淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

キアヌ・リーヴス主演のクライム・サスペンス映画「フェイク・クライム」。ラストで失速。あーあ。

2011年11月30日 | Weblog
 キアヌ・リーヴスって映画のイメージと違って、結構、脱力系というか、一風変わった人間らしい。
 と書くと、なんか批判的に言っているようにとられるかもしれないけれど、これは僕にとって最大級の褒め言葉である。

 昔、なんかの雑誌でパパラッチされていたのは、キアヌ・リーヴスが突如路上に座り込み、近くにいた見知らぬホームレスと買ってきたお酒の瓶をかざして和気あいあいと宴会している隠し撮りの写真だった。
 ハリウッド・スターが、何の躊躇いもなく、ホームレスと酒を酌み交わしているのだ。凄い。

 そして僕が次に見た写真は、これもまたパパラッチされたもので、ニューヨークか何処かの公園のベンチにキアヌ・リーヴスが独りぽつんと腰掛け、独りぼっちでランチを摂っているというものだった。

 いいよ、いい。凄くいいよ、キアヌ・リーヴス!
 気さくだとか、人懐こいだとか、庶民的だとか(この庶民的って言葉、大嫌い。なんなんだ、庶民的って)、そういう表層的な評価ではなく、もっと深い部分で心通じるものがあるんだなあ。

 そんなキアヌ・リーヴスの新作映画が出た。
 クライム・サスペンス映画「フェイク・クライム」である。
 クライム・サスペンスに、コメディというフレーズを付けている映画雑誌もあった。

 物語の概略はこうだ。
 平凡な男ヘンリーは、高速道路の料金所で働いている。
 今日も徹夜明けで自宅へと戻り、美しい妻が作った手料理を黙々と食べ、妻が何気なく呟く「子どもを作りたい」の言葉にも、感情を出さずに生返事を繰り返している。
 そこに突然チャイムが鳴り高校時代の悪友が現れる。
 野球の試合に出て欲しいと嘆願され、連れて行かれた場所はなんと銀行だった。彼は騙され、知らぬ間に銀行強盗の片棒をかつがされたのである。そして彼だけが捕まってしまう。

 それから1年後。
 仮出所したヘンリーは、捕まった銀行の前でぼんやり佇んでいると車にはねられ、運転していた舞台女優のジュリーと知り合うことに。
 彼女は偶然、銀行の隣の小さな劇場でチェーホフの「桜の園」の稽古中だったのである。ふとしたことから、一度捕まった銀行とその劇場が古いトンネルで繋がっていることを知ったヘンリーは、無実で服役した無駄な刑期を取り返そうと、銀行から金を奪うことを決意する。
 そして彼は大胆にも、服役していた刑務所で知り合った老詐欺師マックスを仲間に引き入れ、自分自身も劇団員となって劇場に紛れ込み、大金強奪を目論むのだが・・・。

 監督はこれが長編2作目となる(らしい)マルコム・ヴェンヴィルというひと。
 ごめんなさい。この監督も初めてだ。

 いやあ。
 導入部から、一瞬でこの独特の雰囲気を持つ映画の中に引き摺りこまれてしまった。
 冒頭述べた、実際のキアヌ・リーヴスの素行と同じく、この映画のキアヌ・リーヴスもまた、脱力っぽい、虚無的ともいえる人間を見事に演じているのである。

 どんより、寒々とした天気の下を、黙々と歩くキアヌ・リーヴス。服役中、妻から突然「好きなひとができたの」という三下り半にも、ほとんど顔色を変えずに祝福するキアヌ・リーヴス。捕まった銀行の前で車にはねられ、運転していた舞台女優のジュリーと知り合った際の、脱力っぽい、女性に対して何の興味もないような無表情を浮かべるキアヌ・リーヴス・・・。

 この映画、もしかしたら最近観た洋画の中で、傑作となりうる映画かも。
 マルコム・ヴェンヴィルっていう監督、意外と凄いかも。
 そんなことを思い、期待に胸は膨らんでゆく・・・。

 ところがである。
 中盤、ヘンリーが舞台女優のジュリーと恋に落ちる辺りから、単なるステレオタイプな、平凡な人物設定へと変わってしまうのだ。

 ラストも、何らかのひとひねりや、ちょっとしたどんでん返しがあるのだろうかと、こちらも密かに期待したけれど、予定調和なエンディングに落ち着いてしまう。

 それにしても、前半の奇妙な空気に包まれた世界だけは素晴らしかった。
 それが中盤からの失速感があまりに激し過ぎて、結局、どっちつかずの映画で終わってしまったようだ。

 あーあ。






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「霜降月(しもふりづき)にかこまれてー」

2011年11月29日 | Weblog
 今日は、一年間に4回開催される大掛かりな1カ月間に及ぶ会議、その初日。
 午前中に会議は終わり、近くの公園横にあるラーメン屋さんに入って「つけ麺」の大もりを食べる。

 最近とみに増えた、こってりしたつけ麺スープについてゆけず、ここの店のあっさりしたスープがとても気に入っている。
 食して外に出ると、雨上がりのどんよりと曇った天気。でも、気温は上がっているようで、それならと、歩いて青森駅西口方面にある我がオフィスまで向かう事に決める。

 もうすっかり雪は消えている。
 でも何処も彼処もさっきまでの雨に濡れていて、落ち葉が辺り一面に散らかっている。
 厚手のコートを着ているので、少し歩いただけでもう汗ばんできた。

 ひっそりとした街中を抜け、「青森ベイブリッジ」の歩道を登る。
 いつもなら雄大な八甲田連峰や、遠く遥かに見える津軽富士「岩木山」が、靄(もや)に隠れて今日は一切見えない。
 眼下に、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」、「青森駅」、人影の疎らなプラットホームを眺め、反対側に見える冬の長閑な海を望んだ。

 なにもかもが、ひっそりと佇み、重い灰色の雲の下で昼寝でもしているみたいだ。

 オフィスに着くと、額には薄っすらと汗が滲んでいた。
 まだ若干の昼休み時間が残っていたので、部屋を暗くして静かに目を閉じた。
 何を考えるでもなく、ただひたすら身体を横たえた。

 午後も、幾つかの案件で打ち合わせが続く。
 3時から開催される某駅前施設での会議に出席するため外に出たら、雨がまた降り出した。仕方がないのでタクシーに乗り込み、中心市街地を目指す。
 まるで雪片づけのように、次から次へと積もった課題を処理し、そしてまた次なる課題が目の前に果てしなく詰まれてゆく。

 先日、コラムニスト辛酸なめ子のコラムを読んでいたら、思わず笑ってしまった。
 未婚である辛酸なめ子、自分で何パターンかの妄想人生を持っていて、例えば結婚していて子どもがいる世界、また例えば、まったく別の荒唐無稽な人生というように、様々な状況下を頭の中で考え、今の現実とはまったく別な虚構世界を作っているのだとか。

