淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

黄金の10日間、その2日目は晴れから雨。「残雪の八甲田」、「ユーミン・メドレー」、「楽天連勝」。

2011年04月30日 | Weblog
 昨日の夜は、遅くまでテレビのスポーツニュースを観るために何度もチャンネルを変えた。
 「東北楽天ゴールデンイーグルス」の地元仙台での今季初勝利を観るためだ。結局おんなじニュースなんだけど、楽天の勝ち試合だけは何度観ても飽きる事がないからなあ。
 やったね、星野監督、そしてマー君こと田中将大投手。
 贔屓の野球チームが勝つと本当に嬉しくなる。それも絶対に落とせないゲームならなおさらだ。

 今日は8時に起床。
 朝食も摂らずに車を出してガソリンスタンドまで。
 ガソリンを入れている間、店の中に入って今日の朝刊に目を通した。
 どの記事も昨日の東北新幹線全線開通の話題で埋まっている。

 ガソリンを満タンにして、近くの桜川団地まで満開の桜を観にゆく。
 綺麗な桜が道路の両側に咲いている。
 ほぼ満開に近い。

 そのまま足を延ばして八甲田まで。
 幸畑墓苑を抜けて登り坂へと入った。
 朝の空は晴れていて、とても気持ちがいい休日の朝。
 ゴールデン・ウイークなので車が混んでいるかと思ったら、ガラガラに空いていた。

 仕事の携帯が入って、少しだけ気が滅入る。
 誰も休ませてはくれない。仕方のないことではあるけれど・・・。

 八甲田の中腹に入った。
 坂道の両側に雪がまだ残っている。
 まだ葉がついていない裸の木々の影が、残雪を染めている。
 勢いよく溶けた雪が車道に流れ込み、まるで小さな滝のようだ。

 田代高原へと出た。
 八甲田連峰の峰に、しぶとく生き残った雪がこびり付いている。それが四月最後の青空に美しく混ざり合う。
 美しい。
 とても美しい景色だ。
 ここまでたった一時間も掛からずに来る事が出来るなんて、そのことだけは本当に幸せだと思う。

 楽しい一日を過ごし、また八甲田の山を下ってゆく。
 小雨に煙る夕方の八甲田連峰。
 行き交う車も少ない。
 時計を見たら6時を既に回っていた。
 
 幸畑墓苑の近くまで降り切ったその瞬間に、携帯電話が鳴った。
 何というタイミング。まるで監視カメラで見られているよう。ちょうど携帯の電波が届くエリアになった瞬間だった。凄いなあ。

 帰り道は、久しぶりにユーミンのオンパレード。
 ソウルメイトから貰った、ユーミンの貴重なオリジナルCD。
 今回のユーミン・ツアーのステージでの曲目順に並べ替えたのだとか。
 それがまた素晴らしい。
 ほとんどが最新アルバム「Road Show」からの曲ではあるけれど、懐かしさ満載の曲もたくさんあって、独り車の中で大いに盛り上がる。

 そのままオフィスに寄る。
 誰もいない休日の執務室。
 日誌を見たら、スタッフの一人が午前中から午後に掛けて出勤していたようだ。
 恐れ入ります。

 すっかり日が暮れて、オフィスを出て中心市街地の本屋さんに立ち寄り、「ロッキング・オン」の最新号を買おうと思ったら、まだ発売されてない。
 仕方がないので家へと帰り、ネットで野球の速報ニュースを見る。

 楽天が3対1で今日もオリックスに勝って、これまでの5回戦は楽天の4勝1敗。前日に続いて地元の仙台で勝利を飾ったことになる。
 1回に先制を許したものの、2回に山崎が3号ソロ。そして嶋が勝ち越しに成功したらしい。先発のラズナーが好投し、中継ぎ陣の無失点リレーでリードを守りきる。
 これは嬉しいなあ。

 お腹が空いたので、「ピザハット」で定番のプルコギとサラダとポテトを注文し、買って来た赤ワインとサントリー缶ビール「金麦」を2缶飲み干しながら、「世界フィギュア・スケート選手権2011 女子フリー」を観る。

 こうして今日も終わる。
 もう2日間、過ぎちゃったね・・・。






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黄金の10日間、その初日は晴れ。「東北新幹線全線開通」、「東北楽天の勝利」、「レディオ・ヘッド」。

2011年04月29日 | Weblog
 昨晩は夜中の1時過ぎまで起きていて、ずっと村上龍の「心はあなたのもとに」を読んでいた。
 今日の起床は8時。
 当然の如く、ゴールデン・ウイーク初日の今日も仕事が待っている。
 急いで着替え、新青森駅を目指した。

 新青森駅は、久しぶりに混雑している。
 このたびの東日本大震災の影響で、一部の区間で運転を見合わせていた東北新幹線が本日29日、なんと49日ぶりの全線運行と相成った。
 東京からの一番列車が到着するプラットホームでは、青森高校の応援団、それから可愛い保育園児たちが大きな声を張り上げて、「ようこそ、青森へ」と叫んでいる。

 思わず涙が零れた。
 嬉しかった。とにかく嬉しくて、何度も何度も拍手を繰り返した。
 某新聞社からコメントを求められ、「今日が本当の新幹線開業です。とにかく嬉しい」を連発してしまった。

 津軽三味線で出迎え、スタッフたちが総出で青森市の観光パンフレットを降り立った人たちに配っている。
 良かった。本当に良かった。
 東京からの下り一番列”が到着した新青森駅のホームは、大勢の観光客や帰省客で混み合っている。本当に嬉しい。

 今度はその足で青森駅前まで移動する。
 こちらも久しぶりに見た人の波。
 たくさんの人たちが、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」、「Aファクトリー」、それから「ねぶたの家 ワ・ラッセ」西口広場で繰り広げられている「産直市」へと向かっている。

 お腹が空いたので「Aファクトリー」に入り、「十和田バラ焼定食」980円に貪り付く。
 美味しい。
 ここも震災以来の活況だろう。
 「十和田バラ焼定食」を堪能している間、約10件の電話が鳴る。
 ちょっとした仕事上でのアクシデントが発生する。

 食べながら上司に報告し、そのまま某駅前施設へと小走りで駆け付けた。
 何人かの関係者と話し、現状把握。
 ふと空を見上げた。
 雲の隙間から明るい日差しが覗いている。
 いいなあ。
 みんなこのゴールデン・ウイーク初日をそれなりに堪能してるんだろうなあ。それに比べて俺ときたら・・・。

 一旦、アクシデントは収斂し、夕方もう一度話し合いを持つことに収め、余った時間を利用して郊外にある「スポーツジム」へと車を飛ばした。
 時間を有効に使おうと、3時30分から始まる「ボディコンバット」のエクササイズ。
 ボクシングに空手に格闘技。様々な基本的な型を用いての45分間のハードなコース。

 汗が滴り落ちる。
 でも気持ちいいっ!
 「ボディコンバット」のエクササイズを終え、お風呂に入ってリラックスし、ロッカーを開けて携帯を見たら、またまた何件もの着信履歴。
 そのすべてが仕事に関するものだ。やれやれ・・・。

 急いで青森駅前まで戻らなければならず、余りに慌てたのでパンツをはき忘れてしまう。
 どうりで下半身がむず痒いと思ってた・・・。
 その間も、電話は鳴りっぱなし。
 俺にどうせい言うんじゃい!

