスト・パス」、時々CD棚から引っ張り出しては聴いている。

 「オール・シングス・マスト・パス」、ロック史に刻まれる名盤であることに些かの変わりもない。
 このアルバムの中には、ジョージ・ハリスンのすべてが詰まっている。









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山下達郎のリイシュー・アルバム「BIG WAVE」を聴く。やはり名盤、何度聴いても味がある!

2014年07月23日 | Weblog
 本格的な夏が到来した。

 誕生日も8月なので、一番好きな季節を問われたら、速攻で「夏です!」とこれまでは答えていたものだ。
 もちろん今でもその気持ちに些(いささ)かの変わりもないのだけれど、こういうふうにして歳を重ねてゆくと、街中がざわつき出して、一日中騒々しくなる夏の季節よりは、静かな秋や冬のほうが最近は何故かぴったり来る自分がいる。

 確かに秋や冬は物悲しく、特にこの厳寒の街では冬になると苦行ともなる「雪片づけ」という面倒臭い行為が待っているし、晩秋に降る冷たい雨もまた大嫌いだ。
 まあ、結局はどの季節も一長一短があるということなんでしょうけど・・・。

 で、とにかく今は夏のど真ん中。
 太陽が燦々と輝く、とても開放的な季節の真っ只中である。
 外を走っていても気持ちがいいし、心も身体も開放的になる。

 そんな夏に、一番ぴったりとくる音楽といったら、日本でいったらやっぱり山下達郎だろう。
 その山下達郎が1984年の6月にリリースした、サーフィンのドキュメンタリー映画のサウンド・トラック盤「BIG WAVE」が、今回リイシュー盤として改めてリリースされた。

 この「BIG WAVE」というアルバムもまた、日本の音楽史に燦然と輝く名盤である(すべての楽曲が英語のみで歌われてはいるけれど)。
 発売当時も、オリコン・チャートの2位まで上がり、時期的にはこれも山下達郎の名盤中の名盤、「メロディーズ」の次に出したアルバムということで、タツローがある意味一番脂の乗り切った時期であったといっていいかもしれない。

 当然にして、この「BIG WAVE」というアルバムも一切の捨て曲なし。
 すべての楽曲が高純度。

 楽曲は、そのほとんどが山下達郎自身による作曲と、アメリカのシンガーソングライターであるアラン・オデイの作詞によるもので、冒頭の一曲目が元「シュガーベイヴ」の大貫妙子のオリジナル歌詞があった「魔法を教えて」を英語詩に書きなおしていて、そのほか、ブライアン・ウィルソン(ビーチ・ボーイズね)の曲がアルバム後半部の中にフューチャーされている。
 
 1曲目「THE THEME FROM BIG WAVE」がやっぱり一番素晴らしい出来映えだ。
 それと、続く2曲目の「JODY」の英語ヴァージョン、これもまた出色の出来。
 3曲目の切々と歌い上げるスローな「ONLY WITH YOU」、まるでアイズレーブラザーズの楽曲を彷彿させる「MAGIC WAYS」、これもまた心がとろけそうになる。

 5曲目は必殺のバラード「YOUR EYES」、6曲目のアカペラっぽい「I LOVE YOU‥‥Part II」も美しい夏向きのバラードだ。
 切なくなる。
 暮れゆく夕暮れの浜辺で聴いたら、さぞかしグッとくるだろうなぁ。

 7曲目の「GIRLS ON THE BEACH」、続く「PLEASE LET ME WONDER」、そして「DARLIN’」、ドラマティックな展開がキモの「GUESS I’M DUMB」は、いずれもブライアン・ウィルソン(ビーチボーイズ)関連曲で占めている。
 全部、素晴らしい。これも山下達郎のセレクトの妙である。まさに夏の定番だ。

 11曲目の「THIS COULD BE THE NIGHT」は、あのニルソンの曲。これも当然にしていい。
 そして最後、「I LOVE YOU‥‥Part I」で静かにフェイド・アウト・・・。

 今回のリイシュー盤の凄いところは、ここから続くボーナス・トラックにある!
 これは必聴です。
 カラオケ・トラックもあるけれど、これは差し引いたとして、「BREAKDANCE 」(このアルバム未収録曲は、曲自体の良し悪しは別として結構貴重だと思う)、「I LOVE YOU 」、「THIS COULD BE THE NIGHT」の新しい解釈が何ともいえずに素晴らしい。
 願わくは、ボーナス・トラックはカラオケなしにして欲しかったところだけれど、これは余りにも贅沢な要求かもしれない。