 あるある。
 俺もあるもん。
 今日も、数キロの道のりを歩きながら、勝手に自分の世界を作って妄想していました。
 これって、愉しいんだよね。すんごく。

 今日、「青森ベイブリッジ」を、てくてく歩きながら独りで勝手に妄想していた世界は、いきなり仕事を辞めると決め、そのことを仕事場で報告している自分自身の姿である。
 ディテールまで凝っていて、ちゃんと科白まで想像してみるのである。
 「わたくし、一身上の都合で、この度、職を辞することにしました」と大勢の同僚・後輩の前で告げている場面を作り上げる。

 自分で頭の中で適当に好きなシーンを考えてゆくので、とにかく愉しい。
 「明日からは当分、世界をぶらり周って来たいと思います。あとは、うーん、残った人生を悔いないように過ごします。本を読んだり、身体を鍛えたり、勝手気儘に生きていこうと思ってます。みなさんは大変でしょうが、お仕事頑張ってくださいね」、ここまで言うと、周りからちょっとしたざわめきが起こる。

 ざわざわ。
 いいなあ・・・羨ましいなあ・・・憧れるなあ・・・なんて言葉が、こっちまで聞こえて来るのだ。
 少し誇らしげに、そして勝ち誇ったように、「それじゃあ、みなさんお元気で!」。

 なんてことを勝手に妄想していた。
 ここまで来ると、もう完全に病んでいるとしか言いようがない・・・。

 なんかなあ。
 こんなんで、いいんだろうか・・・。








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久保田利伸2枚組ベストアルバム「THE BADDEST~Hit Parade~」は絶対初回限定盤がお薦め!

2011年11月28日 | Weblog
 最近は、狂ったかのように洋楽ばっかり聴いている。
 ケーブルテレビでも、音楽専門チャンネルが「MTV」「ミュージックエア」と2局も増えたし、それに加えてWOWOWが3局あるうちの1局をライブ専門チャンネルとしたので、もう1日中音楽が聴けて(観れて)凄くいい。

 これまで聴きたくても聴けなかったアーティストの楽曲に触れる事も増えたし、ロックのアーティストのライブも色々と観ることが出来て非常に便利である。
 そうなると、またCDを買い求める回数が倍増し、出費も大いに嵩(かさ)むのですが・・・。

 でも、日本のアーティストだって、新作が発表されれば、それなりに買い求めて聴いてはいる。
 最近買ったのが、久保田利伸2枚組ベストアルバム「THE BADDEST~Hit Parade~」。

 一時期、久保田利伸にも低迷期があった。
 アルバムの出来もあまり良くなかったし、僕も少し遠ざかっていたことがあった。
 しかし、今は完全復活。
 久保田利伸が上手なのは、いい意味で時流に乗った音作りをしているし、その時々の音楽トレンドにも敏感に反応する。

 戦略的にも、いいスタッフがサポートしているのだろう。
 月9ドラマの主題歌だとか、映画の主題歌にも積極的に使われるし、緩急をつけたシングルもタイミング良く発表している。
 新曲の「声にできない」もまた、角川映画「夜明けの街で」のエンディングテーマに採用された。

 今回新たに発表された2枚組は、全34曲という豪華なもの。
 全曲がテッド・ジャンセンによってリマスターされていて、新たなインタールードも加わった。

 もしも、これから「THE BADDEST~Hit Parade~」を買おうとしているのなら、絶対に初回限定盤がお薦めだ。
 おまけに付くDVDが素晴らしいのだ。
 久保田利伸のファンなら、こちらを買うのがベスト!

 インタールードで「TAWAWAヒットパレード~Funkylude~」などがサンドイッチされ、初期の名曲から、先ほど述べた角川映画「夜明けの街で」のエンディングテーマ、「声にできない」まで入っている。

 とにかくDVDがいい。
 これまでのPVをまとめ、繋がりを持たせた一つにリメイクしたもので、約30分に及ぶ大作に仕上がっている。
 久保田利伸の曲って、どれもメロディが素晴らしく、アレンジもいいので飽きがこない。

 本編は2枚のディスク。
 1枚目は「流星のサドル」から始まって「北風と太陽」「.Missing」「TIMEシャワーに射たれて」と初期のヒット曲が続き、スローでメローな「夜に抱かれて~A Night in Afro Blue~」、そして「夢with You」で終わる構成。

 続く2枚目は「TAWAWAヒットパレード~THE BADDESTlude~」で幕を開け、必殺の「LA・LA・LA LOVE SONG」や「AHHHHH!」、「Tomorrow Waltz」(いいよね、この曲も)、月9で使われた「LOVE RAIN~恋の雨~」などの名曲が散りばめられ、最後の締めが「声にできない~Voice & Tears ver.~」。

 この「THE BADDEST~Hit Parade~」アルバム、結構売れているようだ。
 当然かもしれない。
 これまでの主要なナンバーがほとんど入っているし、前期の久保田利伸を聴いてない最近のファンにも満足するベストアルバムだと思う。

 しつこいようですが、買うなら絶対初回限定盤!







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大河ドラマ「江(ごう)」最終回、「コバケンとその仲間たちオーケストラ」、日曜は雨模様。

2011年11月27日 | Weblog
 今日は11月最後の日曜日、もう12月がそこまで迫っている。
 クリスマスが来て、次はあっという間に大晦日。2012年はすぐそこだ。

 明け方、また夢を見てそのまま目が覚めた。
 でもこれって夢なんだろうか?
 自分が無意識の中で勝手に作り上げたドラマのようだ。いつもそうなのだ。

 ユーミンの「コバルトアワー」のアルバムの曲が夢の中で流れ、いつもの如く、学生時代の俺がそこにいた。
 場所も、板橋区大山西町のアパート2階の部屋と決まっている。

 これってフロイト風に解析すれば、過去の呪縛から逃れられないもどかしさ、最悪な今からの逃避願望、青春の喪失に対する絶望感、そんなものが入り混じっているんだろうか・・・。何なんだろう?
 いつも、いつも、10代・20代の自分が夢に出てくる。それも場所はいつも、あの頃の東京だ。

 夢から覚めたあと、物凄く切なくなって、暫らくの間、眼を瞑ったまま身を縮めていた。そのうちに、明け方の浅い眠りへと落ちていったけど・・・。
 今いる、この世界がよっぽど嫌なんだろうな。
 帰りたい・・・あの頃に・・・もう一度。そんな感情が意識のとても深い場所で蠢(うごめ)いているのだろう、たぶん。

 朝起きて、朝食を摂りながら、TBS「サンデーモーニング」、その次にテレビ朝日「報ステSUNDAY」を続け様に観る。
 テレビ朝日「報ステSUNDAY」に、讀賣ジャイアンツを解任された清武氏が緊急生出演していた。
 清武氏が主張している内容は解らないではないけれど、最初にきちんとした大義を示すべきだった。これだと単なる部下の上司批判に終始している。