 一度、家へと戻って車を車庫に入れ、今度は自転車に飛び乗って駅前まで全速力で走る。
 空は曇って来た。風も強くて冷たい。
 なんなんだ? 黄金の10日間じゃねえのかよ!

 やっと一連の騒動を終え、家へと帰った。
 アマゾンからの宅配便。
 CDが届いたのだ、「レディオ・ヘッド」のアルバムが。
 さてと。
 もう携帯の電源切っちゃうぞ。「レディオ・ヘッド」を今夜は聴きまくるぞ!
 
 テレビのニュースで、楽天が先発の田中将大でオリックス相手に6安打1失点で完投し、3対1で本拠地での開幕戦を白星で飾ったことを告げている。
 やったあ!
 こうでなくちゃね。

 人生には、悪い事もあれば良い事だってちゃんとあるんだ、バカヤロウ!

 



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黄金の10日間前日。春の嵐、西村賢太「廃疾かかえて」「一私小説書きの弁」、「セックス・ピストルズ」。

2011年04月28日 | Weblog
 明日からゴールデンウイークが始まる。
 来週の月曜日と金曜日の2日間仮に休んだら、なんと10連休になる。当然、そんなことは不可能なわけで、連休中も幾つかの仕事が入っているから、休日という感覚も余りない。
 それでも、気分的には全然違う。
 やっぱり僕にとっては黄金の10日間なのだ。

 そして今日の木曜日はその前日。
 朝からぱっとしない天気に見舞われた。
 今にも雨が落ちてきそうな空模様である。
 一応、傘を抱え、自転車に乗って出勤した。吐く息が白い。

 今日も分刻みの日程が続いてゆく。
 午前中、東京から来青した某コンサルティングと綿密なる情報交換。それを持って昼休み上司に報告し、その足で午後の会議へと雪崩れ込む。

 外は風が強い。
 春の嵐みたいだ。
 市内の中央部にあるオフィス4階のトイレに入り、用を足しながら、暫くの間、窓から八甲田の山並みと灰色掛かった街を眺めていた。
 薄っすらと、山頂付近に真っ白な雪が被っている。もう、八甲田を抜けて十和田方面へと抜けるルートも開通したようだ。
 明日から新幹線も再開する。我がセクションではそのオープニング・イベント準備で今日もまた大忙し。

 夕方4時から始まる某経済会議まで、少しの間、時間が取れたので、オフィスがある4階のディスクに腰を降ろし、いつもより忙しい速度で流れる灰色の雲を眺めながらパソコンのキーボードを叩く。

 会議はようやく5時半に終了。
 どっと疲れが出た。
 まるで重い錘(おもり)を手足に付けて一日中歩いているよう。
 会議が開かれたホテルから駆け足で家へと戻り、そのまま車庫から車を出して市の郊外部まで向かった。

 所用を終え、激しい風が吹き荒れる夜の街を走った。
 郊外のTに寄り、西村賢太の最新文庫、「廃疾かかえて」と「一私小説書きの弁」を買う。
 小雨がぱらつき、一向に風は収まる気配がない。

 明日から大型連休じゃん、もっと楽しくウキウキしろよ。
 そう、もう一人の自分が囁く。
 10年間、一向に進んでいない、原稿用紙100枚で完成となる小説でも書いてみろよ。まだ途中で投げたまま、ほったらかしにしてる、あの小説のことだよ。
 お前は、一篇の小説すら書きあぐね、そうしてグダグダしてるだけじゃねえか。

 脱け出すんだろ?
 一刻でも早く、この街から脱け出したいんだろ?
 だったら、未完成のままで10年も経っている、その小説を最後まで書き上げてみろよ!

 車に乗り込み、「セックス・ピストルズ」の「勝手にしやがれ」を聴きながら、家路を急ぐ。

 一曲目が「Holidays in the Sun」。
 なんで、急に「セックス・ピストルズ」が聴きたくなったんだろう?
 激しいギターのノイズと、ジョニー・ロットンの叫びが、冷えた車の中に響いてる。

     
     俺には「太陽の休日」なんて無用だぜ
     俺は新しいベルセン(ナチスの収容所があった場所)に向かいたい
     そしていくらかでも歴史を知りたいんだ
     いま俺は手頃な経済を手にしてる
     いま理由がわかった 理由がわかったんだ 理由がわかった
     でも俺はまだ待ちぼうけをしてる
     理由がわかったんだ
     待ってる理由、それはベルリンの壁だ


 風の音がする。
 春の嵐のような、激しい風が夜の街を駆け抜けてゆく・・・。

 明日から、黄金の10日間が始まる・・・。





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「人もいない春」

2011年04月27日 | Weblog
 桜の開花宣言が出た。
 25日の月曜日、青森地方気象台が同地内にあるソメイヨシノ標本木の開花を発表した。平年よりも1日早く、昨年より3日早いらしい。

 でも何となく実感がわかない。
 今日(水曜日)も朝から雨模様。
 コールデンウイークの前半も、あまりいい天気には恵まれないようだ。どうも今年は暖かいという雰囲気がない。

 29日からは東北新幹線が全線再開する。
 弘前城築城400年を記念する桜祭りも今年はゴールデンウイーク中ぴったりと開花が重なったようだし、観光客も戻って来そうな気配もするのだけれど・・・。

 西村賢太の短編をまとめた「人もいない春」というタイトルの本がある。
 人もいない春・・・。
 これはいいタイトルだと思う。

 どこか物悲しく、そして寂しげで、言葉の中に色んな思いがたくさん詰まっている感じがするのに、至ってシンプルなのだ。
 本当に素晴らしいタイトルである、「人もいない春」。

 西村賢太の小説は、私小説ということもあってか、何冊も読み続けてゆくと、ワンパターンとの感想を持つ人も多いかもしれない。
 彼の小説は、だいたい大きく三つに分けられる。

 まず一つは、中学校を卒業してから現在に至るまでの過酷な労働を通じて関わった、バイト仲間やその仕事内容や貧乏生活などについて。
 そして二つ目が、めぐり合った同棲相手との出会いから凄まじい別れまでの顛末や、風俗通いや一目ぼれや失恋話など、滑稽でありながら切ない恋愛もの。
 それから三つ目が、西村賢太が心から敬愛してやまない作家、藤澤清造に関する一連の話である。
 もちろん、その大きな流れを一編の小説の中で語ってゆくという、複層的な手法も取ったりはするのだが・・・。

 西村賢太は、これまで自分が歩んできた人生を時系列に順序立てて描くというのではなく、その断片をピックアップし、あっちに行ったりこっちに行ったりしながら、その時々の人生における困難極まる状況を赤裸々に描いてゆく。

 なので、まだまだ美味しい(こういう言い方は右往左往している本人に対して失礼かもしれないけれど、当然にして読者は、そのどうしようもない人生模様を覗いてみたいわけで・・・)話がたくさんあるに違いなく、その辺のところは西村賢太も重々承知らしい。インタビューでも、まだ切り取っていない時期については追々発表したいと語っていた。

 「人もいない春」は、本題の「人もいない春」、「二十三夜」、「悪夢」、「乞食の糧途」、「赤い脳漿」、「昼寝る」という短編で構成されている。

 いつものように、今作もまた「悲しくてやがて可笑しき」的な、哀愁に満ちた私小説が詰まっている。
 中でも、主人公が通う弱小出版社によく珈琲を届けに来る喫茶店の女の子に一目惚れしてしまい、いつもの大暴走の果てに、結局は悲惨な目に合ってしまうという「二十三夜」がいい。