 早速、ランニング用のウォークマンに全曲ダウンロードしました。当たり前でしょ。
 これで2014年の夏も、全速力で乗り切れそう。

 加えて、この度のリイシュー・アルバム「BIG WAVE」の売りは、山下達郎本人によるライナーノーツと、オリジナルの楽曲に対する日本語対訳だ。この試みも○。

 さあ、山下達郎の「BIG WAVE」を聴きながら、炎天下、また海沿いを走るぞー!











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「まだ夏の太陽が燦々と輝いている休日の午後4時、冷たい缶ビールと赤ワインを飲む」

2014年07月22日 | Weblog
 日曜日の夜、眠りに落ちたのは午前2時。
 向かいの家と、そこから一つ道路を隔てたビルの屋上で、野外のバーベキュー・パーティを仲間たちと集ってやっていて、その賑やかな声が部屋の中まで入って来るので、堪らず3階の奥の部屋に籠っていたら、結局夜中の2時になってしまった。

 でも月曜日も休みなので、午前中ぐらいはゆっくり寝ていられるだろう、そう思ったのが甘かった。
 月曜日、朝の7時過ぎ、突然のスカイプで起こされてしまった。

 仕方がないので、寝不足だったけれどそのまま起きてしまうことに。
 今日も朝からいい天気。
 軽めの朝食を摂り、すぐさまランニング・ウェアに着替え、ランニング用のウォークマンとスマホを左腕に装着して、午前中の街へと飛び出した。

 3日続けて走り込みしているからだろうか、足がちょっと重い。
 国道四号線と国道七号線との分岐点の地下道を潜り、青い森公園を突っ切ってそのまま夏の海へと出る。

 東から強い風が吹いて来る。
 でも空は何処までも青く輝いていて、ウォークマンから流れるマイケル・ジャクソンの「Love Never Felt So Good」がランニングの加速をより一層高めてくれるから、気分爽快ったらありゃしない。

 堤川が流れる石森橋を越え、また海の匂いがする方角へと足を進め、レストラン「コリアンテ」の前を通って緩衝帯護岸を登り、そこから見える浅虫海岸、夏泊半島、下北半島を眺めながら合浦公園まで走る。

 合浦公園は凄まじい車の数。駐車場から溢れた車が、ランニングコースまで進入している。
 そうか、今日は夏の甲子園青森大会の準決勝が合浦公園内にある市営野球場で開催されているんだっけ。
 それに加え、親子連れの海水浴客もかなりいる。

 合浦公園の水飲み場で水を飲み、そこからまた同じコースを戻ることにした。
 汗が凄い。眼に汗が入って来て何度も瞬きを強いられる。
 また喉が渇いたので、途中、善知鳥神社の境内の水飲み場で大量の水を補給する。
 美味しいっ! 水ってやっぱり一番美味いっ。 完全に生き返る。

 家の前に到着して、スマホを取り出し、キロ当たりのタイムとランニング総時間を確かめる。いやあ、タイムが悪いなあ・・・もっともっと練習を積まないと。
 シャワーを浴びて、プロテインとスポーツドリンクを飲みながら、汗が退くのを待つ。
 それでもまだ午前中。な~んか得してる気分。

 お昼を抜いて、そこからはひたすら映画とドラマ三昧。
 まずはWOWOW「MOZU Season2~幻の翼」の最終回。
 期待外れ。
 やっぱり前作「1」のほうが数倍面白かった。それに、読んだ原作とかなり違っているし・・・。原作がドラマよりも数段上だ。

 続いて、テレンス・マリック監督の映画「トゥ・ザ・ワンダー」を観る。
 テレンス・マリックもまた好きな監督の一人である。「天国の日々」も良かったし「シン・レッド・ライン」も良かったし「ニュー・ワールド」も良かった。
 ただし「ツリー・オブ・ライフ」だけは、その余りにも高邁な描き方が少し鼻についてしまって嫌いだったけど。

 映画「トゥ・ザ・ワンダー」は、オルガ・ キュリレンコ、ベン・アフレック、ハビエル・バルデムという布陣で、とにかく映像が美し過ぎて鳥肌が立ってしまうほど。
 それとカメラが目まぐるしく動く。ひたすら動き回る。黙ってそこにじっとしていないのだ。

