淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」17「NO SIDE」1984年

2012年05月31日 | Weblog
 このアルバムも巷では名盤と言われている。

 「NO SIDE」における、上質の短編小説の如き余韻。それから映画「私をスキーに連れてって」でも効果的に使われていた「BLIZZARD」。「木枯らしのダイアリー」の、「悲しいほどお天気」的な切なさ。

 一級のフルコースである。完璧な曲である。恋愛のすべてが詰まっている。

 今でも「木枯らしのダイアリー」を聴くと、色々な若かりし頃の思い出深い情景が過ぎり、胸が締め付けられる。

 「12月の雨」、「冷たい雨」、「NIGHT WALKER」など、ユーミンの数多の引き出しの中の「悲しいほどお天気」的な楽曲群に通じる、一言ではとても言い表せない切なさのようなものを感じてしまうのだ。







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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」16「VOYAGER」1983年

2012年05月30日 | Weblog
 またしても一年間の間に2枚のオリジナル・アルバムをリリース。

 才能が止めどなく湧きで、まるで暴走機関車のよう。
 「VOYAGER」のジャケット・コンセプトは、都会のビル群を独り悠々と泳いでいるユーミンということになるのだろうか。

 「TYPHOON」が一番好きだけど、ラストの「時をかける少女」も勿論いい。
 全体的に薄味の極上料理という感じがしないでもない。個人的には、もうちょっと濃い味でもいいとは思うのですが・・・。

 1983年といえば、YMO「君に胸キュン」とか中森明菜の「1/2の神話」が流行った年だ。
 ユーミンとしては第三期黄金時代に突入した頃だろうか。

 まあ、ほとんど途切れることなく音楽の最前線に君臨していたので、明確な境目なんてはっきりしませんが・・・。






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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」15「REINCARNATION」1983年

2012年05月29日 | Weblog
 日曜日の昼下がり。

 お風呂に入って湯船にゆったり浸かり、そこから上がって、そのまま裸でごろんと大の字になったその途端、ユーミンの「NIGHT WALKER」が突然流れて来た。
 懐かしさとともに、その「NIGHT WALKER」の素晴らしさを改めて再確認してしまった。

 この名曲も、一体これまで何百回聴いてきたことだろう?
 アルバム「REINCARNATION」に収められている、数多のユーミン楽曲の中における傑作の中の1曲である。

 美しいアレンジ、メロディラインの素晴らしさ、歌詞の凄さ・・・ゆっくりと、そして静かに歌が流れ、優しさに包まれている夜の風景と、哀しみに彩られている心情が綴られてゆく・・・。

 「NIGHT WALKER」1曲のためだけにこのアルバムを買うあなたは、正しい。








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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」14「PEARL PIERCE」1982年

2012年05月28日 | Weblog
 アルバム「PEARL PIERCE」は今でも時々聴きたくなる。

 オフィス・アルバムというか、働く女性たちのためのアルバムというか、落ち着いていて、しかも洗練された楽曲が多い。
 アルバム・ジャケットも中々渋いしね。

 「ランチタイムが終わる頃」とか「フォーカス」とか「忘れないでね」とか、大人の女性の中にチラリと垣間見える純な「愛」。
 これが切ない。

 結構聴いたなあ、「PEARL PIERCE」は。
 全体的にしっとりとした、秋の夜長にぴったり合うような素敵なアルバムだと思う。

 と言いつつ、これを書きながらCD棚から引っ張り出して、久しぶりに今聴いてました。









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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」13「昨晩お会いしましょう」1981年

2012年05月27日 | Weblog
 仙台のドームでユーミンの「シャングリラ」コンサートを観たとき、一番前に陣取っていた僕に向かって「守ってあげたい」と歌ってくれた(ような気がした)時は、正直舞い上がってしまって目頭が熱くなった。

 アルバム「昨晩お会いしましょう」に、この名曲は入っている。
 ほかにも「夕闇をひとり」、「カンナ8号線」、そしてアルバムのラストを飾る「A HAPPY NEW YEAR」と、「昨晩お会いしましょう」にも素敵な楽曲が満載だ。

 今でも音楽雑誌が選ぶ、「日本の歴代ロック・フォークアルバム/ベスト100」なんかの企画ものがあると、ユーミンのアルバムの中で選ばれるのがこの「昨晩お会いしましょう」か「コバルト・アワー」ということが割と多い。

 アルバム・ジャケットも、当時結構話題となった。
 そう。「ピンクフロイド」の「原子心母」のジャケットも手掛けた、イギリスの「ヒプノシス」。

 ちなみに、ジャケの後ろ姿はユーミンじゃありません。







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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」12「水の中のASIAへ」1981年