 それと、秋恵さん(このキャラがまたいいんだよねえ)という彼女との同棲生活を描いた「乞食の糧途」、「赤い脳漿」、「昼寝る」もまた、凄惨でありながら何ともいえないユーモアを醸し出していて、これらの短編も一気に読んでしまう。

 確かに、西村賢太の小説ってワンパターンだし、ウダウダした鬱陶しい貧困生活を描いているだけなのだが、読んでゆくうちに感情移入してしまい、特に恋愛話が圧倒的に面白く、途中で投げ出せなくなってしまうのだ。

 西村賢太は癖になる。
 こういう人間がいることで、自分自身を納得させ、自らの立ち居地を確認し、そして安心する・・・。
 なんて姑息な人間なんだろう、俺は。










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映画「キック・アス」。いやあ、クロエ・グレース・モレッツが素晴らしい! 続編が早く観たいっ!

2011年04月26日 | Weblog
 映画「キック・アス」を監督したマシュー・ヴォーンが数年前に監督した「レイヤーケーキ」、この映画も中々クールで面白かった。

 そして今回の新作「キック・アス」。
 映画は2010年末に日本公開されたけれど、かなりの評判をとっていて、評論家筋からも絶賛を浴びていたようだ。
 当然、全米公開時でも初登場第一位!

 ところが僕はこの「キック・アス」を映画館で見逃していて、今頃になってやっと観ることが出来たという次第。
 ごめんなさい。

 実は、仕事の後輩にあたるN君が「映画秘宝」の定期愛読者で、B級っぽい(何を定義にB級映画なのかと問われると、少し長くなってしまうのでここはその点あえて置いておく。僕はB級とか何級とかってジャンル分けが好きじゃないのだが、それもここで解釈すると長くなるので、単なる一般的な記号としてあえてB級と言っときます)映画が大好きだということもあって、僕に、「キック・アス」観ませんかと貸してくれたのだ。

 観ました。「キック・アス」DVD。
 いやあ、面白かったあ!
 僕は大いに乗れました。
 でも、中にはこういうノリが嫌いな人もいるだろうな。それもまたよく解りますけどね。
 解りますが、好きだなあ、僕はこういう映画が。

 ストーリーを全部ぶちまけちゃうと、これからDVDを借りようとしている人たちに顰蹙(ひんしゅく)買っちゃうので、あまり詳しい内容までは言えないけど、兎にも角にも、映画の中のキャラクターである「ヒット・ガール」を演じた、子役のクロエ・グレース・モレッツが最高なのだ。

 まだ若干11歳!
 もちろん、今は年齢が少し増えているだろうけど。
 可愛いっていうか、キュートっていうか。
 特に美顔というわけじゃないんだけど、その演技と相まって愛くるしいほどなのだ。
 
 スーパーヒロインとして映画に登場するのだが、バタフライナイフや複雑な銃器を軽々と取り扱い、マーシャルアーツや格闘技をも駆使して、並居る悪人たちをバッタバッタと倒してゆく。
 いやあ、もう、カッコいいなんてもんじゃない。
 ここまで映画を観て爽快感を感じたのは久しぶりだ。

 弁解させていただくと、僕は決してロリコン趣味ではございません。あしからず。
 過激なアクションシーンの約90パーセントをクロエ・グレース・モレッツ自身が演じ、撮影前には7ヶ月間の猛訓練を行ったらしい。

 DVDに付いてきたクロエ・グレース・モレッツのインタビューを読むと、格闘シーンやガンを打ちまくる過激なアクション映画に出たくて出たくて、それだけをひたすら願っていたというから凄い。
 この子、絶対将来を担う大女優になる。

 お話は、これまでのコミック・ヒーローものを踏襲してはいるけれど、ちょっと一ひねりしている。
 本物のヒーローになろうと立ち上がった高校生の主人公が、ネットで買ったスーツを着てヒーロー活動を開始するのだが、何の超能力も力もないことから、暴漢に刺されて車に轢かれ、病院送りとなるところから始まる。

 そこから復活したヒーローは、病院送りにもめげず、悪漢退治を続けるのだが、ある日、同じようなコスチュームを着た「ヒット・ガール」と名乗る女の子(彼女がクロエ・グレース・モレッツね)と、その父親「ビッグ・ダディ」(ニコラス・ケイジが怪演)が現れたことから、とんでもない事件へと巻き込まれてゆく・・・。

 「キック・アス」。その続編も決定したのだとか。
 この映画はマジで面白い。早く次なる「ヒット・ガール」クロエ・グレース・モレッツが見たい。

 「キック・アス」DVD、お勧めである。
 って、もう観ちゃってましたか。
 そうか・・・俺が一番遅かったのね・・・。






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世界トップ・アーティストが集結したチャリティアルバム「SONGS FOR JAPAN」が届く。

2011年04月25日 | Weblog
 2011年 3月11日に発生した東日本大震災で被災された多くの方々への支援を目的に、それぞれのレコード会社の枠を超えて世界トップ・アーティストたちが集結した、コラボレーション・アルバム「SONGS FOR JAPAN」が日曜日の午後、自宅に届いた。

 このことは、4月14日のコラム―「SONGS FOR JAPAN」はレディー・ガガ「Born This Way」を含む38組チャリティーCDだ!―でも詳しく述べているけれど、アルバムとしては2枚組で、すでに3月25日、iTunes Storeを通じて配信発売がなされていて、全世界18カ国ではNo.1を獲得しているほどの人気となっている。

 これも、4月14日のコラムで書いていることなのであえて詳しくは述べないけれど、アルバム発売による収益金は、当然義援金として日本赤十字社へ「ソニー・ミュージックエンタテインメント」を通じて寄付され、被災者支援や復興のための支援などに充てられることとなる。

 4月24日の日曜日に届いた、CD「SONGS FOR JAPAN」。
 独りでドライブしながらゆっくり聴きたい・・・そんな思いに駆られ、夕方6時から始まったNHK大河ドラマ「江(ごう)」を観ながら急いで夕飯を食べ終え、食後のデザートにネーブルオレンジ2個もお腹に詰め込み、いよいよ夜の8時、「SONGS FOR JAPAN」を車に積み込み、独り、日曜日の街へと繰り出した・・・というほど大袈裟なことでもないんですが・・・。

 日曜日の夜の街、これがまたなんとも言えない静けさに包み込まれていて、静謐で物悲しい雰囲気を醸し出している。
 やっぱり、日曜日の夜のドライブって癖になる。
 
 雨上がりの濡れた黒い舗道に、赤色と青色と黄色の信号が妖しく光る。
 誰もいない、淋しげに佇むコンビニエンス・ストア。遠くまで見渡せる、人っ子一人いない商店街通り。
 青森駅前にも、新町通り商店街にも、国道にも、本町の歓楽街にも、人影はほとんど見当たらない。

 みんな、ひっそりと家に篭もり、日曜日の夜の憂鬱に耐えているのだろう。

 僕は、「SONGS FOR JAPAN」のDISC1を差し込み、小雨に煙る青森中央大橋を登り、郊外のショッピング・モール付近まで車を飛ばした。
 暗闇にぼんやりと浮かび上がる家々の哀しげな灯り・・・高層ビルのマンションの陰に、隠れるように聳(そび)える、漆黒の闇に浮かぶ曖昧な姿をした八甲田の山々・・・。