 オルガ・ キュリレンコとベン・アフレックが愛を交わし、手を繋ぎ、海辺や庭や夕暮れの街を歩き続ける間、カメラもまた同じ視線で2人に近づき、寄り添ってゆく。
 いったい何回「愛」というフレーズが映画の中で行き交っただろう。それに、全編のいったいどれくらい、夕暮れのシーンが出てきただろう。

 静謐で、透明で、どこまでも沈み切っている、その素晴らしい映像美。
 これは「愛」に関する映画である。それ以外の何物でもない。科白らしい科白もまったくない。

 映画「トゥ・ザ・ワンダー」には、壊れやすく、儚く、微かな痛みが全体に漂っている。
 さすが、テレンス・マリック! 
 映画は賛否両論あるようだけれど、個人的には大好きなテイストだ。断固、支持したい。

 素敵な映画を観たあとは、なんだか美味しいワインが飲みたくなる。
 お酒には滅法弱いんですが、無性に飲みたくなってきて、自転車を漕いで近くの「Aファクトリー」に行って新発売された限定「カシス・スパークリング・ワイン」を買い求め、その足で「さくら野デパート」の地下食品売り場に立ち寄り、「アサヒスーパードライ・プレミアム」とチーズとサラダと肉とカツオのたたきを買って帰る。

 テーブルにワインと缶ビールを置いて時計を見たら、まだ午後の4時を周ったばかり。
 外は夏の太陽と澄んだ青空に包まれていて、南向きの部屋の中には明るい陽光が降り注いでいる。
 そこで飲む、冷えた「アサヒスーパードライ・プレミアム」。
 美味い。

 テレビを点け、ワインを飲みながら、これもまだ観ていなかった、イタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督による1998年制作映画「シャンドライの恋」を観る。

 何処も彼処も、悲惨過ぎるニュースの蔭で、愛、愛、愛のオンパレードだ。

 皮肉にも、世界は愛で溢れてる。
 








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「チャンスの神様は前髪しかないから、通り過ぎたら手に入れる事なんて絶対に無理なんだ」

2014年07月21日 | Weblog
 日曜日はとても暑かった。
 日中、久しぶりに車で五所川原のショッピング・モール「エルム」へ行く。

 午前中だというのに駐車場は既に満員状態。店内も人で溢れている。こうなると完全に県内のSCでは「エルム」の独り勝ち状態だろう。
 女性用のブランド・ショップや食料品コーナーはかなり充実しているし、美味しいグルメの店も長蛇の列だ。

 サンマルク・ホールディングスが全国展開している「鎌倉パスタ」に入ろうとしたら、結局1時間余り待たされる。とにかく混んでいた。
 「牛肉と野菜のすき焼き風和風パスタ」を注文する。それと「はちみつピザ」。

 「はちみつピザ」が絶品だ。
 生地が薄いのにしっかりとコシがあって、それがはちみつの甘さと溶け合い、すこぶる美味いのである。
 店員さんたちも愛想がよくてマナーがしっかりしていて、とても気持ちのいい応対をしてくれる。

 お腹がいっぱいになって「鎌倉パスタ」を出る。
 そこから今度は「スタバ」に行き、珈琲を飲みながら「産経新聞」を一面から順番に捲っていった。
 「スタバ」に入るといつも複雑な気分に襲われるから困る。ちょっと色々と交渉事があったので、何とも言えない感情が湧自然とき上がってしまうのだ(ここではちょっと書けませんが)。
 まあ、いいか。珈琲が美味けりゃ、それで別に・・・。

 スタバで「産経新聞」を読んでいると、同じ新聞なのに「朝日」や「毎日」との距離間に対してまたいつものように唖然とした。
 だからこそ、左右のバランス感覚を保つためにこの新聞を時々買っては読んでいるんですが。

 「産経新聞」一面に面白い記事を見つけた。「から(韓)くに便り」というコラムだ。
 韓国でインスタントラーメンの草分け的存在の「三養(サムヤン)食品」という大企業があって、そこの創業者だった会長が先日亡くなったのだとか。