2012年05月26日 | Weblog
 「水の中のASIAへ」は、アルバムというより4曲入りのミニ・アルバムである。

 そして今度は、これまでとがらりと変わって、着物姿でアルバム・ジャケットの中に収まっている。
 そして、その視線は何とアジアである。
 いやはや・・・なんとも。

 絶えず聴く者を裏切り続け、驚きを与えてくれる。
 僕はこのミニ・アルバム「水の中のASIAへ」が好きだ。

 「スラバヤ通りの妹へ」が素晴らしい。そして「わき役でいいから」。
 「悲しいほどお天気」的な、ユーミンの世界観に満ち溢れている。






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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」11「SURF&SNOW」1980年

2012年05月25日 | Weblog
 1980年の12月1日、この「SURF&SNOW」はリリースされた。

 もうすぐクリスマス、街にはチラチラと雪が舞い始めている。
 ユーミンは、来るべきリゾート・ブームを先駆けするように、夏のビーチと真冬のゲレンデではしゃぐ恋人たちを鮮やかに描写してゆく。

 真っ白い雪とリゾートホテルが映えるゲレンデで、このアルバムは定番だった。みんな、スキーを滑り、サーフボードを買って、街へと繰り出した。
 当然、僕もその一人だった。

 ユーミンは、何でも一歩先を歩いていた。
 「SURF&SNOW」は、当時の若者のバイブルのようなものだった。
 このモンスター・アルバムもまた凄い。凄過ぎる。







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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」10「時のないホテル」1980年

2012年05月24日 | Weblog
 それにしても、「流線形’80」、「OLIVE」、「悲しいほどお天気」と、約2年間の短いスパンの中で、よくもまあこんな凄まじいまでの傑作アルバムを3枚も立て続けに作ったものだ。
 呆れかえってしまう。

 そして1980年には早々と「時のないホテル」。

 青森文化会館で観た彼女のコンサートには吃驚仰天したものだ!
 これまで観て来たアーティストたちのステージとはまるっきり違っていた。
 ライブというよりも豪華でド派手なショーである。

 ところが、この「時のないホテル」は、しっとりとした暗めのトーンに終始していた。
 ギラギラ輝く夏かと思えば、秋のひんやりとしたムードを目の前に見せつける。
 いい意味での裏切りもまたユーミンの魅力だろう。






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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」9「悲しいほどお天気」1979年

2012年05月23日 | Weblog
 悲しいほどお天気・・・こんな凄い言葉、どう足掻いても浮かんでこない。恐るべき感性というか感受性の豊かさというか非凡な表現能力というか。

 青森市内に当時あった「タカムラ」というレコード屋さんで買い求めた際、そのアルバム・タイトルにはかなりの衝撃を受けた。

 そしてこのアルバムもまた、傑作と呼べる一枚だ。

 「ジャコビニ彗星の日」、「影になって」(この曲の、洗練されたメロディと、ぞくぞくするような質感。素晴らしい)、そして盛岡という街からインスパイアされた「緑の町に舞い降りて」、今でもコンサートでは必ず演奏する「DESTINY」(名曲! この世界こそがユーミン!)、それから「気ままな朝帰り」(この明るさもまた胸を締め付けられる)などなど・・・。

 凄いよ・・・ユーミンは。







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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」8「OLIVE」1979年

2012年05月22日 | Weblog
 よっ、絶好調!

 そんな言葉をかけたくなってしまう。それほどこの辺りのユーミンはノリにノッていた。
 1年間に2枚の割合でオリジナル・アルバムを出し続け、その内容はどれも素晴らしい出来映えなのだから。
 天才とは彼女のことだった。

 「OLIVE」は、甘いストロベリー・ケーキを食べているようなまろやかさに包まれたアルバムである。
 1曲目の「未来は霧の中に」から「青いエアメイル」、アン・ルイスに送った「甘い予感」、ハイファイ・セットも歌っている「冷たい雨」、「稲妻の少女」も捨て難い。
 特筆すべき超名曲はないけれど、どの曲も出来は良く、ほかのミュージシャンのハードルなど軽く超えている。

 僕はと言えば、ぶらぶらとその日暮らしを送っていたのが、やっと就職先が見つかって、ほっと一安心していた頃だった。
 だって一定のお金が入るんだもん。

 もちろん、自分の中で目途がついたら、窮屈極まりない組織なんて直ぐにでも辞めてやろうと、内心は思っていたのだけれど・・・。








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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」7「流線形’80」1978年

2012年05月21日 | Weblog
 ここから、ユーミンの快進撃がスタートする。
 第二期黄金期の幕開けである。

 信じられないのは、1年の間で「紅雀」、そしてこの「「流線形’80」まで発表してしまうという、その凄まじいまでの才能と体力と集中力だ。
 そしてここには、必殺アンセム「埠頭を渡る風」も収録されている。

 当時、地元TV局で番組と次の番組の間を繋ぐための短いスポット放送で、「埠頭を渡る風」が毎晩のように繰り返し流れていた。
 確か、夜の7時から始まる番組の直前だったと思う。
 バックの映像は、青森市内の中心市街地だった。夕暮れ時の風景が映し出され、そこにユーミンのこの名曲が流れてゆくのである。

 そんな「埠頭を渡る風」をたまに聴くと、今でも胸がきゅんとなる。

 あの頃のあの娘は今頃何処で何をしてるんだろう?