 まずは1曲目。
 JOHN LENNONの 「Imagine」。
 こう来るんだろうなあ、定番であれば。
 でも、JOHN LENNON=Imagineというパターンには、ちょっと辟易する。
 もちろん名曲であるし、素晴らしい歌詞と素晴らしいメロディが伴った、永遠のスタンダード・ナンバーであることに疑いの余地はない。
 ないけれど、JOHN LENNONって、愛と平和のひとだけで括れるような、そんな単純明快な偉人では決してない。
 もっとワイルドで、過激なロックンローラーで、尖がっていて、不良で、アナーキーであると思うんだけどなあ。どうだろう。

 5曲目が、LADY GAGA の「Born This Way – Starsmith Remix 」。
 これは、リミックス・ヴァージョンではない、オリジナルBorn This Wayが聴きたかったけど、仕方ないか。

 DISC2もまた、凄い楽曲で埋まっている。
 FOO FIGHTERS の「My Hero」、 R.E.M.の 「Man On The Moon -Live in Tokyo」、SADE の「By Your Side」まで入っている。

 とにかく凄まじいアーティストの楽曲が、全部で37曲も入っているのだ。
 それに、オリジナル曲もあるにはあるけれど、ライブ・ヴァージョン、アコースティック・ヴァージョンなど、様々な工夫を凝らしているのもいい。

 ただ若干の難点は、BOB DYLANを聴いた後でいきなりのRED HOT CHILI PEPPERSっていうのも、その切り替えに戸惑いがないわけじゃないですが・・・。

 そんなふうに、いつもの隠れ場所である、インターチェンジ下の公園横の車道に車を停め、濡れたフロントガラスの向こう側に広がる、車さえ通らないショッピング・モールのネオンサインを眺めながら独り聴いていた「SONGS FOR JAPAN」。

 帰宅したのが、10時過ぎでした・・・。








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「あなたが思っているような、そんな素晴らしい日は、ない! 絶対にない!」

2011年04月24日 | Weblog
 最近特に、朝方目が覚める。
 時計を見ると、午前5時だったり6時少し前だったりする。

 ぼんやり天井を眺め、あれやこれや色々と考えを巡らせる。
 当然、結論など出るはずもなく、寝ようと諦め、蒲団の中で何度も寝返りをうつうちに、また浅い眠りへと入ってゆく。

 今朝もそういう感じで、明け方近くに悶々と蒲団の中で思案に耽(ふけ)り、暫らくしてまたいつの間にか眠ってしまった。

 今日の日曜日も、ぱっとしない曖昧な天気。
 一週間の週間天気予報を見てみたら、ずらーっと傘マークが並んでる。梅雨かよ、ったく。
 車を出して、東部方面にあるラーメン屋さん。
 昼時だったからか、お店は結構混んでいて、入った瞬間に携帯が鳴った。
 ソウルメイトの一人からメールが入り、国際芸術センター青森に来ているアーティストと逢わせたいので今から来ない? とのお誘い。山の方は天気がいいよーとも。

 でも今日も何かと忙しく、申し訳ないとお断りの電話を入れ、大もり太麺のラーメンを啜った。
 お腹もいっぱいになったので、今度は帰路の途中にある「ブック・オフ」に立ち寄って掘り出し物のCDを物色。

 レニー・クラヴィッツと黒人系ソウルのアルバム、合わせて3枚を買って、最後はショッピング・モールに寄って、ネーブルオレンジを大量にカートに入れた。
 最近、ネーブルオレンジにハマっている。
 これ、本当に美味しい。

 第一、 タネもないし内皮ごと食べられるので面倒臭さがない。
 分厚い外皮に果物ナイフで4か所切り身を入れて剥くと簡単に頬張る事が出来る。
 毎日、2個は食べている。

 今日は午前中にスポーツジムにも寄り、軽く走って汗を流して来たので身体も思いのほか軽い。
 それにしても、コロコロと天気が変わる一日だ。秋みたいだ。
 雨が降ったと思ったら突然晴れ間が覗き、そうかと思うと雲が瞬く間に広がり、風も強い。

 休日になると、いつも、心の奥の方に棘が刺さっているような、胸を軽く締め付けられるような、そんな感覚に襲われるから嫌になる。
 それって、完璧な一日を求めているからだろうか?
 人生の中における、幸せで温かで輝くような最高の一日を求めてやまないからだろうか? それとの余りにかけ離れた現実の生活に落胆し、拭えないほどの絶望感を覚えるからだろうか?

 ニューヨークの緑色に煙るセントラル・パークの木々を眼下に眺める、一面硝子張りの豪華な高層マンションで春の優しい太陽の光に目覚め、隣でまどろむブロンドの美女を眺めながら美味いコーヒーを飲み、明日から訪れるパリやロンドンやローマの旅をふと想う・・・。
 それが現実になったとしたら、その時俺は心の底から幸せを感じ、生きていることに震えるほどの感動を覚えるのだろうか?

 あるいはまた、何かの仕事の会議中、「こんな組織、今すぐ辞めてやる!」と啖呵を切り、その場で辞表を提出し、周りのみんなからさすが凄いねと思い切りの良さに称賛を浴び、辞めた後に頑張って書いた小説が大手の出版社の目にとまり、その本が大ベストセラーに輝き、物凄い印税が入って、小説家としての類い稀なる地位を確立した時、俺は達成感に打ち震え、生きて来た事に心からの感謝をするのだろうか?
 
 宝くじで3億円が当たったら、それで満足するんだろうか?
 研ぎ澄まされた肉体を手に入れ、歳を取っても若々しい姿を維持する事が出来たら、俺はあと何もかも一切望まないのだろうか?
 仕事を辞めたら? 憧れの女優と恋に落ちたら? これから書いた詩と曲が認められていきなり遅れて来たロックスターになることが出来たら?

 俺はいったいどうしたら人生に満足できるんだ?
 心が震えるような、幸せに震えるような、そんな一日を過ごす事ができるんだ?

 ない。
 そんな一日なんてない。

 あなたが思っているような、そんな素晴らしい日は、ない!