 そこでふと思う。
 大義なき戦いは、いずれ必ず瓦解すると。世間(というものの不確かな実体は置いておいて)の賛同は絶対得られないと。
 物語が必要なのだ、何にせよ。

 午後2時から、青森市文化会館で開催される「コバケンとその仲間たちオーケストラ」コンサートへと向かう。
 「東北新幹線新青森開業一周年記念プレイベント」でもある。

 平和公園の近くに車を停めて、そこから文化会館までの道を歩いた。
 雨が降っている。
 公園の黄色や赤色の落ち葉が、雨に濡れて絨毯みたいに辺り一面に敷き詰められている。
 人影はまったくない。ひっそりと冷たい雨にすべてが濡れている。

 「コバケンとその仲間たちオーケストラ」。
 管弦楽を指揮するのが小林研一郎氏、通称コバケン氏。漫画家でもある池田理代子もソプラノで中盤に2曲ほど歌った。

 ヴェルディの歌劇「アイーダ」、ドヴォルザーク「新世界」、シベリウスにチャイコフスキーと、演奏曲目もヴァラエティだった。
 ラストの、チャイコフスキー荘厳序曲「1812年」はさすがに圧巻。

 コンサートは休憩を入れて約3時間。
 外に出ると、雨はさっきよりも強く降っていて、もう外は真っ暗だ。
 余りにお腹が減っていたので、車で海沿いにある中華料理店へと駆け込んだ。

 「レバ炒め定食」と「小籠包」をぺろり。
 お腹がぺこぺこだったので一気に食べ終えた。

 食べて外に出ると物凄い土砂降り。
 家に帰って、6時から始まるNHK大河ドラマ「江(ごう)」の最終回を観る。
 今夜は最終回という事で、1時間15分。

 それにしても、大河ドラマが最終回を迎えると、なんでこうもセンチになっちゃうんだろ。
 別に大河ドラマの出来・不出来に関係なく、この1年間の色んな思い出も一緒に思い出されて、ちょっぴり感傷的になってしまうのだ。

 「江(ごう)」最終回は可もなく、不可もなし。
 そして来年1月からは「平清盛」が始まる。

 速い。なんでこんなに1年って速いんだ?






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宮藤官九郎「11人もいる!」、WOWOW「ランジェリーフットボール」、土曜日午後の床屋さん。

2011年11月26日 | Weblog
 やっぱり、金曜日が一番楽しい。
 特に、陽が暮れ始めるとそのウキウキ感は最高潮に。だって土日の休みがすぐそこに待ってるから。
 仮に土日に仕事の日程が入っていたとしても、平日よりはまだましだ。気分的に全然違う。

 オフィスを出る。
 もう外は真っ暗闇が覆っている。冷たい風が吹いている。

 久しぶりに中心市街地にある某珈琲ショップの2階席へ。
 偶然、同じ職場のソウルメイトと出くわした。時間潰しに一服しているのだとか。
 こちらも時間があったので、途中、携帯が鳴って中断したけれど、少し互いの情報交換をし合って右と左に別れた。

 金曜の夜は、11時過ぎからテレビ朝日でやっているドラマ、「11人もいる!」が面白い。
 脚本が宮藤官九郎。さすがである。
 8人の子供を持つ貧乏な10人家族に、死んだはずの先妻が幽霊になって現れて、全部で11人となった家族の物語がコメディタッチで描かれてゆく。

 ところがこの幽霊、広末涼子なのだが、五男で一家の末っ子である小学2年生の加藤清史郎にしか見えないのだ。
 再婚相手の父親は、自分が性同一性障害であることをカミングアウトするわ、長男で高校3年生の神木隆之介は、朝に新聞配達、夕方はガソリンスタンドのバイトで一家の家計を支えているのだが、ガールフレンドを妊娠させてしまい、おまけにその父親は刺青を彫っているわ、とにかくテンヤワンヤの日常がおもしろ可笑しく描かれてゆく。

 それに続く金曜日深夜は、WOWOWが独占放映しているアメリカのスポーツ中継「ランジェリーフットボール」がお勧め。
 これはタイトルどおり、若い美女軍団がスポーツ・ビキニに身を包み、男性顔負けのアメリカン・フットボールの試合を行うというもので、全米で人気沸騰中らしい。
 美女軍団のアメリカン・フットボール12チームで行われるリーグ戦で、セクシーなだけではない、過激で壮絶、迫力満点のプレーが堪能出来る。

 もちろん、最初は単なる興味本位で観ていたのだけれど、マジで本格プレーの連続で、自然に試合の中へとぐいぐい引き込まれてしまうのだ。いやほんと。

 土曜日は、午前中所用で郊外に車を飛ばしたついでに「スポーツジム」に寄ってひと汗流す。
 腹筋と20分間だけバイクを漕ぎ、ジムのお風呂に入って外へと出た。

 午後は床屋さん。
 髪をオールバックに梳(と)かすのも飽きたし、短く刈り上げて髪を立てるのにも飽きてしまった。坊主にするのも、もう何度もやってきてワンパターン化しているし・・・。
 なので、髪を梳(す)いてそのまま垂らすことに。
 なんか・・・少年ぽい髪型になっちゃって凄く恥ずかしいんだけど・・・。いい歳なのにねえ。

 今日の地元紙朝刊に掲載された「演劇評」、「劇団かまりこ」×「昭和通り商店街」公演「木村食堂のポッキーな一日」に対して、演出したS氏からお礼の電話が掛かる。
 いえいえ、こちらこそ。ご丁寧に、ありがとうございます。
 次なるプロジェクトに関する話も頂き、これから検討することでも互いに確認する。

 髪を切ってリフレッシュしたところで、午後も遅くなった街へと飛び出した。
 「ミスタードーナツ」が食べたくなり、青森駅前の「ラビナ」へ。
 雪はないけれど、身も凍るような寒さ。風も強い。

 ミスドーで、新発売の「雪んこだるま 抹茶」と「雪んこだるま イチゴ」と「エンゼルクリーム」と「キャラメルナッツグレイズド」をテイクアウトして、夕暮れに染まる街を、身を縮めながら歩く。

 もう土曜日も終わっちゃうのかよ・・・やだなあ。やだやた。

 家に帰って、独り、部屋へと籠り、月曜日まで仕上げなければならない「津軽学」に掲載する原稿をひたすら埋める。
 タイトルは、「津軽という厳寒の風土は、今を奏でる新しい音楽に対し、何を吹き込み、何を与えているのか」。

 仰々しいッスかね?