 チョンジュンユンという名のその名誉会長は、1958年に日本で初めて開発されたインスタントラーメンというものにいたく感動し、それを韓国内でもなんとか普及させたいと、日本の企業に「是非、作り方を伝授して欲しい」と懇願し続けたのだという。

 当時、貧しくて食糧難に苦しんでいる韓国の状況を知った「明星食品」の奥井社長が、なんと、「技術提供は一切無償」、「原料配合表も提供」、「技術者たちを韓国に派遣」して(製造機械の半額提供以外はすべて無料に!)、韓国でのインスタントラーメン普及に、企業の力を貸し続けたのだそうだ。

 そして今や、インスタントラーメンの世界一の生産国は中国、世界一の消費量を誇る国は韓国となったのである。
 しかし、この美談を韓国のマスコミはこれまで知っていながら一切書いてこなかったのだという。

 こういう記事を書かせたら、「産経新聞」の独壇場である。
 「日経」ならあるだろうけど、「朝日」や「毎日」や「東京」では多分こういう類いの記事は載ることはないだろう・・・。

 そんな記事をじっくり読んだ後、大阪・難波「浪芳庵」の「炙りみたらし」を買い込んで、「エルム」の街を出発した。

 今日は曇りとの天気予報だったのに、外はいい天気で30度近くまで温度が上がっているようだ。
 小泉今日子の隠れた名盤「コイズミ・ハウス」を聴きながら、1時間弱で青森市内へと入った。

 夕方、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」を観終え、所用があったので車庫から車を出し、東部方面に向かう。
 淡い橙色の空がとても綺麗だ。
 車の窓を開けてみる。
 夕暮れ時の夏風が、ちょうどいい塩梅で火照った身体を優しく冷やしてくれる。

 車で流していたアルバムは、竹内まりやが2008年にリリースした3枚組ベスト・アルバム「Expressions」。
 その中の一曲「チャンスの前髪」がちょうど車内に流れ出した。お気に入りの曲だ。TBSドラマ「肩越しの恋人」の主題歌だった曲である。

 運転していた車がちょうど「石森橋」を渡っていた時にその曲が入ったので、思わずハンドルを右に切り、そのまま堤川沿いに海に向かって走り、暮れかかった青森港の先端へと車を着けた。

 岸壁ぎりぎりに車を停め、「チャンスの前髪」を何度も繰り返して流した。
 瑠璃色をした波が暗くなり掛けた空の色と上手に調和して、艶めかしく夜の帳を誘い込んでいる。それを竹内まりやの優しい声が、その曖昧な暗さを一生懸命融かし出そうと懸命に歌ってる。

 チャンスの神様は前髪しかないから、通り過ぎたら手に入れる事なんて、それは無理なことなんだと・・・。










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「Somebody Already Broke My Heart」

2014年07月20日 | Weblog
 乗客乗員298人を乗せたマレーシア航空旅客機が、ウクライナ東部上空で地対空ミサイルによって撃ち落とされた。墜落現場に散乱する航空機の残骸をニュースで見て愕然とした。
 かなりの数の遺体が発見されたともニュースは告げている。
 なんなんだ、これは?

 それにしてもマレーシア航空はこれで今年に入って連続2度に及ぶ大惨事(突如消息を絶ってしまった旅客機は未だに機体すら発見されていないので、現時点では何とも言えないけれど)に見舞われてしまった。

 そうかと思えば、イスラム原理主義組織であるハマスが支配するパレスチナ自治区「ガザ」への地上侵攻に踏み切ってしまった、イスラエル。
 こうなると、報復に対して報復で報いるという負の連鎖だけが続き、子どもや武器を持たない女性たちが犠牲を強いられることになる。
 これもまた、いったいなんなんだ?

 そして当然にして、日本の本州の最北端に位置する県庁所在地に住んでいるこのちっぽけで小心者の一人の男に、出来ることは何もない。
 嘆き悲しみ、怒りと絶望で一瞬頭が白くなったとしても、その何分か後には、上戸彩が主演する不倫TVドラマ「昼顔」についてのブログを、いけしゃあしゃあとアップしているのだから・・・。
 ほんにあんたは屁のような・・・。