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「あらかじめ失われた4月の街へー」

2011年04月23日 | Weblog
 金曜日、何故か早めにホテルでの担当者会議が終了し、久しぶりに定時での退勤。
 空は雨が上がって、寒々とした雲が覆っている。

 自転車を漕いで「青森県観光物産館」アスパムまで。
 新幹線全線開通が4月29日と発表されはしたけれど、まだそれまで一週間もある。当然、アスパムの中も閑散としていて、観光客の姿はまったく見当たらず、閉めているお店もちらほら見受けられる。

 鞄に詰め込んだ新聞数紙と村上龍の新作小説「心はあなたのもとに」、それからコミック「ワンピース」、最新の「ミュージックマガジン」を、アスパム2階の海を見下ろす硝子越しのカウンターに腰掛け、読み耽る。

 この場所が好きだ。
 北に広がる陸奥湾、その先の下北半島と対岸の津軽半島、そして目線の真っ直ぐ先にあるはずの北海道の大地・・・。
 それらを眺めながら、僕はこの場所に陣取って、よく本を読んだり、雑誌を眺めたり、あとは何も考えずに珈琲を飲みながらぼんやりと過ごすことがある。

 ホール内には、青森県内の各市町村観光PRコーナーが設けられていて、ビデオでは県内の四季や祭りの模様を捉えた映像が何度も何度もリピート放映されている。
 今日は、僕のほかに中年の男性が一人だけ。
 その男性は、ヒバ材で造られたテーブルに顔を埋め、じっとしたまま動こうとしない。旅行鞄も持っていないようだから、観光客ではないようだ。どこか辛そうに見える。

 静かなアスパム。
 金曜日の夕暮れ時の、とても穏やかな海が見える。
 寒いからか、それとも雨が降っていたからか、いつもは散策する人たちで賑わう海辺のデッキにも人影はない。

 でも、アスパム横の広場では、早くも「ねぶた団地」が作られ始めている。
 骨組みが組まれ、次々とねぶた小屋が出来てゆく。
 もうそんな時期がやって来たのか・・・。まだ春の感触も掴めていないのに。

 なんだろう、この言いようのない寂しさは。
 胸が締め付けられ、無性に誰かに逢いたくなる。
 読み掛けの「心はあなたのもとに」を鞄に仕舞い、ひっそりとしたアスパムの2階から降りると、自転車に乗って中心市街地へと向かった。

 今日は金曜日。
 近辺の居酒屋や飲み屋さんに、次々と人が飲まれてゆくのを横目で眺め、新町通りの交差点。
 これから何処に行こうか・・・。
 Sデパート向かいのDコーヒーの2階で、さっきまで読んでいた小説の続きでも読もうかな、そう思っていた瞬間、向かい側から腕を組んで歩いて来たカップルが1組。
 「おおーっ」と声を掛けられた。

 友人だった。
 夫婦でぶらりと近くのお寿司屋さんまで来たのだとか。「一緒に飲まない?」と誘われる。
 ところが何処も彼処も満員状態。さすが花の金曜日。

 近くのワインハウスが一席だけ空いていたので、そこに3人で入り、まずは生ビール。
 ピザに、パスタに、それから赤ワイン。

 携帯に電話が鳴った。
 引っ越しを急遽することになってしまったという、ソウルメイトからの近況報告。
 また席へと戻って、日頃溜まりに溜まった倦みを吐き出した。

 友は欠かせない。
 何でも話せる友がいるからこそ、何とかこの荒波を漕いでゆける。そう思う。
 結局、友人の奥方が僕たちに遠慮して気遣いの退席。
 男同士で、他人には絶対言えない、友人だからこそ話せる話題に盛り上がる。
 久しぶりに2人でワインを2本空けてしまった・・・。

 家に帰って爆睡。
 朝起きたら、携帯に別の友人2人から着信履歴。昨日はみんな飲みに出ていたんだろう。
 今日(土曜日)もまた、憂鬱な空が広がっている。

 寂しさや虚しさが、襲って来る。
 でもそれは、激しくて悶え苦しむというほどのものじゃない。

 仄かで、冷たい一滴・・・そんなふうな、とても微かなものではあるけれど・・・。






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SUMMER SONIC 2011のヘッドライナー「ストロークス」の最新アルバム「ANGLES」を聴く。

2011年04月22日 | Weblog
 ロックでいたい。
 ロックンロールな自分でありたい。
 そう思う。
 ロックは、自分にとっての拠り所であり、生き方であり、人生の指針でもある。

 だから、自分が苦しさに塗れる時、哀しさや淋しさに襲われる時、辛い時、苦しい時、行き詰った時、ロックにすがり、ロックを激しく求めてしまう。
 ロックは思想なのだ。ロックは人生なのだ。
 だからロックって凄いのだ。

 そのロックという音楽で、僕は救われ、励まされ、鼓舞され、生きる力を貰って来た。
 心から感謝している。ロックという音楽に。そして、その生き方に・・・。

 「ストロークス」のニューアルバムが出た。
 SUMMER SONIC 2011のヘッドライナーにも決定した「ストロークス」。
 そのバンドの2006年リリースされたアルバムから、5年振りとなる新作4thアルバム「ANGLES」が発売された。

 僕は、「ストロークス」をこれまで聴いてこなかったという負い目がある。
 ロックの師匠であるK君の導きで、これまで自分の中でスポットライトを当ててこなかったロック・アーティストのアルバムを聴き始め、新たな開拓をしてきた中で、この「ストロークス」というロックバンドに巡り合えたのだ。
 ロックって、奥が深い。
 
 今作は、バンド自らによるプロデュースである。
 シンプルなフレーズが心地よく、パンクっぽい曲があったり、レゲエっぽい曲があったり、ノイジーでストレートなロックチューンがあったりと、ヴァラエティに富んだアルバムとなっている。

 「ローリング・ストーン」日本版や、「ロッキング・オン」での音楽評においてもその評価は高いものがある。
 ただ、「ミュージック・マガジン」だけはそうでもなかったけれど(それにしても最近の「ミュージック・マガジン」は面白くない。日本のロックバンドを中心に取りあげているようだけど、地味過ぎて線香臭いのだ)。

 まあ、それはどうでもいいとして、最近は「ストロークス」の「ANGLES」が頻繁に僕のターンテーブルでは掛かっている。
 最初はちょっと「何これ?」という感じだったのだが、スルメのように噛めば噛むほど味が出て来るのだ。

 あれほど一時期聴き狂っていた邦楽を、今はほとんど聴いてない。
 とにかく、欧米のロックを聴きまくっている。
 ほとんど病気と言っていい。

 この乱高下。自分の精神状態と深くシンクロしているのだと思う。
 俺から音楽を取ったら、マジで死ぬしかない。
 それほど、ロックって自分の中で無くてはならない貴重なものなのだ。自分にとって。








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映画「4デイズ」が上映延期だそうな。それから「世界侵略:ロサンゼルス決戦」も延期しちゃった。

2011年04月21日 | Weblog
 今日は朝から雨模様。
 木曜日もまた大忙しの一日となった。
 午前中の某会議はマスコミを含めテレビカメラも回り、ちょっと重苦しい雰囲気に包まれる。
 会議が終わったら、さすがにぐったり。疲れた・・・。

 そんなことより、サミュエル・L・ジャクソンが尋問スペシャリストを演じた、サスペンス映画「4デイズ」が、今回の東日本大震災の影響を受け、上映延期となってしまったのだとか。

 この映画、一風変わったサスペンス&アクション映画で、なんというか、奇作、怪作の類に属する一本といっていい(最近、なんかこの手の映画をよく観るんだよなあ)。

 主役のサミュエル・L・ジャクソンという俳優も、なんでもありのワーカホリック・アクターだし、監督が「戦争のはじめかた」などを撮ったグレゴール・ジョーダン、FBI捜査官役が、あの「マトリックス」シリーズのキャリー=アン・モスということもあって、見た目は手に汗握る面白そうなアクション映画ということになるのだろうけど、実際は摩訶不思議な暴走気味の奇妙な一品になってしまった。

 でも、こういう映画を偏愛している映画ファンっているんだよねえ、巷には。
 例えば「映画秘宝」なんかを毎月マメに読んでるような人が。

 イスラム系アメリカ人テロリストが、アメリカ国内の3か所に核爆弾を仕掛ける。
 そして、その爆弾は4日以内に爆発するらしい。
 そんな中、FBI女性エリート捜査官キャリー=アン・モスのもとに、吐かせるためには手段を選ばない尋問のプロであるサミュエル・L・ジャクソンが召喚され、逮捕した男性テロリストへの過酷極まる尋問が始まるのだが・・・。