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雪が降りしきる夜、「絶望名人 カフカの人生論」(頭木弘樹著)を読んだ。

2011年11月25日 | Weblog
 最近観た日本映画で衝撃的だったのは、何と言っても、ここで何度も書いた園子温監督の「恋の罪」である。
 こんなにも衝撃を受けた映画はあまりない。

 その映画の中に出てくる、とても重要なキーワードがある。
 「城」という言葉だ。

 渋谷円山町で起こった残虐極まりない殺人事件の現場に大きく書かれていた文字、それが「城」という文字。
 そして、映画の中でこの「城」というキーワードは何度か繰り返されてゆく。
 カフカの書いた小説「城」が引用されるのである。

 映画を観た後―その映画「恋の罪」を観たのは名古屋の映画館だったので数日後ということになるけど―、家に帰ってから早速本棚を漁ってカフカの著作を探してみた。
 ところが、カフカの本は「変身」、「流刑地にて」、「田舎医者」、「断食芸人」などしかなく、長編の「城」は見当たらなかった。

 あれ? そういえば俺、まだ「城」っていう小説読んでなかったっけ?
 すぐに青森駅前にある「ラビナ」4階の本屋さんに行って、新潮文庫でカフカの「城」を買って来た。何とか時間を見つけてすぐに読まないと・・・。
 
 ということで、今話題の(まあ、単なる個人的なマイブームですが)カフカに関する本を別の本屋さんで見つけたので、そっちのほうを先に読んでしまった。
 「絶望名人 カフカの人生論」(頭木弘樹著)という、カフカの箴言を幾つか拾い集めた本である。
 もちろん、カフカ自身、人生における箴言を書き溜めていたのでも、そういうメッセージを後世に向けて発信しようとしていたわけでもない。

 カフカは41歳の誕生日の1カ月前に、この世を去っている。
 結核だった。吐血もしている。
 一度も結婚せず、子どもも残さず、ほとんど無名のままで、この世界から消えていった。
 世紀の傑作と言われる小説「変身」も、当時の文壇では完全に無視され、彼は失意のまま死んでいったのである。

 カフカは、仕事が死ぬほど嫌いだった。
 生活のための仕事が、夢の実現を邪魔するものと考え、「ぼくの勤めは、ぼくにとって耐えがたいものだ」と嘆き苦しみ、「会社の廊下で、毎朝絶望に襲われる」と絶望した。

 カフカは、将来に絶望し、世の中に絶望し、自分の肉体に絶望し、そういう自分の心の弱さに絶望し、親にも学校にも仕事にも結婚することにも夢にも人づきあいにも絶望した。
 ありとあらゆることに絶望し、厭になり、苦痛で、耐えられなくなって、毎日毎晩、身悶えた。

 「絶望名人 カフカの人生論」(頭木弘樹著)には、それらの数限りない「絶望」が書き綴られている。
 分かりやすくてシンプルな文章が、彼が恋人や友人や父親に宛てた手紙の中から抜粋されてゆく。

 あっぱれ。
 ここまで来ると、もはや清々しささえ感じてしまう。
 凄いよ、カフカ!

 なんか、自分自身を見ているような気がしてくる。
 それは別に、自分自身がカフカと同じ才能と文才があるなどと、そんな馬鹿げた恐れ多いことを言っているのでは決してない。
 そういうレベルのことではなく、自分を取り巻く、その対象となる物事や事象に対して悩み、そして絶望する姿に対して共鳴し、まるで自分を見ているようだと言っているのである。

 愛しささえ覚えるのだ、こんなカフカに対して。
 「生きて堕ちよ」と叫んだのは坂口安吾だけれど、ひとは結局、生きて堕ちるのだ。堕ちて、堕ちて、堕ちてゆくのだ、誰もみな。最後には。

 この本を読んで、言いようのない「力」のようなものが湧き上がって来た。
 カフカって途轍もなく優しいひとのような気がしてくる。

 この本は、ある意味「バイブル」と呼べるかもしれない。
 これからも、様々な節目の中で、何度も何度も読み返さないと・・・。













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マット・ディロン、ポール・ウォーカー、映画「テイカーズ」は全米NO.1ヒット作。

2011年11月24日 | Weblog
 11月24日、木曜日。
 朝から冷たい横殴りの雨が降っている。

 出勤前、フジTVの「めざましTV」を眺めながらトーストと紅茶を摂っていたら、「東京は晴れてま~す!」との明るい笑顔のお天気担当お姉さん。
 「ちくしょう。いいなあ、何で青森だけこんな荒れた天気なんだよ、ったく」と独りごちる。

 白いビニール傘をさして外に出たら、余りに激しい雨風で傘がすぐに壊れてしまった。
 ツイテない。
 肌を刺す冷たい風と雨で、身体はびしょ濡れ。
 仕事場までの道は、険しく、そして辛かった・・・。

 それに比べ、映画の世界では今日もまた、颯爽と街を闊歩する男や女たちで埋め尽くされている。
 もちろん、それは単なる虚構の世界でしかないのだけれど・・・。

 マット・ディロン(好きなんだよなあ、この役者)、ポール・ウォーカー(この人もまたカッコイイよね、好きだなあ)、ヘイデン・クリステンセン、クリス・ブラウンをはじめとする、ハリウッド人気スターたちの共演によって全米スマッシュヒットとなり、全米ボックス・オフィス第1位に輝いたスタイリッシュ・クライム・アクション映画が、「テイカーズ」だ。

 これまでも、アメリカのインターネットで何度もその予告編を観てきて、早く日本でも上映されないかなあと思っていたのだけれど、それがようやく解禁された。
 こういう、スタイリッシュ・クライム・アクション映画って大好きっ!

 監督は、今回で長編映画2作目となる、ジョン・ラッセンホップという人らしい。
 まったく知らない。
 ただ、予告を観るだけでも、中々洗練された映像で期待が持てそうだ。
 
 絶対にミスしないように綿密なる計画を練り、1年間でたった一度だけ仕事をすることで大金をせしめる「テイカーズ」と呼ぶ銀行強盗団がいる。
 そして彼らは普段、豪華な邸宅に住み、密かに優雅なセレブ生活を満喫していた。

 その一方で、「テイカーズ」を必死に追いつめている警察官の刑事と相棒の2人は、少ない足跡ながら、じわじわ彼らの中心へと向かっていた。
 そんな中、「テイカーズ」の前に刑務所から出所したばかりの元仲間の一人が現われ、これまでにない巨額な大金を手にする事が出来る、周到な強盗計画を持ちかける・・・。

 映画「テイカーズ」、特にアクション・シーンが秀抜だとか、手に汗握るような犯罪駆け引きが繰り広げられるわけではない。
 ではないけれど、犯罪映画に漂う、あの独特の雰囲気は最後まで保っていて、ラストは当然の如く、どんでん返しが用意されている。

