淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「もうすぐ立秋。初めて秋の気配が現れてくる、夏と秋とがゆっくりと混じり始める、そんな曖昧な時期」

2015年08月04日 | Weblog
 「火花」はまだ読んでいない。
 このたび第153回芥川賞を受賞した、お笑いコンビ「ピース」又吉直樹が書いた純文学小説「火花」のことである。
 累計発行部数は200万部を突破し、印税も2億円を超えたと言われている。

 先日テレビで、ちょっと面白い番組がやっていた。たまたま観たのである。
 それは、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹がまだ単なる芸人時代だった頃、街行く人たちに彼についての印象をインタビューしたものと、その後芥川賞を受賞してから、作家となった彼についての印象をインタビューしたものとを、同時に流すという趣向の番組だった。

 長髪にして痩せ細った芸人時代(もちろん、今も芸人ではあるけれど)の印象は、「気持ち悪い」、「厭だ」、「キモイ」と、笑いながら街角インタビューに応じていた若い女性たちが、芥川賞を獲ったその直後のインタビューでは、それが一転、「長髪で痩せた感じがカッコいい」とか「作家って魅力的だ」とか「ストイックで物静かな感じがいい」とか、まったくこれまでと逆のことを言うのである。

 これが世間の姿である。
 これが人間の本性である。
 世間というものの実態である。

 勝てば官軍、負ければ賊軍。
 勝者だけが生き残る。勝ったものだけが正義となる。

 昨日まで、外見や容姿や学歴や家柄などで、表層的にその人間を一段低く見て評価していたとしても、今日、何かの要因でそれらがガラリと一変すると、世間もまた手のひらを返したように一気に豹変する。
 今度は、徹底的に持ち上げる。優しい笑顔でヨイショする。

 そんな、今日は8月4日の火曜日だ。
 ねぶた祭り、3日目である。
 今日も暑かったけれど、明日は青森、36度まで気温が上昇するらしい。まさに猛暑である。

 でも、先ほどそのねぶた祭りが終わって、喧騒の中、帰路に着くとき、一瞬、ひんやりとした夜風が身体を通り過ぎていくのを感じた。

 秋の気配がした。ほんの少しだけど。

 着実に、秋はこの街にも、ゆっくりと忍び込んでいる。
 あと数日したら、ねぶた祭りも終わって立秋がやって来る。

 それは、初めて秋の気配が現れてくる、そして夏と秋とがゆっくりと混じり始める、そんな曖昧な時期でもある・・・。










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