 そんな土曜日の朝、マレーシア航空旅客機撃墜の悲惨極まりないニュースをテレビで観ながら軽い朝食を摂る。
 雨が落ちて来そうな曇り空。でも結構暑そうだ。

 9時には家を出る。
 今日は車で遠出。
 車の中ではフルヴォリュームで、「アーケイド・ファイア」の「リフレクター」と、桑田佳祐の2枚組「ベスト」。

 それにしても、何度聴いても桑田佳祐の「デジャヴ」という曲は素晴らしい。
 所用を済ませての帰り道、有料道路を走りながら、何度も何度も何度も繰り返して「デジャヴ」だけを聴き続ける。というか、車の中で大声を出して一緒に歌い続けていた。
 完全に自分に酔っていた。まあ、たった独りで運転しているわけで、誰にも迷惑は掛けてないからいいでしょ。
 あ~あ、サッパリしたっ!

 帰り道、時間が少し出来たので、途中「スポーツジム」に寄ってランニングマシンで走る。
 それが終わって、向かいの大型ショッピング・モールに入って、好きなドリンク類や好きなお菓子や好きなスイーツを大量に買い込んでから帰る。

 夜は久しぶりに家でのんびりと寛いだ。
 珈琲を淹れ、買い求めてきたお菓子を何個か食べ、今夜のBGMは「マイケミカルロマンス」の「May Death Never Stop You」と、「ホラーズ」の「Luminous」。

 「ホラーズ」の「Luminous」が、すんごくいい。
 こういう浮遊感漂う、エレポップというかキャッチーなメロディラインを強く持ったロック・バンドって大好きだなぁ。
 あ~あ、これもまた気持ちいいっ!

 夜も遅くなったけれど、溜まった映画でも観ようと思い、前々から気にはなっていたのだけれど内容が内容だけにずーっと尻込みしていた、デンマーク映画、トマス・ヴィンターベア監督の「偽りなき者」をやっと観ることに。

 いやあ、「偽りなき者」、ずっしりと重量感ある濃厚な映画でした。
 無実の罪を着せられた人間が、尊厳と誇りを懸けて周囲の理不尽と闘うという、人間ドラマの傑作たる一本だろうと思う。

 親友の子どもの幼い嫉妬心から嘘の作り話が伝播され、そのことがもとで周囲の人間から変質者扱いされ、凄まじい迫害を受けるという男の物語である。

 ラストのラストが余りにも衝撃的だったので、かなり重~い気分に陥ってしまった。
 ここまで人間という動物は、不実で無慈悲で怖くて非情なのだろうかと、観た後も暗~い気持ちになって、結構めげた。

 それでもこの「偽りなき者」、第65回カンヌ国際映画祭で主演男優賞はじめ3冠を獲ったほど、その映画的な評価は高いものがある。
 孤立無援の中で自らの潔白を証明しようとする主人公を、名優マッツ・ミケルセンが気迫のこもった演技をみせていて、子役の女の子もまた大人顔負けのもの凄い演技をしているので、これにもまた吃驚した。

 もっと前に観ようと思えばこの映画「偽りなき者」、観ることが出来たのだけれど、この後味のヘビィさと重苦しさが何となく分かっていたので、ずっと回避していたのだが・・・。
 確かに、傑作でした。
 まだ観ていない方は、今すぐDVDレンタル店へ!

 ああ・・・それにしても人間は怖い。









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フジテレビ系木曜ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」。今や世は「平日昼顔妻」なんだとか。

2014年07月19日 | Weblog
 昨日の金曜日は、飲み会というか会議終了後の懇親会が続け様に3本掛け持ちという強行軍。
 これは疲れた。

 分単位で市内中心市街地の会場を周ることに。
 それにしても会費5000円を払って、たった10分でその場を退場してまた別の会場に駆け足で走るっていうのも、なんかなあ・・・。お金の問題じゃなくて、なんとなく虚しい。
 慌しいだけで、単にその場をこなしているという気がして結構辛いのだ。

 連日連夜で飲み会が続いている。
 お金も飛んで行くけれど、それに呼応して身体もまたそれなりに疲弊する。自分の時間が削られるのはとても痛い。
 このままだと、9月末の「ウルトラ100キロマラソン」が練習不足で参加出来なくなる可能性も。何とか時間を見つけて走らないと間に合わない。

 そしてまた、夏のテレビ新番組が次々と始まった。
 これもまた次から次へと観なければならないので(まあ、観るも観ないもそんなのあんたの勝手でしょと言われたら、返す言葉はないですが)、時間が幾らあっても足りやしない。

