【キース・リチャーズになりたいっ!!【日本映画編】 ~この厳寒の街、青森で生きてゆくということ~ 】
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【キース・リチャーズになりたいっ!! 音楽編 ~この厳寒の街、青森で生きてゆくということ~】
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8月13日。
考えられないほどの暑い日が続く、青森市。
朝起きて、サンドイッチと珈琲を飲み、文庫本を2冊バッグに詰め込んで旅支度。
今日から6日間の東京だ。いつもの恒例「夏フェス」である。言わずと知れた「サマーソニック」!
朝の7時台だというのに、もう熱波が纏わりつく。駅までの道を歩いたのだけれど、すでに汗が滴り落ちて来る。
8時台の新幹線に乗り込み、東京駅へ。
着いてプラットホームに出る。ところが、暑いことは暑いけど、何となく青森のほうが暑い気が・・・。勘違いだろうか?

それにしても「サマーソニック」、毎年行っていて、ここで最後の夏を堪能することが個人的なルーティンになってしまったようだ・・・。
でも、「夏フェス」って本当に楽しい!
今回は8月16日と17日の2日間の開催となる。
毎年変わらずいつものように、同じロック好きのK君と一緒の参加。東京駅の改札口で待ち合わせて、「海浜幕張駅」」へと急いだ。
駅を降りると凄い人! 人! 人の波!
今日のオープニング・アクトが「SixTONES 」で明日が「Mrs. GREEN APPLE」ということで、たぶん彼らのファンなんだろう、凄まじい数である!

始まった11時からすでにスタンドは超満員!
こっちは別に今日のオープニング・アクトの「SixTONES 」も、明日の「Mrs. GREEN APPLE」も特段興味はないのだけれど、スタンドのてっぺんに陣取って生ビールを飲みながら鑑賞す。

あとは、「ビーチ・ステージ」まで行ったり、そこから「幕張メッセ」側の会場に駆け込んだりと、なんと2万歩以上も歩き回って足が痛い。
色々観たけれど、日本の女性3人組メタルダンス・ユニット「BABYMETAL」と、 久しぶりに観た「RIP SLYME」が特に良かった。

しかし、それらのLIVEを凌駕したのが、2日目のヘッドライナー、「アリシア・キーズ」だった!
素晴らしかった。
正直に言っちゃうと、なんで今頃アリシア・キーズ? と内心思っていたのだ。もちろん、大好きな女性SOULシンガーで、アルバムもほとんど持ってはいるけれど、もっと旬のアーティストが観たかったと思っていた。

ところが・・・。
これが期待を裏切る(期待通りか)神憑りのパフォーマンス!
観ていて(聴いていて)不覚にも涙が零れてしまった。
ここ数年で観た中でベスト・LIVEかも!
いやあ、生きていてよかったわぁ・・・。
堪能いたしました。2025年の「サマーソニック」!
来年も絶対に来るぞ!
そういえば、ふと思い出した。
体力と気力に満ち溢れていたあの頃、「ハーフマラソン大会」にエントリーしていたものの、仕事が忙しくてまったく練習が出来ず、慌てて大会前日に同じコースを21キロ走り、そのまま翌日の本番に臨んだことがあったっけ。
それから「八戸うみねこマラソン大会」だったと思うけれど、一度も途中給水せずにゴールし、それでもまだ走り足らず、もう一度コースを走ろうかと本気で思ったこともあった気がするな。

それが今は、土日ちょっとばかり無理してジムでハードなエクササイズをこなしたあと、ランニングマシンで強めの走り込みをしたりすると、月曜日の朝、たぶん疲労からなのだろう、辛い腰痛に襲われたりするから困ったものだ。
やれやれ・・・。

そういう自分自身が歯がゆくて、心底嫌になるけれど、何とか気合を入れ直してジムへとまた通い、炎天下の下、ランニングを繰り返す。
でもそんなとき、励みになるのがやっぱり「音楽」だ。
それも最近は、70年代あたりの日本のアーティストの懐かしいアルバムを聴くことで、それを「力水」にかえている自分がいる。