 いやはや何とも。
 とにかく、延々と拷問シーンが続いてゆく。
 ああだ、こうだと、FBI女性エリート捜査官キャリー=アン・モスと尋問のプロであるサミュエル・L・ジャクソンが怒声を浴びせ合うシーンと、密室での会話がほとんど。

 監督と脚本家の真意はたぶん、テロリストがアメリカ国内3か所に核爆弾を仕掛けたその場所を聞き出すための駆け引きを、映画のメインに据えたかったのだろう。
 そこに生じる緊張感と手に汗握る頭脳戦を描き切ることで、爆発までのタイムリミット4日間が生きてくる。
 そんなふうにグレゴール・ジョーダンは考えたんだと思う。

 ところが、そこが全然描き切れない。
 まあ、サミュエル・L・ジャクソンの拷問の手法を見せられてもなあ。ちょっと辛い。
 そういうチープなところが美味しいという観客もいるのだろうげと・・・。
 奇作、怪作であることには変わりない。
 
 そして、クリント・イーストウッドの最新作「ヒア アフター」が3月14日より順次上映終了となったことに相俟って、「唐山大地震-想い続けた32年」もその内容から鑑みて上映延期の憂き目に会い、本来ならば4月1日から全国一斉ロードショーされるはずだった、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」や「サンクタム」までもが延期となってしまった。

 仕方がないといえば仕方がない事だけれど、ここらへんで自粛ムード自体を解禁して、もう少し寛容な見方をとることも必要なのではないか。

 別に、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」や「サンクタム」が観たいという単純な心理ではなくて・・・。







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「Whatever People Say I Am Thats What I Am Not」

2011年04月20日 | Weblog
 雪が降っていた。
 その寒い火曜日の夜は、青森駅前にある馴染みのラーメン屋さんに独り入り、カウンターに腰掛け、ビールを大瓶で2本飲みながら、美味しいアンコウの共合えとチャーシューをネギと混ぜて作ったオツマミをつまんだ。

 集い始めた仲間たちと会話をしながらの晩酌としゃれ込む。
 カウンターの上に設えてある地デジ対応もしてないテレビ画面では、福島原発事故関連のニュースが流れている。

 少し酔いが回り、県内に住むソウルメイトからの電話を取り、季節外れの冷たい雪が降りしきる外へと飛び出し、真っ暗な駅前公園の辺りに目をこらしながら、何分かの会話を弾ませた。

 朝は雪が降っていなかったので、仕事場まで自転車を漕いで行ったのだけれど、今日も一日何かと忙しく、タクシーを駆使して市内を駆けずり回ったので、自転車はそのまま仕事場の駐輪場に置いてきてしまった。
 なので、ほろ酔い加減のまま歩いて家へと帰った。

 また、こうして一日が終わってゆく。
 仕事がとても忙しく、だからといって、自分の自由な時間も捨てることは絶対に出来ないので、そうなると眠る時間を削り取るしかほかに術(すべ)などあるはずもなく、疲れだけが段々と蓄積されてゆく・・・。

 雪の降る寒い夜道をとぼとぼと歩きながら、ふとまた考える。
 退職金で残っているローンを全部精算し、差し引いたお金で食い繋ぐとしたらあと何年間持つんだろ?
 例えば、大学院に入り直して好きな勉強に打ち込みながら遣りたい事をやるとしたら、お金は何年間で底をついてしまうんだろ?
 
 東京に出て、新聞配達をしながら学校に通うのはどうだろう?
 僕は実は新聞配達が大好きなのだ。
 中学校の時も、高校生の時も、東京に住んでいた大学の時も、僕はちょくちょく新聞配達をしては小銭を稼ぎ、それを夏休みや冬休みの旅行代に充てていた。

 その貯めたお金で高校時代、僕はピンクフロイドなんかのロック・コンサートを東京まで頻繁に観に行ったり、何日間も上京して色んな場所を巡り歩いたりしたものだった。

 新聞配達のアルバイトって、絶えず体を動かして心地よい汗が掻けるところが魅力だ。
 それに早朝の空気はとても美味いし、第一、清々しい朝の街を走りながらお金を貰えるなんて、こんないいアルバイトほかに無い。

 ただ、雨の日や台風の日、雪が積もった日なんかは確かに辛い。
 それに、毎日朝が早いというのはキツいし、休みも月イチでそれなりにハードではある。
 でも、なんてったって、人間関係の煩わしさはないし、ひたすら身体を使った単純作業というのが素晴らしい。ストレスもないしね。

 ・・・そんなことを考えながら、暗闇から真っ白な雪が吹き付けるのを耐えながら家路を急いだ。
 普段は平静を保って活き活きと仕事をしているように見えるかもしれないけど(見えないかもしれないけど)、そんなの、誰がなんて言おうが、本当の自分なんかじゃない。

 そして水曜日。
 積もるのかと思っていた雪も今朝はなく、空は曖昧に晴れている。
 NHK朝のテレビ小説「おひさま」を観終え、徒歩で仕事場へと向う。

 フランスの「アレバ」という大手原子力企業の女性社長の記者会見の模様がテレビに映っていた。
 東電の要請で、放射性物質濃度汚染水の処理施設を福島第1原発内に設置する方針らしく、特定の化学物質を使って放射性物質を取り除き、1時間当たり50トンの処理が可能で、汚染濃度は1000分の1~1万分の1までダウンさせることが可能らしい。
 凄い。

 それより吃驚(びっくり)したのが、「福島」から来たというただそれだけで、来店拒否したり差別的な行動に出る人たちがこの日本に出始めているのだという。
 なんなんだ?
 腹がたって仕方がない。
 これだって、一種の風評だろう。

 どうしようもないな、ったく・・・。





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フジTV月9ドラマ新番組、香取慎吾+黒木メイサ共演のラブコメ「幸せになろうよ」。まずは及第点。

2011年04月19日 | Weblog
 月曜日、ぽかぽか陽気でやっと春らしくなって来たと思っていたら、続く火曜日は朝から今にも雪が舞い降りてきそうな寒さに襲われた。天気予報でも、夕方からは雪に変わるのだとか。とにかく寒い。執務室もぶるぶる凍えるくらいに寒い。

 と思ったら、本当に夕方遅くになって雪が降って来た。
 雪!
 4月も下旬近くになって、街に雪が降っている!
   
