他人の恋愛事情を批判するほど品行方正な異性関係をして来たとは決して言えないけれど、この本を読むと、世の中広いわと深い溜息をつくしかほかに術がない。本当に凄い。というか、ここまでやってたんだと心底感心してしまう。
もちろん、これまでも色んな雑誌やインタビューなどのその破天荒な生き様や派手な恋愛模様は知っていたつもりだったけれど、改めてこうして赤裸々にロック・スターたちのスキャンダラスな側面を語られてゆくと、その凄まじいまでのエピソードの数々に心からの溜息が漏れてくる。
新潮新書「不道徳ロック講座」(神舘和典著)を読んだ。
これは面白い。一気に読んでしまった。
本書は、「性」、「薬」、「酒」、「貧乏」と4つのパートに分かれていて、それぞれ有名なロック・ミュージシャンたちのド派手なセックス体験談や、ドラックに侵され続けてゆく壮絶な生活や、アルコール依存症になるまで飲み続けることで家族や仲間たちとの関係性が破綻してゆくさまや、ロック・スターとして輝くその前夜のどん底の貧困生活などが、彼ら彼女らの「自伝」やインタビューの抜粋などを引用しながら綴られてゆくのだ。
ビートルズのジョン・レノン、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズやミック・ジャガー、エリック・クラプトン、エマーソン・レイク&パーマーのキース・エマーソン、ザ・フ―のキース・ムーンやピート・タウンゼント、キッスのジーン・シモンズ、ザ・バンド、エアロスミスのスティーブン・タイラー、マドンナ、シンディ・ローパー、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウイルソン・・・とにかく読み応え満点だ。
いやいや。出てくる出てくる。仲間の妻や恋人に次々と関係を迫るわ、メンバー全員でファンをホテルに連れ込んで乱痴気するわ、薬物に溺れて入退院を繰り返すわ、金に困って万引きしたりゴミ箱を漁って残飯食べるわ(この人物はなんとマドンナです)。
特に、これは病気かよとまで思っちゃうのが、ミック・ジャガーである。
知ってはいたけれど、デビッド・ボウイと関係を持ったかと思えばその奥さんともベッドを共にする行為など日常茶飯事で、男性・女性どちらともひたすら「ラブ・アフェア」を徹底して楽しんできた猛者の中の猛者だった。
関係を持った女性の数は4000人を優に超え、バンド仲間のキース・リチャーズの最愛だった恋人までも奪い取っている。それもキースがいるその面前で!
いやはや・・・そういうエピソードだらけの一冊なのだ「不道徳ロック講座」(神舘和典著)って。
ここではちよっと書けないような濃厚なエピソードが満載で、マジでお腹いっぱいです。
はぁ・・・。