これって、単に年を取ったということなんだろうか?
昔は輝いていたって思いたいだけなんだろうか?
昨日もまた、懐かしい「センチメンタルシティロマンス」を聴き、「サディスティック・ミカ・バンド」を聴き、「高中正義」のファースト・アルバムを聴き、「鈴木茂」の「バンドワゴン」を聴き、そこから「はっぴいえんど」、「ティンパンアレイ」と聴き続けていった。

確かに、懐かしさと一緒に、きらきらしていた(ように感じる)あの時代のことをとても懐かしく思い出す。
青春だったんだ。
でもなあ。
本当に光輝いていたんだろうか、あの頃の自分自身って・・・。

なんてことを、疲労からくる腰痛を労わり、独り夏空を仰ぎながら考える。
もう、今日で7月が終わるんだ。
明日からは8月だ。
気温が30度を超えた今日の青森市。
まだ、6月だというのに・・・異常である。
研究室の窓を全開にして仕事の作業に取り掛かった。
今度の土曜日は遂に「夏至」。その日を境にして昼の時間は少しずつだけれど短くなってゆくわけでして。
うーん、速い。

そんななか、最近劇場で観た映画の中でダントツだったのが、李相日監督の「国宝」だ。
この映画は良かった。
さすが「悪人」、「怒り」などの傑作を次々世に送り出してきた李相日監督である、武骨で堂々とした剛速球の映画である。
上映時間は3時間。
任侠の一門に生まれるも父と母を亡くし、歌舞伎役者の家に引き取られた喜久雄(吉沢亮)という主人公の凄まじい人生が語られてゆく。
あっという間の3時間。
とにかく素晴らしい!
ラストまでまったく息が抜けない。吉沢亮の圧倒的な名演技には溜息がもれる。
脚本が「八日目の蝉」の奥寺佐渡子。原作は芥川賞作家の吉田修一。
映画館も満員状態だった。久しぶりである、こんなに映画館が混んでいたのも。

ドラマもまたたくさん観たけれど、最近ではやはり韓国最新ドラマ「ナインパズル」だろうか。
10年前の殺人事件の唯一の目撃者であり、今は警察組織のプロファイラーとして働く主人公の女性と同僚刑事が、連続猟奇殺人事件の真相を暴いていく予測不能な本格心理サスペンスで、10年前の殺害現場に残されたパズルのピースと完全に一致する新たな別のピースが届けられる。そしてそれと同時に残酷な殺人事件が起こってゆくというノンストップ・サスペンス・ストーリーだ。
韓国ドラマにしては短い尺なので、一気に観ることが出来るだろう。
お勧めだ。

そして先日、映画館「シネマディクト」で観たのが、「片思い家族」。
東京にある古い一軒家で一緒に暮らす、美咲(広瀬すず)、優花(杉咲花)、さくら(清原果耶)の三姉妹の物語・・・ということで何の予備知識も持たずに観たのだけれど、途中から「そうきたか!」と唸ってしまった。
映画「花束みたいな恋をした」の脚本家である坂元裕二と土井裕泰監督 が再びタッグを組んだ作品で、観終わったその余韻も素晴らしい。
この映画、絶対ストーリーとか予め知らずに観たほうが絶対いい。

それから先週末、これまた「シネマディクト」で観たのが、前評判が凄く高かった映画、「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」。
ネットでの書き込みでもほぼ大絶賛で、これは観なければと思い、早速駆け付けたのだった。
主人公はパッとしない大学生活を送る小西という青年。
でも演じる萩原利久という役者があんまり好きじゃないので、最初ちょっぴり引いてしまった。
お笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介が2発表した小説「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」を実写化したラブロマンスという触れ込みで、前半観ていて、それまでの期待が大き過ぎた分、期待外れかなあと落胆していたら、途中、河合優実が登場したあたりから俄然面白くなってゆく。
ところがその一方、衝撃的な展開に呆気に取られていたら、そのラストでそれがすべて台無しに・・・。
これから観る人のためにネタバラしは出来ないけれど、このラストがなければ傑作になっていたかもしれないのに・・・残念!
別に毎日が楽しいわけじゃない。色々ある。
昨日もまた気の滅入るような電話で心が少し折れてしまった。でもしょうがない、こうやって人生は進んでゆく。嫌なことがあっても、愉しいことがあっても、そんなことにはお構いなしで時間は無慈悲に過ぎてゆく。
ただ、それだけのことだ。