 そんな中、昨日4月18日月曜日は、午前中に黒石市にある板留温泉から102号線を走って青森市へと入った。
 真っ青な空を背景に、真っ白な雪を被った岩木山が聳(そび)えている。
 のどかな春の田園風景。爽やかな春風。輝く太陽の光・・・。
 それが一転、今日は冬へと逆戻り。
 4月30日には東北新幹線が全通再開される予定なのに、弘前公園の桜はちゃんと咲いてくれるんだろうか・・・。

 そして、春ともなるとテレビでは新番組がそれぞれスタートし、とても賑やかな状況が続いてゆくことに。
 月曜日は何と言ったってフジテレビの月9、いわゆる夜の9時から始まるドラマに注目が集まる。

 僕は、前回の月9ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」を高く買っていた。
 久々に観た、骨太の素晴らしいドラマだったと思っている。
 最近は、ずーっと月9らしいドラマが減り、低迷期が続いていたように感じていたから、なおさらドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」の健闘が光っていたのかもしれない。

 ただ、残念なことに、その最終回を見逃してしまったのだ。
 青森県は、北海道に近い下北地方の一部や岩手県に近い八戸地方を除いて、基本的にフジテレビ系列が入らない。なので、僕はケーブルテレビに加入して、毎日フジテレビ系とテレビ東京系の番組を堪能している。もしもこれらのキー局の番組が入らなくなったら、ほんと失意に暮れてしまうことだろう。
 でも青森の地方局でも、たまにフジとテレ東の番組を数週遅れで流すことがあり、僕はそれに期待したのだが、残念至極、「大切なことはすべて君が教えてくれた」はオンエアされることがなかった・・・。
 あとはDVDの発売を待つしかない。

 4月18日は、「大切なことはすべて君が教えてくれた」に続く新ドラマ、「幸せになろうよ」の第一回目が放映される日。
 急いで、オンエアに間に合うように家路を急ぐ。

 今回の「幸せになろうよ」は、「SMAP」の香取慎吾主演のラブコメもので、共演が黒木メイサ。
 それに、主題歌も「SMAP」による「not alone〜幸せになろうよ〜」で、脚本が、あの名作ドラマ、木村拓哉主演の「エンジン」や「白い巨塔」を書いた井上由美子なのだ。
 これは期待出来そうである。

 例えば、「幸せになろうよ」の冒頭シーンなんかを観ても中々巧い構成になっていて、それは謎めく黒木メイサが派手な洋服を身に纏って次々と大枚を投げ打ちショッピングしまくるというシーンなのだけれど、視聴者サイドにしてみると、黒木メイサなる人物設定が初めなのでよく解らず、いい意味で混乱を生じさせ、次なる展開が予測できないという効果を生み出している。
 さすが、こういうちょっとしたところ、脚本家の井上由美子は巧い。

 主演の香取慎吾は32歳で独身。
 大学時代はラグビー部で活躍していたのだが、ずっと好きだった女性を友人に取られ、その失恋が今でも尾を引いていて、現在は、結婚相談所「B-ring」のアドバイザーをしているという設定になっている。

 その香取慎吾が勤めている結婚相談所「B-ring」に、ある日、謎の美女黒木メイサが結婚相談に訪れるというところから物語はスタートする。
 それが冒頭シーンの、黒木メイサが派手な洋服を身に纏って次々と大枚を投げ打ちショッピングしまくることと繋がってゆく。

 「幸せになろうよ」、好発進である。
 肩の凝らないラブ・コメデイというのだろうか、ここからよくあるパターンとしての三角関係、四角関係、すれ違いと誤解から生じる出会いと別れなんかがドタバタで繰り広げられてゆくのだろう、たぶん。

 これもまた、本来の月9ドラマの定番である。
 何とかここで、フジテレビの月9ドラマも完全復活して欲しいのだが・・・。






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雨降る休日。仕事の合間をぬってアウガAV多機能ホールで「ささきまこと一人舞台 中年の主張」を観る。

2011年04月18日 | Weblog
 朝から雨が降っている。
 どんよりとした雲が空一面覆っている。

 4月17日土曜日。
 今日も朝から携帯が鳴る。
 仕事で担っているある懸案が、数日前から新聞やテレビを賑わしていて、それに関連する様々な関係者から引っ切り無しに電話が掛かって来るのである。

 2台持っている携帯の電源が、瞬く間に無くなってしまう。
 朝、個人的な所用を足すために市内を車で周っていると、「今すぐ来て!」との上司からの一報。
 海の近くにあるオフィスに寄って、そこから急いで別のオフィスへと車を飛ばした。
 まだ時間は朝の10時。
 早起きをしていると、何となく普段よりも時間をたくさん使っているような気分に陥るから不思議だ。

 土曜日の午前中だけで、3日分の仕事をこなしたような感じがする・・・。
 お昼、一旦、家に戻り、鉛のように重い身体を沈め、暫しの休息を取った。

 目を瞑る。
 眠りに落ちそうになる自分を何とか奮い立たせ、「よしっ!」と気合を入れて立ち上がり、もう一度車を車庫から出して、今度はアウガへ。

 ここ1年間の間、365回×2回以上(いや、ほんと)この場所に来ているのではないだろうか。まあ別にどうでもいいけど・・・。
 車をアウガの駐車場に入れ、若干の仕事めいたミッションをこなし、ビル西側に隣接しているオープンして間もないラーメン屋さんに飛び込んで、美味しいラーメンとお握りを頬張った。

 今日は、このビル5階にあるAV多機能ホールで、「ささきまこと 一人芝居 中年の主張」が開催されている。
 ささきまことさんとは、僕が当時「朝日新聞」の青森版に連載していた「ゆきのまち考現学」の中で彼が出演する芝居を取りあげたことから、その後何度か手紙を貰い、そこからちょっとした交流が始まったのである。

 この「ささきまこと 一人芝居」シリーズを観る事を僕はいつも楽しみにしていて、必ず、ささきまことさんは近況報告に添えて次の日程を手紙に認めてくれるので、そのことでも彼には凄く感謝している。

 今回もアウガAV多機能ホールは満員状態。
 僕はギリギリ間に合ったので、仕方なく、入口からすぐにある一番前の一番端っこの席に腰を降ろした。
 観客の大半は中高年。それも女性客が大半を占めている。

 オープニングは、本人がデュエットしながら歌っている「新幹線に乗って」のPV。
 ところがこの映像が中々いい。
 青森の中心市街地をバックに歌ってゆくのだけれど、どこかほのぼのとして牧歌的なレイドバックした雰囲気を醸し出しているのだ。

 今回のネタ(演目)は全部で10。
 その中に、中年女性メンバーによる「かまりこ商店街婦人部」というコントが挟まる。
 ところが、これがまた面白い。
 津軽弁を駆使して、全員がとぼけまくる。会場も大笑い。
 「かまりこ商店街婦人部」だけのステージもいつか観てみたい。

 個人的に、ささきまことさん本人のネタでは、女性にモテないオタク男性が独白する「婚 活疲労外来」が笑わせてくれた。
 それと「津軽降雪と三八上北フォークライブ」も面白かった。

 ささきまことのパフォーマンスは、この街に暮らす人のみが理解出来る自虐ネタで構成されていて(当然、そうじゃないネタもあるにはあるけれど)、そこがまた何とも言えないいい味を出しているのだ。
 笑いの中にある切なさとか淋しさが、妙に心の奥の襞(ひだ)をくすぐるのである。津軽独特の怨念やコンプレックスが、その中に隠されていると言ったらいいのだろうか。

 最近、とても疲れていた。
 精神的にも参っていた。
 でも、今日は「ささきまこと一人舞台 中年の主張」でちょっと元気になった気がする・・・。





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鬼才マイケル・ ウィンターボトム監督による最新作映画「キラーインサイドミー」を観る。