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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」6「紅雀(べにすずめ)」1978年

2012年05月20日 | Weblog
 このアルバムから、ユーミンは荒井由実から松任谷由実になる。
 松任谷正隆氏と結婚して松任谷姓を名乗ることになったからだ。

 アルバム・タイトルは「紅雀」。
 1曲目の「9月には帰らない」(この曲はとてもいい曲だ)からラストの「残されたもの」まで全10曲。
 前作までの煌びやかなトーンが消え、しっとりとした大人の雰囲気をもった曲のオンパレードで、どちらかと言えば処女作「ひこうき雲」に近い。

 余りに暗過ぎて、最初はちょっと面喰ってしまった。
 セールス的にもかなり落ち込んだようだ。つまり、売れなかった。

 勿論、結婚したということが起因しているかもしれないけど、ここまで落ち着いたアルバムを提供されると、その衝撃度は結構大きい。
 でも今、改めて聴き返してみると、このアンニュイでモノトーンっぽい音も中々捨て難い魅力がある。

 さすがだ。









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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」5「14番目の月(THE 14th MOON)」1976年

2012年05月19日 | Weblog
 このアルバム、好きだなあ。

 全10曲、まったく捨て曲がない。すべての曲が光り輝いている。
 1曲目の「さざ波」から「14番目の月」、「さみしさのゆくえ」、永遠の名曲「朝日の中で微笑んで」、これも名曲中の名曲「中央フリーウェイ」と素晴らしい楽曲で埋め尽くされていて、語れば切りがない。

 全部いい!

 このアルバムで思い出すのは、冬休みで青森に帰り、夜行で東京に戻ったその朝、アパートの窓を開け放して、1曲目の「さざ波」から聴いたときのことだ。
 その時の懐かしい感覚は今でも鮮烈に覚えている。

 冬の東京の朝のひんやりとした空気が部屋に流れ込み、そこに静かに流れた「さざ波」、それから「朝日の中で微笑んで」、「天気雨」、「晩夏(ひとりの季節)」。

 あの時の冬の空気、絶対に忘れることはないだろう。
 今でも昨日のように、身体の中に染みついて離れることが無い・・・。









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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」4「YUMING BRAND」1976年

2012年05月18日 | Weblog
 ユーミン初のベスト・アルバムだ。

 当時、ジャケットに赤と青の立体メガネが張り付いていて、それでジャケットを見ると浮き上がるという仕掛けがしてあった。
 今にして思うと、すんごく陳腐でしたが・・・。

 1曲目の「あの日に帰りたい」と、10曲目ラストの「陰りゆく部屋」は、シングルだけの発売だった。
 このベスト・アルバムには、「やさしさに包まれたなら」、「ルージュの伝言」、「12月の雨」、「瞳を閉じて」、「ベルベット・イースター」と、今でもコンサートで歌い継がれているアンセムがたくさん収録されている。

 ユーミンがお昼のワイドショー(だと思うけど、間違っていたらごめんなさい)に生出演して「陰りゆく部屋」を歌っていた。僕はそのTVを、帰郷した時に部屋で独り観ていた記憶がある。

 大学も辞めたあたりで、当然にして職も無く、東京に居たり、そうかと思うと適当に夜行列車に乗って青森に帰って来たり・・・。いい加減で怠惰な日々を送っていた。

 でも、映画と音楽と小説を読むのだけはひたすら貪欲だったなあ・・・。









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「荒井由実・松任谷由実 全アルバム解説」3「COBALT HOUR」1975年

2012年05月17日 | Weblog
 このアルバム、というか日本のロック/ポップス・アルバムに燦然と光輝く世紀の大傑作アルバムを、僕はこれまで一体何百回聴いてきたことだろう。
 そして、このアルバムを聴いていた頃―誰にでも同じようにあったはずの―、僕もまた青春の一ページを彩るような、そんな恋に落ちていた。

 1975年。
 東京の街も、それからいつも帰っていた青森の街も、眩い光と、それとはまるで正反対の闇が同居していた・・・そんなふうに思えて仕方が無い。

 でも、まだ僕には若さがあった。
 ただそれだけでこれから先、生きてゆけるだけの力は十分あるようにさえ思えた。

 全然違ってたけど・・・。

 「コバルト・アワー」はA面をよく聴いた。
 でもB面の「雨のステイション」も捨て難い。名曲である。








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