朝方、4時前に悪夢で目が覚め、そのまま目を開けて白々と明けてゆく窓の向こうの景色を眺めていたら、また睡魔が襲って来て眠りに落ちる。
目が覚めたのは8時過ぎ。
玄関に朝刊を取りに行ってそれを蒲団の中で眺めながら、徐に起き上がった。
軽い朝食を摂って、今日は外を走ろうと決め、スポーツウェアに着替える。
ウォークマンで山下達郎の「カムアロングⅡ」を聴きながらゆっくりと足を踏み込んだ。
気温は25度。
少し走ると汗が滲んでくる。

いつものコースを今日は10キロRUN。
久しぶりのランニングということもあるのだろうか、身体が重い。アップルウォッチが1㌔ごとにキロ数とタイムを知らせてくれるのだけれど、今年の最低タイムが続いて、ちょっと辛い。
それでもなんとか10キロ走り切った。

家の中に入って冷蔵庫から冷たい水を出して一気飲み。生き返る。
汗が滴り落ちてきて止まらない。
でもこうして走り切ったことの充実感が堪らない。こうして生きてゆくしかないじゃないか。身体を鍛え、本を読み、苦しいことや辛いことを出来るだけ忘れ、心の中から放り出し、毎日をやり過ごしてゆくしかないじゃないか。
錆びるな。錆びるくらいだったら、燃え尽きろ。
それにしても・・・。
それにしても、人間というこの厄介極まりない動物と関わり合いながら生きてゆくことは、あまりにも難儀な問題であり、普通の神経では到底持たない、それほど大変なことなのではありますまいか。
そしてそういう自分もまた厄介極まりない愚かで姑息な人間だという、どうしようもない生き物です。
自分だけは品行方正でお天道様に対しても正々堂々と向き合える、そんな素晴らしい人間なのかと問われれば、当然にしてそんなことは一切なく、速攻で口ごもってしまいます。
これまで何度となく嘘をつき、陰では他人の悪口を並べ立て、都合のいいように立ち振る舞って来たことは、自分だって否定できません。
紛れもない事実だからです。

でも・・・。
でも、そんな自分にだってそれなりのささやかな規範や信念や信条は持っているつもりです。
それはM君だって同じではないでしょうか。
これだけは絶対にやらない。これだけは男として(まあ女としてという言い方もあるでしょうが)恥ずべき行為であり、そんな行動や行為に出るくらいなら舌を噛み切ったほうがまだマシだ、そんな自分なりの心に秘めた「法律」というものを絶対持っているはずだし、それは自らの人生で持ちえた「矜持」と言っても過言ではありません。
だからこそ、生きてゆくうえで、それだけは胸に秘め、それだけは最後まで死守したい。そう思うのです。

M君。僕は今また改めてカルヴィン・トムキンズの「優雅な生活が最高の復讐である」を読み返しています。少しずつですが、丁寧に。
いずれわたしたちはこの世からいなくなってしまいます。そうです、どんな人間もです。
しかしわたしたち、否、僕なんかは特にそうですが、最低最悪のビビリ魔で自分好きでええかっこしいで完璧を求め続ける人間(求めたって叶わないと知っているのにも関わらず・・・)にしてみたら、とにかくそういう「死」とか「病気」とか「有限な残り少ない時間」に対して異常なまで神経質になり、描く理想と今ある現実との大きなギャップに対して、いつまでもいつまでもクヨクヨ悩み続けるのであります。
これって自分ながら、めちゃくちゃ辛くてキツイです。