2011年04月17日 | Weblog
 監督をマイケル・ ウィンターボトムが務めるという、映画「キラーインサイドミー」。

 マイケル・ ウィンターボトムは、とても器用な監督である。
 イギリスの作家、トマス・ハーディ(僕はこの作家が大好きで、一時かなりハマって貪り読んだものだ)の原作、「日陰のふたり」を撮ったかと思うと、ロックの世界で生きる人間模様をスタイリッシュに描いた「24アワー・パーティ・ピープル」を作ってみたりもする。
 「イン・ディス・ワールド」や「マイティ・ハート/愛と絆」なんかもそうである。

 つまり、マイケル・ ウィンターボトムという監督は、色んなところにアンテナを張り巡らし、ジャンルにこだわることなく好きな映画を自由に撮って来た監督とも言えるし、逆に、映画会社上層部の意向を出来る限り汲んで、職人のように何でも器用に映画を撮り続けて来た稀有な監督だとも言える。

 そして今回は、作家ジム・トンプスンの犯罪小説「おれの中の殺し屋」(内なる殺人者)を映画化した。
 ただし、僕はその「おれの中の殺し屋」(内なる殺人者)を読んではいない。

 主演は、「ジェシー・ジェームズの暗殺」、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」(この作品、意外と面白かった)のケイシー・アフレック。共演がジェシカ・アルバ(可愛いよね、好きっ)、ケイト・ハドソンである。

 物語は、田舎町で好青年と評判を取っている保安官が、それまで内に秘めていた殺人衝動をある行為を切っ掛けにしてから目覚め始め、次々と凶行を繰り返してゆくという内容だ。
 50年代のアメリカテキサス州。
 何もない平凡な田舎町で保安官助手を勤めている主人公(ケイシー・アフレック)は、街での評判もすこぶる良く、誰からも慕われる好青年として通っている。

 彼は、幼馴染のケイト・ハドソンと親密な交際を続けているのだが、ある日、地域の住民から苦情を受け、売春婦ジェシカ・アルバを訪ねることとなる。
 その彼を、単なる客と勘違いしたジェシカ・アルバとの奇妙な諍(いさか)いがもとで、ケイシー・アフレックの中に、それまで心の奥底に眠っていた暗い狂気の闇が激しく湧き上がって来るのだが・・・。

 全編を貫く乾いた雰囲気。
 それが、1950年代アメリカ片田舎の長閑(のどか)で気だるい風土と、主人公の狂気と暴力が絡まり合う事で醸し出されてゆく。

 とにかくケイシー・アフレックの屈折した内面を巧く表現した演技力と、ケイト・ハドソンの武骨な愛を心に深く秘めた動きと、ジェシカ・アルバの一途な想いが発露される表情が、この映画を最後まで引っ張る。

 全米テレビドラマ「メンタリスト」で人気沸騰のサイモン・ベイカーが、クールな警察官で登場していて、この人の登場もまた、この猟奇的な犯罪ドラマに重量感を与えることに貢献している。

 映画は、最後の最後で大きなひねりを観客の前に提示する。
 こういう展開になるとは、ちょっとびっくりした。
 でも、皮肉の効いた、ある意味で女の強さと誇りと健気を感じさせるラストとなっている(もちろん、ネタバレになるので言えませんが)。

 この「キラーインサイドミー」の映画を観に行こうとする際、そこに本格推理や、緊張感溢れるサスペンスや、感動や華麗なアクションを求めるのなら、それはハズレである。
 ここにあるのは、人間の哀しい業だったり、叶わぬ愛だったり、果てない欲望だったり、出口のない絶望感だったり・・・そういう類いのものだ。

 この映画には、息苦しいほどの閉塞感が流れている。
 でも、それがこの映画を面白くしている、とても大きな要素となっているのである。






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「進撃の巨人」第四巻を読む。なんか、三巻までの怒涛の如き迫力が全然感じられないんだけど。

2011年04月16日 | Weblog
 最近、今更ながら「ワンピース」を読み始めている。
 恥ずかしいことに、コミック第二巻までしか進んでいないので、まだまだ追いつくまでの道のりはとても遠い。

 本当なら、毎週・毎月、コミック誌を買って読んでいれば、それなりに面白い漫画、面白くない漫画を識別できるだろうけど、忙しくてそこまでの時間がない。
 なので、雑誌なんかで評判を呼んだ作品を、コミックで買い求めることが多くなってしまった。

 でも漫画好きの醍醐味って、最新号の漫画誌を丁寧に読み続けることにあるんだけどね、本当は。
 本屋さんなんかで、立ち読みしてぺらぺらページを捲ることもよくあるれど、連載ものなんて毎週読んでるわけじゃないので、全体のストーリーがよく分からず、結局その先に進まず放り投げることになってしまう。
 なので、近頃は漫画を読むこと自体ほとんど無くなってしまった。

 その中にあって、第一巻から第三巻まで一気に読んだのが、今話題騒然の諌山創による、「別冊少年マガジン」(講談社)で連載中の人気マンガ「進撃の巨人」だ。
 コミック各巻が各々100万部、累計でなんと400万部を突破した。

 一気呵成に突っ走る、そんな迫力がこの「進撃の巨人」には感じられ、早く続きの四巻が出るのを心待ちにしていたのである。
 
 これまでのストーリーを掻い摘んで言うと、突然現れた謎の巨人たちによって人間たちは次々と捕食され、生き残った人間たちが巨大な壁を築き上げ、その内側で安全に暮らしていた。
 壁の内側、「ウォール・マリア」というエリアで父と母、幼馴染のミカサ・アッカーマンと暮らしていた少年、エレン・イェーガー(この少年が主人公ね)は、ある日突如、超大型巨人の出現により壁が崩され、多数の巨人が市街地に侵入するのを目撃する。

 圧倒的な巨人の力の前に、母を失ってしまったエレンは巨人への復習を誓うのだが、5年後再び超大型の巨人が出現し、人類の精鋭兵士たちは次々に敗れ去って命を落とし、新兵となって巨人たちと戦っていたエレンもまた捕食されてしまう。

 ところが、突如巨人を攻撃する別の巨人が現れる。
 その強靭な力で次々と巨人たちを打ち倒してゆくのは、なんと死んだはずのエレンだった・・・。

 そして、物語は第四巻へ。
 期待しながら読み進めていったのだが、今回は主人公と、それを囲む主要キャラクターたちの相関図を丁寧に描くだけで、物語自体の大きな盛り上がりや、これまで圧倒的な迫力で描かれてきた戦闘場面はほとんどない。

 確かに、ここらで小休止してきちんとキャラクターを描くことで、物語を一度再整理することは必要なことだと思う。
 必要だとは思うけれど、そこを巧くこなして行くのがプロの漫画家たる力量なのではないか。

 漫画自体を盛り上げつつ、きちんとキャラクターたちの人間模様も同時に見せるということが重要なのだ。
 傑作漫画って、そういう部分の描き方が抜群に上手い。
 つまり、動と静がちゃんとマッチングして進行してゆくということに尽きる。

 それとこの「進撃の巨人」。
 作者である諌山創の描く漫画って、正直あまり巧くないのだ。どちかというと下手なほうだと思う。
 そうなると、顔や表情の描き方が少し大雑把で解りづらく、主人公とほかの登場人物が差別化出来なかったり、「こいつ誰だっけ?」と、前のページを見直すことも多々あった。
 読んでいてストレスを感じてしまうのだ。

 まあ色々と批判めいたことを述べましたが、それだけ「進撃の巨人」には期待が大きいということでもある。
 次の新たな展開に期待したい。
 





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