 追うほうのマット・ディロンもカッコいいし、追われるほうのポール・ウォーカーもまたカッコいい。
 そういう意味でいうと、まずは監督のジョン・ラッセンホップ、合格だ。

 それにしてもハリウッドって、こういうスタイリッシュ・クライム・アクション映画を作らせたらピカイチだよね、真骨頂である。
 何度も繰り返すけど、アクション・シーンが凄いとか、手に汗握るような凝った駆け引きや騙し合いが繰り広げられるわけじゃない。

 でも、この手の映画が好きな人ならたまらないだろうと思う。












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「I Would Do Anything For You」

2011年11月23日 | Weblog


 自分の足で立ちたいと思ったことはない
 誰かの邪魔になりたいと思ったことも 言っただろ

 どんな計画か解らないけど 君と分かち合いたいな
 体全体を耳にして 君の言う事をすべて僕は聞くよ


 僕は恋に落ちたんだ
 今回はこれまでのどんな恋より素敵な恋

 僕は恋に落ちたんだ
 今回はこれまでのどんな恋より素敵な恋さ・・・



                     「FOSTER THE PEOPLE」







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「24melancholic」

2011年11月23日 | Weblog
 東北楽天イーグルスのエース岩隈の、「3年越しの愛人」A子さんとの5泊6日「不倫密会」が載っている「週刊ポスト」を立ち読みして、おもむろに「TSUTAYA」の外に出たら闇夜に白い雪が光っていた。

 そうなんだ、もうこの街はすっかり冬の衣装を着込んでいて、今夜も寒そうに震えてる。

 明日の水曜日は勤労感謝の日。
 そしてもうすぐ師走。あと1カ月で2011年も終わる。

 家へと帰り、部屋に籠って原稿書き。
 本も読みたいし、映画も観たい。漫画も読みたいし、ゲームもしたい。テレビも観たいし、新聞も溜まっている。机の上に平積みにされたハードカバーの本。読まなければ・・・。
 ああ。時間だけがただ無情に過ぎてゆく。

 焦った気持ちのまま、水曜日の朝を迎える。
 所用で浪岡地区へ。
 久しぶりに会った職場の先輩と立ち話をし、用事を済ませ、また青森空港を横切って旧市内へと車を飛ばした。

 雪はほとんど溶けている。
 残雪が車道の脇に寄せられ、黄色の鮮やかな落ち葉が雪の中から覗いていた。
 陽光が街を照らしている。
 晴れたり、曇ったり、雪が降ったり、雨が降ったり。とても忙しい。

 ケンタッキーフライドチキンが無性に食べたくなって、郊外の「イトーヨーカ堂」。
 祭日とあって凄い混雑。
 並んで、「レッドホットチキンラップ」と「ブレイザー」、それにチキンを買ってテイクアウト。

 お昼は家で珈琲と一緒に頬張る。
 食べ終えて、また郊外の「イトーヨーカ堂」付近へと車で向かう。
 今度は、1時45分から始まる「ボディコンバット」のエクササイズをするためにスポーツジムへ。なんとも忙しない。

 同じ組織で働くNちゃんは、今日も皆勤賞みたい。凄いね、連日トレーニングで。こっちも見習わないと。
 ジムで汗を流し、そのまま近くの珈琲ショップで待ち合わせをしていたソウルメイトの一人と久しぶりの懇談。
 映画談議に花が咲く。

 全面硝子張りの壁から冬の陽が降り注ぐ。
 若い女の子が窓際で独り、パスタと珈琲を飲んでいる。
 外を、手を繋いだカップルや、親子連れの3人が楽しそうな笑みを浮かべて通り過ぎてゆく。

 午後の優しく穏やかな時間に、独りでショッピングをして、独りでお昼を摂るって淋しくないんだろうか?
 憂いの表情で外をぼんやりと眺めてる。

 立川談志が亡くなっても、神戸市役所で仕事中に職員たちが野球をしているところを報道されても、野田佳彦首相が消費増税法案の国会提出へ向けて与野党調整に入っても、ギリシャで財政が破綻しても、大王製紙の井川意高前会長が複数の子会社から100億円を超える融資を受けて特別背任の疑いで逮捕されても、街ゆく人たちはみな、幸福そうな顔を浮かべ、あらゆる事象はゆっくりと大河の如く流れてゆく・・・。

 答えなんかないんだ。
 何もかもが、風の中を漂っている、ただそれだけなんだ。
 それでも何故人間は何かを求め、何かを探して、こうして苦しみの中でもがくのだろう?

 また、明日からも、いつもと変わらぬ日常が始まってゆく。
 そして、今ここに居るすべての人たちは、やがてこの世界から誰ひとりとして居なくなる。

 K君から借りた、シングル「Pumped Up Kicks」が大ヒットしている「Foster the People」のデビューアルバムを聴きながら、夜は家でひたすら原稿を書く。

 今夜は、10時から松嶋菜々子主演の「家政婦のミタ」がオンエアされる日。
 これだけが楽しみなんだよなあ。

 それって、いい事だよね?

 






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ローリング・ストーンズ「サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス‘78」を観る。

2011年11月22日 | Weblog
 ローリング・ストーンズの「サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス‘78【初回限定盤DVD+CD/日本語字幕付】」が、遂にアマゾンから届いた。

 実は、ワーナーマイカル・シネマズ独占で、全国の系列映画館で上映するというニュースを聞いていて、そうなると青森県内では弘前のシネコン、ワーナーマイカルまで車を飛ばして観に行くしかないと思っていた。

 別に弘前まで出向いて映画を観ることは苦痛でも面倒でもない。
 弘前だろうが、八戸だろうが、盛岡だろうが、観たい映画が上映されていれば、これまでだって直接出掛けて観て来たわけで・・・。

 でも、今回のローリング・ストーンズ「サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス‘78」の映画は独占上映という事で、チケットが2,000円均一なのだとか。
 だったら、ちょっと高くてもブルーレイで買って、初回限定盤CDも合わせて聴いたほうが絶対得じゃん。そう考えた。
 なので、今回は先行上映しているのを、あえて観ないで我慢することに決めたのだ。

 そしてやっと届いたストーンズのブルーレイ。
 早速、観ましたよ。
 いやあ、これは確かに凄い。

 ローリング・ストーンズは、当時、台頭する新興勢力としてのパンクの荒波に揉まれていて、古いかたちのロック、権威主義、守旧派とのレッテルを張られ、ロック・メディアでかなり批判され続けていた。

 しかしその一方、ツアーを行えば、スタジアム級の会場はどこも瞬く間にソールドアウトととなり、その人気は決して衰えることがなく、今回の「サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス‘78」が繰り広げられた頃も、ニューアルバム「サム・ガールズ」は全米第1位、イギリスでも第2位と破竹の勢いで売れていた。