 今回は、今巷の一部でかなりの話題となっている、フジテレビ系木曜夜10時から始まった新ドラマ、「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」を観た。

 造語となっている「平日昼顔妻」が、今回のタイトルの由来らしい。
 それと当然にして、あのカトリーヌ・ドヌーヴが主演したルイス・ブニュエル監督の映画「昼顔」からもインスパイアされている。

 シュールリアリズムの巨匠、ルイス・ブニュエル監督の映画「昼顔」を昔観た時は、それほどの感銘を受けなかった。
 ストーリーもほとんど忘れてしまったけれど、一見幸せな夫婦生活を送っている人妻カトリーヌ・ドヌーヴが、性の妄想に取りつかれ、上流階級の女性たちが巣食う売春宿で「昼顔」という名前の娼婦として働くという内容だった。
 昼顔は、フランス語で「日中の美女」という意味の言葉らしい。

 今回のフジテレビ新ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」は、上戸彩主演の、いわゆる妻の不倫を扱ったドロドロ恋愛劇という触れ込みで、そのキャッチフレーズは『昼、あなたを受け入れた舌が、夜、夫に嘘をつく』という、凄まじいもの。
 しっかし、よく考えた!
 あまりの過激でエロティックなフレーズに、思わずのけぞってしまいました。昼、あなたを受け入れた舌が、夜、夫に嘘をつく、かあ・・・。

 まず、ドラマ冒頭シーンが秀抜だ。
 都会の夕暮れ時。
 主人公の上戸彩が、マンションのベランダで優しい風に吹かれながら、ぼんやりと憂い顔を浮かべて外の景色を眺めている。
 そして彼女は、そこで独りスティック状のアイスを舐めている。

 カメラ(画面)が街をゆっくりと俯瞰する。
 夕暮れ時の透明な街の一角で、赤い炎が立ち上り、何台もの消防車や救急車が燃え上がる家の前で懸命な消火活動を行っているのが見える。
 それでも彼女は、目の前で繰り広げられる惨劇に対して一切動じず、まるで美しい絵画を眺めるみたいな穏やかな表情を浮かべ、ただぼんやりアイスを頬張りながら、静かに暮れゆく街の景色を眺めている。
 すると突然、それまで舐めていたスティック状のアイスの一部が融け出して、その融けた液体は、彼女の裸足の指に絡まるようにゆっくりと落ちてゆく・・・。
 
 このシーンはとても美しい。
 物語のすべてを一瞬で捉え、そして暗示している。
 艶めかしくて、限りなくセクシーだ。

 主人公の上戸彩は、セックスレスが続いているけれど優しい夫、その母親との3人暮らし。
 それでも彼女は今がそれなりに幸せなのだと自分自身に言い聞かせ、今日もスーパーのレジ打ちのアルバイトに出掛けてゆく。
 そんなある日、仕事を終えた彼女は、ふとした切っ掛けから、スーパーの客として店に来ていた高慢な態度をする吉瀬美智子に声を掛けられ、強引に不倫のアリバイ作りへの協力を頼まれる・・・。

 ドラマの出だしはすこぶる好調。物語はテンポよく進む。
 台詞も過激で示唆に富んでいて、もしもこの「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」を、夫婦2人家で観ていたとしたら、互いのリアクションに困り果ててしまうかもしれない。
 とにかく、刺激的でぐさっとくる本音がドラマの中でポンポンと行き交ってゆくからだ。

 音楽がまた懐かしい。
 「一青窈(ひととよう)」が歌う「他人の関係 feat. SOIL&"PIMP"SESSIONS」。そう、あの昭和の名曲「他人の関係 」のリメイクである。

 ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」、まずは合格点。

 でも、濃いよなあ。かなり濃厚です。
 観てて、お腹壊す人いるかもよ。
 








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「やがていつか必ず、すべてのものは終わりを迎える」

2014年07月18日 | Weblog
 2004年の秋からこのブログ「キース・リチャーズになりたいっ!」は始まった。

 最初は、当時、某アート系センターのキュレーターをしていた某女史と、一緒にブログでも書こうかという話になり、交換書簡という体裁で、一日ごと交互にアップを繰り返していた。
 ところがそれも、段々とこっちだけが一方的に書き上げて掲載するようになって、結局、その交換ブログ自体を解消することにし、そこから僕一人によるブログ掲載が始まったというわけだ。

