「火花」はまだ読んでいない。
このたび第153回芥川賞を受賞した、お笑いコンビ「ピース」又吉直樹が書いた純文学小説「火花」のことである。
累計発行部数は200万部を突破し、印税も2億円を超えたと言われている。
先日テレビで、ちょっと面白い番組がやっていた。たまたま観たのである。
それは、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹がまだ単なる芸人時代だった頃、街行く人たちに彼についての印象をインタビューしたものと、その後芥川賞を受賞してから、作家となった彼についての印象をインタビューしたものとを、同時に流すという趣向の番組だった。
長髪にして痩せ細った芸人時代(もちろん、今も芸人ではあるけれど)の印象は、「気持ち悪い」、「厭だ」、「キモイ」と、笑いながら街角インタビューに応じていた若い女性たちが、芥川賞を獲ったその直後のインタビューでは、それが一転、「長髪で痩せた感じがカッコいい」とか「作家って魅力的だ」とか「ストイックで物静かな感じがいい」とか、まったくこれまでと逆のことを言うのである。
これが世間の姿である。
これが人間の本性である。
世間というものの実態である。
勝てば官軍、負ければ賊軍。
勝者だけが生き残る。勝ったものだけが正義となる。
昨日まで、外見や容姿や学歴や家柄などで、表層的にその人間を一段低く見て評価していたとしても、今日、何かの要因でそれらがガラリと一変すると、世間もまた手のひらを返したように一気に豹変する。
今度は、徹底的に持ち上げる。優しい笑顔でヨイショする。
そんな、今日は8月4日の火曜日だ。
ねぶた祭り、3日目である。
今日も暑かったけれど、明日は青森、36度まで気温が上昇するらしい。まさに猛暑である。
でも、先ほどそのねぶた祭りが終わって、喧騒の中、帰路に着くとき、一瞬、ひんやりとした夜風が身体を通り過ぎていくのを感じた。
秋の気配がした。ほんの少しだけど。
着実に、秋はこの街にも、ゆっくりと忍び込んでいる。
あと数日したら、ねぶた祭りも終わって立秋がやって来る。
それは、初めて秋の気配が現れてくる、そして夏と秋とがゆっくりと混じり始める、そんな曖昧な時期でもある・・・。
このたび第153回芥川賞を受賞した、お笑いコンビ「ピース」又吉直樹が書いた純文学小説「火花」のことである。
累計発行部数は200万部を突破し、印税も2億円を超えたと言われている。
先日テレビで、ちょっと面白い番組がやっていた。たまたま観たのである。
それは、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹がまだ単なる芸人時代だった頃、街行く人たちに彼についての印象をインタビューしたものと、その後芥川賞を受賞してから、作家となった彼についての印象をインタビューしたものとを、同時に流すという趣向の番組だった。
長髪にして痩せ細った芸人時代(もちろん、今も芸人ではあるけれど)の印象は、「気持ち悪い」、「厭だ」、「キモイ」と、笑いながら街角インタビューに応じていた若い女性たちが、芥川賞を獲ったその直後のインタビューでは、それが一転、「長髪で痩せた感じがカッコいい」とか「作家って魅力的だ」とか「ストイックで物静かな感じがいい」とか、まったくこれまでと逆のことを言うのである。
これが世間の姿である。
これが人間の本性である。
世間というものの実態である。
勝てば官軍、負ければ賊軍。
勝者だけが生き残る。勝ったものだけが正義となる。
昨日まで、外見や容姿や学歴や家柄などで、表層的にその人間を一段低く見て評価していたとしても、今日、何かの要因でそれらがガラリと一変すると、世間もまた手のひらを返したように一気に豹変する。
今度は、徹底的に持ち上げる。優しい笑顔でヨイショする。
そんな、今日は8月4日の火曜日だ。
ねぶた祭り、3日目である。
今日も暑かったけれど、明日は青森、36度まで気温が上昇するらしい。まさに猛暑である。
でも、先ほどそのねぶた祭りが終わって、喧騒の中、帰路に着くとき、一瞬、ひんやりとした夜風が身体を通り過ぎていくのを感じた。
秋の気配がした。ほんの少しだけど。
着実に、秋はこの街にも、ゆっくりと忍び込んでいる。
あと数日したら、ねぶた祭りも終わって立秋がやって来る。
それは、初めて秋の気配が現れてくる、そして夏と秋とがゆっくりと混じり始める、そんな曖昧な時期でもある・・・。