 ライナーノーツを読んで知ったのだが、ストーンズはこのライヴの前年辺りには、数万人規模の大型スタジアムにおいて、多額の費用を注ぎ込んだ大仕掛けのコンサートを展開していたらしい。
 そういう大型スタジアムではなく、もっとアットホームな会場でのコンサートをしよう、そんな意図から、1978年7月18日、テキサス州フォート・ワースのウィル・ロジャース・メモリアル・センターで今回映像化されたライヴが敢行されたのである。

 だから、このライヴ、ステージ上での仕掛けなど一切ない。
 とてもシンプルで、彼らの真摯なパフォーマンスだけで成立している。
 そこがいい。

 これまでも幾つものローリング・ストーンズのライヴ映像を観てきたし、「東京ドーム」で生の彼らをこの目で観た人間として言わせて貰えれば、僕が個人的にこれまで観た中における、最高のライヴ映像なのではないか。

 素晴らしい出来映えだ、本当に。
 5人の奏でる音が完璧に整っていて、一つも無駄がない。
 贅肉が綺麗に削ぎ落されている。
 帯に書かれている『ロック史に残るひとつの事件』も、あながち嘘ではない気がする。

 チャック・ベリー「レット・イット・ロック」から始まり、「ハッピー」「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」「ブラウン・シュガー」などの名曲をラストに散りばめながらも、ほとんどの演奏曲は「サム・ガールズ」からのものだ。

 改めて今回、CD棚から「サム・ガールズ」を引っ張り出して聴いてみたけど、やっぱり傑作アルバムであることを再認識した。
 「ミス・ユー」も7曲目にやるのだが、これがまた長めのヴァージョンでカッコイイのなんの・・・。

ボーナス・トラックとして、同ライヴ音源をCD化して追加収録しているのも○。
 それから、キース・リチャーズ、やっぱキマってる。
 チャーリー・ワッツのドラミングも、まさに神業の粋。

 こう、辛いことが色々重なると、人生投げ出したくなるけれど、でも俺にはストーンズがある。
 そう思うだけで、もう少し生きていけそうな気持ちになってくる・・・。









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映画「ラブ&ドラッグ」。これってほんとに「ラスト サムライ」のエドワード・ズウィック監督なの?

2011年11月21日 | Weblog
 毎日、毎日、憂鬱な空が覆っている。
 雪が降る寸前って、いつもこうだ。
 冷たい雨が降り続き、覗いていた太陽もすぐに引っ込み、天候は目まぐるしく変わってゆく。

 そんな日は、ライト感覚のコメディ映画が観たくなる。
 それもラブコメなら最高だ。
 洗練されていて、しかも最後には幸せな気分にしてくれる、そんな恋愛映画である。

 あの名作「ブロークバック・マウンテン」に続いて共演することとなった、ジェイク・ギレンホールとアン・ハサウェイの共演で贈るラブコメディ映画「ラブ&ドラッグ」を観た。

 原作は、アメリカ医薬品業界の実態を描いてベストセラーとなった(らしい。こんな本があるなんて全然知らなかったけど)医療品営業マンの手記「涙と笑いの奮闘記 全米セールスNO.1に輝いたバイアグラ セールスマン」という本らしい。

 ということは、意外とシリアスなドラマなんだろうか。
 監督が、あの男臭い匂いがプンプン漂う「ラスト サムライ」や「ブラッド・ダイヤモンド」を撮ったエドワード・ズウィックだしね。
 この監督は好きだなあ。

 でも実際に観てみたら、その考えはすぐに吹き飛んだ。
 イケメンだけど定職に就かずに適当な生活を続けている、主人公のジェイミー。
 彼は医学部を中退しているという事情もあって、医学の知識も豊富なことから、世界最大級を誇る製薬会社ファイザーのセールスマンに働き口を見つける。

 そう、あの「バイアグラ」の会社である(ただし、入った当時はその薬はまだ発売されてはいませんでしたが)。
 彼は、巧みな話術で病院相手に奮闘するが、強力なライバル商品の前になかなか成績を上げることが出来ない。
 でも、受付の女の子と仲良くなって企業情報をちゃっかり頂いたりして、それなりに楽しんでいた。
 そんなある日、とある営業先の病院で若年性パーキンソン病に苦しむ美女マギーと出会い、2人はすぐに激しい恋に落ちるのだが・・・。

 この映画、やり手の大手製薬会社セールスマンと、若くしてパーキンソン病を患うヒロインとの恋愛が語られてゆくのである。
 しかし、そうなると、ストレートなラブコメディ劇という部分から少しずつ逸脱し始め、観ている側は、悲哀の要素もお笑いの要素もサラリーマン奮闘記も同時並列的に見せられることになって、面白味が半減してしまうのである。

 監督のエドワード・ズウィック、色んな要素を提示して、最後まで観客を飽きさせないようにしたのだろうが、てんこ盛りも、仕立て方によっては混雑しちゃって興ざめしてしまう。
 もっと焦点をどれかに絞ったら、一本筋の入った作品に仕上がったと思うんだけど。

 やっぱり、エドワード・ズウィックっていう監督、こういう類いの映画は似合わない。
 男を全面に押し出したアクション映画がよく似合う。
 でも、エドワード・ズウィック監督作品というので、凄く期待したんだけどなあ。観ながら、これってほんとに「ラスト サムライ」のエドワード・ズウィック監督なのと何度も思ってしまった。

 散漫な印象が拭えない。
 ジェイク・ギレンホールとアン・ハサウェイは、凄く頑張っているんですけど・・・。














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「今あるこの場所から脱け出したい、そんな事ばかり考えて生きて来たような気がするなあ」

2011年11月20日 | Weblog
 ちょうど昼近く。
 スポーツジムでバイクに跨(またが)り、備え付けのテレビを観ながら汗を掻いていたら、ちょうどTBS系で「アッコにおまかせ!」がオンエアされていた。

 北朝鮮で行われたサッカーの試合に同行したTBSスタッフらの北朝鮮リポートのような特集をしていて、和田アキ子を含めたレギュラー陣がいつもの突っ込みを入れている。

 びっくりしたのが、同行スタッフらのちょっと有り得ない証言。
 スタッフの一人がホテルの個室でトイレを汚してしまった。
 疲れていたのでそのまま寝てしまい、朝になってトイレを綺麗にしようと入ったら、な、なんと、綺麗に拭き掃除が済んでいたのだとか。
 いったい、いつ誰が、部屋の中に入って掃除したんだろう?