ただ、時間は待ってはくれません。
日々は凄まじい速さで進み、あっという間に歳を取ってしまう、それが人間の一生です。
世界を旅しながら長寿について研究しているダン・ビュイトナーという人がいます。彼は彼の著書の中で寿命を延ばすための「9つのルール」を述べています。
まあ、長生きしたから人生そのものが楽しくなるなんて短絡的なことは言いませんが、それでも貴重な時間がたくさん産まれれば、それだけ楽しいことや遣りたいことが出来る可能性もまた増えるということはあるでしょう。

彼は言います。
➀適度な運動を続ける。
②食事は腹八分目にする。
③植物性食品を摂る。
④適度に赤ワインを飲む。
➄はっきりとした目的意識を持つ。
➅人生をスローダウンする。
⑦信仰心を持つ
⑧家族を最優先する。
⑨人と繋がる。

結局、すべてはそれほど小難しいことではなく、案外とシンプルなんです。単純明快なんです。
だからM君。
僕たちはこんなふうに、何も分からず不透明で曖昧な現実社会を泳いでゆくほか、辿り着ける道なんてなく、明確な解決方策もありません。
つまり、こうしてもがきながら、一日一日を悩み続けて生きてゆく、それしかほかに術なんてないのです。
長々と脈絡のない言葉を続けてきましたが、要は、こうやって何とか歯を喰いしばりながら無様に生きていこう、そういうことに尽きます。
M君、今日一日を何とか頑張ってください。
ただそれだけです、言いたいのは。
またいつか、一緒に美味しい珈琲を飲みましょう。
Mさん、いやここではあえてM君と呼ばせてください。M君、昨日は久しぶりに会えてとても嬉しかったです。まずはお元気で安心しました。もちろん、心の中では様々な葛藤や苦しみを抱えてはいるのでしょうが・・・。
あなたにここ数か月間のなかで起こった、とてもとても辛かったこと、それはどんなにか苦しい試練だったことでしょう。
自分の人生が大きく変わってしまう、あるいは自分の生活が180度様変わりしてしまう、それもある意味、思っても見なかった外圧によって、すべてが崩れてしまったということ、それは耐えがたいほどの絶望だったと思います。

実は、そんな自分もまた、ここ数か月間、自分の周辺で起こった色んな出来事に対して、心底疲弊し、心が折れそうになりました。夜、眠れない日々を過ごしていました。
他人が信じられなくなり(まあ、ずっと昔から、他人という存在に対する怖さのようなものは抱いてはいましたが)、その底に渦巻いている「嫉妬」だとか「他人の不幸は自分の幸せ」だとか、そういう醜い面をまたまた垣間見てしまったこと、それらに当然起因している出来事でした。

話は少し横道に逸れるかもしれません。
その昔、まだ幼い子どもだったころ、何の切っ掛けでそういう話題になったのかはもうすっかり忘れてしまいましたが、ある日、祖母と取りとめのないと会話をしていた最中のことです。
わたしがお化け(幽霊についての話題だったと思いますが)について「お化けが一番怖い」と祖母に話しかけたところ、祖母は微笑みながらこうわたしに言いました。
わたしがお化け(幽霊についての話題だったと思いますが)について「お化けが一番怖い」と祖母に話しかけたところ、祖母は微笑みながらこうわたしに言いました。
「お化け? お化けなんて怖くないよ、そんなもん。怖いのはね、この世で一番怖くて恐ろしいものはね、それは人間だよ。人間様が一番この世で怖いんだ」よと。

そのときはただきょとんとして聞いていただけなのですが、何故かそのことが頭の中にこびり付いて離れませんでした。
そしてそれが今では本当によく分かります。
そうなんです。人間が一番怖いんです、この世の中で。
絶えず他人と自らを比較し、意識している他人が、転んだり倒れたり笑わられたりするのを見た瞬間、それは瞬く間に爽快感へと様変わりし、心の中でほっと安心するのです。
ああ、自分はそこから免れ、助かったのだと胸を撫でおろすのです。他人の不幸は蜜の味。
それが人間という愚かな生き物なんです。