 2004年の秋、当時の僕は酷く落ち込んでいた。完璧にメゲていた。
 夜も眠れず、圧倒的な空虚感に襲われ続け、無性に毎日が切なく、夕方近くになると胸の奥が張り裂けそうになって、凄まじいまでの淋しさに襲われた。
 よく、「胸が張り裂けそうになる」という言葉が使われることがあるけれど、本当にそういう感覚に襲われたのである。
 
 生きていて何が楽しいんだろ。どうせいつかは死ぬんじゃないか。仕事もつまらないし、ただ過ぎてゆく日常が途轍もなく虚しい。
 組織の中で生息していることでの窒息感と閉塞感に苛まれ、何もかもが面倒臭く、息苦しい・・・。
 いっそ、このまま死んでしまいたい。人生は苦悩の連続だ。

 そんな時、毎日ブログを立ち上げ、好きな事や映画や小説や音楽の事を誰にも気兼ねすることなく書き連ねることだけが救いとなっていった。
 吐き出すことは、ストレス発散にも繋がる。
 たくさんの友人にもたくさん支えられたけれど、このブログもまた、自分自身を真っ暗闇から救ってくれた大きなものだった。

 なので、今改めて2004年当時のブログを読み返してみると、気恥ずかしさとともに、言葉に言い表せないほどの感情が湧き上がって来る。

 ブログは一日だいたい2000字を目安にして書いている。原稿用紙にして約5枚になる。
 小説家を志しているある先輩に言われたことがあった、「原稿用紙何枚も使ってブログを書く時間があったらそれを小説に向けるべきだよ。もう何編もの作品が出来上がっているだろうに」と。

 確かにその通りである。
 ブログを毎日書き続ける体力と時間があったなら、その分ちゃんと小説の執筆に充てるべきだったかもしれない。
 ただ、毎日表示されてくる「アクセス者数」と「ヒット件数」を見せられると、「読んでくれる人のために、もう少し頑張んなきゃ」と思う自分がいるのである。

 そんな試行錯誤をしながらここまで続けて来た、ブログ「キース・リチャーズになりたいっ!」も、今年の11月9日でちょうど10年を迎える。
 もちろん、毎日書き続けてきたといっても、一カ月間とか数週間とか休筆したことが何度もあったし(休んでいる間も短い日記風に毎日書き続けていたんですが)、そこはやはり生身の人間、書きあぐねる時期もあったし、ネタに詰まって全然進まない時期も当然たくさんあった。

 結局、かたちの上では毎日ブログを更新していることになっている(つまり、10年間にわたって、ブログ自体は一日も欠けることなく全部埋まっている)。
 ということは、逆にいえばマンネリ化に陥っているということにもなる。
 誰だって毎日ドラマチックに生きているわけじゃないだろうし、そんなに波乱万丈な日常生活を送り続けている人間もそんなに多くはないだろう。

 平凡で仕事に追われる日々は、活字に出来るほどそんな劇的で面白いものではない。
 となると、書くテーマ自体が自然になくなり、同じ内容のものだけが段々と増えて来る。

 潮時だと思う。
 ちょうど10年間という節目でもあるので、2014年11月9日をもって、この「キース・リチャーズになりたいっ!」のブログを一旦終結したいと思うし、そうすることが相応しいと思っている。

 一日分をアップするのに、正味一時間掛かる。
 一気に書き上げる場合もあれば、ほとんどマスが埋まらずに難儀する場合もある。いつも、「書かなきゃ」、「アップしなきゃ」と強迫観念が生まれることもあったりする。
 
 あらゆるものは終わりを迎える。すべては過ぎてゆく。かたちあるものは、いずれ消滅する。
 あと4カ月弱、なんとか頑張ります。










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映画「ブルージャスミン」。やっぱりウディ・アレンの作る映画って、どれも面白い。

2014年07月17日 | Weblog
 ウディ、アレンが大好きだ。
 というか、彼が監督して世に送り出した数多くの映画が大好きだ。

 知的でニューヨークが好きで、シャイで皮肉屋で内向的で、人間に対する不信感を持っていて、絶えず人生なんて儚い夢だと嘆いている。

 そんなウディ・アレンが作り出す映画は、とにかく幅が広い。
 コメディを作ったかと思えば(コメディアン出身なので、彼の根底にあるのは喜劇なのだろうけれど)ラブ・ストーリーを作ってみたり、そうかと思えば、イングマル・ベルイマンばりの、高尚で人間の内面をえぐり出す、直球ど真ん中のシリアスな映画を作ったりする。