 また、もう一つの証言。
 これまたスタッフの一人が夜、日本に電話を掛けて、「北朝鮮は寒い」というような事を漏らしたのだとか。
 そしてそのまま一人ベッドで眠りに落ち、次の日目覚めたら、な、なんと、ベッドの横にそれまでなかった厚手の毛布が掛かっていたらしい・・・。
 などというような話をヘッドホンで聞きながら、一時間ほど身体を虐める。
 だから、それが何なのと言われても、ほかに意味なんて特にないんだけど・・・。

 2日間続けてスポーツジムで汗を流したことに。
 今朝、改めてタイヤ交換を済ませたので、もういつ雪が降っても大丈夫だ。
 さっきは晴れ間も覗いていたのに、外に出ると昨日と同じように冷たい雨が降っている。

 雨を眺めていると、先日名古屋で観た映画、「恋の罪」のことをまた思い出してしまう。
 まだあの映画のことが頭から離れずにずっと残っている。
 凄い映画だった、「恋の罪」。
 雨のシーンが印象的だ。
 でも何故「恋」なのだろうと、不思議に思っていた。これほどまでに深遠で、鋭い刃物のような切れ味のする愛の世界を描いているのに、「恋」ってちょっと軽くない?

 謎が解けた。
 園子温監督のインタビューを読んで納得した。
 タイトル「恋の罪」は、園子温監督の実体験に基づくものらしい。
 当時付き合っていた彼女から、別れ話を切り出された際に言われた事なのだとか。

 『あなたのは愛だったけれど、新しい彼とは恋なの』と。
 『愕然としましたね。だから、愛の罪じゃなくて恋の罪。英語で言えば、僕とはラブで、新しい男がロマンスだということです。「恋の罪」というタイトルそのものは、マルキ・ド・サドの小説をそのままもらっているんですけど、彼が描いた罪はギルティではなくクライム、本当の犯罪の意味の罪だった。それを僕は、ギルティ=罪悪感というものにしたんです』。
 そういうことらしい。

 ああ、それにしても、こうして次々と才能溢れる人間たちが世の中に出て来るんだなあ。
 みんな、ちゃんと自分のスキルを磨き上げ、やりたいことだけに集中している。
 怠けたり、日々の暮らしに溺れている人間たちは結局陽の目を浴びずに、何の才能も見出せないまま終わってゆくのだろう。

 最後は、少しだけの運と、常日頃からの精進と、磨かれた才能を発揮した人間のみが表現者として生き残る。
 毎日ぐだぐだ生き続け、生活を維持させるために心を売り飛ばし、「疲れたから明日にしよう」なとどほざく人間に明日などない(って、俺のことだけどさ)。

 今あるこの場所から脱け出したい、今ある生活から抜け出したい、そんな事ばかり考えて生きて来たような気がする。
 でもそれって、単なる言い訳に過ぎないし、本気で脱出しようと試みたのかと問われれば、ぐうの音も出ない。

 俺は今いるこの場所が、本当は気持ちいいのだ。居心地がいいのである。
 出たくないのだ。だから、抜け出したくないのである。

 こうして今日もまた終わる。
 もうすぐ12月だぜ。師走だぜ。どうすんの? またこうして新しい年を迎えんの?

 今年も俺は何もしなかった。
 「仕事が忙しい」、ただそれだけを言い訳に、俺は一編の小説を仕上げることさえ出来なかった・・・。

 ああ。






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「Everybody's On The Run」

2011年11月19日 | Weblog
 今日もまた、トホホな一日に見舞われる。
 何なんだ、いったい。

 朝、携帯が鳴る。
 辛い内容の遣り取り。
 疲れる、土曜日なのに・・・折角の、そして久しぶりの連休なのに・・・。
 仕事が、ずーっと引き摺って離れない。
 いきなりの先制パンチ。

 窓から眺める憂鬱な空。
 冷たい雨も降り始めた。
 今日は一日雨が降り続けるのだとか。やれやれ。

 週間天気予報を見たら、一週間連続で雨と雪マーク。
 晴れる日はないのかよ! 太陽は拝めないのかよ! 何なんだ、この街は!

 とにかく、今日と明日はめちゃくちゃ身体を虐め抜いて、心の中で巣食っている「仕事」という悪魔を全部払い除けなければ。
 スポーツジムだ、スポーツジム。

 家で寝転んで映画を2本観る。
 時計を見たらもう午後の4時近く。
 雨が降る中、車庫からスタッドレスタイヤを車に積んでタイヤ交換へと向かった。

 雨降りだし、雪が降ったら車も出せなくなるので、ディーラーにタイヤ交換を頼むことにしたのだ。

 店へと着くと、大混雑。
 予め予約しておいたので、珈琲を飲みながらタイヤ交換の順番を待つ。
 もうすっかり外は真っ暗闇。
 朝から雨は降り続いていて、時々激しく降り注ぐ。
 いい加減、うんざりだ。

 30分も待たずに若い女性スタッフが「終わりました」との明るい笑顔。
 「ええーっ? もう終わったの?」
 そうだよね、予約してたから早いのかもな。
 2,100円を払って「ありがとう。スタッドレス・タイヤ、減ってないよね」に、その女性スタッフ、「大丈夫でした」との明るい声。

 タイヤ交換したし、これで思い切り車を出せる。
 「ありがとう」と一言返し、暗くなった外へと飛び出し、ちらりと交換したタイヤを見たけれど、真っ暗で良く見えない。
 まあ、いいか。でも、なんかちょっと減り具合が激しくないかとも思ったけれど、雨は激しく降っているし、タイヤ交換したんだから間違いはないでしょと、所用を足すべく街中へと帰った。

 夜の7時からはスポーツジム。
 同じ職場のNちゃんも嵌まっているらしい「ボディコンバット」のエクササイズ。
 ジムに行く前に、ガソリンを入れようといつものガソリンスタンドに立ち寄った。

 店員さんに、「満タンで」と告げ、「さっきタイヤ交換したんだけどさ、どう? 今冬も持つよね、タイヤ減ってないよね?」と言った途端、「お客さん、これ夏タイヤなんですけど・・・」。

 「ええーっ!?」
 よく見ると、全然タイヤ交換してない。夏タイヤのままなんですけど。
 さっき女の店員さんが元気な声で言っていた「タイヤ交換終わりました。大丈夫です」は一体なんだったわけ?
 もし、雪が降ってたら大事故だったんですけど・・・。

 怒りを抑え、ディーラーに電話。
 何なんだよ、いったい。

 ちょっと前は、走っていていきなりタイヤが外れて数時間雨の中で立ち往生するし、今度はタイヤ交換出来ましたって言って、夏タイヤのまま寄こしてくるし。
 危うく、大事故だった。

 今年は厄年なんだろうか?
 トホホ・・・。

 





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「蜜の味~A Taste Of Honey」、「南極大陸」、「私が恋愛できない理由」のこと。

2011年11月18日 | Weblog
 今日は金曜日。
 携帯電話に着信が入り、その中で血の気が引きそうな内容が3度あった。

 嫌んなる。
 やっぱり、良い事が起こった後には、必ず不幸な事が起きるのだ。
 だから人生って厳しいのである。

 「新青森駅」近くの有名な「お蕎麦屋さん」でざる蕎麦を啜り、そのあと新幹線で帰るひとを見送り、仕事場に戻ったのが夜の8時。
 職場に若手の職員が独り残って仕事を片付けていた。御苦労さま。

 デスクに腰掛け、何度かメールを交わしていると、突然また電話が鳴り、とどめの一発!
 目の前が少し暗くなった。やれやれ・・・。
 なんでこうも、色んな案件が次々降って来るんだろう?