今日の日曜日、この街は晴天に恵まれ、朝から雲一つない空が広がりました。もうこの街にも夏がやってきました。待望の夏です。
わたしは今日、正午から「スポーツジム」へと赴き、1時間ほど汗を流しながら、頭の中ではずーーっと一つのフレーズが飛び交っては消えていました。
よくこれまでに何度何度も口ずさんだ言葉です。
裏切られた、足を激しく引っ張られた、陰口を叩かれた、あの人とあの人とあの人の姿を想い浮かべながら・・・。
それだけ、最近自分に降り懸かった火の粉があまりにも強烈過ぎたのかもしれません。

それは、「優雅な生活が最高の復讐である」という箴言でした。
そのフレーズが何度も何度も頭の中で浮かんでは消えていったのです。
自らが優雅で充実した生活をし続けること、それこそがあいつとあいつとあいつとあいつに対する最高の復讐なんだと。
そう繰り返しながら・・・。
体重が4キロ増えた。身体が重い。
だからだろうか、ふだん動いていてもなんかキレが悪い。
お腹も中々引っ込まない。ピタッとしたシャツを着ると少しポッコリと出たお腹が目立っている。
無精ひげもあまり気にならなくなってきた。着るものにも無頓着で、お洒落にも関心がなくなってしまった。
音楽は聴いているし、コンサートにもそれなりに行っているし、今年の「サマーソニック」の2日間連続のチケットも買ったけど、何故か心は醒めている。
もちろん、映画館にだって頻繁に通っているし、家でも「Amazonプライム」、「ネットフリックス」、「Disney+」、「ユーネクスト」と、それぞれ加入して毎晩何本もの映画やドラマを観続けてはいるものの、何故か心は昔のように踊らない・・・。

このままこうして終わっちゃうんだろうか?

今日も、直前になって予約していたスポーツジムの「シェイプ・ザ・ボクシング」のエクササイズをドタキャンした。
身体を動かすのが面倒くさくなったのだ。
なので、昼過ぎまで蒲団に潜ったまま、ぼんやりしていた。こうなるともう末期症状だ。何にもしたくない。ヤル気が出ない。
ここまで堕落してしまったのには、当然にしてそれなりの切っ掛けというかワケがないわけじゃない。
ただ呆れ果てるのは、たかがそんな小さなことで(内容は言えないけど)そこまで落ち込み、ヤル気を無くし、鬱な気分に落ちてしまう、こんな自分自身が情けなくなって、またまた負のスパイラルに流されてゆくそのことだ。
こんなに打たれ弱くなってしまったのか、俺という人間は・・・。

ここまでだったか・・・。力尽きちゃったか・・・。
「優雅な生活が最高の復讐である」。
でもそれとは真逆な、そんな五月最後の日曜日の昼下がり・・・。
言いようのない虚しさが海辺に打ち寄せる波みたいに襲って来る。
仕方がないので車を出して、独り「青森港」の尖端まで走って海をほんやりと眺めて過ごす。
憂鬱な雲が空一面に流れ、時々思い出したように五月の小粒の雨が海風と一緒に飛んでくる。でもそれもあっという間の通り雨だ。
あまりにも周りが静かなので、音楽を聴いてみる。
先日「Amazon」から届いたばかりのCDアルバム「SONGS 50th Anniversary Edition」だ。

アルバム2枚組の Disc 2、「TATSURO YAMASHITA Sings SUGAR BABE Live」のほうを聴いてみることに。1994 年に行われた「中野サンプラザ」での4 日間ライブ音源で、山下達郎の「シュガー・ベイブ」時代の楽曲のみで構成された伝説のステージ。今回が初商品化ということらしい。
1975年・・・だと思う。「シュガーベイブ」のアルバム「SONGS」を買ったのは。そこで初めて知ったのだ、山下達郎も大貫妙子も。
当時、こんな都会的で肯定的な音楽を造り上げている日本のバンドも珍しかったと思う。だからいっぺんに好きになった。ポップでメロディアスで洗練された音楽に衝撃を受け、毎日聴き狂っていた。
毎日が日曜日だった。
毎日が青空だった。