 ウディ・アレンは多作のひとなのだ。
 とにかく、次から次へと映画を作る。毎年毎年、新作を発表する。
 なので、はっきり言って、「ん?」と首を傾げたくなるような作品も中にはあったりする(駄作とまでは言わないけれど、明らかに拙速で半ナマ状態の作品も結構ある)。

 でも、それもぜーんぶひっくるめてウディ・アレンなのだと思う。
 食い散らかしても、とにかく前だけを見つめ、全力疾走で走っている映画監督である。
 人生は短いんだから今のうちやりたいことを何でもやろうとしている、そんな人間の典型だ。

 そのウディ・アレンの最新作を観た。
 映画のタイトルは「ブルージャスミン」。
 この映画がまた中々いい。

 この映画、「ブルージャスミン」によって、第86回アカデミー賞ではケイト・ブランシェットが主演女優賞を受賞した。
 僕はケイト・ブランシェットという女優をそれほど素晴らしい女優だと思った事はこれまでなかったんだけど(巷での評価は高いけど)、「ブルージャスミン」を観て、改めて彼女の素晴らしさを理解した。

 巧い。
 完璧な演技である。
 その表情、その言葉、その仕草、すべてがパーフェクト。ここまで素晴らしい演技をみせたら、主演女優賞に異議を唱える人間は確かに誰もいないだろう。

 映画「ブルージャスミン」は、過去と現在が行き交いながら進んでゆく。
 ジャスミン(ケイト・ブランシェット)という名の中年女性が主人公。
 ジャスミンは、愛する夫(アレック・ボールドウィン)とニューヨークで贅沢三昧な生活を送っている。いわゆるセレブリティというやつである。

 サンフランシスコで暮らすジンジャーという名の腹違いの妹(サリー・ホーキンス)が彼女の夫とニューヨーク見物に来た際も、交わす言葉とは裏腹に、心の中では田舎者のおのぼりさんと軽蔑し、妹夫婦にぞんざいな扱いをしてしまう。

 ところが突然、その優雅なニューヨーク生活は一変する。
 夫が何人もの女性と浮気を繰り返していたことが露呈し、それに怒り狂ったジャスミンは、夫の不正を警察に告発し、そのことが原因でセレブだった生活も滅茶苦茶に崩壊してしまう。
 財産を含め全てを失ってしまったジャスミンは、失意と絶望のままサンフランシスコで暮らしている妹ジンジャーの安アパートへと身を寄せることになる。
 ジャスミンは、一気に大金持ちから一文無しへと転落したのである。

 妹の無垢な愛情に感謝を抱きながらも、ジャスミンはニューヨークでのセレブ生活の癖が抜け切らない。
 夫に対する激しい憎悪と、それとは正反対な未練と執着、豪華で優雅だったニューヨークでの暮らし、有名ブランドに身を包みセレブな友人たちと遊び呆けていた頃の楽しかった思い出・・・そんなものが彼女の中で去来し続け、彼女の精神は少しずつ壊れてゆく・・・。

 ウディ・アレンが、ここ数年ヨーロッパを舞台に撮っていた何本かの映画(どれも素晴らしい映画だった)から一転、久々に地元ニューヨークを舞台に、シリアスでちょっぴり苦めな大人の映画を僕たちの前へと提示する。

 この映画を、1950年に作られたビリー・ワイルダー監督の名作映画「サンセット大通り」や、テネシー・ウイリアムズの傑作戯曲「欲望という名の電車」(この舞台劇もまたエリア・カザン監督によって映画化された)と比較する論評も数多い。

 同感だ。
 この「ブルージャスミン」、ビリー・ワイルダーやエリア・カザンへのオマージュも含めた、ウディ・アレンからの映画を纏った贈り物と捉えていい。

 ラストにおける主人公の呟きがまたいい。
 少しずつ精神を破壊してゆく、ケイト・ブランシェットの演技は鬼気迫る。

 映画「ブルージャスミン」もまた、ウディ・アレン監督が生み出した数々の傑作の中の、その一本に加わることに異論はない。









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