 ぐったり疲れる。
 スポーツジムに行く気力も体力も、もう残ってない。
 こういう不幸な金曜日は、帰って録画しておいた溜まったドラマでも観るしかない。
 逃げるようにして職場を離れた。
 
 家に帰り、柿を食べ、伊勢の「赤福」を頬張りながらテレビを観る。
 何も考えまい。仕事の事は全部払い去ろう。もう忘れよう。

 まず、木曜日夜10時からオンエアしている「蜜の味~A Taste Of Honey」を観る。
 このドラマ、あまり視聴率が良くないのだとか。
 俺は大好きだけどなあ、こういうドロドロ恋愛劇って。

 榮倉奈々、ARATA、菅野美穂、溝端淳平らによる愛憎劇で、大学病院が舞台。
 榮倉奈々が出るドラマって、ハズレがない。

 ARATAと菅野美穂が夫婦、榮倉奈々がARATAの歳の離れた兄の一人娘という設定で、榮倉奈々はARATAに対して恋心を抱いている。
 そのことが、医大進学のために上京しARATAと近づくことで、榮倉奈々の心をますます乱すことになるのだが・・・。

 ドラマは後半、一気にそれまでの時間を大きく飛び越え、8年後を描くことになるのだが、そこからが俄然面白くなる。
 いわゆる三角関係による嫉妬と葛藤と純愛が複雑に絡まってドラマは進行してゆくのだ。
 及第点をあげられるのではないかなあ、このドラマ。

 そして今秋、最も話題を集めたのがTBS日曜劇場枠の「南極大陸」。
 視聴率は少しずつ下降しているようだけど・・・。
 「キムタク神話崩れたり」という論調の報道もあったが、それは少し酷ではないか。

 確かに古い題材だし、南極観測船が航海中に突然大揺れして、それまでまったく大嵐の予兆も無かったかの如き描き方をするなど(だって、いきなり船内が大揺れして全員が七転八倒するなんてありえないでしょう。事前に嵐の区域に入るってそれなりに予測出来るわけで)、突っ込みどころは色々あるけれど、それはそれとして、直球勝負の武骨な本格ドラマであることにかわりはない。
 
 最後は、フジ月9「私が恋愛できない理由」。
 これ、意外といいかも。
 っていうか、ここずっと月9は低迷期が続いていて、面白いシリーズがほとんどなかったからだ。

 「私が恋愛できない理由」が、素晴らしい傑作ドラマだなんて決して思わないけど、これまでの月9があまりに酷かったので、やっと標準に戻ったという感じがしてしまう。

 ドラマ自体は、いつもと同じようなライト感覚のラブ・ストーリーで、特に真新しい部分などないのだが、香里奈、吉高由里子、大島優子(AKB48)の3人組が、ほのぼのとしていて結構いいのである。

 なんか、すんごく落ち着くのだ。ぼけーっと観てるだけで。
 ストレスがないドラマって、それはそれでアリだと思うよ、いやほんとに。













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遊川和彦の脚本が凄い!「家政婦のミタ」。秋のテレビドラマはやっぱりこれが一番!

2011年11月17日 | Weblog
 日本テレビの水曜日夜10時からオンエアされているドラマ「家政婦のミタ」。
 このドラマ、凄い。
 お分かりのように「家政婦は見た」をもじって「家政婦のミタ」としたところがまず凄い。

 そして、このドラマを成功に導いた要因の一つは、脚本を手掛けた遊川和彦にある。
 遊川和彦は、同じ日本テレビの「女王の教室」の脚本も手がけ、このテレビドラマで第24回向田邦子賞も受賞している。

 確かに、「女王の教室」も面白かった。
 小学校の鬼教師が、非情な態度で受け持つ教室の児童たちを徹底的に管理し、虐め抜くという内容で、マスコミでも大きな反響を呼び、初回から日本テレビに抗議の電話が殺到したらしい。

 そういう意味でも、今秋のテレビドラマ、中々充実している。
 「家政婦のミタ」をはじめ、金曜日23時15分からのテレビ朝日「11人もいる!」、土曜日21時の「妖怪人間ベム」、フジの月9「私が恋愛できない理由」、それから木曜日22時フジの「蜜の味~A Taste Of Honey~」と、これまでにない充実ぶりだ。

 その中にあって、ダントツなのが、遊川和彦の脚本ドラマ「家政婦のミタ」なのだ。
 このドラマは、松嶋菜々子が久々に主演する連続ドラマで、無機質なロボットのような感情の無い家政婦を見事に演じている。

 「家政婦のミタ」の第5話は、なんと、視聴率が22.5%!
 最初は前評判が高かった、TBS日曜劇場キムタクドラマ「南極大陸」をも大きく引き離し、今期の連続ドラマの頂点へと登り詰めてしまった。

 このドラマ、それぞれのキャラクターが活きているのである。
 派遣先の阿須田家の駄目パパが、長谷川博己。
 あの「セカンドバージン」で、鈴木京香の不倫役を担い、マスコミでも2人の関係が取り沙汰された男優だ。
 不甲斐ない父親を難なく演じている。

 とにかくこのドラマ、毎回過激なセリフで視聴者の度肝を抜いている。
 結局それが高視聴率に繋がっているのだろう。

 例えば、主役の松嶋菜々子にこんなセリフがあった。
 「キスをすればよろしいですか?それとも脱ぎましょうか?」
 まったく感情のない主人公が、冷めた口調で話す言葉の数々に惹かれてしまうのである。

 最新話も凄かった。
 阿須田家の子供たちが、祖父からから養子になるよう強く説得される場面から物語は進行してゆく。
 それに対して阿須田家の子供たちから助言を求められても、家政婦のミタは「家族の問題に意見を言うつもりはない」と冷たく突き放す。

 そして、長女である結が家出を決意するのだが、彼と待ち合わせをした場所にその彼は現れず、絶望した結がミタに、私を殺してほしいと頼むという衝撃的な内容となっていた。
 そこからがまた凄い。

 なんとミタは、平然と「承知しました」と結に向かって刃物を振り上げるのである。
 これらを観ただけで、破天荒極まりないドラマだという事がよく分かる。

 いずれにしても、今期のドラマの最高傑作は「家政婦のミタ」に決定。
 脚本を手掛けた遊川和彦、あなたの勝利だ。










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