あの頃・・・何もかもが新鮮で、未来は濃い霧に包まれ何処までも不透明な風景ではあったけれど、それでも有り余る体力と貪欲な知識欲だけはフルスロットルで、若さは弾けまくっていた・・・そんな気がする。
まさかこんな歳になって、北の暗鬱な岸壁で、独り「シュガーベイブ」を聴いているなんて、あの頃想像すら出来なかった・・・。
もう、こんなにも遠くまで来てしまったんだ、この俺は。

それが今はこんな体たらくときている。
どうしちまったんだ?
世の中の理不尽や不合理や矛盾にすっかり麻痺して、自分自身までミイラ取りがミイラになってしまった。体力と気力はすっかり萎え、昔の活力も消え失せている、完全に。
いいんだろうか? こんなひ弱ってしまった自分で。
いいんだろうか? こんなヤル気を無くしたさ迷い人で。
あの頃の力がもう一度ほしい。それってもはや叶わぬ夢なんだろうか・・・。

そういえば、村上春樹が書いてたっけ。
「Pain is inevitable, Suffering is optional」だと。
痛みはどうしたって避けられない。でも苦しみだけはオプションだ。それは自分自身の選択権なんだから、それは考え方次第で如何様にもなるのだと。
ちゃんとしなきゃな。
ちゃんとさ。
五月ももう後半戦へと突入する。
あっという間に桜は散り、いきなり暑くなってきた。今年は去年よりも猛暑が続くという。異常気象なのか、沖縄よりも先に九州の一部で梅雨が明けてしまった。まったく、地球は一体どうなってしまったんだ?

そんな今日の青森地域は愚図ついた天気。朝から空一面に灰色の空が広がっている。
早めに起きて個人的な所用を済ませ、今日から全国一斉に先行ロードショーされるトム・クルーズ主演最新作映画「ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング」を観に行く。
トム・クルーズが演じる、スパイのイーサン・ハントの活躍を描いたアクション映画「ミッション:インポッシブル」シリーズの第8弾となる作品だ。
それにしても一体何回「YouTube」で「ファイナル・レコニング」の予告編を繰り返して観たことだろう。数えきれないほどである。
なので、この映画だけは日本公開される初日に観ようとずーっと心に決めていた。
それがなんと、封切り一週間前に先行上映されるというではないか。そうなると何が何でも公開初日に観なければ!
早速、市内西部地区にある「シネコン」へと車を飛ばす。
スマホで前日に席を予め予約していたので、ポップコーンと烏龍茶をロビーの売店で買い求め、急いで館内に入っていつもの指定席へと腰をおろす。
お客は満員とまではいかないけれど、それなりに埋まっていた。

定時になり、場内が暗くなっていよいよ映画が始まった。
この僅かな時間がたまらない!
今作も、前作の「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」に続いてクリストファー・マッカリーが監督を務めている。いわゆる前後編の2部作となっていて、出演者もほぼ前作を引き継いだメンバーたちだ。
前作ラストで、世界の命運を握っている鍵を手に入れたことで危機に襲われる我らがイーサン・ハント(トム・クルーズ)の、手に汗握る大活躍が今作でもたっぷりと描かれてゆく。
確かに、息もつかせぬ怒涛の3時間!
アクションにつぐアクションの連続で、これでもかというような派手な展開に終始する。
特に今回は、ラストの大空中戦が凄い!
トム・クルーズが、小型プロペラ機にしがみつく空中スタントシーンはマジで手に汗握る。
ただ、アクション・シーンとスピーディな展開という点でいえば、前作のほうが上だった。
今作はこれまでの集大成ということで、過去の貴重なシーンも随所に盛り込まれてはいるものの、疾走感はイマイチだった。
もちろん、ほかのアクション映画に比べたら、その凄さは半端ないですが・・・。
観たほうが絶対にいい!